The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】
DART’S
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/12/07 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
観客もその一環に取り込むよう
こういうストーリーを思い付いたら普通は映像化するであろうところ、舞台で演ってしまうとはなんとクレイジーな!(笑)
また、多層をなす構造をクラインの壷の如くシームレスに繋ぐスタイルに眩惑され、自分自身がその一環に取り込まれたようにも感じる。
フランスの女たち
トレモロ
急な坂スタジオ(神奈川県)
2010/12/14 (火) ~ 2010/12/15 (水)公演終了
満足度★★★★
原典+そのエッセンス
ワイルダーの短編戯曲『フランスの女王たち』を一旦ほぼ本来のカタチで上演してから早回しとダンスを経て現代の「あるシーン」を見せて終わる形式。
まさに原典のエッセンスを抽出してその普遍性を示すそのアイデアやよし。
また、世田谷シルクに通じるテイストも感ずる。
バッドマザーカップ
QUEENS' LEAGUE
d-倉庫(東京都)
2010/12/13 (月) ~ 2010/12/15 (水)公演終了
満足度★★★★
平日3日間だけとはもったいない
光る臍帯とおナカ(の中の胎児)が光る妊婦たちの幻想的なプロローグに導かれて始まる女性だけのパフォーマンス集団による母と娘をテーマにした寸劇(コント?)、ダンス、歌、楽器演奏にサイコロトークや歌劇(!)まである22のシーン。
全体でも95分なので個々の「出し物」は短いが、乳児たちがオムツがとれたとれないだとかつかまり立ちができたとかそんなことを女子高生っぽい口調で語り合ったり、観客全員参加型の「お遊戯会」があったり、ピアニカの両手弾き(低音担当の左手は通常と逆の側から弾くのだ)があったり、こらされたアイデア、パフォーマンスともクオリティは高く、平日3日間5ステージだけというのはもったいない。
国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了
満足度★★★★
気持ちのいい「卒業公演」
まずは同じ装置なのに「ナシ」でのとっちらかりぶりがウソののようにスッキリした舞台にビックリ。
そうして始まる「さっき終わったはずの世界」は、15 Minutes Made の vol.8 で上演したものの再演ながら演出と配役の違いによりオモムキが大きく異なる。共通のキャストが1人いるものの、役が異なるというのにも「あ、そっちか!」的な。
続く「テンパってる奴」と一人芝居「三鷹の女」(いずれも既発表作ながら初演は未見)は、前者で散らかした装置内でそのまま後者が上演されるほか、かすかな太宰ネタに勝手にリンクなど感じてしまう。
ラストの「三鷹の男」(書き下ろし一人芝居)は天井の蛍光灯まで点けた状態での上演であることにハマカワフミエの自然な語り口が加わり、まるで芝居ではなく素の語りのよう。
で、解散公演ということもあって、「実はワタシ、結婚するんですよぉ」なんてコトバから始まる内容を真実と受け取ったお客さんもいたとかいなかったとか。(笑)
気持ちのいい「卒業公演」(むしろそう感じた)だったなぁ。
国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了
満足度★★★★
異状ナシ
設定上は2008年だが、近い将来にあるかもしれない…いややっぱりないかな?な事態を戯画化した、ほぼ空回りした青年団によるオキナワ独立宣言後の顛末を描いたストーリーもさることながら、女優として出演した風琴工房の詩森主宰が何とも印象的。
ユタであり、青年団のリーダー…というよりは精神的支柱という役どころで、その存在感と言うか泰然自若かつ飄々としたたたずまいと言うか、に「あーなるほどー」と大いに納得。ナイスキャスティング!
また、ラストの開放感と言うか突き抜けた感覚と言うか、が格別。まさにオキナワの風が吹き抜けた、みたいな?
これ、もしも舞台が沖縄でなかったら、印象もかなり異なるだろうな…ってか、設定上沖縄以外は無理か?
