じべ。の観てきた!クチコミ一覧

3481-3500件 / 4325件中
雨の一瞬前(再演)

雨の一瞬前(再演)

ユニークポイント

ザ・スズナリ(東京都)

2009/08/14 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

秋葉演出と通ずるような
昭和20年の東京、姉妹だけが残されて休業中の旅館に仲間を集団脱走させた上に雇い主を殺した朝鮮人2人が転げこみ…という状況から始まる静的な85分間、余分な説明を排し凝縮された感覚は SPIRAL MOON の秋葉演出と通ずるような。
舞台で演じられた出来事のみならず、そうなるに至った背景=日本の過ち…というよりも過去の歴史上の侵略者たちの横暴、身勝手さ全般について考えさせられる。
井上ひさしの『きらめく星座』や『闇に咲く花』とはまた違った形で「忘れてはいけない、風化させてはいけないもの」を語り継いで行く作品だけに折ある毎に演を重ねて欲しい。ただ、本作は前述の通り説明的な部分をかなりそぎ落としているだけに、受け取る側(特に若い世代)がそこまで読み取れるかどうかという問題はあるかも?

Sea Man

Sea Man

劇団Spookies

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★

なんだか残念な出来
自分のとるべき道が見えない徳川家茂が、上野彦馬の寫眞館で出会った神父の口利きによって海援隊の訓練に参加して…という実在の人物たちを使った架空の歴史もの。
その大胆な設定や「自分が定まっていない者は写真にも写らない」とする部分などは面白いが、ドタバタコメディ風の部分があったかと思えば戦うことの意義などに関するシリアス気味の部分もあり、あれこれ取り入れてスタンスが定まらないさまはまさに劇中の家茂の如し。
やはりあのアツい幕末を生きた人々とドタバタコメディは相容れないものなのか? なんだか残念な出来。

兄おとうと

兄おとうと

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

なんとなくアウェー感アリ
政治学者吉野作造、政治家吉野信次の兄弟それに彼らの妻を中心とした(その4人が固定、あとのいろんな役は2人の役者が兼任)二幕五場、その構成ゆえ、第一幕(三場)が100分、第二幕(二場)が70分とアンバランス…。
しかも樋口一葉、太宰治、吉良上野介などと違ってあまり馴染みのない人物だけになんとなくアウェー感アリ。
また、第一場は作造31歳、信次21歳という設定で、大鷹明良が21歳の役を演ずるというのは芝居のウソとはいえいささかムリが…(笑)

ネタバレBOX

一方、第二幕で説教強盗が押し入ったり、泊まった温泉宿で「やかましい!」と苦情を言いに来た男性と女性が生き別れ状態だった兄妹(=『花よりタンゴ』を連想)だったりというのはは井上ひさしの真骨頂?
ただ、エンディングでせっかく再会した兄妹がその後戦争で命を落とした旨語られるのは後味があまりよろしくない…。反戦メッセージであるにしても「イタチの最後っ屁」みたいなやり方はいかがなものか?
なお、最終場の直後に作造が亡くなるのは歴史的事実であることに加えてwikipediaで予習した身として既知の事実なので問題なし。
ところでメイン・テーマ的に使われる曲がチャップリンの「ティティナ」というのは、作造が鼻ヒゲに山高帽だからか?
幕末のドリ府

幕末のドリ府

演劇配合サプリメンツ

ザ・ポケット(東京都)

2009/08/13 (木) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

ドリフネタが少なかったのはちょっと残念
チラシなどの説明とタイトルから幕末ものにいかりや長介とザ・ドリフターズを合体させたものというのは推測できたものの、その割にはドリフネタが少なかったのはちょっと残念。
入浴シーンで「いい湯だな」を口ずさませたり三味線で「タブー」を奏でたりする小ワザは巧いが肝心の5人の「男芸者」によるコントをもっと盛り込んで欲しかった。(そうすると全体のバランスが崩れるような気もするが)
とはいえ、勝、桂、坂本、西郷、中岡、高杉、新撰組隊士から家茂、慶喜や天璋院、和宮など「幕末オールスターズ」的な人物たちによるパラレルワールドでの「大政奉還秘話」、虚実取り混ぜ面白可笑しく殺陣まで盛り込みバランス良く描いて楽しい。
また、舞台後方に日本地図(蝦夷を除く)を掲げ、その部分部分にピンスポをあてることで舞台上で演じられている場がどこ(京、江戸、長州、薩摩など)での出来事かを示していたのはナイスアイデア。

