想い出パレット~ぬぷぬぷ高田馬場編~【旗上げ公演無事に終幕致しました!ご来場まことにありがとうございました♪】
タマコロ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2010/12/02 (木) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
卑怯…いや巧み(笑)
7人の男芝居を9人の女優向けに改訂。誰にでもある子供時代の懐かしい想い出を突いてくるのは卑怯…いや巧み(笑)。
引っ越してきて、地元のグループとの張り合いから和解(?)など転校を繰り返した身には懐かしく、また、各人物の個性の描き分け・演じ分けも◎。
TOKYO RADIO CLUB!
劇団東京都鈴木区
遊空間がざびぃ(東京都)
2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
三谷幸喜の往年の作品に通ずるウェルメイド
webラジオ収録前の騒動記で、変型バックステージもの。
筆がノッていた頃…もとい、TSBからそのしばらく後あたりの三谷幸喜作品に通ずる味もあって見事。
また、大島朋恵の思いもよらないキャラを観ることができたのは貴重。
【AchiTION!AorB】
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
しもきた空間リバティ(東京都)
2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
構造が秀逸
二択で明暗に分かれる基本形にそれぞれハッピーになるもの、さらには1つの流れを異なる視点で見せるものなどバリエーションに富んだ各編を、プロローグと対を成すエピローグでそれらを関連付ける構造が秀逸。05年4月の『○ choice ×』のさらなる進化形を見た。
しかし二晩続いて全身銀色でツノがある宇宙人が登場しようとは!(笑)
測量
タテヨコ企画
笹塚ファクトリー(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
人物同士の距離感を鮮やかに描く
所謂コメディではないが随所にそこはかとない可笑しさが漂い、三姉妹を筆頭に人物同士の距離感が鮮やかに描き出された脚本に感服。
また、冒頭とラスト(と途中でも時々)の水琴窟や雷鳴、川のせせらぎ(雨音かも?)などの音響も見事。
野球なんて大嫌い
はらぺこペンギン!
「劇」小劇場(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/06 (月)公演終了
満足度★★★★
野球ものだけにド真ん中の直球
父親が転勤族であったがゆえに、ずっと同じエリアに住んでいる永年の友達がいない身としてはああいう関係はうらやましく、みんなで集まって日本シリーズのテレビ観戦で盛り上がれるなんてイイなぁ、みたいな。
また、全体的にはコメディながら、終盤は熱血系でもあり、仲間の1人がプロ野球選手として再起するなんてまさに「オトナ向け少年マンガ」な世界?(笑)
七人の息子
X-QUEST
THEATRE1010ミニシアター(東京都)
2010/12/02 (木) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
男芝居なのに時間の経つのがアッと言う間
初演をかすかに(?)バージョンアップ、基本は男芝居だが掛け合い漫才のようなテンポ良い台詞の応酬が楽しく、時の経つのがアッと言う間。
それにしてもハイパーラジオ体操、振付がイイのはもちろん、そもそも発想が愉快。
なお、初演時は奥と手前の角で観たので今回は左側の角から観る。
匣の中【公演終了致しました。ご来場ありがとうございます!】
集団as if~
萬劇場(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★
古典戯曲に通ずる悲劇性
後半の悲劇性は沙翁など古典戯曲に通ずるものがあり、また、偏見・差別に起因する紛争が絶えない現代世界の縮図のようでもあり観応えがあるが、前半との落差が大きすぎる気がしないでもない。
それにしてもインプロ部分、うまくまとめるなぁ。
甘神
ムシラセ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
なるほど美術家集団
前作とはがらりと趣を変えユーモラスでありながら、むしろその分ラストの喪失感が際立つような。
また、その喪失感を「目に見せる」シカケやファッションショーのランウェイのような形状の舞台、背景の細密画(?)など、なるほど美術家集団、的な。
サンタクロースが歌ってくれた
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2010/11/30 (火) ~ 2010/12/25 (土)公演終了
満足度★★★★
抜群の安定感
退団したかつてのメンバー2人を客演に迎えての旧作上演という同窓会的な企画につき安定感は抜群。
また、役の設定年齢と実年齢との乖離を笑いに昇華させてしまうあたりもさすが。どうしてこれが近作には…(以下自粛(爆))
覗絡繰
声を出すと気持ちいいの会
演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)
2010/11/25 (木) ~ 2010/11/29 (月)公演終了
満足度★★★★
「芋虫」をマクラに「押絵と旅する男」を語る
イイ歳をして引き篭もっている兄をなんとか外界に引き出そうとした主人公は兄にノートPCを与えネットサーフィンを教える。そんななかから兄がハマったのは江戸川乱歩の世界で…という物語。
その兄が語る「芋虫」が前段となり、それをマクラに後段で「押絵と旅する男」を語るという構成で、その押絵の図柄が「芋虫」の内容であったり、終盤で兄のノートPCがあたかも押絵であるかのように思わせたりするのが上手い。
さらに古びた日本家屋を表現した装置や、襖戸の内と外を瞬時に逆転させて見せる手法(部屋の外から襖に向かって呼びかけて襖を開けて入った途端に部屋の中の様子になる)も見事。
