前向き!タイモン
ミクニヤナイハラプロジェクト
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/08/22 (木) ~ 2013/09/02 (月)公演終了
満足度★★★★
よくわかんなかったけども
あまりのスピード、脳が話を追いかけるのに必死。
内容的になんとなくピンとこないまま終わっちゃった感があるものの、早いうちに「あ、この密度の全部のセリフ聞き取る必要はないのか」って気づけたからか、役者の全力話芸っぷりを中心に結構楽しめたなあって感じの80分。
(前回公演『静かな一日』は、ホント何を楽しめばいいのか状態だったのがキツかったのよね・・・)
岸田受賞作とのことだけど、前述したとおりの状況だったためあまりそこら辺は味わえず。
戯曲買って読んでみてもいいかも、かな。
にしても、ちょいギリに劇場着いたもんで何の気なしに最前列座っちゃったわけだけど、あそこまで汗だ唾だバンバン飛んでくる舞台だとは思わなかった・・・^^;
盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★
うーん・・・
古田新太、宮沢りえはじめ、役者陣は色気ビンビンで素敵だったんだけども・・・^^;
なんつーか、こう、いろんなところでちょいちょい気になっちゃうことがあって、あんまし作品そのものを味わうところまで行けなかったって感じで、なんとも残念な観劇だったかと。
やっぱり蜷川演出は体に合わないのかなあ・・・。
シアターコクーンの箱と作品とがあってないようにも感じたし、いくつかの段取りがタイトロープすぎで([ネタバレ]に詳しく)観ていて悪い意味でハラハラしちゃったってのも大きかったかと。
てか会場のサイズに対して小道具が小さすぎだったんじゃ・・・?
セリフまわしも一個一個の単語よりは勢い重視?なとこがあって、なにやってんのかよくわかんない個所がちょいちょい・・・。
当日配布されてたような「ベテラン作家の過去の名作を今の観客に~」みたいなコンセプトの上演だったなら、もうちょっと「ちゃんと」作ってほしかったかなってのが正直なところ。
猫隠しまっすぐ
わっしょいハウス
新宿眼科画廊(東京都)
2013/07/19 (金) ~ 2013/07/24 (水)公演終了
満足度★★★★
もっと観ていたくなる90分
今回の作品、いつもよりキャストの少ない二人芝居になったことで、わっしょいハウス独特の時制いじくりまくり~なセリフ芸の側面は目立たなくなってて、そのかわり生活感と異界とのシームレスぐあいの気持ち良さ的なのがこれまでの作品より当たり前のように存在してた感じ。
ぬるっと始まっちゃう幕開け、「え!?そこで終わっちゃうの!?」って締めかた、そして後に残る余韻までなんとも味わい深い面白さが残った。
『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★★★
13日『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』
去年横浜STスポットでやった時にも観て上演台本も買った作品。
今回の上演、スタジオ空洞のあの立地・あの空間でこれをやるっていうこと自体がそもそも面白かった。というか、スタジオの白い壁と、触れ合いそうでなかなかに触れ合うことのできない役者たちの佇まいに、「“自分が自分を監禁している”っていう孤独」をまざまざと見せつけられるようで印象的だった。
にしてもこの「雨天決行」の企画、アマヤドリって劇団の「劇団力」みたいなもんの強さもそうだけど、確実にひとりひとりの役者を育てようっていう意気込みが今回のキャスティングからも感じられるなあ。
でんでんむしのからのなか【ご来場ありがとうございました!!】
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
萬劇場(東京都)
2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★
うーん・・・
この演出、この脚本、最近の野田秀樹作品とか好きなんだろうなあ・・・。
リスペクトもいいけど(実際オマージュとしての完成度は高かったんじゃないかと)、やるんだったらもうちょっとちゃんと「核」の部分も感じさせてほしかった、っていうかなんていうか。
社会への目線がありきたりな小劇場チックなものの域を出てないのは、作家本人が自分の目で「この世界」をどう見極めたのか、どこまで見極めたのかっていう、そこら辺に「甘さ」があったんじゃないか、とか。
「大衆」に対してそんなに不信感持ってるのに、「人間」にはそこまで幻想持てちゃうんだなあ、とか。
そういうこと思っちゃって、ちょっと引いて観ちゃったなあ。
