ゴールドマックス、ハカナ町
桃尻犬
OFF OFFシアター(東京都)
2020/02/05 (水) ~ 2020/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/05 (水) 19:30
価格3,300円
年の離れた妹を溺愛する男とその周辺の人々の物語。
まずはその極端な溺愛ぶりで笑いをとってからシュールな方向に転じ(そこも可笑しい)ブッ跳んだ展開から思いもよらないよらない結末に。
この結末がまた複雑な味わいで評価が分かれるかも?
なお、いかにも溺愛しそうな(爆)堀さん、ツッ込み担当の徳橋さんを筆頭に人物設定も的確……と言うか各キャラクターに説得力(?)があった。
グロサリー
吉祥寺GORILLA
スタジオ空洞(東京都)
2020/02/04 (火) ~ 2020/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/04 (火) 19:30
価格2,500円
一言で言えば「バックヤードのオカしな人々」。
スーパーマーケットの店員休憩所を舞台に繰り広げられる人間模様……というよりは次々に暴かれる人々の本性。
背景として不穏な事が起きている上に照明や音響で不安感を煽っておいてのあのクライマックスはヤだねー。(笑)
が、一部「ワカる!」だったσ(^-^)って……(爆)
また、不安感の煽り方に巽祐一郎監督・脚本「D#1」(1997年)を思い出した。
なお、クライマックスまでに「どゆこと?」「それってもしかして……」な伏線・ヒントがちりばめられているので「そういうことか」や「やっぱり!」だったりする快感もアリ。
不思議の国のアリス・オブザデッド
虚飾集団廻天百眼
ザムザ阿佐谷(東京都)
2020/01/28 (火) ~ 2020/02/03 (月)公演終了
満足度★★★★
百眼版不思議の国のアリスは「闇のアリス」「裏アリス」なオモムキ。
とはいえ元ネタが元ネタだけに普段より血糊やグロは控えめ(手や足が切断されたり内臓が出たりしないもんね)でポップでライト、「気になっていたけれどなんかコワそう」と思っていた方には恰好の入門編だったのではあるまいか?
で、生き残るために上の階に向かう、ということに「死亡の塔」「タワーリング・インフェルノ」などを想起、また、地下で層をなすことに「もしや“蟻巣”?」とも思う。(笑)
また、ポップということでは特に虫系キャラの衣装がファンシーだったのも印象的。
あと、キーとなる固有名詞の綴り一文字ずつのパネルを1枚ずつ持った役者たちが移動して別の名詞にする「舞台上のアナグラム」は燃えよDTフィール(グワィニャオンの前身)の「NOBITA」以来何十年ぶりかで観た。
なお、本作では内臓が出なかったが、奇しくもこの前日に観た芝居では内臓が出ており、さらにその芝居と本作の両方におしゃぶりが出てくるというシンクロニシティがあったのだった。
劇の劇
壱劇屋
シアター711(東京都)
2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/01 (土) 17:00
価格3,800円
芝居をやめたという男のモノローグから始まる一連のシーンがオチをつけて一段落したかと思えば、そこからまた発展し、そのシーンが一段落したかと思えば更に新たに展開し……と時にはメタフィクションも交えつつ次々にシームレスに続いて行くのはエッシャーのメタモルフォーゼあるいはマトリョーシカの如し。
また、中盤から登場する少しずつ大きさが異なる正方形のフレームを使うパフォーマンスは、2014年夏(壱劇屋初の東京公演の時)に池袋演劇祭CM大会で初めて目にした壱劇屋のパフォーマンスと通ずるもので「そうそう、これこれ♪」的な懐かしさもアリ。
そんな特徴的な2つのパターンを融合させた90分、愉しかったぁ♪
それは秘密です。
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/30 (木) 14:00
座席I列13番
価格3,800円
最近の世相批判系の例に漏れず本作も「初演よりリアリティが増して不気味」。
特に加筆修正した終わり方は近いうちに起こりかねない事態で笑えないどころか背筋が凍るよう(←さすがに言い過ぎ(笑))。
本当に変な世の中だこと、くわばらくわばら。
『大人の銀河鉄道の夜』
お茶の間ゴブリン
上野ストアハウス(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/26 (日) 16:00
