冬に舞う蚊
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2011/01/05 (水) ~ 2011/01/10 (月)公演終了
満足度★★★★
一言で表現するなら「面白い!」
同じくパワーハラスメントを描いた、前回公演『窮する鼠』3編目の「リグラー」と比べて、デフォルメされ戯画化された部分があったり、かすかな光明が見えたりする分、全体的にはマイルドになり時々ニヤニヤしたりしてしまう一方、古傷をえぐられるというか悪夢ふたたび(爆)というか、胃が痛くなるような部分もあり、一言で表現するなら「面白い!」。
また、その本筋と併行して建設業界の悪しき慣習(?)についても言及し、「正しいとは何か?」「じゃあどうすればいいの?」などと問いかけられる…。ん~、難問。
あと、橋本恵一郎のいかにも神経質そうな表情とか祥野獣一の「緊張して吐きそう」な表現とか小ワザも見事。
観客の心境は「スプラッタホラー映画などでたまたま現場を目にしてしまい、逃げなくてはと思いながらも目が離せない登場人物」のそれに近いかも?(笑)
300年の絵画と鉄仮面の姫君
KENプロデュース
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2011/01/08 (土) ~ 2011/01/09 (日)公演終了
満足度★★★★
150分近い上演時間も苦にならず
伝奇時代劇の中近東バージョン的なストーリーはもちろん、生歌によるオープニングや生ピアノ(&keyb)の音楽、「魔人」の出ハケの見せ方、善の側の魔人をコメディリリーフにも使うことなどにも感心。結果、休憩なしの150分近い上演時間も苦にならず。
愉快犯
柿喰う客
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了
満足度★★★★
緩急自在
ある家族を中心とした物語。
開演まで流れていた「春の海」(だっけ?)の影響と古典的にも聞こえる台詞回しによってどことなく歌舞伎とかそんな純和風な雰囲気も漂わせつつ、お馴染みのスピード感のある台詞に言葉遊びや『The Heavy User』で使ったリズムパフォーマンスっぽさも交えて、劇団員5人のみの少人数ながら疾走感は健在。
一方、中盤のサスペンスフル(?)な部分や、終盤での「親の愛情」に関する大事な部分はテンポを落としてじっくりと見せるワケで、その使い分けが上手い。
スイートルーム大混乱!!
劇団始発列車
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2010/12/29 (水) ~ 2011/01/09 (日)公演終了
満足度★★★
古き佳き時代のアメリカン・コメディ
以前観たニール・サイモンの作品(舞台&映画)はどちらかと言えばシリアス寄りだったので、第1話のドタバタコメディぶりにはちょっと驚く。
が、それ以降はいかにも古き佳き時代のアメリカン・コメディな感じで、日本で言えば「昭和色満載」的…白黒時代のアメリカの公開コメディドラマな感じか。
一方、開演前に客席に置いたモニターで流していた過去の上演作品には、オリジナルのサイコサスペンスやアクションもあり、そちらも観てみたくなる。
演劇/空間の立ち上がる瞬間
DULL-COLORED POP
中野スタジオあくとれ(東京都)
2011/01/06 (木) ~ 2011/01/06 (木)公演終了
満足度★★★★
佳き観劇初め
エチュードと通し稽古、公開ダメ出しと公開WS、再びエチュードと通し稽古という3工程を通して観る。谷主宰の説明も交えながらで、それぞれの目的などもよく解り、トレーニング内容やモロモロを創り上げて行く過程を見ることができ、普段観ている完成品の製造工程を見学するようで興味深く、面識のある方々とも遭遇して賀詞も交歓でき、佳き観劇初めとなる。
Super Cool Beauty ! 美熱大戦
渡辺晃プロデュース
国立オリンピック記念青少年総合センター・小ホール(東京都)
2010/12/28 (火) ~ 2010/12/30 (木)公演終了
減点3の結果、星を与えるに及ばず
まず冒頭のやたらに長い映像使用で開演直後というのにいきなり興を削がれ、やっと芝居になったと安心していたら、その後もちょくちょく映像が入りそのたびに興醒め。以前、クライマックスの試合の大半を映像で見せた凡作ボクシングものの悪夢ふたたび…。舞台で芝居を創る者として逃げあるいは手抜きではあるまいか?(よって星1つ減点)
また、クライマックスの殺陣でフィーチャーしたい3組があるのはわかるが、あの広い舞台で1組ずつ見せると、舞台上の他の空間がガラガラで見劣りしてしまう。少しずつカブらせるとか他の面々を周囲で戦わせるとかする智恵は浮かばないのか?
