THIRTY
リブレセン 劇団離風霊船
テアトルBONBON(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
伊東編
大橋編を見ての予想と異なり同じ装置ながら設定が違い一部の動作・台詞がカブるだけかと思っていると次第にリンクの度合いが深まり、本編の作家(役)が登場するメタフィクションに発展して、さらに代表作(複数)の一部まで取り込む凝ったツクリ。
乱暴な言い方をすれば大橋編をマクラに使った「これぞ30周年記念作」な感じでそのシカケにニヤリ。
なので観る順番もこれで良かったと思ったが、逆の場合はまた違った印象になるとの声も耳にして、それも試してみたかった気も…。
THIRTY
リブレセン 劇団離風霊船
テアトルBONBON(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
大橋編
結婚式場のエレベーターホールとエレベーター内で起こる「少し不思議」系のハナシ。
短編二連作かと思いきや終盤で一つに繋がる構造で、作品自体は悪くないが「30周年記念作」としてはいささかの物足りなさを感じないでもない。
オシャレ紳士と梅棒のシャレード・ビフォア・クリスマス
男衆ver.2.0 おしゃれ紳士
青山円形劇場(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/21 (水)公演終了
満足度★★★★
ブラボー♪♪♪
よくまぁ1曲の中にドラマを創ること!
歌詞のある「歌」を使い、中のフレーズをキめ台詞的に使ったり、内容から膨らませて創ったドラマを言葉ではなく身体表現で語る上に巧みに笑いも織り込むなんてステキ。
他に某大物アーティストのライブのMCを流して「あて振り」でなりきるネタ(?)などのアイデアもイイし、何より演じている側も思いっきり楽しそうなのがイイ。
ブラボー♪♪♪
地響き立てて嘘をつく
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/21 (水)公演終了
満足度★★★
3000年を駆け抜ける家族!?
「90分でワカる日本民族の来し方」(笑)。
序盤こそやや戸惑ったが「時代を駆け抜ける家族」なスタイルがワカった以降はそれぞれの時代の描き方にニヤニヤ。
ラストには「A吉K美子かっっ!!!」と心の声でツッ込んだが、あの名言(迷言?)、舘さんは世代的にご存知なかったそうで…(爆)
忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆
企画演劇集団ボクラ団義
SPACE107(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/12 (月)公演終了
満足度★★★★
『髑髏城の七人』超え?
本能寺の変・秘話を史実に沿って辿りながら描いた娯楽時代活劇。
忍(しのび)たちが使う様々な策術(←荒唐無稽なものでなく、心理トリックなどリアリティのあるもの)を前半で見せておき、最後の大落ちでそれらを組み合わせて使うのが巧み。
信長秘話ということでは劇団☆新感線の『髑髏城の七人』と同傾向だが、「ありそう」という観点からすればこちらの方が上か?
行方不明
ブラジル
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/11/17 (土) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
B級ホラーとナンセンスな笑いの融合
序盤こそコメディタッチだが、いつの間にやら得体の知れない不安感漂う世界へ。
が、B級ホラー感とすっトボけたナンセンス系の可笑しさが絶妙にブレンドされてこれが独特の風合いを醸し出す感覚。
また、ホラー部分には梶尾真治作品に通ずるモノを感ずる。
美しい星
ピーチャム・カンパニー
The 8th Gallery (CLASKA 8F)(東京都)
2012/11/12 (月) ~ 2012/11/20 (火)公演終了
満足度★★★★
これまた「F/T仕様」?(笑)
半世紀前に書かれたメッセージ性の強い原作を「現在」に繋ぐための実験的な試みが多々あり、演劇的に面白い。
また、終盤、照明でほぼモノクロームにしたのは役者の演技よりも内容を強調するためか、などとも思ったり。
さらにあのエピローグったら…(謎)
が、「ゴドー…」を知っていたらもっと愉しめそうだったのは癪の種。(自業自得だが)
【ご来場ありがとうございました。】みきかせプロジェクトvol.4「大吟醸マテリアル」
みきかせworks
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
キレ味
日本のラジオ「サンゼンセカイ」
「みきかせスタイル」(←勝手に命名)ド真ん中で、コク味の快楽のまばたき同様台本の持たせ方に技アリ。
内容もやはりラジオ丸出しで、タイトルが効いているなぁ。
あひるなんちゃら「パアラメ」
演者は(設定のためもあるが)椅子に座ったままでト書き担当がいるという「リーディングの王道」スタイルでありながら最後に暗転を挟んでオチを付けるのが巧み。
内容もまるっと関村節で愉快。
【ご来場ありがとうございました。】みきかせプロジェクトvol.4「大吟醸マテリアル」
みきかせworks
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
コク味
快楽のまばたき「絵をかく理由」
女子高生日記的な(?)内容に加えてスケッチブック、生徒手帳、教科書など様々なものに台本を仕込むという「台本と言い張るものを持つ」縛りを逆用したアイデアが楽しい。
ミナモザ「ファミリアー」
殺処分について具体的に知ることができて考えさせられた。
また、犬と人間の演じ分けや見せ方、配役のハマり具合(人間役、犬役とも)には感服。社会派で娯楽性も併せ持つとはさすが。
cafeシアターD.C.(ダ・カーポ) 【東京公演】
さるしげろっく
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★
基本のI、応用のII
一風変わったレストランを舞台にした連作短編集。
何編かは終わり方が物足りなく感ずるが、seasonII半ばの(従前のパターンから外れて)予約客以外を迎える挿話以降、俄然良くなる。
いわば「基本のI、応用のII」といったところか。
各編がキチンと落ちて、なおかつうまくリンクしているseasonIIIなぞ、機会があったら観てみたいモンだ。(催促気味)
Reversd-リバスト-
梅酒が好きだな
d-倉庫(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
空想娯楽活劇っっ!!!
