時泥棒~昭和歌謡短編集~
はぶ談戯
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2011/05/31 (火) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
見事な構成+挿入歌の楽しさ
独立した3話オムニバスかと思いきや、第3話で第2話とのリンクが示され、オープニングと各編の合間に挿入されていたパートの続きですべての繋がりを明かす仕掛けの構成が見事。また、昭和歌謡のパロディ的な挿入歌も上出来にして愉快。
往年の深夜ドラマ「HeartにS」、タモリの3rdアルバム「戦後日本歌謡史」が好きな身としてツボ2箇所同時攻撃、みたいな?(笑)
帝国
劇26.25団
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/06/01 (水) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★
セカイアジ寄りか?
濃かったりアヤしかったりなキャラのオンパレードから画家の遺作をめぐるサスペンスに転ずるあたりはセカイアジ寄りか?
それにしても終盤で明かされる遺作の内容の意外な(あるいはおぞましい?)ことといったら!(笑)
IN HER TWENTIES
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2011/05/31 (火) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
リピートっっ!!!
まさに「立体年表」で、演じられる「彼女」の10年間にはもちろん、舞台上方の空間に「彼女」以外の登場キャラクターの「交際期間」「存命期間」などを示す帯が見えるよう。←2度目なのでなおさらか?
IN HER TWENTIES
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2011/05/31 (火) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
手法が独特にして秀逸
同じ女性の20歳から29歳までの各年齢をそれぞれ1人の女優が演じ、時には対照的な立場での2つの会話を組み合わせたり21~28歳までの8人が話し合ったりという手法が独特にして秀逸。内容的には親友との逸話にホロリ。
関ヶ原でダンス
劇団6番シード
吉祥寺シアター(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
関ヶ原庶民伝
武将が出て来ない「関ヶ原庶民伝」。
コミカルな部分もあるが、そんな中からいわれなく合戦にかり出された農民たちの哀しみや畏れの感情がストレートに伝わって来る感じ。「人を殺すのが怖い」という台詞は特に心に響く。
EVLITH イブリス
Performing unit colors7~C7
d-倉庫(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★
一長一短?
母が遺した物語の世界に入った少女の物語、内部は先に入った者によって代替わりしていて…という設定が面白いが、その反面RPGっぽくなってしまい「母の遺した物語」が今一つ活きない憾みが無きにしも非ず。
回転木馬共和国の逆襲
月蝕歌劇団
風紋(東京都)
2011/05/22 (日) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽性+原発トリビア
3作目にして現代(近未来)編だが登場人物たちは経時変化していず、もはや回転木馬共和国はレジェンドかサーガか、みたいな?(笑)
そんな中でのいささか過激な反原発テロをめぐる物語、娯楽性も十分な上に原発トリビアまで盛り込んでさすが。
紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】
風琴工房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/05/24 (火) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
心の傷が生々しく伝わる
虐待がテーマと知って予想していたよりもはるかにハード、というか主人公の心の傷が生々しく伝わって来て息を呑む。
おとなしそうだった女性が豹変して愛娘にあたる場面は想定内としても病身の母を…(自粛)…場面などもはやコワいのレベルだし。
『パ・ド・ドゥ』【ご来場ありがとうございました!】
七里ガ浜オールスターズ
王子小劇場(東京都)
2011/05/24 (火) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★
若干の違和感もアリ
殺人事件の被告とその元夫である弁護人とのやり取りの中から彼らの気持ちや過去が立ち上がってくる感覚が鮮やか。
ただ、1場と2場でコートチェンジの如く接見室の「中側」と「外側」を逆転させたことには違和感を憶える。
『十二人の怒れる男』/『裁きの日』
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
裁きの日
「12人の優しい日本人」とは別方向の日本版「12人の怒れる男」。正解のない問題について正論、感情論、理想論などが静かに飛び交うあたりが極めて日本的。
また、死刑廃止論や裁判員制度に関する問題を非常に身近に感じる。
それにしても冒頭で裁判長に「裁判員たちの評決をしかるべき方向に導くのが(判事の)職務」と言わせているのが上手い。ってかコワい?