そんなこんなによって上演時間は135分。事前アナウンスで「上演時間は約2時間です」と言っていた(そもそも135分って「約2時間」になるのか?)が2時間半以上に感じてしまう。
一方、争いの無益さを訴える内容と、そのための対立する2つの国と中立を保つ2つの国(片や美を愛するハイソ系、片や極貧ながら心は美しい系)、という設定は◎。
ただ、剛速球の直球ストライクだけですべて三振にとろうとする投手のような力みが感じられて疲れる。ボール球を投げたり、打たせて取るとかも交える余裕が欲しいもの。良く言えば「若いがゆえのまっすぐさ・ひたむきさ」かもしれんが(笑)。
そんな中、舞台で観るのは3度目になる吉井怜、闘病生活で培われたであろう「芯の強さ」が感じられて良かったなぁ。そういえば「仮面天使ロゼッタ」、再放映してくれないかなぁ?
なお、受付開始&開場が約30分押した(もともと開演60分前と異様に早い設定だったし)のはともかく、開演が15分も押した(せっかくM-1GP参加経験もある芸人さんが前説&ネタ披露であたためた客席も15分も経てば冷えますわな)ことについて開演前、終演後を通じて全く触れなかったのはいただけない。何を考えているんだか?
先述の減点と合わせて最終的には星3つ減ずる。
従って「評価しない」ではなく「星を与えるに及ばずという評価」である。
サンタクロースの作り方
G-up
OFF OFFシアター(東京都)
2010/12/23 (木) ~ 2010/12/29 (水)公演終了
満足度★★★
オチが不服
それぞれ心に傷をかかえた者たちが、ADの勘違いからCM撮影でサンタ役を演ずることになり…なクリスマス系ファンタジー。
若干強引な展開ではありながら、75分というコンパクトなサイズにまとめた「オトナのためのハイテク時代のクリスマスファンタジー」としてなかなか良いが、大半の人物に しあわせ をもたらす人物が、それが起こる直前に亡くなっていた、というオチは不服。
あまりにもありがちな「優」霊譚だし、クリスマスにそれを持ち込まなくても良かろうに…。
一方、使われる音楽がビートルズ・ナンバーそっくりなイントロに導かれる新旧のクリスマス・ソングというのは多感なローティーン時代にビートルズがしみこんだ世代としては非常に面白い。
また、中心となる人物のツイッター(ってか携帯?)依存ぶりに他人事ならざるものを感じる。気を付けなくちゃだわ。(爆)
ボーナストーク
ホチキス
王子小劇場(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★
リピートして観劇納めっっ!!!
