満足度★★★★
ダイナミックな構図がイイ
「無頼組合<番外編>無頼十番勝負 四ノ巻」と銘打たれており、ハードボイルド系の本公演とは違った味の芝居を見せるシリーズ、今回は3話オムニバス…と言うか、同じ時間の中で3つの異なったストーリーが同時進行する(しかし互いにリンクするワケではない)スタイル。
この3つの取り合わせが巧く、動的な女性ラリードライバーの話と静的な喫茶店内の客とマスターの会話劇を併行して描き、さらにその遥か上空の月では宇宙飛行士が救援(あるいは死)を待っているというダイナミックな構図がイイ。
また、地上で展開される2つで、特殊な血液を時間内に届けるために一刻を争うドライバーと、かつて別れた息子との永い年月のギャップを埋めようとする実の父親を描くことで「速度」と「長さ」という「時」の2つの性質をクローズアップしているのも上手い。
さらに、喫茶店の親子だけでなくドライバー側の物語にも血液を盗んだ青年やそれを追う女性刑事などの親子関係を絡めていて○。
そんなこんなで千穐楽スペシャルで役者紹介もあったカーテンコールを含めて130分のチョイ長の上演時間も体感的には長く感じず。