黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】
声を出すと気持ちいいの会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/07/29 (金) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
構成が巧み
ポオの生い立ちのハナシがいつの間にやら「黒猫」の世界に変容し、それがさらにある「秘話」だったという構成が巧み。
また、ポオ以外は黒衣のコロス的な人物で表現することや、猫を人とぬいぐるみを使い分けて描く演出も◎。
DEN
itella
BEMSTAR(東京都)
2011/07/28 (木) ~ 2011/07/30 (土)公演終了
満足度★★★
変奏曲のよう
ダンス(ムーブメント?)や音楽も交えて一定のテキストを微妙に変容させながら繰り返すのは変奏曲のよう、あるいはパラレルワールドもしくは分岐点の多いRPGのようでいろんな解釈ができるのが奥深いと言うか何と言うかで面白い。
パール食堂のマリア
青☆組
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/07/29 (金) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
懐かしい雰囲気に包まれる
起こる事実だけでなく人の考え方に至るまで時代設定である「昭和47年」が色濃く現れており何だかとても懐かしい雰囲気に包まれる。
また、シンプルな線だけでも本人の特徴をとらえた似顔絵のように僅かな台詞や演技から各人物の人と成りがくっきり浮き上がってくるのが見事。
弁護士バイロン
劇団東京都鈴木区
遊空間がざびぃ(東京都)
2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
存分に楽しむ
原作未読につきどこまでがどちらの領分かは不明ながら、キモとなる裁判を模擬裁判として組み込んだ構造が上手く、随所に笑いをちりばめさらに適宜用語説明を入れるなど至れり尽くせりな上に裁判パートは「12人…」的なスリルもあり、存分に楽しむ。
親孝行 ~こんにちは、母さん~
CAP企画
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/09/13 (火) ~ 2011/09/19 (月)公演終了
満足度★★★★
いろいろと考えさせられる
自然分娩を是とする助産院を中心とした群像劇。
母になるということ、不妊の悩み、中絶の是非、DVの構造などを取り上げておりいろいろと考えさせられる。
中でも無脳症で生まれてすぐ亡くなると判っていても産みたいという母の気持ちにはハッとする。
果樹の在処
集団as if~
笹塚ファクトリー(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
イマの世の中ってコワいですね
各人物の「間違った愛情」の組み合わせ方の上手いこと。
それぞれありそうなケースが連鎖して起こる悲劇ということでリアリティがあったりなかったり。いやぁ、イマの世の中ってコワいですね。
あと、ラストシーンでドアの覗き窓からさしこむ明かりがイイ!
愛・王子博
INUTOKUSHI
王子小劇場(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
痛烈な皮肉に頬が緩む
序盤から時々挿し挟まれる「不道徳ネタ」がラストで結実するのは一種の快感、それによってそこまでのアレコレに得心が行き、「それなら全部容認」みたいな。が、含まれる「毒」も良いが、欲を言えばもっと大きな(「ヤバい」とも言う)モノに矛先を向けて欲しかった気も。
なお、一番のツボは序盤、あるフレーズに対してヒロインが「私の心には全然響かなかった」と語るところ。痛烈な皮肉に頬が緩む。
アンネの日記
劇団民藝
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2011/07/21 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★
「新劇っぽさ」的なもの
アンネが事態にはしゃいだりもする第1幕と1年以上経って大人っぽい部分も見せる第2幕という構成が手堅い。
また、全体の雰囲気や照明に観慣れた小劇場系の芝居とは異なる「新劇っぽさ」的なものを感じ、ちょっと懐かしいような気にもなる。
花と土/ファーファーファーファー,ファーラウェイ
monophonic orchestra
百想(re:tail別館)(東京都)
2011/08/31 (水) ~ 2011/09/12 (月)公演終了
満足度★★★★
第2週
第2週の標題作「花と土」は、夫婦の日常的な会話から始まるもののややブラックに締めくくるオチが楽しい。
一方、「今日のおわりに」は1週目に続いてオーソドックスな配役になってしまい、ちょっとだけ残念。(何でよりによって…(笑))
はじめてのにんげんがり
劇団桃唄309
テアトルBONBON(東京都)
2011/09/07 (水) ~ 2011/09/13 (火)公演終了
満足度★★★
不得手な方にとってはハードルが高い?
