架空の箱庭療法♯2
Nichecraft
吉祥寺ギャラリーre:tail(東京都)
2012/05/09 (水) ~ 2012/05/14 (月)公演終了
満足度★★★★
前回よりさらに進化
前回と比べて作品に添えられた説明のスタイルにバリエーションがあったり観客参加型(!)のものがあったりで「進化した」印象。
また、ミニチュアならではの素材を使ったものは「実寸にしたらどうするんだろう?」などと想像を巡らせたりもできてまた楽しからずや。
闇言
JACROW
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/05/08 (火) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
各話の面白さ+構成の面白さ
ホラーやハートウォーミング、コミカルなど味わいの異なる4編の連作短編。
意図的に時系列に沿わず並べた理由が最後に判った時は大いに納得。
よってアンケートにあった各話ごとと全体に5点満点で採点する項目は各話がそれぞれ4点で全体は5点。
しかし2人で分担して書いてこのようにするのは難しかろうに…。
なお、こちらで星が4つなのは他作品とのバランスによる。
Beautiful Runner
ツラヌキ怪賊団
サンモールスタジオ(東京都)
2012/05/03 (木) ~ 2012/05/10 (木)公演終了
満足度★★★★
王道スポーツもの+見せ方の妙味
少年ジャンプ的ノリな王道スポーツものに様々な要素(元ネタを勝手に考えたり)を加えた上に場面場面の見せ方(走っている表現のみならず「受付」「電話」など多数)もいろいろと工夫がこらされ、さらに細かいネタの入れ方なども絶妙で楽しい。
東京バンビ『他人の確率』御来場ありがとうございました!次回は10月!お待ちしております!
元東京バンビ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/05/04 (金) ~ 2012/05/15 (火)公演終了
満足度★★★★
21世紀型家族を描く
イマあるいは今後の(=「21世紀型」?)「家族」ないし「人と人との繋がり」という題材とリゾート地のゲストハウスという舞台設定とが絶妙のマッチング。
また、10日ほど前にこの劇場で観た文月堂の『へちま』と同じく家族をテーマにしながら悉く対照的なのも面白い。
パパ、アイ ラブ ユー!
タクトプレイ・プロジェクト
駅前劇場(東京都)
2012/05/06 (日) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
観客に疑問を抱かせずに駆け抜ける
「ちょっと待てぃ!」な箇所が多々あり、観客に「んなワケねーだろ!」と思わせると「負け戦」になってしまう「実は難しい」脚本(私見)を見事に「走り抜けた」な感じ。
かくて過去2戦の結果は1勝1敗だったが今回で勝ち越し。
ただ、劇中の季節と公演時期に大きな隔たりがあるのがちょっと残念?
罅割れた盾 〜さらばとだにも言ひて別れむ〜
劇団パラノイア・エイジ
「劇」小劇場(東京都)
2012/04/28 (土) ~ 2012/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
続編ながら視点を変えて
「彷徨う翼」の続編で終戦直後の人々を描く。
同じ時代を描いたものは数あれど、本作のような描き方は珍しいのではあるまいか。
そしてその描き方ゆえに当時はかけがえのない相手を喪った人がいかに多かったか、と気付かされる。
こちらも演を重ねていって頂きたい。
彷徨う翼 〜朝日に匂う山桜花〜
劇団パラノイア・エイジ
「劇」小劇場(東京都)
2012/04/27 (金) ~ 2012/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
演を重ねて欲しい作品
太平洋戦争末期の特攻隊員たちを中心とした物語、初演も観ているし他の特攻隊ものや戦争批判系の芝居も少なからず観ているが、今更ながらに「戦争とは殺し合いである」と強く感じる。
折にふれて演をを重ねて欲しい作品だと思う。
オクトの樹
La・Moon
あうるすぽっと(東京都)
2012/05/02 (水) ~ 2012/05/05 (土)公演終了
満足度★★★
ラストがちょっと惜しい?
