鉄の纏足
東京タンバリン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/09/20 (木) ~ 2012/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
「イヤ面白い」
レンタルビデオ店内の人間関係を中心にありそでなさそで、な些細な悪意が蓄積されてゆく様が実にイヤな感じだが面白い(=「イヤ面白い」?(笑))。
心象風景的なシーンをも交えて迎えるクライマックスで肝心の部分をぼかし観客の想像に委ねるのも巧い。
その意味では図書館シーン(主場面とのクロスのさせ方も◎)も何であるかの解釈は観客に任せて明確にしないことで深みが増す感じ。
また、金網が張られたフェンス的なものを使っての場面転換もイイ。
劇団劇場 ~Act In Rule~ vol.5
劇団劇場製作委員会
Glad(東京都)
2012/09/01 (土) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
エキシビション「怪奇!ゴリラ人間!」
ミラーボールにブランキーの「お馴染みの」オープニングからワクワク。
以降、それまでの作品のキャラ1人ずつをを使い、ルールを逆手に取った…というよりルールで遊ぶ15分、笑ったなぁ。
「Diabolos」
しゅうくりー夢
ザ・ポケット(東京都)
2012/09/06 (木) ~ 2012/09/10 (月)公演終了
満足度★★★★
沙翁風味の架空の史劇
架空の史劇だが、復讐譚あり悲劇あり亡霊の出現ありで沙翁作品の持つ様々な要素を取り揃えました、的な。
少し前に観た日本の武将たちの某作と比べて人死にが多いのがやや気になるが、考えてみれば沙翁作品もそうなワケで、そこいらへんが和洋の差なのか?とも思う。
それはエデンの東か西【ご来場ありがとうございました!】
Bobjack Theater
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/09/12 (水)公演終了
満足度★★★★
「バタフライ・エフェクト」の使い方が巧み
何と言っても「バタフライ・エフェクト」の使い方がズル…もとい、巧い。「何故そうなるのか?」の説明が「とにかくそうなる」で済ませられるって作劇上、楽だろうなぁ。(笑)
もちろん、それを終盤で巧く使って笑わせるんだが。
また、それ以外のくすぐりや時間ものSFに通ずるワクワク感も◎。さらにビージーズの2曲(や映画のチラシなど)も懐かしかったなぁ。
ひみつのアッコちゃん
不消者(けされず)
シアターブラッツ(東京都)
2012/09/19 (水) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
満足度★★★
二段構えの構成と内容で魅せる
やはりじんのひろあき作品、二段構えの構成と映画界内幕的な内容で(固定アングルであっても)しっかり引き付ける。
その一方、ラストシーンに物足りなさを感じたのは演出の差?女優の力量の差?
が、あくまでそれは劇団ガソリーナ版を観ていたからであり、初めて本作を観る場合はなんら問題ないかと思われる。(やや辛口だったのでちょっとフォロー)
『つまんなかったら言ってね、死ぬから』【ローション・ペペと提携!】
あんかけフラミンゴ
Geki地下Liberty(東京都)
2012/09/13 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★
終わりよければすべてよし、か?
繋がりが弱めのいかにも現代的な家族(とその周辺の人々)の物語。
冒頭、タイトルコールまでのセンスが抜群。前半もその勢いで一気に突っ走る感覚?
中盤以降は若干失速気味だが、最後の「アレ」のバカバカしさで帳消しか。
仏にイナズマ
ハリケーンディスコ
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2012/09/13 (木) ~ 2012/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
好みの味を揃えて
十数年前に単館レイト上映していたような映画の味をベースに70年代ジャパニーズ・ニュー・シネマの雰囲気を加え、アングラ風スパイスを効かせて描いた「ヤバい奴らと小劇場系関係者との邂逅」。
個人的に好みな風味を取り揃えた上に「あんなモノ」まで登場させるとは…!
その登場や機構、およびその後の舞台の変貌に劇団桟敷童子を連想したりしなかったり。(笑)
花と蛇
月蝕歌劇団
座・高円寺2(東京都)
2012/09/12 (水) ~ 2012/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
月蝕テイスト満載!
