北守の騎士とカルボナードの踊る魔女
青果鹿
テアトルBONBON(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/06 (月)公演終了
満足度★★★
予習不足を悔やむ
6月にここで観た某公演と同じく宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」がモチーフながら他の賢治作品2編も絡めて全く異なるアプローチ…と言うより「グスコーブドリ度」が低かったので、チラシなどに記載されていたその2編も予習しておけばもっと楽しめたか、とちょっとだけ後悔。(もちろん楽しめなかったということではない)
清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~
ネリム
スタジオアキラ(東京都)
2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居の醍醐味を満喫
主人公の小学生時代・高校生時代のみならず母親・少年役まで瞬時にスイッチして演じ分けるのは芝居の醍醐味の1つだし、また、台詞を口にする前に役が変わったことを観客に悟らせる演技が見事。
ところで「特別席」ではあのシーン、どう見えたんだろう?
更地4
produce unit 大森そして故林
シアター711(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
時間の経つのがアッと言う間
ショートコントの釣瓶打ち(あるいは乱れ打ち)というスタイルなので次々に繰り出される笑いの波を越えているうちに時がいつの間にか過ぎている、的な。
また、各編の合間がすべてベンチャーズ・ナンバーというのもけっこうツボ。
マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘
劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
明石スタジオ(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
選曲がツボど真ん中
欲を言えばマカロニほうれん荘ネタがもう少し欲しかったが、いつもながらの妙にトボけた台詞回しが楽しい。
また、これも毎度ながら選曲が世代的にド真ん中で、新旧合わせてほぼイントロでワカるほどなのも嬉しい。
それにしてもウエスタンカーニバル時代の日本語カバー曲、よく見付けたモンだ。
The Bando-Wanderer ~無稽・将門
劇団BOOGIE★WOOGIE
SPACE107(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
時空超越ファンタジーロマン活劇
3月の大作を「壮大な前振り」に(笑)、卑弥呼の時代と皇紀2600年の「もう1つの日本」を繋いで描く時空超越ファンタジーロマン活劇、「無稽」シリーズの醍醐味満載。
中でも将門と純友が「1000年後にまた逢おう」という前作での約束を果たす場面は「Zガンダム」でクワトロとアムロが邂逅するシーンの如く感動的。
また、刀身を蛍光色に塗った武具でのサンプリングSEを使わず木刀がぶつかる生の音を活かした殺陣も迫力があってイイ。
ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】
Minami Produce
小劇場 楽園(東京都)
2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
明晰夢の中…
原典(太宰治「フォスフォレッセンス」)の骨子のみ残したほぼオリジナル。
明晰夢から醒められなくなった女性が往き来する「きのう」と「あした」の世界、という構造は好み。
また、AとBの合間に原典を読んだので、Bの冒頭からニヤリ。
なお、Aバージョンの方が構造的に落ち着きが良いか?
それにしてもここで2演目続けて猫が絡んだ芝居が上演されようとは。
『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演
ACTOR’S TRASH ASSH
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
まさにヴァージョンアップ
過去2回と比べて瀬戸の憎たらしさが強調された結果、以前は唐突にも感じた終盤の「あるシーン」に説得力が出た他、ソフトな終わり方はいかにも「恋の話」。
また、現代パートや遊女たちの傍系エピソードも掘り下げられて、まさにバージョンアップ。
なお、ソワレの座席はI列8番。
Sea on a Spoon
こゆび侍
王子小劇場(東京都)
2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
現代のメサイア?
一言で表現すれば「宗教的寓話」?
平穏な日常の裏で蟲く不幸せの話かと思いきや、やがて原罪とか7つの大罪などを想起させる展開になり、そういえば冒頭のエピソードは旧約聖書風だし結末は「アレ」だし、で「現代のメサイア」的な?
なお、低音を多用した音響も効果的。
オムニー2
劇団K助
野方区民ホール(東京都)
2010/08/31 (火) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
バラエティに富みつつかすかにリンク
屋上(と野球ボール)をテーマにした5編オムニバス。
それぞれ作・演出が異なりバラエティに富み、それでいてしりとりのようにかすかにリンクしているのが特色で、5編の並び順も含め、改めて総合演出の金沢主宰の手腕に舌を巻く。
なお、ベタに徹した3編目「OLたちの午後」とハートウォーミングに締めくくる5編目「球」が特に気に入る。
あやかし相談承りマス。萬屋ツジモリ
回転OZORA
「劇」小劇場(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/31 (火)公演終了
満足度★★★★
伏線の張り方と回収の仕方、構成が巧み
伏線の張り方と回収の仕方、それに全体像がほぼ判明したところでクライマックスを迎える構成が巧み。
祖母を殺して(!)泣かせるのは反則だが、照明による満開の桜の表現が見事だったのと泣かせた後に長めの暗転を配した温情に免じて許そう(爆)
クモ ≪公演、無事終了いたしました。ご来場ありがとうございました☆≫
どろっぷすプロデュース
d-倉庫(東京都)
2010/08/27 (金) ~ 2010/08/31 (火)公演終了
満足度★★★
後味の悪さといったら!(笑)
100年ほど先の未来、「大きな爆発」があった後のシェルター内での物語。
顔合わせの妙に加えて「裏・マクロス」的な味もありそれなりに楽しめたが、殺伐とした終盤から大逆転、爽快な結末と思わせてからのどんでん返しの後味の悪さといったら…(笑)
傷心館の幽霊(浅野泰徳演出)
(株)喝采企画
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
基本の高梨、応用の浅野?
