くらやみダンスの宝島
くらやみダンス
スタジオ空洞(東京都)
2021/11/25 (木) ~ 2021/11/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
隠喩やファンタジー、心象世界などで彩られているが、芯はまず兄の「冒険」を、次いで弟の「冒険」を、そして両者を合流させたクライマックスは活劇もありと典型的な「冒険活劇」で娯楽作としても楽しめた。
σ(^-^) もそのうち「海」を探しに行くかな……
音楽劇 百夜車
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/10/29 (金) ~ 2021/11/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
連続殺人事件を軸に、被告はもちろん。取材記者、被疑者家族、裁判員など関係者それぞれ複数のドラマで降りあげられた物語。その「場の切替え」のバランスが絶妙であたかもつづれ織りの如し。そこに生演奏・生歌がふんだんに盛り込まれるとは何と贅沢な。
チラシ裏面のビジュアルに通ずる「垂れ幕(?)」の使い方も面白くかつ効果的。
第一幕の幕切れも舞台配置で「あるもの/あること」を想起させてからの「あの宣言」というのも鮮やか。
ところでトランペットを吹いていたゲストミュージシャンがノン・クレジットなのは何故?(ま、見ればワカるけれども(笑))
24歳のフォーチュン!ウェディング
人間嫌い
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/11/03 (水) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
24歳とその少し上・少し下の女性たちの結婚観・恋愛観。
年齢や立場による違いがキャラクター造形と共に巧みというか鮮やかというかで、世代も性別も異なる身としては「高みの見物」的に客観的に観て楽しめた。
「あの怪物の名は太陽の塔」
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
70年代を舞台にした知的障碍者との距離(の取り方/詰め方)に関する物語でいろいろ考えさせられた。そして本編幕切れの「少し後」を思わせるカーテンコールでは「もう一人」の人物が見えるよう。開演前のBGMも懐かしかった。
ちーちゃな世界
青春事情
駅前劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
東京から5~6時間かかる田舎のペンションに訳ありらしき客が訪れて……な物語。人物それぞれに「過去を背負って」いる中、ペンションの主人が常に前向き・ポジティブなのが好ましい。ただ、結末はやや強引と感じた。
なお、「世界は今夜も回ってる」(作:門肇、2001年)を想起。
ラブピー
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
良作というか良心作というか、SF・家族の話・生死の話という3編で構成されているがそれぞれに接点アリ。そんな各編に「悪い人」は登場せず、微笑ましかったり優しかったり温かかったり。そして3編の時系列を考え「もしもあの時……」と想像を膨らませるのも一興。
およそ七人の侍
劇団S.W.A.T!
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/09/29 (水) ~ 2021/10/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
かつて大ヒットした映画「七人のお侍さん」のリメイク案を捻出するために社内の各部門から集められた七人の面々……な物語。冒頭、その面々が観ている設定で演じられるアノ映画の名場面・名台詞に胸アツ。
その後も映画の企画に関するあれこれや秘話(?)など盛りだくさんで楽しい楽しい。
暫しのおやすみ
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/10/02 (土) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
かつて「トレンディドラマ路線」と銘打って公演していた団体だけに、中堅女優が適応障害やパニック発作でドラマや舞台を降板する昨今を鑑みて「令和のトレンディ芝居」と言えまいか?
レプリカシグナル
たすいち
シアター711(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今も昔も変わらぬ「ある気持ち/想い」と現代社会だからこそ起こる(実際に起きている)ことを融合させた着想が見事。そこに笑いと切なさ、新たな気付きまで交えて娯楽性たっぷりに描くのはたすいちの真骨頂か?
30歳の制服デート
サキクサ
雑遊(東京都)
2021/10/05 (火) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
男性観客としてタケルの困惑/当惑にエラく共感しながら観ているも終盤でミナミの心情が吐露された場面で納得、というかホロリ。そして実は序盤ではっておいた伏線をきちんと回収するラスト、といかにも深谷作品。また演者お二方もお見事、アッパレ!
