イエスタデイ
ブラジル
座・高円寺1(東京都)
2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の展開に快感
肉親であるがゆえの辛辣な台詞も少なからずあるビター&スウィートなホームコメディが一転する終盤はさながら往年の任侠映画で堪え忍んでいた主人公が怒りを爆発させるクライマックスに通ずる快感?
一部の演出に手塚治虫が編み出したというマンガの技法を連想。
A-1グランプリ決勝
劇団福耳
新宿LOFT/PLUS ONE(東京都)
2012/01/15 (日) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★
ひげ太夫の優勝にも納得
コント集1団体に短編芝居3団体という構成も結果的にバランスが良く、2つの団体に1票ずつの観客投票もうまく考えられていて満足。
初めて観る方にはインパクトがあり、いつも観ているファンにはタッパのない小屋での工夫を示したひげ太夫が一歩抜きん出て優勝したことにも納得。
Kitchen
DOGSUGAR & Roads to Shangri-la
サンモールスタジオ(東京都)
2012/01/12 (木) ~ 2012/01/18 (水)公演終了
満足度★★★★
三編三様
3編オムニバス。
そんな中で3話の連作とさらに「小分け」した1編目(「田園都市線の美人妻」作:一雫ライオン、演出:森義隆)と、広瀬作品には珍しく笑いが多く意外に思わせつつ最後は「やっぱり!」な2編目(「悪魔の証明」作・演出:広瀬格)は良かったが暗転を多用して細切れな3編目(「かりて(糧) 〜Desire for life〜」(作・演出:高瀬一樹)が残念至極。
誰だ太郎を殺した奴は!
劇団ダダン
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/01/13 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★
舞台ならではの表現が◎
転生を前に前世で死に至った原因を考える太郎と「悪」「寂」「愛」など彼の5つの「要素」たち。
トープレの近作や劇団第三反抗期『うわっ!増えちゃった』(99年)同様、1人の人物のいろいろな面を複数の役者が演ずる舞台ならではの表現がイイが、輪廻転生のため太郎が死にすぎる(笑)のがちょっと気にかからないでもない。
なお、「要素」たちの胸に表示された文字のデザインも◎。
第1回演劇早慶戦
演劇早慶戦実行委員会
早稲田大学小野記念講堂(東京都)
2012/01/11 (水) ~ 2012/01/11 (水)公演終了
満足度★★★★
まさに「ガチゲキ・学生版」
対照的な2つのハムレットはまさに「ガチゲキ・学生版」。
原典のキーワードだけ残し全く別の物語を構築した早稲田の「公夫」(ガチゲキで言えば日本のラジオ風)は発想は良かったものの詰めが甘い上にラストの映像が蛇足で、オーソドックスながら意外なラストを迎える慶應の「嘘つきの箱庭」(ガチゲキで言えばだるめしあん企画風?)の手堅さにひけをとった感じ。
慶應3:早稲田2(目視による概算)という観客投票の支持率はそのあたりを反映したものか?
なお、劇団BOOGIE★WOOGIEの『リボルバー』やDART'Sの作風を思わせるサスペンスで「どこがハムレット?」と思わせながらも早い段階で原典との関連性を悟らせた早稲田の「公夫」、ツカミ(から中盤まで)はなかなか見事。
Sの悲劇【ご来場ありがとうございました!】
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2012/01/05 (木) ~ 2012/01/10 (火)公演終了
満足度★★★★
どんでん返しの鮮やかさに舌を巻く
初演(『Vの悲劇』)も観ていたが10年も前につき概要以外ほとんど憶えていず、ほとんど新作を観るような新鮮さで楽しむ。
その結果、観客の意識を巧みに誘導して一件落着かと思わせた後のどんでん返しの鮮やかさに舌を巻く。
【ご来場ありがとうございました】『少女 M』
劇団ひるやすみ
APOCシアター(東京都)
2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★
もう少し「毒」が欲しいか?
半月ほど前に小劇場女優によるアイドルユニットを観たために「アイドル役を演じる」のであればもっと毒が欲しい…などと思いながら観ていたが、ある人物の正体(?)を明かして以降の終盤は好みのパターンもあって満足。
なお、さくえるさんご指摘の早口にはめっこさんのように柿喰う客を連想。
吐くほどに眠る
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★
「進化した」印象
事前情報通り話が変わっていたようだが、それよりも今回の会場を活かし「進化した」印象が強い。(初演にしても再演にしてもそもそも一番印象深いのはあの独特な(?)手法だし)
それで思ったのは、アウトラインだけを保ち、挿話を時勢に合わせ、装置・演出を会場を活かしたものにしてゆけば今後も演を重ね続けられるのではないかということ。是非そうして頂きたい!
【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX
あんかけフラミンゴ
しもきた空間リバティ(東京都)
2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
裏・愛のむきだし?