『共犯者』公演終了 ご来場ありがとうございました。
津田記念日
OFF OFFシアター(東京都)
2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★
緊迫の90分
気が付くと内部から閉ざされた部屋に監禁された4人…その施錠のしかたからすると犯人は4人のうちの1人しか思われず…なサスペンス。
そんな出だしによって観客を「何故自分が?犯人はどいつだ?」という被害者の心境に追い込んでの緊迫の90分。その上演時間は「人間の集中力が持続するのは90分が限界」というのを意識したんだろうか?
で、舞台の下手側3分の2あるいは4分の3くらいがその監禁された部屋(いかにも堅牢そうな金属製の扉や切り口が赤い壁などが印象的)で、上手側に取調室があり、男が尋問されているシーンが挟まれるスタイル、事前情報もあり、その2つの場面の関連性についても含めて、観ながらあれこれ様々な可能性を思い巡らすも、その大半は考え過ぎ…(爆)
2つの異なる場所を表現した装置を、1度だけ照明によってさらに別の空間に「切り取る」ワザにも瞠目。
ところで後から入った情報によるとこの回の後半はトラブルが発生して即興によって切り抜けたとのことなのだけれど、本来のカタチとどのくらい違ったんだろう?
ゼロイチ
劇団K助
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★
K助芝居の「二枚下ろし」
いわばK助芝居の「二枚下ろし」、通常は混然一体のコメディとハートウォーミングの要素を2つに切り分けてEPレコードの両A面風に仕上げました、的な。
前半のあまりにも典型的な笑劇ぶりに「あれ!?」と思うも、後半になって意図を呑み込み「なるほど!」と膝ポン。
エメラルドの都
天幕旅団
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★
悲劇的すぎね?
最近で3本目のオズの魔法使い関連作品。
エメラルドの都を目指すグループを複数にしたのは良いが、各グループがクロスする終盤までは個々に描かれているためまとまりに欠けて冗長に感じられてしまうのは残念。
また、「ダークファンタジー」と銘打っているにしても、主宰が前回携わった『ヤマト版夏の夜の夢(悲劇版)』よりも悲劇性が強いって、悲劇的過ぎないか?
SAVIOUR BLUE
カプセル兵団
王子小劇場(東京都)
2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
第一級娯楽作品
「逆『ブレードランナー』」なフレームに「機械とは何か、人間とは何か」という哲学的な命題をも盛り込み、アクションやギャグもちりばめた第一級娯楽作品。
お約束の仮面ライダーネタ(今回はもちろんオーズ)は当然として、00やZなどGネタも?というのは読み過ぎか?
マイルド・セブンティーンズ・スター
椿組
ザ・ポケット(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★
行き過ぎた正論とオトナの『台風クラブ』
高校の職員喫煙所廃止問題で行き過ぎた正論(?)を、台風が近づく中での学園祭を前にした「オトナの『台風クラブ』」または「『ビューティフルドリーマー』リアルタイプ」な高揚感をも描き、それに笑いもたっぷりまぶして楽しい。
人魚姫
y0suka
遊空間がざびぃ(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★
またゲーム界内部での展開…
名作童話を翻案するシリーズ、1年前の『幸福な王子』と脚本家が異なり切り口も違って面白いが、「またゲーム界内部での展開か…」な感無きにしも非ず。
とはいえ、ゲーム内のキャラが現実界の誰なのか推察しながら観たりもして、これはこれでアリ、的な?