熱闘!!飛龍小学校☆パワード
桜ジュリエッタ
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
これぞ本家!
かつて惑星ピスタチオによるオリジナル版を観ていたので懐かしく、かつ改訂と記憶の減退(爆)により新鮮にも感ずる。
また、西田シャトナー演出作品も久しぶりなので「これぞ本家!」的な印象。
誰ガタメノ剣~長宗我部元親伝~
シアターキューブリック
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2011/05/25 (水) ~ 2011/05/26 (木)公演終了
満足度★★★★
三演目も満足
時代劇らしからぬ衣装・メイクがどこか異国のようなイメージを抱かせるのが醍醐味か。
また、歴史の大きな流れの中で地方の大名はどういう状況にあったかを描くという着想も良く、三演目の今回も満足。
散歩する侵略者
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2011/05/13 (金) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「愛」を論じて文学的
地球外知的生命体による侵略というSFサスペンスホラーの1つの典型的なスタイルをとりつつ、最終的には「愛」を論じて静かに終わるのが文学的。
また、G-up版とも青山円形劇場版とも異なる具象的な装置によって別の味わいが生まれた気がする。
らん -2011New version!!-
秦組
前進座劇場(東京都)
2011/05/22 (日) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ハードな結末も、人の身勝手さを際立たせ
逆『荒野の七人』的な状況があったり、『七人の侍』からの引用があったりで、その2作品が好きな身として、より楽しめた感じ。
また、その流れをくむハッピーエンドとは決して言えない…どころか悲劇性まで漂うハードな結末も、人の身勝手さを際立たせて◎。
醜い蛙ノ子
張ち切れパンダ
テアトルBONBON(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/26 (木)公演終了
満足度★★★★
110分間眼を逸らさせない
虐待や「ゴミ屋敷」問題から言葉の暴力、マスコミの横暴なども盛り込んで「ヒリヒリする」どころか「傷口に塩」のようなハナシだが求心力のようなものがあり、110分間眼を逸らさせないのがスゴい。
また、ラストの明かりによって「その後」を暗示するのもイイ。
【ご来場ありがとうございました】解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」
趣向
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2011/05/21 (土) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
内容はもちろん照明も見事
大学入学から卒業までの人間関係や寮生活に懐かしさを感じ、また、失われゆく(←劇中の時制)建築物への想いがすんなりこちらの心にも入って来る感じ。
素の舞台で「場」あるいは「演技エリア」を照明によって表現するのも美しくかつステキ!
青に白
ペテカン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/05/13 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
『煙が目にしみる』と共通性?
空気を読まない(読めない)面々が巻き起こす大笑いの合間に挟まれる切なかったりほろ苦かったりな家族に関する部分が全体をきりりと引き締めている感じ。
また、観ながら漠然と堤泰之の『煙が目にしみる』を連想したが、後から共通点が3つ思い当たり得心がゆく。
【バナナ学園★王子大大大大大作戦】
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2011/05/17 (火) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
壮絶と言っても過言ではない
総勢44人のますます過激になった壮絶と言っても過言ではないパフォーマンスに圧倒される。が、そんな中で糸電話のシーンは照明やシャボン玉の効果もあってとてもキレイで一服の清涼剤、みたいな?(爆)
DUST CHUTE UTOPIA
PLAT-formance
タイニイアリス(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★
ランさんスーさん
全体がコメディタッチな中、しっとりした上に「もののあはれ」まで感じさせるランさんスーさんのエピソードが入ることで1本の作品としてきりりと締まった印象。
カーテンコールの後にミッシングリンクを明かすパートがあるのも◎。
空色ラジオ
春の日ボタン
「劇」小劇場(東京都)
2011/05/18 (水) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
連作短編スタイル、絶好調
お得意の最後に一つにまとまる連作短編スタイル、絶好調。
今回は特に「ハガキ職人」ネタや70年代の洋楽を多用した選曲など世代的にツボを突かれる。
個別では前半の2編と最終的な落としどころが特に好み。