団鬼六作品2編をもとに舞台化とのことだが、終盤の展開を筆頭に客席通路を花道的に使う演出、歌の入り方、「特殊な照明」などいたるところ月蝕テイスト丸出しでニヤニヤ。
また、モノがモノだけに定番の…と言うよりベタな台詞や眼福もアリ。
ワラワレ
企画演劇集団ボクラ団義
新宿シアターモリエール(東京都)
2012/09/12 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
160分の長さを感じさせず
3年前の作品の改訂版ということで時を超えたり殺人事件が起こったりするワケではないが十分にドラマチックで160分弱(カテコ含む実測)の長さを感じさせないのはさすが。
むしろ最近の作品のように超自然的な要素がない分、人間ドラマ…人を想う(あるいは思いやる)気持ちや夢を諦めそうになる心境などがより前面に出て来るのではないか、と思ったり。(幾分「やり過ぎ」な気がしないでもないが…(笑))
また、本筋に入る前のマクラ的な部分に若干の冗長感が無きにしも非ず。
一方、本人役で起用された芸人が漫才(の一部)を見せるほか、アリtoキリギリスの石塚義之の存在感が抜群。
「ハッピー・タイム 灰」&「とーく・おぶ・ざ・でっど 異」
JOHNNY TIME
エビス駅前バー(東京都)
2012/08/30 (木) ~ 2012/09/10 (月)公演終了
満足度★★★★
「とーく・おぶ・ざ・でっど 異」
シリーズではありながら一話完結的なこちら、今回はさらにゾンビもの寄りになったことにニヤニヤ。
そして入れ子構造やどんでん返しも好きなパターン。
しかし冒頭のアレ、たった2日前に同様の趣向があったにもかかわらず騙されかける。おのれ、謀りおって!(笑)
フリル
アマヤドリ
王子小劇場(東京都)
2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
理屈ではなく感覚的に腑に落ちた
いくつかの事前情報から「考えるのではない、感じるんだ」タイプかと思って臨んだのがプラスに作用したか、理屈ではなく感覚的に「腑に落ちた」。作品の凹凸と心の襞(フリルだけに?)がピタリと一致したと言おうか。
また、台詞の持つ響き・感触はまごうことなき広田節(笑)だし動きにも片鱗はあるし。
なお、前半に(大好きな)「夢十夜」に通ずるものも感じた。
ただ、以上は個人の感想であり「やっぱりワカらん」な向きもあるかと思い、初めて演劇を観る方には「どちらともいえない」か。
そして母はキレイになった
ONEOR8
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
母帰る
いわば「母帰る」。
父と自分たちを残し出奔してから十数年(?)後に帰って来た母に対する姉妹それぞれの反応。
基本的にはユーモラスな中、気詰まりしたりホロリとしたりをバランス良く配したツクリと、観客に判断を委ねる結末が特にイイ。(終盤の仕掛けも)
狙い
関口愛美一人芝居企画
シアターD(東京都)
2012/09/08 (土) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに狙い通り?
脚本が3人の作家によるため「コスプレ」という共通テーマがありながら(なのか?)タイプの異なる5編(オチが利いているもの、連作コント風、じっくり見せるドラマなど)となり、まさに狙い通りか?
もちろんそれぞれのキャラの演じ分けも◎。
ミヤモト味
味わい堂々
北品川フリースペース楽間(東京都)
2012/09/07 (金) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
お味見三部作完結
村上大樹作の短編「新婦の友人を代表して挨拶」はキシノ味に続くブスネタに小劇場役者の自虐的なネタも盛り込み大笑い。
また、オープニング(とエンディング)で流れるかつてのヒット曲の拡大編としての味もあるような。
80%が実話という宮本奈津美の処女作「宮本家」は、まさに「事実は小説より奇なり」な内容だが、ファミレスの場面と回想部分との繋ぎ方が巧みで幕切れもイイ。
ただ、冒頭もファミレスであればより統一感があったかも?
ユリコレクション【ご来場誠にありがとうございました!】
ラフメーカー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/09/04 (火) ~ 2012/09/10 (月)公演終了
満足度★★★★
母娘それぞれの青春記
写真家の才能を持ちながらも夭逝した母とその才能を継いだ娘それぞれの青春記。
性格の異なる母娘を演じ分けた小鶴璃奈や同じ人物の20年以上の隔たりを表現した役者陣がなかなか。
また、「歴史は繰り返す」的な部分があるのも好み。
劇団劇場 ~Act In Rule~ vol.5
劇団劇場製作委員会
Glad(東京都)
2012/09/01 (土) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
qui-co.「赤猫の舌」
好ポジションということではこちらも同じ。
ということで短いながらも、そしてルールに縛られながらも独自な(=120%qui-co.の)世界を展開。
詩的で切なく、アングラっぽい風味も漂わせて、好きだなぁ。
生演奏や舞台袖から響くコロス的な声や音もイイ。
【全日程終了!!!】鬼FES.2012【ご来場有難う御座いました】
ロ字ック
APOCシアター(東京都)
2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
8割世界「素顔宣言のまち」
フェスティバル向けということではこちらも同様?
とはいえ正統派コメディ劇団として既製の状況喜劇にギャグをちりばめて笑いをパワーアップするというアプローチ。
江古田のガールズも含めてこういうのがフェスティバルの醍醐味か。
【全日程終了!!!】鬼FES.2012【ご来場有難う御座いました】
ロ字ック
APOCシアター(東京都)
2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★
江古田のガールズ「体験版(三軒茶屋ミワと不愉快な仲間たちによる)」
フェスティバル向けを意識してか悪ふざけ的側面に特化、異臭騒ぎ(爆)まで起こすところはいかにもここらしい(笑)。
一方、三軒茶屋ミワはいつもながら大した歌唱力の持ち主であることよ。
SUDEGORO
FEVER DRAGON NEO
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
観応えある娯楽アクション時代劇
上杉謙信と織田信長の直接対戦というドリームマッチ。
戦乱の世ではあるが「無益な殺生」は(極力)しない姿勢や、各人物の生き方・考え方(潔い、狡猾、アツいなど)がきっちり描き分けられているところなどが特に見事。
演者もそれぞれの役にハマっていて説得力(?)アリ。
上演時間125分。
【全日程終了!!!】鬼FES.2012【ご来場有難う御座いました】
ロ字ック
APOCシアター(東京都)
2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
荒川チョモランマ「チョモランマの登り方」
虚実取り混ぜた(あるいは全部虚?)劇団員ネタ、各人について知っているとより楽しめるスタイルだが、初見の方々にはどうだったんだろうか?
ま、少なくとも終盤は楽しめそうだったからイイか。