空にはあのひこうき雲
リブレセン 劇団離風霊船
吉祥寺シアター(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/11 (土)公演終了
満足度★★★★
映画関連ネタ満載
映画版バックステージコメディ。
いくつかのシーンに既視感はあるものの、出てくる映画関連の元ネタがかなりわかったこともあり、そんな部分も含めて大いに楽しむ。
また、装置の騙し絵的な部分にまんまとひっかかる。(笑)
さよなら渓谷
演劇企画集団THE・ガジラ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2010/12/05 (日) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
「薮の中」
いわば吉田修一(原作:未読)版「薮の中」。
冒頭で別の人物を示唆しておきながら主人公にも容疑がかかる出だしから不安感と緊張感に支配され、以降、密度の高いドラマに引き付けられる。
また、三方囲みで水を張った浴槽まで使う演出も印象的。
隣の芝
and Me
OFF OFFシアター(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/07 (火)公演終了
満足度★★★★★
劇作家・笹峯愛の才能に改めて感服
いつもながらの自然かつああ言えばこう言うなテンポ良い会話に加えて1場(と2場前半)で大いに笑わせ、2場(後半)でハッとさせ、3場で泣かせて4場で纏める構成も秀逸で、もはや無敵、みたいな?
まだ10代でアイドルだった頃から会話能力に長けていた笹峯愛の劇作家としての才能に改めて感服。
それはアカン!
演劇集団アーバンフォレスト
劇場HOPE(東京都)
2010/11/30 (火) ~ 2010/12/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
エンタメの手本のような傑作
集められた8人全員が異なる意図で…な謎に始まり、真の理由が明かされた後もどんでん返しの連続という起承転結をしっかり踏まえたエンタテインメントのお手本のような傑作。
配役によって味ががらりと変わりそうだが、リピートするコマのなきぞ哀しき。
あ、コマがあっても完売か。
ZOMBIE(ゾンビ)
INUTOKUSHI
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2010/12/02 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了
満足度★★★★
可笑しくも切ない仕上がり
タイトル通りのゾンビものはもちろん、『マタンゴ』など往年の東宝特撮映画の味をベースにしながら可笑しくも切ない仕上がりなのが何とも不思議。
また、バックボーンに「人と人とのコミュニケーション」があり、それが欠落気味の現代社会を皮肉っているのが上手い。
嗚呼、青春が僕に輝かない。君にも輝かない。
コーヒーカップオーケストラ
明石スタジオ(東京都)
2010/12/03 (金) ~ 2010/12/06 (月)公演終了
満足度★★★★
本当にバカ丸出し
「何も残らない物語と、スカッとする馬鹿丸出しのステージを作ることを誓います!」という宣誓の通り、本当にバカ丸出し。
しかも歌・ダンス・宙乗りなども無駄に使って、究極のゼイタク、的な?(爆) 好きだなぁ。
想い出パレット~ぬぷぬぷ高田馬場編~【旗上げ公演無事に終幕致しました!ご来場まことにありがとうございました♪】
タマコロ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2010/12/02 (木) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
卑怯…いや巧み(笑)
7人の男芝居を9人の女優向けに改訂。誰にでもある子供時代の懐かしい想い出を突いてくるのは卑怯…いや巧み(笑)。
引っ越してきて、地元のグループとの張り合いから和解(?)など転校を繰り返した身には懐かしく、また、各人物の個性の描き分け・演じ分けも◎。
TOKYO RADIO CLUB!
劇団東京都鈴木区
遊空間がざびぃ(東京都)
2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
三谷幸喜の往年の作品に通ずるウェルメイド
webラジオ収録前の騒動記で、変型バックステージもの。
筆がノッていた頃…もとい、TSBからそのしばらく後あたりの三谷幸喜作品に通ずる味もあって見事。
また、大島朋恵の思いもよらないキャラを観ることができたのは貴重。
【AchiTION!AorB】
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
しもきた空間リバティ(東京都)
2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
構造が秀逸
二択で明暗に分かれる基本形にそれぞれハッピーになるもの、さらには1つの流れを異なる視点で見せるものなどバリエーションに富んだ各編を、プロローグと対を成すエピローグでそれらを関連付ける構造が秀逸。05年4月の『○ choice ×』のさらなる進化形を見た。
しかし二晩続いて全身銀色でツノがある宇宙人が登場しようとは!(笑)