ヒミツきち【12日・13日・14日上演します!!!】
劇団SHOW&GO FESTIVAL
OFF OFFシアター(東京都)
2011/03/09 (水) ~ 2011/03/14 (月)公演終了
満足度★★★★
ラストの仕掛けは圧巻
題材選定やキャラクター造形が巧みで、いかにも美術準備室な装置と上手に劇中登場する絵画を展示した美術も見事な上にラストの仕掛けは圧巻。
が、程よい110分におさめるべく1.2倍速で間をとらない会話が多くせわしない印象になったのが珠に疵。
ヘッドライン×デッドライン
劇団東京都鈴木区
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/02/22 (火) ~ 2011/02/23 (水)公演終了
満足度★★★★
コミカル・サスペンス
コミカルな前半とスリリングな後半との対比が鮮やか。
また、後半でローカル局ならではの機動性が描かれる場面を、小劇場ならではの表現(映像で言えばマルチスクリーン的)で見せるのが小気味よい。
祖国へ
昭和芸能舎
SPACE107(東京都)
2011/02/22 (火) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
「旧き佳き時代」?
昭和43年の東京の下町を舞台に「旧き佳き時代」を描くかと思わせ、しかしそれはあくまで「日本人にとって」であり、在日には決して佳くはなく…どころか40年近く経った今でもそうなのでは?と気付かされる。
38度線に関する台詞には泣かされた。
東京バーグ2【全日程完売・当日券キャンセル待ち】
円盤ライダー
東京バーグ(東京都)
2011/02/10 (木) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★★
基本設定のみ踏襲した新機軸
続編ながら「パート2」にありがちな1作目の焼き直し的な安易なものではなく、基本設定のみ踏襲して新機軸を打ち出す、いわば「パート3」的なストーリー。まるで別の脚本家が書いたような感覚?
一気にこんな展開にして、もしも第3作を創るんならどうするんだ?などと余計な心配までしてしまう…(笑)
舞台版『千年女優』(大阪凱旋公演は5/11)
TAKE IT EASY!
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/02/17 (木) ~ 2011/02/21 (月)公演終了
満足度★★★★
非常に見事
現実、回想、映画内のシーンがシームレスに繋がるアニメならではの表現にピスタチオ手法がマッチしている上に映画ネタや笑いも盛り込み、さらにある場面では全員がどの役もこなせることを見せるなど相乗効果+αで非常に見事。
また、LOTUSをモチーフにした美術も○。
ただ、定刻を15分近く押しての開演について一言も触れないのはいかがなものか?
コーヒーが冷めないうちに
チーム1110 舞台美術部
萬劇場(東京都)
2011/02/18 (金) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
やはり好きなタイプ
4編から成る連作短編集。第1話で基本形を見せた後の3編それぞれ異なるバリエーション、というスタイルが巧み。
また、第3話を挟む形で配置し、内容もそれまでの逆パターンとした第4話のアイデアもイイ。
怪物-カイブツ-
ブラジル
駅前劇場(東京都)
2011/02/13 (日) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
これから子を産む母の不安と期待
基本的にはコメディタッチのホームドラマ(?)ながら、時々ブキミな部分もあり、しかしその本質は「これから子を産む母の不安と期待」。それをこんなカタチで表現するのはさすが。3人目の子供がやがて生まれるアン山田ならではか?(もしや最初の子供の時からあたためていたテーマ?)
タイトルの「怪物」は「生まれてきた子供」よりもむしろ周囲の人間たちな感じで、拡大解釈をすればどんな子供であろうと護ろうとする母やそんな風に子供を産む女性も含まれるかも…というのは男性目線か?
それにしても辰巳智秋を「あの役」にするとはスゴい発想。しかし「無垢」な感じがイイ。まさに彼ありきの作品と言えようか。
そんな芝居を創り出したアン山田も怪物、とか?(笑)
ということで、事前の評判「何を言ってもネタバレ」「2時間超(この日のこの回は実測135分)の長さを感じさせない」に大いに納得。
アマゾネス
劇団上田
シアター711(東京都)
2011/02/16 (水) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
好きだなぁ、こういうの
複数の流れが多層あるいは入れ子となっている構造に映画ネタをたっぷり盛り込み、しかし基本はナンセンス系コメディというツクリが好みなばかりでなく、2回ほど入るショートコントの乱れうちのバカバカしさに大笑い。
好きだなぁ、こういうの。
12人の怒れる男
ULPS
アイピット目白(東京都)
2011/02/17 (木) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
名作を忠実に演じて見事
言わずと知れた名作を忠実に演じて見事。各人物の表現はもちろん、三方囲みの写実的な舞台、開場時から流す街頭ノイズ、さりげないながらも効果的な照明などスタッフワークも◎。
さらに三方囲みの客席ゆえ目当ての役者を尋ねてから誘導する対応には感服。
逆髪
演劇ユニット 金の蜥蜴
ブディストホール(東京都)
2011/02/17 (木) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
お得意の手法、今回も鮮やか
能の題材をモチーフに現代演劇に仕立てるお得意の手法、今回も鮮やか。
奇しくも前夜の作品と同様、英国悲劇を絡ませてある(依然として大人気だね)だけでなく他の共通点もあり、そんな相乗効果も含めて面白い。
しかし次回公演が再来年とは…。
将門
劇団パラノイア・エイジ
