らん -2011New version!!-
秦組
前進座劇場(東京都)
2011/05/22 (日) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ハードな結末も、人の身勝手さを際立たせ
逆『荒野の七人』的な状況があったり、『七人の侍』からの引用があったりで、その2作品が好きな身として、より楽しめた感じ。
また、その流れをくむハッピーエンドとは決して言えない…どころか悲劇性まで漂うハードな結末も、人の身勝手さを際立たせて◎。
醜い蛙ノ子
張ち切れパンダ
テアトルBONBON(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/26 (木)公演終了
満足度★★★★
110分間眼を逸らさせない
虐待や「ゴミ屋敷」問題から言葉の暴力、マスコミの横暴なども盛り込んで「ヒリヒリする」どころか「傷口に塩」のようなハナシだが求心力のようなものがあり、110分間眼を逸らさせないのがスゴい。
また、ラストの明かりによって「その後」を暗示するのもイイ。
【ご来場ありがとうございました】解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」
趣向
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2011/05/21 (土) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
内容はもちろん照明も見事
大学入学から卒業までの人間関係や寮生活に懐かしさを感じ、また、失われゆく(←劇中の時制)建築物への想いがすんなりこちらの心にも入って来る感じ。
素の舞台で「場」あるいは「演技エリア」を照明によって表現するのも美しくかつステキ!
青に白
ペテカン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/05/13 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
『煙が目にしみる』と共通性?
空気を読まない(読めない)面々が巻き起こす大笑いの合間に挟まれる切なかったりほろ苦かったりな家族に関する部分が全体をきりりと引き締めている感じ。
また、観ながら漠然と堤泰之の『煙が目にしみる』を連想したが、後から共通点が3つ思い当たり得心がゆく。
【バナナ学園★王子大大大大大作戦】
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2011/05/17 (火) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
壮絶と言っても過言ではない
総勢44人のますます過激になった壮絶と言っても過言ではないパフォーマンスに圧倒される。が、そんな中で糸電話のシーンは照明やシャボン玉の効果もあってとてもキレイで一服の清涼剤、みたいな?(爆)
DUST CHUTE UTOPIA
PLAT-formance
タイニイアリス(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★
ランさんスーさん
全体がコメディタッチな中、しっとりした上に「もののあはれ」まで感じさせるランさんスーさんのエピソードが入ることで1本の作品としてきりりと締まった印象。
カーテンコールの後にミッシングリンクを明かすパートがあるのも◎。
空色ラジオ
春の日ボタン
「劇」小劇場(東京都)
2011/05/18 (水) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
連作短編スタイル、絶好調
お得意の最後に一つにまとまる連作短編スタイル、絶好調。
今回は特に「ハガキ職人」ネタや70年代の洋楽を多用した選曲など世代的にツボを突かれる。
個別では前半の2編と最終的な落としどころが特に好み。
+-×÷
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/05/20 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
「一人 15 Munutes Made」?(笑)
「一人 15 Munutes Made」の如く5編それぞれの異なった味わいに加えて、再演やスピンアウト作品3編の後にそれらとリンクさせつつ言葉遊びを駆使した新作を配してテンポ良く4編を見せた後にやや長くしっかりしたドラマ性のある作品で締めくくる構成がまた良くて満足。
鬼泪~KIRUI~
カプセル兵団
アイピット目白(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
構成が秀逸
軽妙な前半から次第に加速してストーリーに引き込み、ダイナミックなスペクタクルアクションを見せて一件落着した後に、単なる導入部かと思わせておいた「羅生門の場」で最終的な決着をつける構成が秀逸。
また、ヒーローものやアニメネタの織り込み方もいつもながら見事。
うそでもいいの
GORE GORE GIRLS
ワーサルシアター(東京都)
2011/05/18 (水) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
マスコミ批判と演じ分けが◎
中心となる4人の目的がなかなか見えない(←客を引き付けることになっているのは認める)のがもどかしいし立ち直るのが簡単過ぎる気がするがテンポの良さとサラリとしたマスコミ批判(ちょっと違うが)、それに4人の「演じ分け」がイイ。
ロマン
東京タンバリン
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/05/13 (金) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
本当に「ロマン」!