価格3,900円
独り立ちの機会が巡ってきたことで迷いも抱えたOLとホステスが終電を逃した後に来た列車に乗り込むが……な物語。
「銀河鉄道と言えば」な2作品(+α)のキャラクターとその作者たちがある者はそれらしく、またある者は経時劣化して登場するのが可笑しくかつ見事。
そんなところは「穏やかなカカフカカ企画」的な?(笑)
あと、「星めぐりの歌」をロックアレンジにしたオープニング、さすが秦さん♪
七人のエムザムライ
レティクル座
上野ストアハウス(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/29 (水) 19:30
価格3,500円
タイトルや公表されている内容紹介から「おバカ+エロ系」を想定して臨んだら、プロローグの状況・殺陣を含む演技とも本格時代劇級のソレで、装置もレティクル座史上初な(?)きっちりしたもので「新境地か?」と。
が、本筋に入るとやはりSMベースのおバカ・ナンセンス……ではあったものの、芯となるストーリーと一部の人物設定が娯楽時代劇のセオリーやお約束をきっちり踏まえたもので、おバカとシリアスのバランス配分が絶妙、両方の面でしっかり惹きつけられて危うく感動するところだった……いや、正直なハナシちょっと感動(ってか感心?)してしまった。(爆)
そんなこんなを経て迎えるクライマックス・結末も再びの見事な立ち回りありある種のメッセージありでアッパレ!
なお、この少し前に観た楽園王「授業(Bキャスト)」と使用曲が(1曲だけとはいえ)カブっていたのも可笑しかった。
昇天
Peachboys
東新宿Petit MOA(プティモア)(東京都)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/26 (日) 18:00
お馴染みの前説で「最近のPeachboysは大冒険活劇的な方向になってきてしまったので原点に帰った作品にした」と宣言があり、確かに初期の童貞たちの青春(性春?)物語が展開されるが、終盤にやはり「例のアレ」が出てきて「前説はフリだったんかいっっ!!!」になることも含めて大いに笑った。
で、上演時間は確かに60分なのだが、内容が充実(?)していたのかもっと長いように感じた。(←冗長ということでは断じてない!)
あと、いくつか楽屋落ち気味な台詞もあったが、ギリギリ許容範囲内にとどめているのも巧い。
『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/24 (金) 14:00
座席G列15番
【卒業式、実行】
初演版にブースターを搭載したと言うか終盤でアフターバーナーに点火すると言うかパワーアップしているし、大岡裁き(三方一両損)な落とし所が巧い。
また、どさまわりの遺伝子を継いだキャラが3人くらいいるし、3148の如く2時間ほどの間に大きく成長するキャラはいるし、ナイゲンを知っているとより楽しい。(ナイゲン(全国版)の翌年の3148と浅草ナイゲンの前年のどさまわりの物語説(笑))
さらに、初演版よりも自主自立や自由というものが色濃くなったような。小さな自主自立と大きな自主自立との対比(?)とか。
あと、この会場ならではの演出は臨場感があった(生徒総会の方の予測はしていたが、こちらでもあるとは♪)し、後方のB席は見易くて結果的にアタリ。
『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/24 (金) 19:00
座席G列15番
価格3,800円
【いざ、生徒総会】
初演(2019年6月)もアガリスクとしての公演ではなく、出演者にアガリスクメンバーがいない(常連さん(?)はいる(笑))こともあり、アガリスク色が薄い気がしないでもない。
がしかし、確かに冨坂作品でもあり、音楽で喩えれば「ナイゲン」と「卒業式、実行」がバンドのアルバム、本作はソロアルバム的なポジションか?(笑)
口から出任せでその場をしのぐだけの人が最近、「国民の声は憲法改正」などと妄想に囚われたアタマのオカしい発言をしたために終盤の会長が初演時以上にそのトンチキに見えてしまう。国政であんなことをやりかねない恐ろしさ…
なお、生徒会室が初演と比べてやたらに広いが、少子化により創立当時より生徒数が減ったことでできた空き教室を生徒会室に転用したものと解釈。(笑)
イヨネスコ『授業』
楽園王
サブテレニアン(東京都)