リカ

リカ

ウエストエンドスタジオ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2009/08/07 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

女性ストーカーの方がよっぽどコワい
妻子ある会社員が、出会い系掲示板で知り合った相手に携帯番号を伝えたところ、数時間で25回もコールして留守電のワクいっぱいの20件もメッセージを残すという偏執的な女性で…という五十嵐貴久原作(未読)のサイコホラーの舞台化。三池崇史監督で映画化された村上龍の「オーディション」(映画を観てから原作を読んだ)もそうだったように、オトコの側からすると女性ストーカーの方がよっぽどコワい。非力であるがゆえに相手の自由を奪ってから「処理する」んだもの…。
観終えた翌日に原作をパラパラと拾い読みしたら(若干の省略はあろうけれどが)かなり忠実な様子ながら、時系列的に並んでいる原作に対してこちらは主人公が刑事から被害に遭った友人の状況を告げられるところから始まり、そこまでは回想として挟み込む構成。その「友人の状況」がショッキングなので十分に「ツカミはオッケー」。
また、音の使い方が絶妙で、「リカのテーマ」的に使われる音楽は回転が微妙にズレている上に傷の入ったアナログレコードのように同じ部分が何回か繰り返されてから先へ進む部分まであるという凝りよう。これで不安感をより強めるシカケ。
ドアスコープを覗くとそこにリカがいるシーンは、「ドーン」という音と共に下手後方壁(紗幕)の奥にリカの姿が浮かび上がる(←某二人芝居のラストを連想)という演出で、これも「音の力」が大きいし。
さらに、携帯で話している相手の声がもれて聞こえる表現も完全には聞き取れないものの相手の話す調子はわかるという音量なのがリアル。
黒一色の装置も含めて、この会場の特質を活かしたツクリになっていたのは、プロデューサーがここの支配人だからか?

立体文学 『むらさき源氏物語』

立体文学 『むらさき源氏物語』

ストーリーテラーズ

ドーモ・アラベスカ(東京都)

2009/08/12 (水) ~ 2009/08/12 (水)公演終了

満足度★★★★

独自の世界を展開
3月に谷中のギャラリーで上演されたものの再演(一部改訂も?)、瀬戸内寂聴の「女人源氏物語」と田辺聖子の「春のめざめは紫の巻 新・私本源氏」をベースにリーディングと芝居の中間的な独自の世界を展開。(そもそも「リーディング」が朗読に近いものから芝居に近いものまで幅広く指すのでエラく曖昧だが)
今回は前半の瀬戸内パートの「本編内容が古典の授業」という劇中劇スタイルをとりつつも、終盤で授業シーンに戻ってもまだ本編の人物がチラホラするという「胡蝶の夢」的な処理にニヤリ。この「胡蝶の夢」系も好きなパターンなのでついつい頬が緩んでしまう。
もちろん短歌にメロディをつけてミュージカルっぽくするという趣向も面白かった。(しかも伴奏がウクレレとリコーダー、オカリナだし…)
あと、谷中の時に気付かなかったこととして、田辺パートで関西弁を使っており、しばし「田辺聖子らしいなぁ」と思ったものの、考えてみると京が舞台なので関西弁で当然だったのね。
で、開演前と終演後には料理と飲み物も供されてさながらホームパーティーのオモムキ…どころかむしろホームパーティーそのままで、演ずる側と客あるいは客同士の交流の場になるのもここでの公演ならでは。

エモーショナルレイバー

エモーショナルレイバー

ミナモザ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

どんな仕事にも苦労が…(笑)
「組織系」ではない「民間の」(※)振り込め詐欺グループの事務所を舞台とした物語で、どんな仕事にも苦労はあるんですねぇ…ってか、ああいう仕事も普通のオフィスとおんなじじゃん、みたいな。(笑) 
※ という印象を受けたが後からつらつら考えるに抜けようとすると「ゴッホにされる」なんてところはやっぱり「組織」的か?いや「組織」ならそんなナマやさしいモノではないのか?
 