いや本当にロマンだわ(笑)。
途中「笑ゥせぇるすまん」か「世にも奇妙な物語」か、な流れになって他人事ではなく身につまされ…(ネタバレ自粛)。
あと、全体が階段様になっている装置の変化ぶりもステキ。
STATION
リブレセン 劇団離風霊船
ザ・スズナリ(東京都)
2011/05/11 (水) ~ 2011/05/17 (火)公演終了
満足度★★★★
遺された側の喪失感・虚脱感
前半の自殺の罪深さ(これも好きなテーマだが)はままあるレベルではあったが、予想外のどんでん返しの後に語られる「遺された側の喪失感・虚脱感」の描き方は他に類を見ず、圧巻。が、東日本大震災関連は敢えて無理に(?)入れなくても良かったような気がする。
GUNG-HO
グーフィー&メリーゴーランド
明石スタジオ(東京都)
2011/04/14 (木) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
初日とはいえあんまりな出来
全体的にメリハリに欠ける上に終盤の見せ場である屋外シーンでは黒布の隙間から装置の一部が見えているなど「稽古不足を幕は待たない」状態。
さらに当日パンフレットを配布し忘れるなど、いかに初日と言えど「そりゃないだろう」な出来。(話の種、頂きっっ!!!)
なお、満足度の星は「評価しない」ではなく「無星」である。
『ゴーストライターズ』
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★
意外にも時間モノ
メインと思われたストーリーが終わりかけたところでさらにもうひと波瀾りコトの本当の原因を語る二段構えの構造が巧みな上に、二組の親子ネタも練り込まれていて150分の長さを感じさせないのが見事。
なお、気に入ったので翌日にリピート。
降臨Fight
ACTOR’S TRASH ASSH
吉祥寺シアター(東京都)
2011/04/06 (水) ~ 2011/04/12 (火)公演終了
満足度★★★★
新感覚アクション
荒俣宏や山田風太郎のテイストに「逆VR」的な要素を加えた新感覚アクション。「(自分の)命よりも大切なものがある。それを守るのが誇りだ」「リセットすることなどできない本当の痛みを知れ」などの台詞にツボを突かれる。
汗はまだかける
ボビボビ。
ウッディシアター中目黒(東京都)
2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
ロートル応援歌
基本はコメディタッチのロートル応援歌、主人公たちの20年来の友人関係がなかなか良い感じで羨ましく、そのうちの1人が挑戦した東京マラソンに完走できなかった理由が「応援客たちが多数いるので声など聞こえないと思っていた浅草で妻の声を聞き取って急にピッチをあげたから」なんてところでホロリとさせるのも上手い。
時間創造部
ワーサルシアター
ワーサルシアター(東京都)
2011/03/09 (水) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★
模擬社内プレゼン
模擬裁判ならぬ「模擬社内プレゼン」。
それだけで90分もの間をもたせることができるかと訝っているとキャラ合戦・ネタ合戦となり十分に楽しい。
群れ
東京のくも
APOCシアター(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★
見せ方のカッコ良さ
どちらかと言えば苦手なスタイルだが、オープニングのダンスはワクワクものだったし、それをバックにしての主宰の前説や、終わってからのブラインド越しの礼など、「見せ方のカッコ良さ」を随所に見ることができてそちらの面で満足。
15 Minutes Made TOUR
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
五輪マークの如し
今までもそれぞれ傾向の異なる団体を組み合わせていたが、今回は特に色がクッキリと分かれ、それでいて見事なまでに調和しているさまは五輪マークの如し。
個別ではミジンコターボの「手口」、劇団競泳水着とMrs.Fictionsの「安定感」が特に印象的。
8人の女
トレモロ
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
さすがトマ作品
ロベール・トマ作品だけに隙がないと言おうか緊張感が持続すると言おうかストーリーテリングが巧みで目が離せない。また、ラストの展開も鮮やか。
(…とか言って、遭遇したこり友さんの解釈に大きく膝を打ったのだが)