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2011/02/16 (水) ~ 2011/02/21 (月)公演終了
満足度★★★★
バリ島のスパイスを利かせて英国悲劇の風味も漂わせた「応用編」
ガムラン、ジェゴグ、ケチャというバリ島の3大民族音楽で彩り、英国悲劇の薫りも添えた歴史絵巻。11ヶ月ほど前に観た他劇団のものが基礎編、こちらは応用編というオモムキで、その異なる脚色ぶりやアクションも含めて楽しむ。
「サンポジウム2011」 「劇」小劇場
散歩道楽
「劇」小劇場(東京都)
2011/02/16 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和編初日
六畳(?)一間に水場がある程度の引き戸の部屋が4つほどの木造(せいぜいモルタル)アパートの1部屋を中心に住民たちが織り成す物語、あれもこれも昭和のニオイがぷんぷんで、高橋留美子テイストにかすかなペーソスも漂うコメディ、可笑しくもあり懐かしくもあって楽しい。
品潮記(ほんちょうき)
BOTTOM-9
サンモールスタジオ(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/20 (日)公演終了
満足度★★★★
「一粒で二度美味しい」スタイル
冒頭では明治の人々と幕末の人々を同じ舞台に上げてオーバーラップさせるものの、以降は下手側にあるサブステージ(明治では開かずの間だが幕末では奉公人の部屋)に明治の2人がいてメイン舞台で進行する江戸パートに注釈を加えたりするスタイル。
で、時折「章の題」あるいは「小見出し」的なものが障子に投影されることもあり、幕末庶民伝的な(庶民の気位の高さなども描く)江戸パートは山本周五郎あたりの連作短編集の味わい。
が、プロローグからまさに通奏低音のようにサブステージで演じられている明治パートと江戸パートの繋がりが濃くなる(五稜郭に向かう武士とかね)終盤ではまた異なる味が出てきて「一粒で二度美味しい」な感じ。
また、中心となる男(ろく)は明治と幕末で違う役者が演ずる一方、両方に別の役で登場する役者もいて、それが血縁関係にあったりする(例外あり)のも芝居ならでは、的な。
かくて160(70+10+80)分という上演時間もさほど長く感じず。
あ、ただ、泣かせようというのが見え見えな選曲はちょっとあざといかも?(笑)
バレンタインサミット
乱雑天国
エビス駅前バー(東京都)
2011/02/11 (金) ~ 2011/02/15 (火)公演終了
満足度★★★
ぐ~のねも、でねーぜ!
基本的にはナンセンス系でバカバカしいコント集、それを小劇場系の役者たちがホンキで演ずるところに意義がある、みたいな? アクが強いので好みは分かれると思うが「あんな方やそんな方」がそこまで演ってくれればこりゃあもう「ぐ~のねも、でねーぜ!」
さめるお湯
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
雪の千穐楽
毎度ながらのゆる~いぬる~い笑いに加えて「第三の目」に関するシュールかつトボケたパートも可笑しくて、これもまたその思いもよらない発想に感心するやら呆れる(←良い意味)やら。
それにしても劇中設定通り雪になった千穐楽、電車が運休にならずヨカッタ。
悟らずの空
Jungle Bell Theater
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/02/10 (木) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
妖怪と五行説の取り合わせが巧み
妖怪たちを「木・火・土・金・水」の五行説にあてはめ、それによって妖怪たちの「三すくみ」的な力関係を作り出して対立・共闘させているのが上手い。
また、同じ村の者を妖怪にすることで己の利益を得ようとする村長、導師などにより「人の心の中の妖怪」にも言及したのもイイ。「妖怪」というのは「人の心の中にある邪悪なもの」であって「化け物の形で現れるもの」はあくまで「単なる象徴」、的な。
らんでぶ~
LIVELIKELIFE
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/02/08 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
黒版、白版は完全反転ではなく…
15年の時を経て解明される行方不明事件の真相。
男性キャストの黒版、女性キャストの白版は完全反転ではなく異なる点もいくつか。
黒は行方不明者の見せ方・出し方、白は想定外の人物の正体と6人目の設定(黒との対比において)などが特に面白い。
サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/02/11 (金) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
「NHK少年ドラマシリーズ」のノリ
昔懐かしい「NHK少年ドラマシリーズ」のノリにラブコメディを絡ませて、「七瀬ふたたび」と通ずるテーマにも触れた娯楽作。
スピード感のある導入部やセンス良いオープニング映像、瞬間移動や透視を「見せる」装置なども◎。
グレート、ワンダフル、ファンタスティック
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
印象派の絵画、的な
喩えれば印象派の絵画、混ぜ合わせることで新たな色を創るのではなく、色を並べて置くことによって新しい色や全体像を創り上げる、みたいな。
あるいはリニアに繋がっているアナログではなくデジタルな感じ?
ChocoLate
7contents
アイピット目白(東京都)
2011/02/10 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
カーテンコールの後に…
登場人物が多いためにその紹介に充てる序盤は冗長な感があるが、中盤以降はもともと好きな題材でもあり引き込まれる。
また、カーテンコールの後にもう1シーン設けて最後の謎を明かす構造には「そのテがあったか!」と。