国造り伝説に日本神話風の要素も加えたミュージカル。
火や鳥の擬人化表現や殺陣にダンスも取り入れるなどミュージカルならではの見せ方だし、主人公が非戦派なのもイイ。
が、ラストがミュージカルのフィナーレとしては小ぶりで尻すぼみ的なのが惜しい。
絶頂マクベス
柿喰う客
吉祥寺シアター(東京都)
2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★
ポップで疾走感のあるマクベス
『悩殺ハムレット』同様に全体的に良くできているが、「おめでとうマクベス」以降、すべてのシーンが絵になるのは特筆に値する。(戦の後に動きが一旦止まり戦況報告の声だけが響くのも印象的)
また、舞台床の幾何学模様とそれに即した照明も美しい。
それまでに観ていたものと比べてマクベス夫人のポジションに物足りなさを感じもしたが、アフタートークでそれに関する話題も出て納得。
乱痴気(同日ソワレ:H列7番)では渡邊安理嬢の新良エツ子嬢とはまた違った歌の上手さに感服。
脳細胞がフレキシブル/流れ星でパレード
劇団エリザベス
東中野レンタルスペース(東京都)
2012/05/04 (金) ~ 2012/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
好対照を為す中編2本
最新作と(幻の)初期作品と知って観たこともあり、片や詩的な台詞と凝った(込み入ったとも換言できる)状況、片やシンプルかつオーソドックス、と好対照。
四方囲みの客席と、2編通して機能する美術も◎。
天使たち
リュカ. (Lucas [lyka])
王子小劇場(東京都)
2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
極めて人間的な天使と人間のペアたち
ある映画へのオマージュ的な部分もあると当日パンフレットに記されていたこともあり、本当にタイトルから(勝手に)抱いた印象通りでステキ。
優しさに溢れる小説内パートをユーモラスな作家と担当編集者のパートで挟んだ構成は、そのままでも舌が蕩けそうな中身をパリパリの皮で包んだ絶品メニューの如し。
ただ、最後が「泣かせ逃げ」なのはズルくね?(笑)
リピートしたいがコマがないので再演きぼんぬ♪
へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】
文月堂
OFF OFFシアター(東京都)
2012/04/24 (火) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
純日本的ホームドラマ
昭和中期の松竹映画の精神を継承したかのような純和風ホームドラマだが、変則的な家族なのが21世紀チック、的な。
また、劇中での1日目の昼間はユーモラスで夜はしっとり、という構成も良く、あれこれ上手くまとまっている印象。
FIRELIGHT
たすいち
吉祥寺シアター(東京都)
2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
予定外のリピートも
3年前の放火の犯人探しを軸に娯楽性たっぷりな中に麻薬のアブなさやかけがえのない相手を喪った人の気持ちも織り込み、いろんな意味で「大きくなった」な感じ。
時としてシアターミラクルの舞台のサイズにまとまってしまった場面もあるが、それは今後の課題ってコトで片目を瞑ろう。
また、多くの同様の声があったそうだが、σ(^-^)もM-0が流れた時に「ここでこれを耳にするとは」と目頭が熱く(いや「温かく」止まりか?(笑))なったクチ。
12ヶ月連続公演を観た身として、どうやら親心的なものが生じていたらしい…。
なお、1500円というリピーター価格に惹かれ翌29日にもH列14番で観劇し、前日終演後に聞いた裏話(アンサンブルの動きの意味とか2日目から登場した小道具とか)に納得。
オーシャンズ・カジノ
北京蝶々
王子小劇場(東京都)
2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
演技・演出・脚本の総合力
ギャンブルものにはありがちな逸話や展開満載なのにもかかわらずぐいぐい引き込まれてしまうのは演出と適材適所なキャスト陣の功績か。
一方、終盤の鮮やかさは脚本の妙。まさに視線誘導によってタネに気付かせないマジシャンの手口?(笑)
エゴイズムエコロジー
Oi-SCALE
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/04/18 (水) ~ 2012/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
新ユニットでも雰囲気は丸々継承
演出が林灰二ではないのに、雰囲気はまんま継承、的な。
そのトリッキーな構成は「夢らしさ」にうまく適合し、さらにあるシーンでは映画『千年女王』を彷彿とさせたりもして、好みにピタリ。
私が欲しいカラダ
東京マハロ
駅前劇場(東京都)
2012/04/26 (木) ~ 2012/05/03 (木)公演終了
満足度★★★★
王道系闘病もの?
テーマはシリアスだが暗くなったり重くなったりせず、もちろん不謹慎にもならずに見せるのが巧み。
後半はお約束通りの展開で先は容易に読めてしまうが、適材適所のキャストの演技で引き付ける。
欲を言えば主人公の兄への気持ちもう少し描き込んで欲しかったかな。
なお、観ていて小学生時代に読んだ那須田稔の「チョウのいる丘」を思い出す。主人公の年齢は違えど、同じ病のハナシなので。
夢!サイケデリック!!
範宙遊泳
アトリエ春風舎(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルに偽りなし(笑)
今までにいくつか観た「確かに夢だね」な芝居がミステリアスで静かめ(夏目漱石の「夢十夜」的?)だったのに対してこちらは玩具箱をひっくり返したような賑やかさ(騒がしさ?(笑))。
それでもシュールさやブッ跳び方など確かにこれも夢で、なおかつどこまでが夢か様々に解釈できる(ネタバレBOXに例)のが面白く、何たってそのような推理・解釈を可能ならしめる冒頭の台詞が上手い(ズルいとも言えるが(笑))。
田中王国姫君探索記 ARE YOU PRINCESS?
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2012/04/04 (水) ~ 2012/04/15 (日)公演終了
満足度★★★★
ベテランの技量
基本的にはしょーもなかったりベタだったりなコメディでありながら、その程よさが絶妙。
さらに亡き父の技を越えられないと悩む女医と父(の霊)など家族ネタでホロリとさせるなど、ベテランの技量をひしひしと感じた。
なお、14日にE列6番で滝組も観劇。
冷たい唇、温かい箇所
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
モロモロ巧妙
同時多発修羅場でありながら単に多発するのでなく、飛び火したりキーワードがカブったりとそれぞれ関連しあう緻密なツクリ。
そんな中に程よく笑いもちりばめ、それぞれの行方を観客に委ねて締め括るなどモロモロ巧妙。
12匹の由緒ある猫たち
猫の会
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/04/24 (火) ~ 2012/04/29 (日)公演終了
満足度★★★
名作リスペクト+αの良作
タイトルのみならず、台詞や展開に某有名作品へのリスペクトが感じられる討論劇。
猫たちの個性(首輪のデザインを含む)が描き分けられている上に、身勝手で無責任な人間への批判が2段階で語られることや思わぬ落とし方など、なかなかの出来。
が、開演が8分押したことに対して開演前・終演後を通じて全く触れなかったので星は1つ減ずる。