魔界の王子が人間界で魔王になるための試練を受けるという荒唐無稽な設定につき基本はコメディ。
王子をガイドするエージェントと魔界の女王の出落ち気味のメイクに始まり、意外なカタチで達成されてゆく「罪」や天使とエージェントの禁断の関係とか、さらに日替わりゲストが何らかのキャラに扮して登場するコーナーなどで笑わせる笑わせる。
が、終盤、大罪も残すところあとわずかとなったところで明かされる条件に「対象となる人物の命と引き換えに」があることで王子が難色を示すあたりから色合いが変わり、そんなバディの友情的なものを経て、祐三と妻・恵の夫婦愛で締めるところがニクいと言おうか上手いと言おうか。
あちこちで「これが観劇納めで良かった」という感想を見かけたのも道理。だもんで自分も30日にリピートして観劇納めとしたのであった。
こ こ ち り【ご来場ありがとうございました!!】
miel(ミエル)
atelier SENTIO(東京都)
2010/12/23 (木) ~ 2010/12/27 (月)公演終了
満足度★★★
様々なスタイルでの表現が面白い
1編目で、3人の群読を微妙にズラした上にバックに日本語の歌まで流す(ワカってはいるものの無意識的に歌詞も聞き取ろうとしてしまい気が散るんだな)という意図してテキストを聞き取らせまいとする演出の意図がわからず先行きが不安になったものの、2編目以降はそんなことはなく胸をなでおろす。
で、リーディング寄りのもの、芝居寄りのもの、むしろダンス系のものなどいろいろなスタイルでの表現が面白く、また、どれが誰の作品かを推測したり(2編しか当たらなかった:終演後に作品順を別紙で渡すアイデアも◎)しながら楽しむ。
聖月夜ノ演奏会
箱庭コラァル
グッドモーニングララ(東京都)
2010/12/26 (日) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
1日遅れのクリスマスプレゼント
前半は「星の王子さま」をぐっと圧縮したものにクリスマスにちなんだキャロルの演奏を絡めた55分。ウワバミの絵から始まりヘビとのアレまで、めぐる星を減らすなどうまく端折って、それでもスジを通すのが上手いやね。また、観ながら10月に観た Project Nyx 版を思い出したりもして。
休憩を挟んだ後半(50分)は11月の赤月夜ノ演奏会と同様のスタイルながら、バルトークやラフマニノフ(意外とポップなのが好み)が加わり、それぞれ特徴が出ていて面白い。
2月の赤月夜ノ音楽会の選曲も楽しみだにゃん♪
パレード
激団リジョロ
シアターシャイン(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/27 (月)公演終了
満足度★★★
「終わり良ければすべて良し」的な?
東京旗揚げであった第4回公演作品を、15周年を記念してここまでの軌跡も加味して改訂したとのことで、近年の硬派なタッチとは異なるファンタジックなオモムキ。
前半はアニーとプチがどうやって生計と立てているか全く見えない…どころか想像すらできず、説得力に欠けるというのが大きな欠点ながら、メインとなる2女優の演技が良くてトントン、な感じ?
が、冒頭の伏線を受けてアニー自身も気付かなかった真実が天使(!)によって明かされてからは、事態の進展を「うまく行けば良いが…」とハラハラしつつ見守る気持ちによって引き込まれる。
そうして迎えるラスト、まだ幼いプチに、別れの理由を海外に行くことにしようとする周囲を押し切って真相を伝えるアニー…。
う~ん、「泣かせ逃げ」じゃないか、それはズルいぞ。しかも大いに泣かせた後にこっそり涙をぬぐうための暗転すら配さないとは何たる配慮の無さ!
そんな終わらせ方、絶対に認めないからなっっ!!!(笑)
とはいえ、天使と共に去る前に壁があるハズのところを天使とともにアニーが通り抜けることによって「そっちの世界」に行ってしまったことをさり気なく表現する演出や、そのアニーに対して歌うジュリー(最初に登場した時は痩せたディヴァインかと思った(爆))の歌をバックに登場人物たちが一礼をしてハケるラストなども良く「終わり良ければすべて良し」的な?
可愛い怪物
劇26.25団
駅前劇場(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/29 (水)公演終了
満足度★★★★
25団的『BTF』?