で、「店長」が1週間の売り上げ順位を発表して下位の者を叱るシーンは妙に身につまされる。ああいう時って叱られていない側もシュンとしちゃうんだよねぇ…ってか、何がカナしくて劇場でそんな気持ちを味あわにゃならんのさ!(笑)
また、登場人物それぞれ「あぁ、いるいる」な個性が面白かったが、「エンジェル」の空気を読「ま」ない・&相手がどんな反応でもメゲないというマイペースなキャラは強烈。ああいうのを少しは見習った方がイイか?(爆)
ところでアレはすべて9月中の、つまり1ヶ月に満たない期間の出来事?
連作短編的に短めのエピソードを暗転でつなぐスタイルで、暗転の間に経過した時間は観客の想像に委ねられるワケで、しかし壁に貼ってあるカレンダー(1ヶ月分で1枚のもの)がずっと9月のままだったもんで…。
そこんトコを、壁掛けの日めくりカレンダーで表現すればもっと親切だったのではあるまいか。

線 線 線

線 線 線

P企画

RAFT(東京都)

2009/08/08 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

単調にならない工夫アリ
6組出演によるパフォーマンスライブ。コンテンポラリーダンスや比較的オーソドックスなダンスパフォーマンスにお絵描き+オブジェ製作や一人芝居風なものも挟んで単調にならないよう工夫した構成もなかなか。

とかなんとか

とかなんとか

コロブチカ

RAFT(東京都)

2009/08/08 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

次々と変容
オープニングとエンディングがダンスで、それに挟まれたパートが一人芝居…というか、やはりこれも「パフォーマンス」というのが適切?
エッシャーの「メタモルフォーゼズ」のように1つのイメージから連想ゲームのように次々と異なったフェーズに変容してゆく、みたいな感覚。
で、アレは歯医者の待合室でまどろんでいる状態ってところかしら?

カスパー彷徨

カスパー彷徨

unite d'Habitation

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/08/04 (火) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

講釈師、観てきたような嘘をつき
現場に「カスパー」という血文字を残す連続殺人犯と家族を殺されながらも彼に同行する少女、彼らを追う刑事コンビを中心とした物語…でありながらもサスペンスではなく人間ドラマ。
「講釈師、観てきたような嘘をつき」とはよく言ったもので、生々しいというか臨場感があるというか、会場のサイズも相俟ってまるでその場に居合わせているような感覚。
また、瑞々しく不安定さと危うさを持つ「未成年側」とオトナのふてぶてしさを持つ「成人側」の対比がクッキリしている上にキャストも設定年齢に近いために非常にわかり易い。ステロタイプではなく、たとえば碁盤の目のような京の街の如くスンナリとのみこめる、みたいな?(←かえってわかりにくい表現にしてしまったか(爆))そんな「潔さ」はやはり「女流劇作家」というより男性的と言えるかも?(笑)

来来来来来

来来来来来

劇団、本谷有希子

本多劇場(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

フルスロットルの「本谷節」…
…どころかそこに水溶き片栗粉をたっぷり加えて熱処理しました、みたいなドロリとした感触。(笑)
男性作家では女性たちのこういう関係をこんな風にドロリとしがらもユーモラスに描くことは難しいのでは?(鬼才K氏なら可能か?…でもちょっとタッチは違いそう)
しかも主人公と義姉・義母がりょう、松永玲子、木野花という「超」がつくほど強力な布陣で、そこに『腑抜けども…』映画版で演技開眼した(←私見)若手実力派の佐津川愛美(実は今回の一番の目当て)も加わっているのだから女優系としてはタマラン。(本谷作品常連の吉本菜穂子は今回はワキに徹していた感じ)
で、実は内容的にはその「ドロリ」がやや苦手ではあったものの、『カッコーの巣をこえて(あるいは巣の上を)』のチーフ・ブロムデンが脱走するラストを想起させる結末でスッキリ。終わりよければすべてよし、といったところか?

バッシュとコルガの森

バッシュとコルガの森

劇団やったるDAY!

