じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/05 (火) 19:00

何らかのわだかまりが氷解してゆく様を描いた中編2編。個人的な印象で比喩だが従来は色彩がはっきりしたペン画あるいは細密画だったが本作は柔らかい色使いの水彩画、みたいな?
大学時代の先輩の実家売却を担当する不動産仲介業の男が意外な人物と遭遇し、な「枯れる……」は人情喜劇、転勤する夫に帯同するため退職するアナウンサーの父への想いを描いた「ハロー……」は「今様人情噺」なオモムキ。
はらぺこペンギンの「円熟味」を感じた。

~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ

~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ

月蝕歌劇団

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/04 (月) 13:30

初の白永主宰脚本による公演にして案内役であるアンポンタン・ポカンの紹介により語られる短編2編。
1編目「夢想カルテ」は高取翁脚本で上演もした「ドグラマグラ(夢野久作)」の「ある設定」に基づくものでいかにもここらしい。
それに対して2編目「さんかくのカド。」はもつれた三角関数の顛末でアングラテイストとは無縁、どころか普遍的な感アリ(若干読めたりもするが)。
従来の延長線上と新機軸の2本立て、「蠍座公演」は今後もこの路線か?

第一回蒸気展覧会

第一回蒸気展覧会

蒸気倶楽部

Paperback Studio(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/03 (日) 13:00

日本のラジオ・屋代主宰が立ち上げたコントユニット(?)の旗揚げ公演。
現実の「あること」に対してシニカルなもの、観客の選択によるマルチエンディングなもの、シュールなもの、あの童話とその童話を「あんな形」で結び付けたものなど多彩だがやはり「屋代さんらしさ(私見)」が貫かれていてニヤニヤ。
早くも「第二回博覧会」が楽しみ♪

My cinema paradise 2024

My cinema paradise 2024

劇団S.W.A.T!

劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/02 (土) 13:00

【Cチーム】
かくて3チームコンプリート。演者が違って各チームそれぞれ印象が異なることに加えてCチームは若手人気声優役が女性なのでまた本作の新たな面を観た感じ?
いわば基本のA、応用のB、フリースタイルのC、みたいな?(笑)

阻む壁

阻む壁

Oi-SCALE

新宿シアタートップス(東京都)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/01 (金) 15:00

男が通勤すべく自宅から駅に向かう下り坂に、ある朝突如「壁」が出現して……な不条理系。ある日、障壁が現れ周囲もあれこれ動き出す、という設定は国家レベルでそれが起こる小松左京「首都消失」を個人レベルにしたオモムキ?(笑)とはいえもちろん展開/内容は全く異なり、また「壁」は人生に出現する何らかの障壁の隠喩などでもない(私見)。
壁に翻弄される主人公やいろんな動向を見せる周囲の人々に共感したりしなかったりするのが本作の楽しみ方かも?
また、A列・B列をつぶしC列からE列の席数を減らして(本来の)舞台前に建てられた「壁」の装置が前作で舞台中央にあった段ボール製の壁をグレードアップしたようでポップかつリアルだし、本来の舞台に置かれたあれこれも含めて舞台美術も良かった。
なお、灰二さんの一人語りで始まり、またそれで終わるのはいつものパターンだが、今回初めてロッド・サーリングやタモリ(あるいはバカリズム)を想起したのは内容が「そっち系」に感じられたからか?(笑)
あと、ああいう舞台装置ゆえ複数の出演者さんが「憧れのシアタートップスでの公演に出演できたのに舞台に上がれなかった」と残念がっているのが(申し訳ないが)微笑ましい。(いや、いずれその舞台にも上がれますって!)

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

チャミチャム

水性(東京都)

2024/10/29 (火) ~ 2024/11/02 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/31 (木) 15:00

放課後の3人の高校生。
前半は「ありそー!(笑)」なあれこれを見せてリアリティを感じさせて(そのリアリティは役者の演技によるところも大きい)から後半の「あれ」をフィーチャーした場に進むのが巧い。
そしてその後半では公演会場の外に面したガラスをも効果的に使う演出に舌を巻く。そう言えばここの公演、3回とも会場の外が見える場所を使っており、次回はどこなのだろう?という期待も膨らむ。早くも楽しみ♪

わが星

わが星

TEP+steps

シアター風姿花伝(東京都)

2024/10/24 (木) ~ 2024/10/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/27 (日) 14:00

ビッグ・バンから地球が星としての命を終えるまでを人の一生になぞらえて言葉遊びも含んだ数人によるリズミカルなラップ風パフォーマンスの後に地球や月などを擬人化して誕生から死までを物語る105分、2011年4月に観た本家のままごと版より20分も長いが冗長感や中だるみ感などなくしっかり惹きつけられる。
また、この回はトラブルにより本来の明かりではなく搬入灯での上演となってしまったが、それでもちゃんと観ることができたのは戯曲の力と演技・演出の賜物か?
なお、トラブル発覚から時間がほとんどなかったであろうにこのようなプランを考案して実行した照明スタッフもスゴい。

