ますく
劇団言葉座
タイニイアリス(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★★
中・上級者向け?
言葉座を名乗るだけに時に文語に近くなることも含めて台詞・会話が巧く、凝った照明や各人物の心理を象徴するかのような軋み音なども良い。
が、過去に何があったのかを「寸止め」状態にとどめて明確にせず、事後も観客の想像に委ねるスタイルは中・上級者向けか?
マッチ売りの少年だった男の結末の最後の幸せ
劇団40CARAT 【第36回公演『ダーリン×ダーリン×ダーリン』9月15日[金]~9月17日[日]阿佐ヶ谷アルシェ】
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★
期待が裏目に
「40CARAT版クリスマス・キャロル」という惹句に期待したのが裏目に出てしまい、原典と比べるまでもなく後ろ向きで自己完結的なストーリーが好みに合わず。
さらに中日で気が緩んだのか言い直すほど露骨に噛む(それも2~3回)役者がいて気持ちが折れる。
ただ、少なからざるすすり泣きも聞こえたのであくまで個人的な好みの問題かと思われる。
仮面音楽祭
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
平均年齢22歳の人々
合コンでいかにもありそうなあれこれを組み合わせた展開が愉快(時にはコワい?(笑))な上に既製曲をそのままだったり歌詞を付けたりな選曲も的確(あの曲と山手線ゲームの取り合わせは絶品!)で、130分の長さを全く感じさせないのが見事。
スロウ
劇団820製作所
テアトロ ド ソーニョ(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★
詩的で幻想的な近未来の物語
今までに観た3本の中では一番解り易いものの解釈の余地は非常に大きく、観ながらあれこれ考えを巡らすのが楽しくもあるがちょっと疲れる(爆)。
また、併走する2本の軸に直接的な接点がないのも少々残念。
コドモもももも、森んなか
マームとジプシー
STスポット(神奈川県)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
懐かしくも切ない
前々作『しゃぼんのころ』でも使った角度だけでなく視点も変えて繰り返し見せる「重ね塗り手法」により各人物の心境が染み込んでくるよう。
それによって心の底に眠っていた幼少期のキモチが揺さぶり起こされて、懐かしくも切ない。
ここは世界の果てっぽい。【ご来場ありがとうございました!!】
バジリコFバジオ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★
内容やキャラに人形が見事にフィット
まるで悪夢のように現実と幻想の境界が曖昧で、そんな内容やキャラに「キモカワイイ」あるいは「可愛いが毒気のある」人形が見事にフィット。
また、装置の暗い色彩で閉鎖的な感覚、遠近法をズラしたことで非現実性を現したのか?と思ったり思わなかったり。
雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
原典を知っているとより楽しい
モチーフとした「百万回生きたねこ」のテーマに猫の死に関する俗説も絡ませた逆方向からの解釈に眼からウロコが落ちるよう。(=原典を知っていたのでより楽しめた)
また、別の時空のシーンに移る時のモーフィングの如き滑らかさや、時空を超えて登場する共通のアイテムや2役に持たせた意味なども巧み。
そんな内容に加えて ehon の葛木主宰を迎えての「女流劇作家対談」なアフタートーク(35分弱)も、本編をより深く掘り下げる内容で非常に有意義。
ソムリエ
靖二(せいじ)
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/01/28 (金) ~ 2011/02/01 (火)公演終了
満足度★★★★
丁寧な作劇に好感
きちんとしたデッサンを重ねて造り上げたように丁寧な作劇に好感を持つ。
また、さりげなく流れるS.E.により舞台となっている書店の外の景色まで見えるような気もする。
さらに最終場では「親子ネタ」+「優霊譚」と好みのパターンの複合にダブルでツボを突かれる。
13人のスピード!
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/31 (月)公演終了
満足度★★★★
これまでに観た3作の中でも断トツ
お馴染みの「あの状況」をうまくコメディに仕立てただけでなく「終わっているかどうかは周囲の評価ではなく自分自身が決めるものだ」的な名言も織り込み、さらに装置のアイデアも良く、これまでに観た3作の中でも断トツ。
もう一つのシアター!
