じべ。の観てきた!クチコミ一覧

581-600件 / 4323件中
朝のドラマ

朝のドラマ

劇団フルタ丸

駅前劇場(東京都)

2019/07/03 (水) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/07/05 (金) 19:30

価格3,800円

朝ドラにハマっているバツイチ引きこもり女性とそのドラマの世界を併行して描き……(以下ネタバレBOXへ)
両者の関係についてのアイデアがイイし個々の場も良くできていて愉しいが、クライマックスのヤマが低いと言うか、「丘」程度にとどまり「何となく終わってしまった」感覚なのが残念。(あくまで私見)

なお苦言をいくつか。

全席自由で、先行予約者には整理番号があるが、それ以外は整理番号がないというのはどうだろう?
このような場合、先行予約はチケットに記された整理番号順の入場、それ以外は当日受付順に渡す整理番号順の入場というのが一般的ではなかろうか?面倒臭いのかな?

当日パンフレットに出演者の名前のみというのも不親切。「あの役を演じたのは何という役者なんだろう?今後また見たい」と思っても名前がワカらない……。一見さんは相手にしないポリシーなのかな?
配役表があってもネタバレではなかろうし、もしもネタバレであれば終演後に配役表を渡すこともできるだろうに、これも面倒なのでやらないのかな?

さらに、定刻より4分遅れての開演について開演前・終演後を通じて一切触れなかったのもいただけない。
黙っていれば押したことに気付かないとでも思っているのかな?

そんなあたりを今後改善していただければ有難いが……。

ネタバレBOX

観ているドラマのヒロインがあたかも自分の人生をトレースしているように感じられてしまう主人公、という着想が面白く、もしやそのドラマ(あるいはドラマを視ているということ)が何かの比喩・隠喩なのではないか?と深読みしたが、結局は「ただの偶然」程度でしかないのは肩透かし。
それに加えて先述のようにクライマックスで大きく盛り上がることなく(私見)終わるのは何だかなぁ。

とはいえ、ドラマが進んで自分の実人生を追い抜いてしまう、というのは面白い。そう言えば連載中のマンガをアニメ化・ドラマ化した時に原作のマンガに追いついてしまう、なんてことがたまにあるな、などと思ったり。
ノーカントリーフォーヤングメン

ノーカントリーフォーヤングメン

コンプソンズ

シアター711(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 19:00

価格3,000円

地方都市を舞台に繰り広げられる物語は「今様民間伝承(百年後とかに伝説のように語り継がれていそう)」な印象にしてエネルギー?情熱?若さ?のようなものが迸るようなイキオイ。
その一方で落語の「寿限無」ではないがあれこれ取り入れすぎてまとまりに欠け、ごった煮……どころか闇鍋のようになった憾みが無きにしも非ず、そして長いよ。
あと、○○の「○○○スーツ」や○○○を応用した「アレ」などの美術が愉快。

ネタバレBOX

山村での存亡に関わる災害(?)ということで「君の名は。」を、また殺戮事件ということで津山三十人殺しなども連想。

あと、変身後の「マタギスーツ」や獅子舞を応用した「アレ」などの美術が愉快。
MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 14:30

価格2,500円

少し未来、あるいはこの世界とは別の発展の仕方をした別世界の下北沢、劇場跡に住み着いた面々、そして彼らと関わる人々が織り成すドラマ、
ヘンテコな人物ばかりなのに妙に人間臭くコクがあるのが不思議。終盤の「アノ曲」マジックか?(笑)

また、冒頭の小芝居、「いつもの手口か?」と思わせて……(ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

冒頭、妊婦とその夫が芝居を観に来るという小芝居が始まり、そのまま本編に入るのかと思いきや、スマホの電源に関する注意で終わり、一区切りつけてから本編だったが、実は本編ラストでその始まり部分が繰り返されるというシカケ。これ、上手いよね。

あと、終盤で「スタンド・バイ・ミー」を使うのはズルい。(笑)
渋い劇の祭

渋い劇の祭

江古田のガールズ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/29 (土) 13:00

座席H列5番

価格4,000円

【地獄】
2017年12月の初演(?)も観ていたが、記憶が薄れかけていたので「あ、そうだったそうだった」などと記憶の虫干しをしながら楽しく観る。
そしてこういうテーマ、好きなんだなぁ。

ネタバレBOX

ネットの掲示板を通じて集まった者たちが集団自殺をしようと田舎の一軒家に集まるが……というところから、上手く立ち回ろうとする人物に一杯喰わせるラストが痛快!