事前に目にした感想から身構えて観たが、時空超越系SFも好きな身として序盤で状況(構造?)が理解できそれなりに楽しむ。
が、そんな立場でさえ1回観るだけでは全容が把握しにくく、不得手な方にとってはハードルが高かったのではないか?などとも思う。
今昔舞踊劇 遊びの杜 其之四
劇団パラノイア・エイジ
靖国神社内 神池前特設ステージ(東京都)
2011/09/08 (木) ~ 2011/09/11 (日)公演終了
満足度★★★★
進歩し続けるのがイイ
内容の楽しさはもちろん、短編オムニバスの前半、頼光の土蜘蛛草紙(全四場)の後半という新たな構成や、オープニングの三番叟を人形振りの「あやつり三番叟」で見せたり恒例(?)の怪談シリーズを新演出にしたりなど進歩し続けるのがイイ。
「野ばら」 「バーン・ナ・バーン」
ワワフラミンゴ
café viet arco(東京都)
2011/07/20 (水) ~ 2011/07/30 (土)公演終了
満足度★★★★
バーン・ナ・バーン
こちらも負けず劣らずすっトボけており(しかもあんなモノ?まで登場するし)、この脱力感が心地よく感じられてしまうという…(爆) また、意識して作為的にした会話に「そういえば野鳩もそんな感じだったっけ」などと思い出す。
「野ばら」 「バーン・ナ・バーン」
ワワフラミンゴ
café viet arco(東京都)
2011/07/20 (水) ~ 2011/07/30 (土)公演終了
満足度★★★★
野ばら
言葉そのものの面白さに、投げっ放しで回収しなかったりシュールだったりな会話内容のオカしさが加わったワワフラワールド全開? その独特の味わいはもしかして中毒性があるやも?(笑)
ムサ×コジ【ご来場ありがとうございました!】
X-QUEST
THEATRE1010 ミニシアター(東京都)
2011/07/21 (木) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★
身体のキレと動きの美しさ
『七人の息子』で編み出した手法の発展形を「2時間弱でワカる武蔵の生涯(笑)」と融合させて楽しい。また、ハイパーフォークダンスなどのダンスや殺陣における身体のキレと動きの美しさ、ナンセンス気味の笑いなどもさすが。
けもの撃ち
椿組
花園神社(東京都)
2011/07/15 (金) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★
「借景」が例年と比べて今一つ効果的でなかった
化け物級の「けもの」が出没するようになった集落の話を軸に親子の確執などのサイドストーリーを絡ませた構成はしっかりしていて好感を持つも、この会場での特質である「借景」が例年と比べて今一つ効果的でなかったのは不服。
ごんべい 江戸版/平成版
ゲキバカ
吉祥寺シアター(東京都)
2011/07/14 (木) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★
平成版
SFパロディ系コメディかと思わせておいて終盤で正統派SFファンタジーに転ずるのが鮮やか。
あちこちに既視感はあるのは否めないが、逆に元ネタか何であるかを探る楽しみになっているし(笑)。
あと……コスプレ祭かっっ!!!(笑)
ごんべい 江戸版/平成版
ゲキバカ
吉祥寺シアター(東京都)
2011/07/14 (木) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★
江戸版
忠臣蔵を下敷きに、キツネに仇討ちする機会を窺うタヌキを主人公とした大人のための童話。
歌やダンス(ヲタ芸含む)も取り入れたスタイルに新感線を想起するもオタ芸があることで一戦を画する?(笑) 仇を追い詰めたタヌキの最終決断がまたイイ。
tea for ONE ヒットパレード ONE act
tea for two
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2011/07/16 (土) ~ 2011/07/17 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和歌謡のエッセンスを抽出・昇華
昭和の歌謡曲のエッセンスを抽出して昇華させた一人芝居3本。
歌詞をそのまま立体化したのではないが、歌詞と内容がそこはかとなくリンクしているのが巧いところ。
櫻の園
TUFF STUFF
相鉄本多劇場(神奈川県)
2011/07/13 (水) ~ 2011/07/18 (月)公演終了
満足度★★★★
「新釈版」として加筆・割愛
【総論】
90年頃の映画、東京芸術劇場小ホール1での舞台版初演、青山円形劇場での再演、比較的最近の青山円形劇場など上演される度に観ており、原作(や21世紀版の映画:これは妾の子的存在だが)も好きな身として「やはり名作」と再認識。で、今回は「新釈版」として加筆・割愛してあり、その意欲やよし。結果的に加除部分は一長一短…いや「二長半短」といったところか?←大好きな作品であるがゆえの個人的思い入れや偏見・私見に基づくモノも含む
【各論】
終盤で志水と倉田を見る杉山を花道に置いたのは画的にアリだが、そのために過半数の観客が彼女の存在に気づかないのは惜しい。何とか舞台上に置いて見せることはできなかったか?
また、進路指導室での志水の問いへの回答をマイルドにしたのは何故? あそこはストレートだからこそ次の「別に。言葉通りの意味ですけど」が活きるのでは? 敬語に関するやり取りの割愛も残念。(この2点は完全に私見)
一方、20年前の作品をイマにするべく携帯を登場させたり(オリジナルにもあったが忘れているだけかも?)、2年生たちのパートを膨らませ「あんな作品」のタイトルを出したり、あと、本番直前にチェーホフの「桜の園」のシーンを多めに入れたりの工夫は◎。
さらに、装置の工夫で部室、進路指導室、外(校門あたり)、講堂の舞台などを表現し分けたことや、客席開場時から本編開演直前まで「前夜の部室での稽古風景」を見せること、そこに開演前の諸注意を入れるその方法なども良く、総じて満足。
ただ、前夜の稽古が遅くなったようだが、あの後に美容室が開いていたのか?という疑問は残る。(笑)
天皇ごっこ ~蒼白の馬上 1978326~
高木尋士主催 見沢知廉七回忌追悼公演
APOCシアター(東京都)
2011/09/09 (金) ~ 2011/09/11 (日)公演終了
満足度★★★★
情報量の多いことに圧倒される
見沢が高校生時代に参加した三里塚闘争を主軸に獄中や晩年(?)の見沢も併せて描き、含まれた情報量の多いことに圧倒される。
また、鉄パイプとロープで組み上げられた装置を文字通り縦横無尽に使いまくる演出も圧巻!