2020/01/21 (火) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/23 (木)
23日に15時半開演のBキャストと20時開演のAキャストを続けて観劇。
長堀版「授業」は2012年の長堀博物館、2016年の楽園王に続き3度目になるが、プロローグ……というか「何が起こるのか」を先見せしたパートが付き、エンディングも長くなった今回は過去2回の「ノーマル版」に対して「ディレクターズカット」的なものか。(なんでもこちらが本来のものらしい)
そして冒頭とラストが増えた分、「葉が痛い」で始まり「葉が痛い」で終わる「ドグラ・マグラ度」が薄れた感はあるが、これはこれで意義があるような。
で、本作、不条理劇と言うよりはブラックコメディ……どころか、7~8ならいざ知らず39だの40だのの数字による無理さとか次の生徒を迎えるとそれまでがリセットされる教授とかで「んなワケねーだろ!」になるナンセンスコメディな気がする……(笑)
また、「私の祖国は……」のロジックは、英語の直接話法と間接話法(You said “I love you”とYou said you love me.)あるいは否定疑問に対する答え方に近い感覚ではないか、と今回初めて気付いた。
あと、ダブルキャストは「味変」というのは昨年思いついた比喩だが、本作は一部の音楽も異なるのでもはや唐揚げのタルタルソースとおろしポン酢的な、そしてそのどちらも「アリ」なのが美味い……もとい、上手いところ。「1+1が2以上になる」面白さだった。
(そう言えば音楽も唐揚げのソースも「かける」のが共通(爆))
里見家の人々
シアターまあ
シアター711(東京都)
2020/01/14 (火) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/15 (水) 15:00
価格4,000円
かつては七人姉妹が住んで賑やかだった家も結婚や独立で今は済む者は少なくなったが、出た者たちも何かと理由をつけて立ち寄り……な姉妹7人と従妹、うち1人の夫と元同級生という男性2人による会話劇にして昭和に人気を博した「ホームドラマ」が令和版になって帰ってきた、的な懐かしさアリ。
また、短めの場が暗転を挟んで次々に展開する「四コママンガの単行本版」のようなツクリも面白い。
あと、終盤で妹の悩みに助言する長女がカッコ良かったなぁ。
なお、当日パンフレットの姉妹たちの役名を見て「それで里見家なのね」というのも妙案。
一角仙人
演劇ユニット 金の蜥蜴
ザ・ポケット(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/22 (水) 19:00
座席L列7番
価格4,500円
能楽を題材に独特の作品創りをする金の蜥蜴、今回は元々はインドが舞台という異色作品を取り上げる。
当日パンフレットにもあるように元ネタは非常にシンプルな話ゆえ、その前日譚(=エピソード0?(笑))を附加したり登場人物を増やして彼らの人間ドラマも描いたり、さらに結末も…(自粛)…と、いわば小噺を一席の落語にするような膨らませ方をしているのが面白い。
よって観劇前に能楽「一角仙人」のあらすじ(ネットで検索すれば簡単に見つかる)を一読しておくことを強く推奨。
『僕と死神くん』『KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち』
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターサンモール(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/21 (土) 13:00
座席O列4番
価格5,000円
【僕と死神くん】
2009年に劇場MOMO、2011年に吉祥寺シアターで上演された「よーい(2011年は「よ~い」表記)ドン!!死神くん」の改題三演目にして「こい!ここぞというとき」(2008年、2012年、2016年に上演)と共に親子愛が前面に出た作品。
本作(の初演)以降、ポップンマッシュルームチキン野郎が描く家族愛は夫婦愛になっていったような気がする。(全作品を観ているワケではないので異論反論歓迎)
旅館の浴場で鉢合せして(息子は相手が実父と知らない)息子の嗜好が自分と同じと知り喜ぶ父、の場面が初演から大好きなんだよなぁ。
共演者
2223project
小劇場 楽園(東京都)
2020/01/09 (木) ~ 2020/01/15 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/13 (月) 14:00