なお、映画「十二人の死にたい子どもたち」を観た時に微かな既視感を覚えたのはこれを観ていたからか?
ラフカット2019~25周年スペシャル~

ラフカット2019~25周年スペシャル~

全労済ホール/スペース・ゼロ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/30 (日) 14:00

座席10列5番

価格3,800円

1話・2話とも、そして再演(タイトルに覚えがあったので再演と知っていたが20年ぶりとはビックリ)である3話でさえ30分という尺には半端で終わり方が唐突に感じられた。
4話はオリジナル版を知っている身には「同じ時間軸の中の別エピソード」と察することができて「ボーナストラック」的感覚で楽しい。また、オリジナル版の「キモ」を30分の中にきっちり取り込んで巧み。

バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/01 (月) 20:00

価格2,500円

【Sweet編・2ステージ目】
3編それぞれ個性的で振れ幅が大きいDry編に対してこちらは比較的オーソドックスだが、前半が基礎編、後半が応用編と言うか直球2本の後に変化球2本、みたいな。
DryとSweetで対照的だし、リピーター割引はあるし、一方だけでは勿体ないですぜ、皆さん。

ところで池田Pに伺うのを忘れてしまったが、7編のSweet・Dryの振り分けと上演順はどのタイミングで決めたのだろう?
最初から機械的に決めていたのか、脚本を読んだ上で決めたのか?
あるいは振り分けは先に決めて上演順は後からとか?

さて、ホテル、バーと来たが、次は何だろう?(笑)
いやそれよりまずは「バー・ミラクル2」を期待するか。

ネタバレBOX

「キール・カーディナル」(NOMU)
居抜きで新規開店するバーの開店前夜、前のバーの常連客が訪れ……。
新マスターが機転を働かせるちょっと洒落た(または粋な)物語はいかにも「ミラクルの短編集」な印象(私見)で「そうそう、これこれ♪」な感覚が愉しい。

「夢見る少女でイタくない?」(荒井ミサ)
魔法少女バーのフロアキャストに採用された3人の女性がオーナーから魔法少女について共通認識を持っておくよう言われるが、互いの好みなどから空気は悪くなり……。
どちらかと言えば「ラフカット」における堤泰之作品のような味わいだが、これまた短編オムニバスらしい佳作。

「モーニング・グローリー・フィズ」(ダーハナ)
バーの女性マスターは霊能力を持っていて……な優しい怪談(=優霊譚)。
前半の2作に対して「お、今度は変化球で来たぞ♪」な違いをつける構成が巧いなぁ。

「エモくてごめんね」(大逗恭弘)
年齢差の開いたカップルが恋人からパパ活にシフトチェンジして……。
これまた前半と較べれば変化球。パパ活だけに何かする度に課金されてゆくさまが可笑しいが男の立場から考えれば哀しい。(笑)
バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/30 (日)

価格2,500円

【Dry編・初日】
・風変わりな前菜:メタ要素満載のコミカルなミステリー
・じっくり煮込んでコクも出したメインディッシュ:ハートウォーミング
・口当たりが良く後味も良いデザート;コメディ
の異なる味わいの取り合わせが絶妙な3編、大変満足♪(詳報はネタバレBOXへ)
明日観るSweet編も楽しみ。
また、三方囲み客席なので違う方向からも観たいという観客の心理を慮ってか、半券を見せると500円引きになるリピーター割引制も心憎い。

ネタバレBOX

「悪魔のかいせつ」(萩原達郎)
男が気付くと椅子ごと柱に縛り付けられており、血の付いたウイスキーボトルを持った女と2体の死体……という状況から始まるミステリー。
がしかし、女が出て行き1人残された男のモノローグが始まるとメタ要素が満載だわ「死んでいる」2人も回想のために生き返るわと一気にコミカルに。
メタの多用は反則スレスレだが、こういうの、好きだしなんたって面白いんだから文句ナシ。(個人の感想です)

「嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。」(いちかわとも)
バーで離婚について話し合う夫婦。妻が席を外した間に二人と学生時代からの友人であるバーテンダーは夫に本当の理由を問い質し……。
男二人の会話はもちろん、戻ってきて加わる妻も含めて会話の端々から「学生時代からの付き合い」という3人の関係がにじみ出てくるのがステキ。

「力が欲しいか」(高村颯志)
散らかして帰った客の後始末で悪態を吐く中野の脳に「力が欲しいか」という声が響くが……。
「いや、そういうんじゃないので」とそっけない中野に業を煮やして訪れた悪魔はハーフブリードで、などという設定も巧みなコメディ。
いやホント、この3編の上演順は神業レベルでは?(笑)
山兄妹の夢