TACCS1179(東京都)

2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

こういう路線もイイな
地球によく似たどこかの星あるいは神話的世界の森で、かつて一つにまとまっていたが力での解決を主張するバッシュ派と言葉で説得すべきとするコルガ派に分かれてしまった両陣営が、時を同じうして相手の様子を探るスパイを送り込み…という物語。
主張は違えど実は似た者同士ということで、双方ほぼ同時に似たような状況になり、鏡像のような演技でところどころ台詞がユニゾンとなる演出が楽しい。ユニゾンと言えば、かなり多い出演者による群読もキチンと合ってちゃんと聞き取れるのも見事だし、その群読があるプロローグの部分では舞台が黒一色なのにわずかな暗転の間にカラフルな森を出現させる転換も鮮やか。

FAKE

FAKE

劇団伍季風 ~monsoon~

アイピット目白(東京都)

2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

「家族とはどうあるべきか」を説く
父と娘3人息子2人の6人家族が長女の交際相手から家族ぐるみでの食事に誘われ、その予習にと揃って出かけた留守宅に怪しい3人組が侵入し…というところから始まる物語。
前半は懐かしき「昭和のホームコメディ」で、個人的には楽しいが一般的には「何故にイマドキ」的な批判もあるかも?な不安もあったものの、後半で「家族であるがゆえの甘え」を俎上にあげてチョイ辛な、しかし「家族とはどうあるべきか」を説く展開になり、そのテに弱い身としてホロリ。
終盤で亡き母の代わりを務めてきた長女が思いのたけをぶつける場面では「家族だからといってわかったつもりになってはイケナイ」「言葉にしなければ通じないこともある」なんてことにあらためて気付かされたし、それが原因で交際相手とその母に迷惑をかけた責任を一家の代表として素直に詫びる父、そしてそれまではイヤミな金持ち夫人でありながらその意気を感じ取り許す相手の母がイイ。
で、長女もそんなになる前に気持ちを家族に訴えればイイのに、と気付いたのは観て1日経ってからだったり…(爆)

「/.jp」 ~幕末月光傳~

「/.jp」 ~幕末月光傳~

しゅうくりー夢

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/03 (月)公演終了

満足度★★★

「幕末庶民傳」なオモムキ
ここ1ヶ月ほどでも3~4本目の幕末もの、最近は本当に多いと思って臨んだら何と新撰組も龍馬も登場人物としてどころかウワサ話にすら名前も出て来ないという。(生前の龍馬は無名だったそうなので庶民の話題にのぼらないのは当然か?)
がしかし、前半はともかく後半の展開には幕末という時代背景が色濃く反映されており「幕末庶民(←ちょっと違うか)傳」といったオモムキ、なかなかにユニークな「幕末もの」としてその発想に感心。
しかも、前半の展開は助っ人として見込んだ清志朗が実はダメダメなことを筆頭に半ばお約束的なものながら、女親分側のナンバー2が「志のため」と反旗を翻して以降は先が読めず、一念発起して剣術を身につけた(ただ、急に上達しすぎの憾みアリ)清志朗が事態を収拾すべく走り、2人の元オヤブンがサポートする痛快時代劇なクライマックスにはワクワク。

肩の上で踊るロマンシングガール

肩の上で踊るロマンシングガール

「佐藤の、」

新宿眼科画廊(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

ディテールがリアル
同棲中のカップルの男性がある朝目覚めると女性に変身していたという「突拍子もない」設定ではありながらディテールがリアルなので全体が絵空事にならず、説得力さえあるのが巧い。
2人のちょっとした会話とか「クラムボンの手書きPOP」のエピソードとか、ホントに自然と言うか、リアリティがあると言うかで見事。
さらに、
「映画、面白いといいね」
「面白くなくても2人なら「つまんなかったね」って盛り上がれるじゃん」
なんて会話もイイんだなぁ。(ホロリ)
また、根岸絵美の演技も、「カラダは女でもココロは男」ってか「元・男」な感じがモロで(笑)、これまた説得力アリ。
で、2回ほど(ソロ&デュオ)ダンスっぽい部分があったのはいかにも広田淳一演出。(笑)
終盤の別れは、仲が良くて「ケンカしたワケでもないのに何でアイツら…?」なペアにも似て…。(そういうカップルを比喩で描いたということではなかろうが)
あと、小屋造りつけの「物入れ」を装置としてうまく使ったアイデアとか、冒頭の朝の白みや途中での切れかかった電球を表現した照明効果などもナイス。
次回はどんな顔合わせでどのような内容になるのかわからないが、早くも期待。