広くてすてきな宇宙じゃないか【Mura.画】

広くてすてきな宇宙じゃないか【Mura.画】

Mura.画

北池袋 新生館シアター(東京都)

2024/10/25 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/26 (土) 13:00

オリジナルである演劇集団キャラメルボックスで観たのはいつのことであったか?というくらい前のことで懐かしいったらありゃあしない。
そしてかつてシアターアプルやサンシャイン劇場のような大きな劇場で観た作品をこの規模の劇場で「イマの若手」が上演するということであれこれ感慨深く、時折目が潤みそうになった(潤んだとは言っていない)。
ラストの「あの演出」も元を知っているからもあろうが「そう見えた」し照明も手がける(本作では異なるが)奥田演出のアイデアに「そうやったか!」と快哉。
こういうのもいいなぁ。

My cinema paradise 2024

My cinema paradise 2024

劇団S.W.A.T!

劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/25 (金) 19:30

【Bチーム】
前週の【Åチーム】で内容はワカっているがやはり笑ってしまうし、役者個人のオススメ映画紹介パートは原さん・清水さんそれぞれタイプの違う入れ込み方でアツさを感じる。
あと、スタジオとサブを照明で切り替えて表現するのも上手いんだよなぁ。

シみる~昭和歌謡短編集 其の四~

シみる~昭和歌謡短編集 其の四~

はぶ談戯

小劇場B1(東京都)

2024/10/23 (水) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/25 (金) 14:00

3編の短編が最後に結び付くという事前情報を得てから観たがわずかな接点しか見いだせず、エピローグ……というかそれまでの人物が揃う4編目で大いに納得。この巧みな構成に往年の深夜ドラマ「HeartにS(1995年)」を思い出した。
また、劇中音楽(歌&インストゥルメンタル)も元ネタがワカり易くそれを知っていると「似ているが異なる」加減が絶妙で頬が緩む。
いかにもはぶ談戯らしい作品に満足満足♪

おまえの血は汚れているか

おまえの血は汚れているか

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2024/10/18 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/23 (水) 14:00

別々に養子とされてそれぞれに人生を送っていた5人の兄妹があることについて話し合うことになり次男が婿入りした旧家に集まるが……な会話劇。
それぞれに事情があるとはいえ好き勝手とも言える主張をする上に次男の妻の実家なので義兄も余計な口出しをして傍観者である観客まで居心地悪く感じるのはいかにも鵺的。
がしかし終盤でその義兄の正鵠を得た発言などから事態の好転を予測させ、後味が悪くないのは鵺的作品の中では珍しい部類かも?(笑)
「(家族の)血」についてあれこれ考えた90分、良かった。

サラマンドラの星空

サラマンドラの星空

Jungle Bell Theater

萬劇場(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/10/23 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/22 (火) 13:00

星チームを観劇。
メキシコにあると思われる「幻の遺跡」を探す人々の現代パートとかつてその遺跡周辺で起きたことの古代パートが併走して進行するアドベンチャー・ロマン。そして古代の船で遺跡を目指し遭難した現代人の意識がかつて漂着してそこに居ついた先祖に宿り過去を体験する(「THE WINDS OF GOD」を想起)というのがまた浪漫。
そんなスケールの大きい「ホラ話(褒め言葉)」だが、装置はシンプルで、それでも実在感(?)を持たせるのは演技・演出に加えて衣装の功績か?
なお、初演である「サラマンドラの虹」を観ていたどころかそれがこことの初めての出逢いだったが、そのことどころか内容もすっかり忘れていたことに15年の歳月を実感。(爆)

ビッグ虚無

ビッグ虚無

コンプソンズ

駅前劇場(東京都)

2024/10/16 (水) ~ 2024/10/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/20 (日) 13:00

ハプニングバーのプレイルームでイタしていた男女が消失してから3年、消失した男の妻が当時バーにいた面々を集めて真相を探るが……な物語。
序盤の登場人物紹介的な3年前パートこそきちんとしている(?)が、現在パートに入ると次々にタガが外れてゆき混沌混沌また混沌、みたいな。その最中にはそれまでの前提を覆すような台詞もあって、こういうのも好きなんだな。
あと、バー従業員の制服や返り血を浴びたシャツを筆頭とした衣裳、塗装が剥げかかったバーの壁、さらに「あのゲーム」を等身大にした大道具(なのか?)など舞台美術も特筆モノ。これが妙なリアリティを与えているんだよねたと思う。
ということでかつて見たことがある悪夢のような2時間弱を堪能。
がしかし、開演が定刻より9分も押した場合は終演後に何か一言あって然るべきでは?(苦)

My cinema paradise 2024

My cinema paradise 2024

劇団S.W.A.T!

劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/19 (土) 13:00

【Aチーム】
下北沢のコミュニティFM局の人気生放送番組の新シーズン初回、初めてついたスポンサーが視察に来る中、社長の人脈で新レギュラーとなった人気声優は台本以外のことは喋れず……というワンシチュエーションコメディ。
稽古場に作られた三方囲みステージという公開生放送を観ているような臨場感のある場で繰り広げられる物語、劇中でのパーソナリティによる映画紹介は演者自身によるものだわ終盤に人情噺的味わいはあるわで身近というか親しみやすいというか心地よく、そう言えば開場時から会場にいて場を温める出演陣もステキで至福のひと時、的な。

あくたがわさん

あくたがわさん

東京ノ温度

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/16 (水) ~ 2024/10/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/18 (金) 15:00

「あくたがわ」ぐみを観劇。
名作文学・SF的設定・メタフィクションの三題噺を得意とする(そしてその3つは同時にσ(^-^) の好みの要素でもある)ここ、今回は芥川龍之介を題材に。
で、ある役がダブルキャストで男女反転なのも観て納得。ってか元ネタ的には男性を配するところにそういう発想をすることに感心かつセクシーな水野以津美嬢は眼福。

ネタバレBOX

「神田さん」は「蜘蛛の糸」のカンダタ(犍陀多)が元ネタなので男女反転の配役も納得。
売り言葉

売り言葉

平体まひろひとり芝居

雑遊(東京都)

2024/10/10 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/13 (日) 14:00

スパイラルホールでの大竹しのぶによる初演以来22年ぶりなので「何か自転車で舞台を走っていた」以外ほとんど記憶がなかったが(爆)冒頭の「あの曲」で「おや?」と思いその後すぐの言葉遊びで「そういうことか!」と膝を叩く。
以降、多彩な表情と変幻自在の演技に惹きつけられ魅入る。
そして終盤、流れ始めた時に「いやまさかあの曲?」と思ったその曲が意外にもピタリとハマっており冒頭と共に選曲にも舌を巻く。
あと、女中の語りから始まりいつの間にか智恵子になり終盤で女中に戻っている構造やラジオの臨時ニュースでその場の時代を表すのはさすがだね。
現代衣裳で見せる高村智恵子の「怨み節」、面白かった♪

ネタバレBOX

冒頭で流れたのはクイーンの「バイシクル・レース」、ラストを飾ったのはピンク・フロイドの「エコーズ」。
そして冒頭の言葉遊びは「自ら転ぶ車と書いて自転車」。
RTA・インマイ・ラヴァー

RTA・インマイ・ラヴァー

東京にこにこちゃん

駅前劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/06 (日) 13:00

二十代で亡くなった主人公の小学校以降の人生を50分ほどで見せた後に「バグを使って部分部分をスキップして30分に収めれば死を覆してそこから先に進むことができる」というゲーム丸出し(笑)の課題に挑戦する主人公たちを描く。
「演劇とコンピューターゲームの融合」を得意とする(私見)ここだが、また新たな独自の発想をしたことに舌を巻く。まったく演劇を何だと思っているんだ!(笑)

アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国

アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国

お布団

アトリエ春風舎(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

冒頭、登場した姉妹が「これまでのあらすじ」としてギリシア悲劇のオイディプス関連のストーリーを語ってから始まるが、いざ始まるとそこは死体をゾンビ化する技術が確立された3000年後の世界。
そうして語られるのはギリシア悲劇ともブレヒトの戯曲とも異なり、2017年の初演(未見だがCoRich舞台!の公演情報を見た)とも異なる(初演版のアイテムや元ネタの基本設定は踏襲)「思想劇(?)」。
前半では死生観というか、生と死に関する哲学的なものを感じたが、後半では「戦争を起こすもの/戦争を持続させるもの」に言及してあちこちで戦火が起きているイマだけにズシリとした重みを感じる。
あれこれしんどかった。

バック・トゥ・ザ・うんちゃん

バック・トゥ・ザ・うんちゃん

ろりえ

ザ・ポケット(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/04 (金) 14:00

2024年問題対策を誤ったためにほぼロボットに取って代わられた運送業を救うためにタイムマシンで2024年に遡った主人公……というあの映画とその映画の設定を融合させて生歌も取り入れた娯楽作品。
凝ったものとチープなものが混在する舞台美術もその内容にふさわしく、そんなあたりに「三鷹の化け物」(2011年)を思い出したりも。あと、ティム・バートン作品っぽいキャラもいたよね?(笑)

ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/02 (水) 14:00

久々のインターハイ出場で資金調達のため開催された高校卓球部OG会を描いた会議劇。
離れた世代との気まずさに始まり、やがて過去の「不祥事」に行き着き部活の在り方や暴力の是非などに触れて緊張感を昂めてからそれまでの伏線も回収する意外な真相で〆るのが巧い。

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