山兄妹の夢

桃尻犬

シアター711(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/28 (金) 14:00

価格3,300円

劇中の現実・回想・幻想・妄想・夢(?)がシームレスに繋がり、時には境界(?)を越えて会話をしたりもして何が何やら迷宮を彷徨う感覚が楽しい。
その「場のボーダーレス」ぶりはいわば「だまし絵的芝居」、M.C.エッシャーの「滝」「物見の塔」「上昇と下降」などが好きな人にオススメ?
映像化は難しい演劇表現満載で大満足♪リピートしたくもコマの無きぞ哀しき。

ネタバレBOX

冒頭の場で、回想シーンを第三者が「見て」おり、「茶々を入れ」たかと思ったらそれに回想シーンの人物がツッ込んだりとか、大好き♪
また、あの終わり方から、タイトルはそういことか!と思ったが、関係者によれば必ずしもそういうコトではないらしい。
くるっていきたい

くるっていきたい

吉祥寺GORILLA

ひつじ座(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/28 (金) 19:30

価格2,300円

「21世紀も半ばを過ぎた」頃、1人の女性ライターが当事者に取材して解き明かすのは女子プロレス団体「ブロッサム」に起きた2019年の出来事……。
Twitterなどでの事前情報通り「リング上で闘う」し、それどころか「ここは、後楽園ホール?」と錯覚さえさせる(ホントか?:真偽のほどはご覧になってお確かめください(笑))とは恐れ入りましたぁ!

ネタバレBOX

クライマックスのライバル対決場面、その少し前やかなり前などの回想を差し挟みながら進めることで劇的度合いを高めていかにもクライマックスだし、その直前の「両選手入場」の照明効果が豪華(?)かつ巧みで「それっぽい感じ」を出していたし、「ここで、そこまで!?」みたいな。(笑)

また、前半で「なぜプロレスを?」の問いに選手が答える場面、これは「なぜ小劇場演劇を?」に対する吉祥寺GORILLAの回答だと深読み。

さらに終盤で湿っぽい方向に向かうも、回想で締めくくって後味を悪くしないのも(既存の手法ながら)見事。
発明少年天才ピカリ

発明少年天才ピカリ

劇団ミックスドッグス

オメガ東京(東京都)

2019/06/27 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/27 (木) 19:00

2100年と2019年(と2080年)を結んで描く、ある天才発明家に関する物語。
「夢とその叶えかた」を主題に時間ものテイストも交えて125分の上演時間をそこまでは長く感じさせない。

が、2時間超ということを意識してか序盤(とその後も時々)で早口になり、それはまだしもあって然るべき「会話の間」を詰めてしまい、「会話」ではなく「台詞の音読」になってしまったのは惜しい。この内容ならそこまでせず一般的なスピードと間をとった会話にしてその結果上演時間が135分くらいになっても耐えられるのではないか?(私見)

「キャラメル度数」は音楽の使い方を筆頭に主題や表現方法などニヤリとするほど高め。(笑)
また、広瀬正の「マイナス・ゼロ」をご存知の方もニヤリとできるのではないか?
さらに……(以下、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

今回は「ドラえもん」テイストも。
ピカリの発明品の発想はまるで「ひみつ道具」だし、璃久のキャラは一部ジャイアンだよね。(笑)
ハミングバードへようこそ!

ハミングバードへようこそ!

演劇ユニット 少年cycle

サブテレニアン(東京都)

2019/06/20 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/21 (金) 19:00

価格2,500円

母親との確執から生まれ育った小金井を離れ北海道の大学に通い一人暮らしをする玲奈だったが、幼馴染の要請で夏休みの間だけ小金井を拠点とするヒーローショー、キャラクターショーの運営会社の手伝いをすることになる。しかし仕事内容は当初聞いていた「事務処理」ではなくヒーローショーのキャストで……な物語。
そんな内容ゆえヒーローショー(やキャラクターショー)の担当者毎の仕事内容の説明はあるわ基本的にバックステージものだわ、さらに主人公と家族とのこじれた関係の行く末も語り、「まさかのアノ人」の擬闘まであってとてもよくできた作品でありながら「ある理由」によって集中力を削がれたのが残念。

集中力を削がれた原因は、開演後に来場した5人(1人、3人、1人)の客。
開演が6分も遅れたのはコイツらのせいではないか?(しかも遅れせた6分間には到着せず、結局開演してから到着、うち1人はお加減でも悪いのか大半の時間、俯いていらした(まさか寝ていたのではないよね?))もしもそうだとすれば、主宰が開演定刻に客席にいた多くの客よりこの時間にルーズな5人のトンチキを大切にした理由は何か?などの邪念に囚われていたもので。
なお、会場の構造から言って開演後に遅れた客を誘導することに何の問題もなかった。