ユートピア
singing dog
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/01 (金) ~ 2021/10/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
専制君主……どころか独裁的だった父の入院の報で久々に集った三兄弟。題材は違えど緊張感が漂う作風はここの特徴か。それでいて終盤でいつの間にかふわりと軟着陸する方向に向かうのが巧み。
この少し前に観た吉田恵輔脚本・監督「空白」と通ずるモノがあるような気も。
ハリモトホタルと賢太の石
ノーコンタクツ
萬劇場(東京都)
2021/08/05 (木) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
専業観客として「演者は稽古で頑張ったなら本番は楽しめばイイ、その楽しさは観客に伝わるから」という無責任な信条を抱いているが、本作に限らず「大のオトナの高度なごっこ遊び」として創っている/演じている楽しさがあふれていると思う。復活公演をお待ちしております。
病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初演時にも感じたが茨城弁の会話が異様なまでに生々しい。しかもそれが「芝居的発声」ではなく、日常会話のようなトーン(初演のスタジオ空洞ならいざ知らず、この会場でも!)で発せられるので推して知るべし。
で、ふと思ったが、本作の「標準語バージョン」があったら印象がかなり異なるのではないか? 機会があったら観てみたいような観たくないような……(笑)
『無表情な日常、感情的な毎秒』7月公演
エンニュイ
CHARA DE新宿御苑(東京都)
2021/07/18 (日) ~ 2021/07/31 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
6月上演版が会場規模、出演者数、上演時間とも最大・最多・最長で一旦の「集大成」だったことを踏まえて今後のためにスクラップ&ビルドとして(ちょっと違うか?)「即興」で創る企画。全くの即興か一応の段取りはあるのかとか18日上演版から使用する部分もあるのかとか考えつつ観る。
既存の台詞からの即興は覆わぬ展開の平行世界風だったり別な部分との融合があったり(この回だけかも?)で楽しく、さらに今回生まれた部分が来月以降に使われるかも?と思うとそれもまた楽しみ♪
『無表情な日常、感情的な毎秒』6月公演
エンニュイ
北千住BUoY(東京都)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
4回目(第3変奏)にして最多人数・一番広い会場ということもあってか「拡張版」な趣き、同じネタでも新たな設定が加わったり語りだけだった部分をweb動画として演じたりな上に新ネタもあり尺も大幅増。今後の更なる発展にも期待♪
誰かの味方
こわっぱちゃん家
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2021/07/08 (木) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
コロナ禍での2度目の夏休みを迎えた中学教師たち。「講釈師、見てきたような嘘をつき」ならぬ「劇作家、見てきたような嘘を書き」(笑)で、起こることがいかにも実際にありそう。ま、あまりに集中して起こりあまりに短期間で解決するのは「芝居のウソ」ではあるが。
この会場の特徴を活かした演出や担当科目・顧問の部活を表現した教師の机(一部)の舞台美術にも感心。
貫く閃光、彼方へ
椿組
新宿花園神社境内仮設ステージ(東京都)
2021/07/07 (水) ~ 2021/07/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
併走する3つの流れのうちの1つが行く末は読めるもののそれが「どう繋がるの?」と思わせ興味を引っ張っておき終盤で明かすのが巧いし、最終場で3つの流れを「融合して見せる」のがいかにも椿組花園神社野外劇。まさしく3つの流れを「○○○が○○」(ネタバレBOXへ)構造で見事。
誰か決めて
吉祥寺GORILLA
王子小劇場(東京都)
2021/07/07 (水) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
遺品整理中の業者が見つけた日記に遺された故人の半生……日記の内容に時々現在の業者たちの場面を挟むことでメリハリをつけテンポ良く人生における出会い・別れ・再会などを描いて130分強をダレることなく見せるのが鮮やか。
D
演劇企画集団THE・ガジラ
APOCシアター(東京都)
2021/06/29 (火) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ドラキュラ城から逃れてきたとおぼしき女性弁護士の記憶回復に取り組む医師たちという後日譚ながら「神と科学」「十九世紀の人類補完計画」にボディスナッチャー的要素、モデルとなった人物と盛り沢山。
そこに暗さと重さ……もとい控えた照明(時としてロウソク1~2本だけ)と重厚さが加わり「あ~、ガジラだな」みたいな。(笑)
これ、作家・演者の意図とは関係なく(勝手に)いろいろなものと結びつけたモン勝ちかもね。(爆)
あと、吸血鬼化を感染症とする説も出てきて「イマ」だなぁ、とも。
夜会行
鵺的(ぬえてき)
サンモールスタジオ(東京都)
2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭の少ない台詞である人物の内面を想像させ、次いでコロナ禍でのホームパーティーのお手本を示してから「ある立場」の人々の悩み……というより苛立ち・憤りを分かり易く説得力をもって描く。だもんである人物の「ダメさ」が不腹立たしいこと。そういえば「後味が悪くない」のは鵺的では珍しいかも?(笑)