喜劇工房 あちらのお客さまから

喜劇工房 あちらのお客さまから

produce unit 大森そして故林

駅前劇場(東京都)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

夢の顔合わせ
コントのような二人芝居三場で下地を作っておき、全員が揃っての第四場で人情噺的に締めくくる構造が巧み。オチが若干甘い気もするが劇団離風霊船、ペテカン、and Meそれぞれのファンとして松戸俊二、本田誠人、笹峯あいという「ゴールデントライアングル」もしくは「夢の顔合わせ」に免じて片目をつぶっておこうか…(爆)

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了

満足度★★★

ヤられたァ!
龍馬が暗殺された夜の近江屋の隣の民家を描いた(=グワィニャオンの『池田屋・裏』を連想)ということは事前情報で知っていたものの、会場に入って装置を見たらさらに捻りが加わっていることがわかってニヤリ。
舞台上にあるのは資料館的な施設に忠実に再現された民家という設定で、本編にあたる部分は劇中劇というシカケ。イントロダクションはその施設を見学している観光客と施設のスタッフによる会話で、それによって本編の状況を観客に知らしめるというアイデアがユニーク。
その本編は近江屋事件とはほとんど無関係でありながらもごくかすかにリンクしているのが面白い。やはり直前に wikipedia で予習したのは正解。
あと、タイトルの「ねずみ」が意味するものが判明する瞬間には「ヤられたァ!」と…(笑)
盗賊だか義賊だかの文字があったのでてっきりアノ「ねずみ」のことかと思ってたわさ。

リボルバー

リボルバー

劇団M.O.P.

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

コクのあるオトナのドラマ
一言で表現すれば「コクのあるオトナのドラマ」。そういえば、こういうスタイル・傾向ってσ(^-^) がよく観る中では少ないかも? そう考えるとあと1作品を残すのみというのは非常に惜しい。観るまでは最終公演がまだ1年も先なのであまり実感が沸いていなかったのに、いざ観るとやっぱり感ずるところのものが…。
当日パンフによれば初期作品『ピスケン』(未見)をリメイクしたものだそうで、しかし時代設定が大正末期から明治初期に変わったことで内容はかなり異なる様相。
幕末は芝居やドラマ・映画でよく取り上げられているが、その少し後の明治初期はあまり観たことがなかったので「幕末のあれやこれやの余波がまだそんなにあるんだ…」という感覚で新鮮。
また、三上市朗が『サニー・サイド・ウォーク』(99年)で演じたミフネっぽい浪人を想起させる役どころだったのは嬉しい。

聖者の行進/reprise

聖者の行進/reprise

劇団820製作所

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★

今ひとつ理解できず
「東京バビロン演劇フェスタ#1「神なき夜に…」…現代犯罪フィールド 参加作品」ということで、たとえば人を殺めるに至る気持ちであるとか、部分部分は何となくワカるものの、抽象的あるいは比喩的な表現が多くて、全体を通しては今ひとつ理解できず。
冒頭でまず「小鳥」が見当たらないというシーンを見せた直後にストーリーテラーを務める「コトリ」がいないシーン(ほとんど同じなのだ)を続けて見せ、その次の三巡目にやっと先に進むという、アナログレコードにキズがついた時(若い方にはワカらんかもなぁ…)を想起させる手法を使ったのは面白い。

ミートボールの花束を

ミートボールの花束を

天然工房

劇場MOMO(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度

没入できず
「闇の職安」なるサイトで集められた面々が互いを色で呼び合うという事前情報から「和製レザボア・ドッグス」かと思いきや、冒頭で5人がすでに囚われの身であるという…
5人全員を捕まえるだけの警備力があるなら何で侵入を阻止することができなかったのか、という点と、運ぶブツが「像」ではなく「象」だと知っても(報酬が魅力だとはいえ)犯行を継続しようとした、という点に説得力がなく、今ひとつ没入できず。
前者については終盤で明かされる「ウラ」によって納得はできるのだが、全体がキッチリしている中で後半にちょっとひっかかるモノがあって、それが実は…、というのならともかく、序盤から90分近くもモヤモヤしたままというのはいかがなものか。
さらに出演者6人のうち5人がほぼ終始「お面」をつけており、表情を見せないというのも不満。
結果論だが、こんなことなら見逃した方が良かったかも。

このページのQRコードです。

拡大