価格3,500円
高校演劇部の同期だった女優4人が再集結しての公演初日開演前の楽屋には何やらぎこちない空気が漂い……な状況から始まる物語。
デフォルメされているものの、小劇場公演の裏で「もしかするとあるかもしれない」事態に笑いながらもヒヤリ。(笑)
また、かつての高校演劇部同期であるがゆえの遠慮のなさ(甘え?)や羨望・嫉妬による反発・仲違いとそこからの(時を経ての)回復(?)もさもありなんと言うかリアルと言うか、いかにも高校時代からの長い付き合いらしくて巧み。
その感情表現たるやこの少し前に観た「十二人の怒れる男」ならぬ「四人の怒れる女優」みたいな?(笑)(いや、どちらかと言えば「怒れる」は主に二人で、残った二人のうち一人は怒るよりも関係を修復しようと懸命になるのだが……)
あと、時々小劇場系の自虐気味なネタもあってニヤニヤ。
しかし楽屋が舞台で女優(役)が四人いると、「何人かは生きていないのではないか?」とか思っちゃうよね。(謎笑)
NIGH
劇団粋雅堂
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2020/01/16 (木) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★
鑑賞日2020/01/16 (木) 19:00
価格3,000円
レトロSF的な世界観だけは伝わるが、作家さんの脳内にあるであろう時・場所・状況が明確に伝わって来ないし、上演時間の9割以上(?)鳴っている生で操作する電子音が集中を妨げるので何が何だか……(白目) 作家さんとのセンスが合わなかったようで。
その電子音は決して「音楽」ではなく、短いフレーズであったり単音を間隔を空けて鳴らすものであったりで台詞への集中を妨げる「ノイズ」にしかなっていず、台詞だけを聞かせると何らかの不都合があるのか、台詞だけで訴える自信がないのか?という疑問がずっと継続。(後から電子音の主が主宰だと知って「あぁ、なるほど!」(毒))
また、開演前パフォーマンスの後始末で開演が4分ほど押すというのは本末転倒では?ただでさえ2時間を超える上演時間(それが告知されたのも初日前夜)なのだから定刻に開演するよう努力すべきだろう。
あと、アフタートークも本編に関することはほとんどなく、お友だちとのロボット談義みたいだったのもいかがなものか。ここまで不毛なアフタートークは初体験。
さらに、「開場は開演の30分前」だけで受付開始タイミングの情報が一切なく(当日、会場前に掲示されただけ)、受付開始が開場と同時なら百歩譲って理解しないでもないが、受付開始がそれより早いのにその旨を事前に告知しないことにスタッフの神経を疑う。
そう言えば客席担当スタッフ(2名)も、空席を把握して客を誘導するようなことは一切せず、ただ立っているだけの「お飾り」だったし。
NIGHについてはチラシに説明がある(σ(^-^) はチャペック「RUR」のロボット的なものととらえた)が、例えば22世紀初頭人類が他の星への移住を始めた(あるいは移住を余儀なくされた)頃であるとか、軌道エレベーターの説明とか、船・列車と呼ばれるものが宇宙航行手段のことであるとかの説明が当日パンフレットにあればまだ少しは理解できたかもしれないが、それすらないのは主催者側の怠惰以外のなにものでもない……というか、そこまでの余裕がなかったらしいが。(猛毒)
そして知人から聞いたところによれば、これでも以前よりは相当改善されたそうで、いずれにしても「一見客」には決して向かない作風であると思った。
イケてるともだちX
なかないで、毒きのこちゃん
ザ・スズナリ(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/11 (土) 14:30
価格3,500円
出演者発表時にあまりの「異色顔合わせ」ぶりに「ごった煮?いやむしろ闇鍋では?(爆)」と思ったが蓋を開けてみれば変化球投手二度目の直球勝負、的な。
いや、毒きのこちゃんだけに物語にブッ跳んだ部分もあるものの基本的な構造は得意技である(?)メタ要素などを排した王道系。
多少の繋がりが見えたり見えなかったりの4つの軸が併走してどう締め括るのか?と思っていたら「だからあのお二方を起用したのか(得心)」なしっとり部分を経て「そう来るんか~い!」だしね。(笑)
また、序盤のアレに「その反応はもしやあの映画?」と読んでいたら、終盤のソレで「やっぱり!」(笑)。他にも「それ系映画」ネタがチラホラあって元ネタ探しも一興。
