うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
3日目ソワレ
プラスチックモデルで喩えれば、初日ソワレはまだバリやランナーとの繋がり部分が残っていたのにこの日は水ペーパーで仕上げたように滑らかで、しかしランタイムは5分ほど増の130分。(ダブルコール含む)
楽はやはりシアターガイド通り150分か?(笑)
うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
まずは初日ソワレ
一言で表現すれば「ビーンボール」。顔スレスレに際どい球を投げ込まれたみたいな。そして何でこんな所に投げてくるのか(←ちょっと違うか)考えさせられる、的な。さらに前作のど真ん中の直球ぶりとの対比の意味も含めて。
「好き」なのは前作『ロクな死に方』だが、「演劇的に面白い」のは本作か?
かねがねひょっとこ乱舞の作品には直球と変化球の2タイプがあると思っていたが、ラスト2作がそれぞれの最高峰(←褒め過ぎ)だったのではあるまいか?
シェルター
ポムカンパニー
遊空間がざびぃ(東京都)
2012/02/29 (水) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
極めて「日本人的」な「その時」の迎え方
極めて「日本人的な」終末の迎え方? 劇中のある設定(←いささか無理もあるが)のためもあろうが、「その時」を静かに待つ人々の姿にもしもそんな事態に陥ったら自分もかくありたい、などと思う。
一方、心を閉ざしてしまった人物のパートが微妙に溶け込んでいない感もアリ。
「間~あわい~」全日程終了しました。ありがとうございました。
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2012/02/22 (水) ~ 2012/03/06 (火)公演終了
満足度★★★★
往年のTBSの深夜ドラマの味わい?
「穂科色」満載で往年のTBSの深夜ドラマの味わい…と感じてしまったのははぶ談戯の前々作が別の深夜ドラマのスタイルを踏襲したものだったからか?
また、バーではあるが…な設定や、笑いもおりこみながら絶妙なところに着地する(←生演奏・弾き語りの選曲も含む)のはさすが。
【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】
タカハ劇団
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/02/21 (火) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
コワ面白い
コミカルなのは序盤のみ、小さな疑惑が次第に広がり、あるキッカケから坂道を転がり落ちるようにコワさが増幅。
こんなハードな展開をタイトルやチラシから誰が想像し得たろうか?
で、観ながらあの状況はもしかすると…などと深読みまでしてしまう。
いやぁコワ面白かった。
-SORA-
PEACE
d-倉庫(東京都)
2012/03/01 (木) ~ 2012/03/05 (月)公演終了
満足度★★★
総論賛成各論反対、的な?
多少の既視感はあれ全体のストーリーや50年前と(劇中の)現在との似たところ・違うところを対比して見せる構成は良いのだが、エネルギーや食料に関する細部がアバウトなので説得力に欠けるのが残念。
あと、微妙なギャグの多用もなぁ…
32年生の8時間目
空晴
OFF OFFシアター(東京都)
2012/02/24 (金) ~ 2012/02/29 (水)公演終了
満足度★★★
同窓会の一次会と二次会の間
同窓会ものながら一次会終了後、二次会までの出来事を描き、裏に何かがあることはワカってもその詳細をなかなか見せないことで観客を劇中に引きずり込む手口(笑)が巧妙。
また、オープニングシーンの演出がステキ。
A-15 ~アイゴ~
CAP企画
劇場MOMO(東京都)
2012/02/28 (火) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★
従来作との差別化に成功
シェアハウスを舞台にすることで1つのテーマをじっくり描く従来のスタイルから脱却、登場人物それぞれの問題を見せて新たな方向を示すことに成功。
一方、笑いにも取り組んだが今回はまだこなれていない感あり。こちらは今後に期待か?