高梨版もこちらも共にアレンジが施してあるようだが、総じて言えば基本の高梨、応用編の浅野、な感じ?
それぞれ特色が出ていて面白く、こういった企画はちょくちょくやって欲しいモンだと思うことしきり。
ダミーサークル
花まる学習会王子小劇場
王子小劇場(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
柿喰う客を知らない子供たち…
高校演劇部の崩壊劇。
日誌の日付を復唱する声が減ることや円を描いて置かれた椅子から人が離れて行くことによる心が次第に離れて行くさまの視覚的・聴覚的表現、読み合わせシーンにかぶる発声練習の声などが手法として特に上手い。
それにしても1人を除いたメンバーが「柿喰う客を知らない子供たち」とは恐れ入りましたぁっっ!!!(中学生で知っていたらそれはそれでどうかと思うが(笑)
女中たち
劇団 風蝕異人街
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/08/28 (土) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
全編「外郎売り」的緊張感(笑)
2パターンのうちの「クレージーな方」とのことで、平均1.2倍速、瞬間最大1.8倍速(推定)の台詞回しがロックギターの速弾きのようにスリリングで、換言すれば全編「外郎売り」の緊張感、的な?(笑)
それにしても4月に観たM.M.S.T版(『Les Bonnes』)はサックスで今回はヴァイオリンと生演奏付き(+実験的な演出)が続いたのは偶然?
なお、速回しの台詞もM.M.S.T版に比べると聞き取り易く、今回初めてストーリーを理解する。(爆)
『まばたき』
ポムカンパニー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっとしたことの積み重ねを「演じて見せる」
右眼と左眼の視差、あるいは昔流行ったゲームブックの選択肢の如く、ちょっとした違いの積み重ねで結末が大きく異なる、的なものを舞台上で「演じて見せる」手法が面白い。
が、同じ分岐点を何度も通るのは若干クドい気がしないでもない。
魔道物語
ぴんかぁ~べる
テアトロ ド ソーニョ(東京都)
2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了
満足度★★★★
概ね良好か?
事態収拾のために誰かの命を犠牲にするというのが安易に感じられるのが惜しいが、世界観やキャラクター設定(萌え系以外も含む(爆))などなかなか良くできており、客入れと劇伴の一部がピアノ生演奏なのもポイント高し。
坂本龍馬戦場へ!
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★
自由な発想に舌を巻く
チラシなどの事前情報からかなりのトンデモ系とは思っていたが、観たらそれに輪をかけた荒唐無稽ぶりで、その自由な発想に舌を巻く。
あんな人物とあんな人物を結び付けたりそんなキャラまで登場させたりすることに恐れ入谷のナンとやら。
また、会沢萌と大島朋恵はやはりイイ。
猫のサロン ~奇譚集~
猫の会
小劇場 楽園(東京都)
2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了
満足度★★★★
スタイル、内容とも変化をつけて◎
一人芝居、二人芝居、三人芝居というスタイルだけでなく、現代版民話、怪異譚、「優霊」譚と内容的にも変化をつけた3編。
2編目のすべてを明かさず想像の余地をたっぷり残した不気味さと、3編目のハートウォーミングかつ切ない感じが好対照。
ログログ
キリンバズウカ
シアタートラム(東京都)
2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
各要素をバランス良く取り合わせ
謳い文句の「優しい重喜劇」とはこういうことか、と納得。
と同時に犯人も探偵もいない推理モノとしてもよくできており、終盤でのシマウチ夫妻の姿には泣かされる。
そんな風に各要素をバランス良く取り合わせたさまは「芝居版オトナ向けお子様ランチ」的な?(笑)
UFOcm
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
フシギな幸福感に包まれる
何ともゆる〜くぬる〜く、それでいて意表を突いたりする笑いが独特で、「バカだねー」などと思っているうちにフシギな幸福感に満たされてくるのがステキ。
また、敢えて「芝居じみた」台詞回しにしているのも愉快。