オフィス上の空プロデュース・トルツメの蜃気楼

オフィス上の空プロデュース・トルツメの蜃気楼

オフィス上の空

ザ・ポケット(東京都)

2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/20 (木) 19:00

座席H列2番

2016年秋の初演は校閲プロダクションのオフィスに会社見学に来ているような「0メートル演劇」ぶりだったが、そこから「劇場版」に変貌。
上演時間も15分ほど長くなり、おそらくユリとアヤの関係が主な加筆部分であろう、初演時は校閲プロダクション部分の印象が強かったが今回はアイドルパートの印象も濃厚に。
そのアイドルパート、終盤で音楽プロデューサーが説く現実の厳しさにいたく共感、と言うか、アイドル志望のコの主張が(設定年齢にしては)夢のまま過ぎてイタい。しかし実際にアイドルを夢見る側にいそうなのがリアル。
そして校閲プロダクションパートもそれぞれ異なる個性の人物がいかにもいそうで引き込まれる。
初演の現場に居合わせているような感覚の刷り込みによるものもあろうが松澤くれは作品で人物や事象への共感度は本作が1、2を争うかも?
なお「春名風花asアヤ」バージョンを夢想したのはσ(^-^) だけではあるまい。

「遮光器土偶デス・エクソダス VS夜明けの令和」

「遮光器土偶デス・エクソダス VS夜明けの令和」

駄目なたすいち

Geki地下Liberty(東京都)

2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/06/20 (月) 14:00

価格3,500円

事情により第1回公演(2014年)は見逃してしまったので2016年の「ギロチン伯爵……」に続いて2度目の駄目たす。
ダイナミックでブッ跳んだ感覚がいかにもで、たすいちが普段カッコつけて、もとい気取って、もとい気を使って(爆)はめている タガ を外している感じ。
あるいは世間体を気にしてかけているリミッターを解除したような?(更爆)
そして脚本の執筆経緯はワカらないが、改元から「夜明けの令和」を思いつき、ペアにするのに「遮光器土偶……」の「あの設定」を思い付いたのならスゴい発想力だな。いや、ゼロの時点からならもっとスゴいか?(笑)
で、縄文だの弥生だのという時代の名称は後から付けられたもの、と知っているだけに敢えてそれをブチ壊して当時の人々も意識していた、とする強引さのもニヤリ。

なお、観ていてツイッターで見たアレはこのことか、と合点がゆくことしばしば。

なんてったって

なんてったって

青春事情

OFF OFFシアター(東京都)

2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/06 (木) 19:30

価格3,000円

加齢によるあれこれから「いつまでアイドルを演っていられるか?」に悩まされていた芸歴20年の男性3人組アイドルグループ、ある日、リーダーのゴシップが発覚し……な物語。
前半は加齢ネタなどで笑わせ後半は解散をめぐっての人情系に転ずるという「一粒で二度オイしい」構成が良いし、会話もウィットに富んで巧みというなかなかの傑作。
ところで男性マネージャーのツッ込み、東京03の飯塚さんっぽくなかったか?(笑)
なお、「いつまで演っていられるか?」とか解散とかのあたり、もしかして劇団活動に関して思っていることなのでは?という深読みも……。

朗読劇

朗読劇

room42

RAFT(東京都)

2019/06/20 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/21 (金) 15:00

価格2,700円

前半はいかにも國吉作品らしいすっトボけた雰囲気で笑えるが、後半で「その真相」を明かすと一転、近い将来、本当にそういうこともありそうでドキリ。
そして真相を知ると前半のあれやこれやの意味がまた違って受け取れるというか、単なる笑いを生み出すためのボケではなく、ちゃんとした理由に基づいたものであることが判明するのも巧み。
第一回公演とはかなり味わいの異なる作品であり、第三回公演はどんな作品になるか、早くも期待♪

THE NUMBER

THE NUMBER

演劇企画集団THE・ガジラ

ワーサルシアター(東京都)

2019/06/18 (火) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/18 (火) 19:00

価格3,500円

いかにも社会主義国のSFにしていくつかの作品を連想。
ヴァンゲリスのあの曲を知っていたのもプラスに作用した。
(詳報はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

開場時から目隠しに手錠の女性が舞台上にいて、開演すると彼女の手記がクローズアップされるので「ドグラ・マグラか?」と。
そうして始まる本編は管理された未来社会が舞台なのでジョージ・オーウェルの「1984」(概要しか知らないが)を連想。さらに比喩的にもそうでなくても薄暗い雰囲気の未来図に「ブレードランナー」も想起。
そうして後半で彼らは「壁の中」で生活しており、外には「劣等遺伝子をもった人々」がいることが明かされ「進撃の巨人」も連想……と言うより、城壁都市(ブルグ)で生活している上流階級(ブルジョア)のことか?と推察。
そんな風に勝手にあれこれと結び付けるのが面白く、カタくて理屈っぽい台詞が多い140分ではあったが、何とか堪えることができた。(←言い方!)