Turning Point 【分岐点】
KAKUTA
ザ・スズナリ(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
125分で15年間を追体験
2人の女性の半生の要となる時期を4人の作家がリレー式に執筆するという構成のマジック、エピローグの2人の対話場面ではまるで2人のその15年間を追体験したように「あぁ、それだけ時が経ったんだなぁ」と実感してしまう。
舞台となるのが(プロローグ以外は)同じ場所で、そこが時と共に少しずつしかし着実に変化してゆくのも歳月を感じさせる要因であろう。
熱愛報道【ご来場ありがとうございました】
ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ
アトリエフォンテーヌ(東京都)
2012/02/24 (金) ~ 2012/02/28 (火)公演終了
満足度★★★★
「血筋を正しく受け継いだ嫡子」
台詞回しなどはモロに柿喰う客スタイル、楽曲はいかにもミュージカル、題材もいかにも芸能界の裏でありそうな出来事でありつつミュージカルらしく(?)ハッピーエンド、というイイトコ取りでまさに「血筋を正しく受け継いだ嫡子」な感覚。
君には頭がさがる
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/28 (火)公演終了
満足度★★★★
シッポまでアンコの詰まった鯛焼きの如し
事前情報から勝手に膨らませた想像をサラリとかわして展開するのはお得意の(?)ゲームの理論(あるいは電夏版「ライアーゲーム」?)…かと思いきや村落の因習の裏にあるモノ、換言すれば因習を存続させるモノ的な方向へ。
そこからさらに終盤では怒涛の展開を経て最終的にはミステリーとして幕を閉じるとは、まさにシッポまでアンコの詰まった鯛焼きの如し?(笑)
わが家の芝生
劇団ヨロタミ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/27 (月)公演終了
満足度★★★
懐かしきホームドラマの味わい
古き佳き時代のホーム(+ご近所さん)ドラマの現代版、的なオモムキで「人情」的な部分ややわらかな笑いに懐かしさアリ。
ただ、高齢者たちの中の1人の余命関連の部分は「なにもそこまで」な感アリ(ベタでもあるし)。
スイートメモリーズ【ご来場ありがとうございました!】
GENKI Produce
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/02/21 (火) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★
ここの作品で1、2を争う出来
高校時代の仲間たち7人(二組の夫婦を含む)が中年を迎えてからあるキッカケで再会し…な物語。
中の1人が漫画家で、高校時代をモチーフにしたそのデビュー作を劇中劇としてもう一組のキャストが演ずるのがミソ。応用も含めてナイスアイデア。
特に劇中劇(=マンガの中の世界)シーンで、二役を演じる役者に、それを見ている現在の役者が「さっき出てきたヤツと髪形が違うだけじゃないか」とツッ込み、漫画家が「顔の描き分けは苦手なの」と答えるのには感服。
ここの作品で1、2を争う出来。
かわいいので無敵
劇団森
早稲田大学学生会館(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
表現技法と選曲に感服
高校3年生の男子1人・女子6人の1年間を連作短編風に描いた定番ストーリーを、四方を客席に囲まれたステージ上で舞台ならではの表現を駆使して見せるハイブリッド系。
見せ方ならびに選曲にツボを突かれる…どころか感服。
ところで開場時から開演直前までの間に繰り広げられるガールズトークはガチ?
また、衣装として着用していた制服(スタッフ含む)は各自の私物?
レイプの夜
コマツ企画
小劇場 楽園(東京都)
2012/02/22 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了
満足度★★★★
「真相編」付き「薮の中」
いわばボーナストラックとして「真相編」の付いた「薮の中」的?
場が時系列に沿った並び方でなかったり、思わせぶりな部分やモノによってあれこれ想像を膨らませておいて…だったりあれこれトリッキー。
そもそもタイトルとチラシからして騙す気満々だったかも?(笑)
男節
劇団BOOGIE★WOOGIE
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★
3作目のセオリー
2作目は1作目のマイナーチェンジ、3作目で新機軸を打ち出すというシリーズ展開の定石を踏まえ(?)、寺山修司作品へのオマージュとのこと。
序盤の文学的な薫りと母を喪った兄弟の想いが印象的。
後半は過去と同様の展開になるが、まぁそれはお約束?(笑)
BW☆VS.(ブギウギバーサス)
劇団BOOGIE★WOOGIE
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★
原点回帰?
コメディ劇団として原点回帰、的な短編4編。
お約束的な部分もありつつ肩肘張らずに気軽に楽しめる感じ。
短いながらも起承転結を踏まえていたりするあたりはさすが。
慣れの果て
演劇チーム 渋谷ハチ公前
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/02/22 (水) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
満足度★★★
期待は次回に持ち越し
町工場で働く施設育ちの面々(+α)の現在と過去を描いた「オトナの青春もの」。
じっくり丁寧にリアルに描いてはいるが、なかなか核心に迫らないのでじれったい上に、過去2作品のような「じわじわと来るモノ」がなく、期待が大き過ぎたか、的な。
期待は次回に持ち越し。
アンサータン・ストーリーズ
ゲンパビ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★
不確定性物語
終演後に「さてこれは誰のいつの時点でのビジョンでしょう?」と問われたら正解を出す自信がないのはσ(^-^)だけではあるまい…ってかそもそも正解はないのかも?
そんな風に解釈の余地だらけの不確定性物語、白黒がはっきりしないと気が済まないムキには釈然としないだろうが、胡蝶の夢的なモノが好きな身にとって存分に弄ばれた感覚。
百年の雪
十七戦地
王子小劇場(東京都)
2012/02/23 (木) ~ 2012/02/27 (月)公演終了
満足度★★★★
地味ながら実在感あり
「十七戦地 あったかのよな 嘘を見せ(「講釈師 見てきたような 嘘をつき」風)」。キャッチコピーは「身近なSF」?
SFの範疇に入る物語ではあるものの、派手さはなく大きな事件が起こるワケでもなく、しかしその地味さ(笑)ゆえに妙に実在感があり、絵空事に見えなくて(いや、1つ大きな絵空事はあるんだが)再現ドラマのように感じられるのが独特。
賛否両論あると思うが SPIRAL MOON のSF系のハナシに通ずる感覚が個人的には好み。
また、大正期の女性キャラがそれぞれ特徴的かつ魅力的。
なお、観る前に当日パンフレットの人物相関図に目を通しておくことを強く推奨。