「ゲート」で繋がる表裏一体の世界を舞台にした娯楽活劇。
パラレルな世界の設定としっかりした人物造形でドラマを形成し、アクションとダンスでアクセントを付けるツクリが良く、ダイナミックな結末とそれを表現する照明は◎。
また、大小各種の直方体を組み合わせて構成したような装置や武器類など舞台美術もイイ感じ。
からくりサーカス~サーカス編~
カプセル兵団
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
力作にして大作
三部作の2と3を一気に見せるような力作にして大作。
よって前半は若干の説明臭があったりもするが、後半は熱血あり名台詞あり感動ありで娯楽活劇の王道まっしぐら!(笑)
いつもながらの表現や「アレ関連」の笑いもイイ。
なお、210分(休憩15分を含む)という長尺なため、全席に空気座布団を装備。これ、有効だったなぁ。ありがたや!
煉獄アリス
ムシラセ
サンモールスタジオ(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/19 (月)公演終了
満足度★★★★
なるほどアリス
なるほど確かにアリス。OPアニメほどではないにせよ、登場人物に原典のキャラが反映されていないかと勝手に照合しながら観る楽しさアリ(もちろんそれほど原典に詳しくなくても楽しめるだろうが)。
また、不思議な世界の表すものを明かす前にヒントをちりばめて勘のイイ客には悟らせ優越感を与えるのも巧い。
PADMA vol.3- FAST LANE FINAL -「隔離病棟」
Performance team PADMA
赤坂元気劇場(赤坂GENKI)(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
3作目のセオリーに則り新機軸を打ち出す
「続編は前作のパターンを踏襲し、3作目で新機軸を打ち出す」というシリーズものの鉄則通り小屋を変えての3回目公演、過去2回の高さを使った見せ方ができない分、メイン、サブの2つのステージに会場を対角線に貫く通路も使い、広さで見せて◎。
それだけでなく女優を1人迎えたこととメンバーの成長(?)により芝居性が少し(笑)増したのもイイ。
次回はどう来るのかな?
おじクロ
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
やはりベテランの味
いい歳のおっさん達がももクロに夢中になりついには踊ってしまうコメディではあるが、ペーソス溢れる背景によってコクがあるのがベテランの手腕?
大笑いしつつもホロリとし、本当に踊る姿には劇中と現実を併せた感動(←大袈裟)もアリ。
海と日傘
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
いかにもSPIRAL MOONな作品チョイス
「全てを語らず」な奥床しさ(?)がいかにもSPIRAL MOONな作品。
また、切なさを内包あるいは予見させながらも、のどかで時にユーモラスでさえある味わいに古き佳き時代の日本映画(松竹?)を連想。
さらに、毎度ながら照明の的確さと表現力の見事なことと言ったら!
高円寺純情商店街でロミジュリ
踊れ場
シアターブラッツ(東京都)
2012/11/12 (月) ~ 2012/11/14 (水)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしき哉、新旧融合
新釈・現代若者語訳・翻案・喜劇仕立てでありつつ、内容はかなり忠実で原典そのままの台詞もあり、その両者が違和感なく同居しているバランス感覚たるや見事。
また、バルコニー場面の見せ方や教会の表現を筆頭とする多人数を活かした、そしてスピード感まで加味した演出もイイ。
虹色列車
(有)オフィス パラノイア
劇場MOMO(東京都)
2012/11/13 (火) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
総論+Side-B
過去編のAに対してこちらは現代編というのは読めたが、それだけでなく、片や連作短編、片や(「章」的な区切りはあるが)長編とスタイルまで異なるとはオドロキ。
2バージョンものとして画期的では?
それでいてリンクする部分があって両編で1つの作品を構成するのはもちろん、一方だけでもキチンと成立しており、もう一方を観ていないとワカらない部分がないのも巧み。
いわば一般的な2バージョンものは「双子(一卵性だったり二卵性だったり)」だが、本作は「父親似の第一子と母親似の第二子」みたいな?
B単独としてはエキセントリックなキャラ2人で存分に笑わせた(こちらはコメディ編か?とさえ思った)後に過去が絡む親子ネタでしっとりと締め括るのが上手い。
虹色列車
(有)オフィス パラノイア
劇場MOMO(東京都)
2012/11/13 (火) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
Side-A
かつて陶芸家を志していた男が美大の傍で営む喫茶店を舞台にした連作短編集。
各編は起承転結、全体は序破急と基本に忠実ながらしっかりと物語に引き込むのはさすが。(以下ネタバレBOXへ)
キメラガール アンセム/120日間将棋
The end of company ジエン社
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★
絡縺増量気味?
本介さん曰く「F/T仕様」とのことで、今までに観た何本かと比べて中心部分に絡み付いたあれこれが増量で縺れた糸を解くのが大変(笑)。
終盤でやっと見えたと思ったらまた謎を残して終わるという。
嫌いではないが、脳ミソが疲れたぜ(爆)。