さらにイマドキらしからぬ(偏見?)純情可憐な女子高生のオトメゴコロ(まさかの大島さん……と思いきや、実はコメディエンヌとして劇団東京都鈴木区で実績がある)パートもあったりしてその意味ではやはりごった煮?(笑)
そんなこんなでとても楽しかった♪
欲を言えば今回のあんな方やそんな方に、いつかロビーやオペブース、楽屋などでわちゃわちゃして頂きたいものです。(ほぼ真顔)
十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/10 (金) 20:00
古くは1985年の石坂浩二演出、1992年の俳優座から、ULPS(2011年)、劇団チョコレートケーキ(2011年)、オフィスコットーネ(2011年)、えにし(2015年)、東京ジャンクZ(2018年)、ナイスコンプレックス(2018年)、劇中の休憩で休憩をとったもの(2013年)、四方囲みにしたもの(2015年)など二桁回数観ている作品ではあるが、戯曲自体の出来に加えてそれぞれの演出・アレンジの違いもあり、さらによく知っていて先が読めるだけに「来るぞ来るぞ……キターーーっっ!!!」も複数あって何度観ても面白い。
(ちなみに劇中の休憩で実際に休憩をとったものは休憩前後のバランスが悪く、四方囲み客席は見取図を掲示できず(各陪審員にA4サイズの紙で渡した)ともに「やってはいけない演出」だと思う)
常々思っていることの一つに「悪役・憎まれ役が憎たらしいほど物語は盛り上がる」というのがあり、本作はまさしくソレで、根強い有罪派(論理的な4号は除く)の「なんだコイツ!」度の高さたるや。(笑)
また、一昨年の東京ジャンクZ、ナイスコンプレックスの公演同様、元の戯曲にある「議論に入る前の席の交代」を省いたので、陪審員たちが番号通りに並んで座っいるのも終演後に役者名の確認がしやすくて親切。(戯曲では一旦陪審員番号通りに座るものの「この席は風が入って寒い」と言う人がいて、「じゃあ私と代わりましょう」となり、番号がワカりにくくなる)
なお、今まで「ナイゲン」を観ていて「十二人……」を思い出したことはあったが、今回は観ながら「ここがナイゲンのアレの元ネタか?」があり、そういう意味でナイゲンファンがこれを観ても面白い筈。(例えばナイゲンの議長が何度か口にする「あの台詞」は「十二人……」のまんまだし、どさまわりのキャラは「十二人……」の人物2~3人の混合だし、まだ他にもあるし、そういう楽しみもある)
さて、次に本作を観るのはどんな配役、どんな演出になるのか、今から楽しみ。
(本公演)土木座
guizillen
王子小劇場(東京都)
2020/01/03 (金) ~ 2020/01/06 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/06 (月) 14:00
価格3,000円
祖父の死を機に別々の生き方を始めた三姉妹がそれぞれに出会うちょっと変わった人々……な物語。
じわじわっと始まり以降だんだん華やかになるもラストにモノ哀しさが漂うのは線香花火の如し。(初演時は気付かなかった)
また、どことなく微かに文学臭もしたようだが、たぶん気のせい。(爆)
逆にジブリっぽさは随所にパロディあるいはオマージュがちりばめられていたからであり、気のせいではなかろう。(笑)
再演なので出演者が倍増くらい?と思ったが初演も出演者は15人いたのだった。梟門で15人なんてバカだなぁ!(笑)
で、その人数ゆえ、メインの芝居の後方や脇であれこれ演っており、2回観て最初はメイン、2回目はワキを注視するのが理想的かも?
何も変わらない今日という日の始まりに
劇団皇帝ケチャップ
ザ・ポケット(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/22 (日) 16:00
座席M列3番
価格4,000円
【Team空】
やはりダブルキャストは「味変」。演者の違い、立ち位置の違い、さらに僅かな間合いの違いで印象がだいぶ変わる印象。
「リアリストって漢字で書けないくせに」というからかいに対して前日に観たTeam海では「えっと、リ……もともと漢字じゃないじゃない!」(天然?ノリツッ込み?)とツッ込むまでしばしの時間を要したのに対しTeam空では割と早く、それによって人物のキャラがガラリと変わって見えた。
あと、その「漢字で書けないくせに」とか「主に私が」とかのやり取りが愉しい……ってかいつもながら巧い。