『442』
SPPTテエイパーズハウス
練馬文化センター(東京都)
2010/11/27 (土) ~ 2010/11/29 (月)公演終了
満足度★★★★
145分を感じさせず
第二次世界大戦中の米軍日系人部隊を中心に描いた音楽劇。
戦後の穏やかな授勲パーティー場面から入り、マンザナ収容所などを経て激戦地の様子に到る流れが巧みで、ピアノトリオ+3管(tp.tb.sax)のセクステットの生演奏や合唱などもあり145分の長さは感じず。
なお、ヒロイン(の精神)が祖母(の肉体)に乗り移り戦時体験をする設定に『ザ・ウインズ・オブ・ゴッド』を連想。
ハロースクール、バイバイ
マームとジプシー
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
「きらきら、きゅんっ!」
女子中学生たちのいきいきとした会話の中からみずみずしさがほとばしるさまに中原俊監督の『櫻の園』(90年版)を思い出す。
本編部分を試合場面で挟み、それは試合中に胸中を去来するものか、彼女たちの結束力の元か、などと思わせるのも上手い。
なお、投稿タイトルは勝手に思い浮かべたキャッチコピーで、もう1つは「思い出の宝石箱やぁ~!」(笑)
THE ANONYMITY
グーフィー&メリーゴーランド
アイピット目白(東京都)
2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★
体感時間が長めなのが珠に瑕
題材自体は面白く観応えもあるが、全体の流れがメリハリに欠けるため実時間125分が150分くらいに感じられてしまうのが惜しい。
また、アプローチは異なるが長年続いたラジオ番組の打ち切りという主題が夏のM.O.P.最終公演とカブったのもイタい。
この手にあまる「私」の体とエンジンと【ご来場ありがとうございました】
みきかせworks
Darts&billiard BOOMERANG(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/11/27 (土)公演終了
満足度★★★★
すっかり良い(「酔い」?)気分
リーディング系の通常公演とは違ったスタイルで、という「みきかせmeet's」公演、今回は2人の女優(名嘉友美、兵藤公美)の2人芝居にジャグラーでもあるKojiKojiMohejiによるガイタ・ガレーガ(スペイン・ガリシア地方のバグパイプ)の生演奏が絡むという…。
芝居は友人、姉妹、職場の同僚などの会話スケッチ集な感じで、リアルとデフォルメの匙加減が絶妙。1つのパターンを見せた直後に役割が逆転したやや違うバージョンを演じたりするのも面白い。
そこにガイタ・ガレータ(と金属製のリコーダー的なもの)が、BGMやブリッジとして入るばかりでなく、時には会話に割って入ったりもしてさらに面白く、しかもダーツ&ビリヤード・バーでアルコホルを嗜みながらということもあり、すっかり良い(「酔い」?)気分。
THE HONEST VILLAGE
ジーモ・コーヨ!
OFF OFFシアター(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
現実と芝居の関係にまで思いが及ぶ
嘘をつくと「バスターズ」に摘発される「正直村」を舞台にした物語。
コトの真相が明らかになる終盤では現実と芝居との関係にまで思いが及びニヤリ。
また、その「場所」や「ある人物」の見せ方が、生の舞台ならではの「嘘」なのもイイ。
Ⅰ・D‐イド‐
梅酒が好きだな
d-倉庫(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽系未来活劇として及第
よく考えるとツジツマが合わない部分や投げっ放しの部分がいくつかあるが、破滅的SFではなく救済型の結末であり、全体も不毛の争いを終結に導く流れであることに好感を持つ。
また、手持ちの武器デザインも良く、娯楽系未来活劇として及第。
真魔界転生
劇団キリン食堂
俳優座劇場(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
原典超え?
創作による続編だが、単なる焼き直しでなく夫婦愛・親子愛を語り復讐の連鎖の無益さも説くなど原典をベースに発展させたのが上手い。
むしろそれらの要素により原典よりも深く、表情が豊かになったようで、かなり満足。
【ご来場ありがとうございました!!】パーフェクト超人の憂鬱
劇団 THE☆メンチカツ成
APOCシアター(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★
独特のユルさあるもメリハリに欠ける
独特なユルさがあって可笑しいが、メリハリに欠けてぐだぐだ気味な憾みあり。
しかも残響が多い空間ゆえ台詞が聞き取りにくくストレスも感じてしまう。
一方、ここの空間の使い方も含めた舞台美術がイイ感じ。
夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2010/11/19 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
オリジナル全長版も観てみたい
上演時間120分の時間SFということでやはり異色作。
初演も観ていたが概要しか記憶になく、キャストも変わっているので新鮮な気持ちで観る。
その結果、時間ものとハード気味ファンタジーの巧みなブレンド具合を再発見したりもする。
また、機会があれば「オリジナル全長版」も観たいが無理だろうなぁ。
幽霊探偵
ZIPANGU Stage
萬劇場(東京都)
2010/11/18 (木) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★
エピローグの愛情譚にもホロリ
いろいろな可能性が想像できる本格ミステリーにユーモアで味付けしたあたりに赤川次郎作品を連想。
殺人事件はあるも15年前の出来事である上に、エピローグで語られる愛情譚(これもイイんだ)により緩和されて後味に響かないのも上手い。