また、冒頭で小さくヴァンゲリスらしき曲(パターンが「アルファ」に似ている)が流れる中、「無慈悲」に関する台詞があり、終盤ではヴァンゲリスの「アルファ」が流れ、無慈悲に関する台詞が再び語られるという対の構造もいかにも。

あと、壁のハーフミラーや床のガラスを使った照明効果も良かった。(と言うか、ここは照明も毎回見事)
トリコロールスター

トリコロールスター

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2019/06/15 (土) ~ 2019/06/26 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/19 (水) 19:30

価格4,000円

【白】なにもない空間の男
劇作家を主人公に据えた、彼が創った物語と彼自身の物語。
メタ構造的な部分もあるがむしろM.C.エッシャーの「メタモルフォーゼ」のように少しずつ変容していきいつの間にか始まりのあたりとはかなり違ったものになっている、みたいなところが好み。

タイトルがピーター・ブルックの著作に因んでいるように、演劇論的な部分もあり、もちろん(というよりは「何故か?」の方が的確か?(笑))アクションもあり、言葉遊びもありではあるが、X-QUESTの新境地と言えよう。
新境地と言えば従来は華麗・キレイだった衣装を内容に合わせて白いシャツ・黒いパンツとシンプルにしたのも新たなパターン。
こういうのもイイなぁ♪

ところでシアターゲームの場面、ガチ?(終えた後の言葉から推察)

カウントダウン

カウントダウン

coconkukanunity

吉祥寺シアター(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/07 (金) 14:00

座席H列14番

価格4,000円

ある児童書に巡りあった女性教師に持ち主の老人はその作者のことを語り始め……とはいえ、中心となるのは児童書の中の物語という三層構造。
その中心部分、望みを叶えるために「迷いの森(だっけ?)」を通り抜けようとする少年たちと彼らの邪魔をする三人組……という冒険もの児童文学の王道的な物語は懐かしく、劇団四季のこどもミュージカルに通ずるような雰囲気も。(ピーター・パンや青い鳥も連想)
また、悪役トリオがドロンジョ一味のように憎めないキャラなのも好み。
あと、マイム表現も良かった。

ネタバレBOX

ピーター・パンと言えば、本作にも「大人になりたくない」というモチーフが出てくるが、終盤でその理由を質し、「どんな大人になるか」が大切だと説くのに感服。
らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/05 (水) 19:00

座席H列1番

服役中に知り合った仲間たちが服役中の縁から地方の廃屋を手入れして共同生活を始めるが……な物語。
こういう設定だと得てして前科があることが知られてしまい共同体の崩壊に、となりがちで、実際第一幕の最後にそれを予期させるが……(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

第二幕の序盤でそこは無事にクリアされて胸を撫で下ろす。
そうして村での暮らしも定着してほろ苦さもありつつ優しく柔らかい印象で進むのはKAKUTAらしい感覚。
そうして迎えたクライマックス、「あぁ、そういうことか、そう言えばいつ頃のどこでの物語か、明かさなかったもんなぁ」と納得。
ホント、揺さぶられたし刺さったわ。
疫病流行記

疫病流行記

吉野翼企画

北千住BUoY(東京都)

2019/06/13 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/14 (金) 15:00

価格3,800円

開場時点から半裸の男優や半透明の樹脂製の袋を被ったり被っていなかったりな女優たちが時折劇中のキャバレーの呼び込みをしており「昭和のアングラ」感満載。
そうして始まった本編も流行っている疫病とキャバレーが戦時中は何に使われていたか、などを語り、何回か歌も入る(1名のミュージシャンが生で伴奏に加わる)というアングラ中のアングラのような内容で、そもそもこの会場が一種の廃墟でもあることから昭和にタイムスリップしたような2時間余を堪能。
なお、石井舞さんが冒頭でナグリを使っていたことにニヤリ。(ワカるヤツだけワカればイイ(笑))

このページのQRコードです。

拡大