ふとしたことからタイムスリップし、中学生時代の自分と対面する主人公を描いた25団的『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
母・茜が再婚するキッカケとなるエピソードと、1年少々後の08年の正月のエピソードを連作2編、といった体で見せる構造、基本的にはコミカルでそれぞれ面白い上に、ラストが絶品。
また、暗い部屋でテレビを観ているシーンや、深夜に冷蔵庫を開けた時などの照明効果も◎。
蛇ヲ産ム
日本のラジオ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
カジュアルなギリシア悲劇
現代口語でカジュアルなギリシア悲劇、オレステイアが、愛人と共謀して父を殺した母・クリュタイメストラに復讐するまでをこんなにもわかりやすく(事前情報により Wikipedia で直前予習をしたのも役立ったが)約70分にまとめるとはお見事。
また、復讐の女神・エリニュスをストーリーテラーとして、出番の少ないヘレネ、イピゲネイア、カッサンドラ役をも兼ねさせたアイデアもイイし、クリュタイメストラ以外は皆現代のラフな恰好にした衣裳も◎。
ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『KU-GU-TU』
『カイライ』の前日譚と言おうか「エピソード1」であり、開発されたくくりをめぐる陰謀…な物語。
それゆえ「くくり」とはどういうもので誰がどんな目的で開発したかなどもしっかり語られる分、アクションよりもドラマの比率が高い、的な。
その色合いの違いを喩えて言うならば、劇中(どちらも)台詞の中に出て来る『ターミネーター』よりも『エイリアン』に近い感じ?(110分と135分という時間もそうか?)
その味わいの違いもあってどちらも面白かった、やはり観る順はこの逆の方が良かったか。コマの関係でこの日しかなかったのがちょっと残念。
ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『カイライ』
設定上は現代ながら、自らの判断で独立して動く自動人形「くくり」が登場するのが近未来的な一方、「くくり師」が糸操りのように「くくり」を操ると真の力を発揮できる(逆にくくり師が未熟だと真価が発揮できない)というあたりはレトロなニオイがするし、舞台が上海なこともあって全体がカオス、な独特の雰囲気がイイ感じ。
そんな中で動き回る登場人物たちも善・悪・脇それぞれに個性豊かに描き分けられていて魅力的だし、アクションもたっぷりの娯楽作。
ただ、135分はちょっと長いかな。
Wonderful World
賞味期限
劇場HOPE(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
2連勝
ごくオーソドックスな勘違いや嘘が累積されて行くタイプのコメディながら、各要素の組み合わせ方が巧みでテンポも良く、90分がまたたく間。
特に終盤でいろいろなトラブルが次々とうまく片付いて行き、パクリ疑惑のあるあのマスコットネタを使ったオチは絶品。
ここを観るのはまだ2度目ながらともにウェルメイド系で2連勝。
EVE~歴史の傍観者~2012
amipro
ザ・ポケット(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
小気味良いアクション
前半は若干(or more)無茶があるものの、クライマックスでアイコのグループと彼女たちを支持する男子高のグループ、それにアイコたちをライバル視していた生徒会グループが一丸となって秘密結社にあたるのはアツいし、炸裂するアクションも小気味良い。
06年6月の X-QUEST 版を観ていたものの、かなり記憶が薄れており、しかし観ているうちに当時のキャスト(の一部)を思いだしたりして、それもまた楽しからずや。
女優(おんなやさしい)
ろりえ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤に快感っっ!!!
かなりベタな青春ドラマ系の基本設定に時々踏み外したようなおバカな笑いや毒が入るスタイルで進行(もちろんそのバランスも◎)するも、終盤の「リフォーム」以降、ダムが決壊したように思い切りナンセンスに転ずるのが快感。
それはあたかも往年の東映任侠映画のクライマックスの如し(笑)
また、装置の仕掛けにも少なからず驚く。無茶するなぁ(笑)
晦
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★★
tsumazuki no ishi テイスト満載
現代人が抱える心の病巣を前面に出していながら、ファンタジー色とユーモアでくるんでソフトタッチにしているのが独特。
また、心の病み方(の一部)に他人事ならざるものを感じる。
それにしても寺十吾の演出、冒頭の薄暗い場面や「コタツ女」の出現シーンを筆頭に tsumazuki no ishi テイスト満載だな。(笑)
GADGET collection vol.2
拘束ピエロ
BULLET'S(東京都)
2010/12/19 (日) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★
粗削り(=若者の特権?)な感もあり
オリジナルと原作ものの二話構成。
「人・間」のヴィヴィッドな会話や冒頭の海のS.E.の手法、「青い鳥」の現代的かつシニカルな味わい、それぞれ特徴的だが、ベテランや中堅の芝居を3本ほど観た後につき、粗削り(=若者の特権?)な感もあり。