ある意味「裏・愛のむきだし」。
カルト教団の崩壊劇に互いを忘れないまま無理に(?)別れた恋人たちを絡めて描き110分の尺を感じさせないが「黒の章」で語り過ぎて「白の章」があまり活きないのは惜しい。
一方、オープニング映像や選曲のセンス、ダンスシーンの楽しさなどは好み。
ガッツザセレソン
東京セレソンデラックス
シアターサンモール(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★
味わいが異なる6編
DJが紹介する投稿者の逸話として見せる5人のメンバー作・演出による全6編の短編。その構成に加えて各編味わいが異なることもありなかなかの出来。ラストには本公演を以て役者を引退する永田恵悟への花道を用意するのもさすが。
6編の中ではいかにもセレソンな笑いと涙の2編目、小劇場役者の実録風な4編目、DART'Sに通ずるサスペンスの5編目が◎。また、宅間孝行による6編目は前回公演の不評の原因を如実に顕していたような気が…。
一方、転換の間をDJの語り等でつなぎ、リクエスト曲が各メンバーにまつわる舞台で使用されたものというアイデアは見事。
軽快にポンポコと君は
ぬいぐるみハンター
OFF OFFシアター(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★
オトナの童話
「オトナの童話(←「ファンタジー」でも「寓話」でもなくまさに「童話」)」な前半と家族から世界情勢まで幅広く要素を含みスケールが大きくダイナミックな展開となる後半のコントラストが鮮やか。
必ずしも全体解決でじゃない結末は(個人的には)微妙だが110分の長さは感じず。
なお、神戸嬢の母性、浅利嬢の恋するオトメの可愛らしさ、浅見氏の慕われるオトコっぷりが印象的。
全 員 彼 女
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2012/01/05 (木) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
イタく満足
前作の応用的な手法(ネタバレに詳述)のほか、競演水着のある作品(ネタバレに詳述)や筧昌也監督の短編映画(「世にも奇妙な物語」でリメイクもされた)『美女缶』、劇団第三反抗期(現・劇団Peek-a-Boo)のある作品(ネタバレに詳述)などを想起させそれらとの相違点を考えたりもしながら観ることもでき、55分の中編ながら「イタく」(←ダブルミーニング)満足。
(「男性客の共感を得る」的なウワサがあり、確かにそうではあったもののむしろ男性客の「古傷に触れる」と言おうか「反省を促す」と言おうか…なところが「イタい」(笑))
星の結び目
時間堂
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/12/22 (木) ~ 2012/01/02 (月)公演終了
満足度★★★★
結局2011年の観劇納めにも
地に足が付いた、人物が確かに生きている、その時代の空気が感じられる、そんな秀作。よって29日のソワレにリピート(←2011年の観劇納めとなった)。
また、PPTでは「劇団とはなんぞや」的な話題も出て「なるほどぉ」だったり。
少女椿
虚飾集団廻天百眼
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/10/13 (木) ~ 2011/10/17 (月)公演終了
満足度★★★★
集大成的なツクリに大満足♪
前半はいかにも見世物小屋な胡散臭さの中、「舞台での表現方法」を見本市的に様々見せ、十発目本公演ということで過去作品の引用なども経て、序盤でのネタを前フリにしたσ(^-^)の大好きなパターンで締める集大成的なツクリに大満足♪
【東京バンビ】ピクルス ご来場ありがとうございました☆
元東京バンビ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/09/28 (水) ~ 2011/10/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
秀作にして良作
ストーリーの一番の太い柱であるところのものは比較的オーソドックスではあるもののユーモアや苦味などの肉の付け方が巧みな上に、いじめやホスピスでの生活などでリアリティを感じさせて見事。
また、舞台となるいくつかの場所を1つの装置でありながらキチンと観客に認識させる工夫も◎。
ホットパーティクル
ミナモザ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2011/09/21 (水) ~ 2011/09/27 (火)公演終了
満足度★★★★
フィクションは事実に勝てるのか?
事前に目にしたいくつかの情報・感想に大いに納得。そして敢えて一言で表現するならば「面白い」なのだが個人差が大きいであろうし、さらにいろいろと心配要素(!)もあり、複数の意味で「ここから始まる作品」ではないかと思う。
4×15
北京蝶々
新宿眼科画廊(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
それぞれに面白い
各演者のイメージに合ったタイプの異なる4編、それぞれに面白かったが、中でも「エアデート」で「いない」ことを理由に別れた相手を「来るな!」と拒否する場面のシュールさにツボを突かれ、SEや台詞は録音で演者は一言も発しない「狼少女…」の手法に感心。
Live forever
キコ qui-co.
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
「生」と「鎮魂」
場のコラージュなどいかにもqui-co.な手法で訴える「生」と「鎮魂」。
吉田能のピアノと武井翔子の歌も良く、それらが三位一体となったクライマックスは圧巻!
また、「いかにも荒船アニメ」な映像も好みではあるが、それが主張し過ぎる感があるやも?
ヴィドック?~VIDOCQ~
IYAYOWORK
遊空間がざびぃ(東京都)
2011/10/27 (木) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
「見せ方」が面白い
ストーリー運びなどはともかく(!)、アングラ気味のメイクや断頭台などの装置、客いじりも含めた「見せ方」が面白く、見世物小屋的な胡散臭さ、いかがわしさ、チープな感覚が漂っていたのも◎。
ただ、序盤の逃走シーンを(長めの)映像で見せたのは残念。それも何とか舞台上で表現するのが芝居、逃げちゃダメだ。
IN/GO
EgofiLter
シアター711(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
いろいろ伏線をはっているんだろうが…
前半の人物・状況などの紹介と謎を見せるパートが平板で冗長な感があるが、結末を知った上で見るといろいろ伏線をはっているんだろうな、な感じがありあり。本作に限らず1回しか観ない者への配慮が欲しい。
とはいえカクレキリシタンに関するトリヴィア的情報と思いもよらぬ真相が明かされるクライマックスは面白い。星野之宣の宗像教授シリーズに一脈通ずるかも。