Theatre劇団子
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
全く違和感なし
実在の劇団への取材を元に書かれた小説の少し先の出来事を作家自身の脚本により取材された劇団が上演するというループ構造が独特な上に小説のファンの身から見て全く違和感もない(当然か?)ので、若干無茶な「犯行の動機」には片目をつぶることにする。(笑)
明るい表通りで― On The Sunny Side Of The Street―
文月堂
シアタートラム(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
平成の人情噺
昔懐かしい日本家屋を再現した装置の醸し出す雰囲気やオープニングアクト的な「昭和編」の余韻も加わり、現代が舞台ながらそこここに昭和の薫りが漂って、「平成の人情噺」な印象。
また、屋内だが開放感のある装置も前週のミナモザと対照的で、そういう意味でも面白い。
コイツらありき。
電動夏子安置システム
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
10周年に相応しい
劇団員のみで演ずる「電」「動」「夏」「子」の文字を冠した短篇集で、脚本は竹田主宰のほか、殿様ランチの板垣雄亮、ホチキスの米山和仁が提供する(あと1編は文字縛り(とモチーフ)のある即興芝居)という豪華版。
その4編以外にも一人芝居や二人芝居が演じられるほか、開場時から生解説付きの過去作品の映像が投射されていたり、本編の合間には団体名命名の再現フィルム(!)も映写されたりと、「10周年記念事業の一環 電動夏子博覧会(仮称)」に相応しく、かつ楽しいイベント。(「(仮称)」というのは当日パンフにも書いてあるのでこれを含めて正式タイトルらしい)
開場時からの親近感あふれる劇団員の対応とトークも好印象。
くちびるぱんつ
ぬいぐるみハンター
王子小劇場(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/31 (月)公演終了
満足度★★★★
SFナンセンスコメディ
複数の流れが次第に加速して行き1つにまとまるクライマックスは快感。
また、ロマンティックだったり哲学的だったり、天文学を語ったりなダイアログで鎮めて静かに着地する終わり方も心地良い。
水底の静観者
猫の会
「劇」小劇場(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/31 (月)公演終了
満足度★★★★
ブンガクの薫り
祖父が作家で他の作家も執筆に使った旅館が舞台という設定だけでなく、静かで落ち着いた雰囲気もあり「文學」の薫りが立ち上るよう。
また、変人(むしろ偏執的?)に思われた編集者・積木が、終盤では一番公正でまともに見えて来るのも面白い。
大戦死遊園
サイバー∴サイコロジック
OFF OFFシアター(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★
中盤でモタつくのが珠に瑕
設定のおバカさと見せ方のアイデアで見せる序盤と謎解き系のパロディ風の終盤は良いがその合間が平板と言おうか冗長と言おうかなのが珠に疵。
もっと削ぎ落として95分程度に収めればスピード感もあって良かったのではあるまいか?
名を残さぬ者達
劇団 武士道
シアター風姿花伝(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★
殺陣はさすが
有名な人物の秘話路線ではなく無名の剣士達を描いた新機軸。設定にいささか無茶なと
ころはあるが殺陣はさすが。
また、登場人物のうちの2人のポジションに某人気SF系アニメを連想するが、もちろん考え過ぎだろう。(笑)
ONEMAN
ルドビコ★
サンモールスタジオ(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
おバカ+艶笑+トンデモ系
思い切り振り切ったおバカ系に艶笑ネタ(というより下ネタ?)も加えた探偵もの。
基本編的な第1話に始まり、応用編の第2話を経てトンデモ系の最終話に繋ぐという構成が上手く、連続ドラマを模したスタイルも愉快。
劇団K助の金沢主宰(作・演出)ってば、こんな引き出しもお持ちとは。
『Prism』
*rism
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
次第にディープになる構成
童話をモチーフとした4編の短編、原作に近いものから別視点で描いたもの、捻りを加えたもの…と次第にディープになって行く構成と、各書き手の個性が発揮された脚本が面白い。
また、開場時から板付きの出演者たちの写真集から抜け出て来たようなメイク・衣装も楽しい。
東尋坊~命の番人~
CAP企画
テアトルBONBON(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
胸に迫るものあり
東尋坊の自殺防止ボランティアたちを美談にすることもなく、観光協会側を批判するでもなく、ありありと描いて観客の判断に委ねることで胸に迫るものあり。
時として自殺志願者の負のベクトルに引き込まれそうで怖いような部分まであり。
また、黒い紗幕の後ろに東尋坊の突端を作り上げた装置も効果的。
サクラ咲ク、サクラ咲ケ。
男気ファンタジスタ
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★
今一つ決定打に欠ける憾みあり
バックステージ系にタイムスリップ(?)な要素も加えた「ハイブリッド」作品。
共に好きなネタなのでちょこちょこツボを突かれるも今一つ決定打に欠ける憾みが無きにしも非ず。