あとああいう演劇的な「嘘」は、もっと繊細に、もっと大胆に、もっと執拗に、もっと臆病に吐いてほしいなあとか思っちゃったり。
役者のアンサンブルとか、照明、美術はハイクオリティだなあ、って思った。
『わが闇』(再演)
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2013/06/22 (土) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★★
いい作品だってのはわかるんだけど・・・
自分の中では、あんまり響いてくるものがなかったかなあ・・・。
テーマ的にどうしても「今の自分」に引き寄せて観ちゃってたせいか、作品が最後に残す「希望」をにわかには信用できなかったというか、作品ととの「溝」を最後まで越えられなかったなあ、っていう残念感が残っちゃったなあと。
グッドバイ
バストリオ
SNAC(東京都)
2013/07/03 (水) ~ 2013/07/06 (土)公演終了
満足度★★★
うん
よくわかんなかったけど、面白かった。(酷い感想)
もうあの舞台設計で、ああいうことをちゃんと一つ一つ着実にやった、ってことでこの上演は成功なんだろうなあ、って印象。
表現されること自体や表現の手順自体は最近よくある「例の」奴っぽいなあ、とか思っちゃったけど、その手際の良さ、鋭さは気持ちよかった。
シレンシオ
ネビュラプロジェクト
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/07/02 (火) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
難しい・・・
デラシネラ以降の小野寺作品は出来るだけ観てきたつもりだけど、これまでで一番「つかみどころがない」作品だったかも。
タイトルにもあるように、今までに比べても、「動き」や「重なり」よりも「静寂」や「ほどける瞬間」により重みが置かれてたって感じ。
「難しいなあ、今回は」とか客席で思いながらも、そういう瞬間が闇から浮かび上がってきたときにはおもわず「もってかれる」「惹きこまれる」感覚があって、後をひく旨味なんとも。
小野寺さん、新しいゾーンに入った、のかな?
今回の観劇、芸劇プレイハウス客席の床がフラットなゾーンで観たのは失敗だったなあ・・・。
床での動きに「おいしい」動きがかなり多くて、もっとちゃんとそこら辺みられる席で観たかったかも。
少年王マヨワ
ニットキャップシアター
座・高円寺1(東京都)
2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
これぞ演劇
ってな感じのイマジネーション刺激されまくりな110分。
ヒリヒリとした感覚で紡がれる物語が豊かに広がっていく、そのさまが面白かった。
「これどんなト書きなんだろう・・・」って思ったんで上演台本買ってちょっと読んでみたけど、予想以上に無茶振り上等なト書きオンパレード。
演劇のチカラとかちゃんと真正面から信じてないと、とてもじゃないけどこうは書けないだろうなあ。
作品のベースとなってる古事記を最後までちゃんと全部読み込んでからまた観たらもっと楽しめるんだろうなあ。
ってことで再演してほしいなあとか思ったり。
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
6/26『うそつき』
梅雨らしい天候の下、まさに雨天決行のアマヤドリだった今回の初日。
アマヤドリの役者力とスタジオ空洞の空間力と、お互いの化学変化的なモノが面白くていろいろ満足。
結構な至近距離で、この劇団の魅力たる身体表現の繊細さを味わえるのはうれしい限り。
あと同じ脚本の舞台を4月にも観てる分、二回目だと最後の落ちへの伏線が沢山で、「こうつながってたのか~」みたいな気付きとか「こここう広がってくのか~」みたいな発見とか、そういう面白さもあり。
会場の都合上、役者と観客の出入り口が同じで、遅れてきた人が入ってくるたびに集中力が殺がれちゃうのは、しょうがないとはいえちょっと残念だったなあ、と。
ただそういう設備的な限界的なものも含めて、雨天決行っつーこの企画、この先も結構面白くなりそうで期待できるかも、とも。
もう一方のプログラムも行こうかどうしようか。
「近代能楽集邯鄲・葵上」再演
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★
うーん・・・
「江戸糸あやつり人形」ってどんなんだろー、って期待して観に行ったけど、うーん、「こんなもんかー」って印象・・・。
他の作品では違うのかもなんだけど、「上手いなあ」以上のモノはなかったような。
作品そのものにしても、いろいろ他の上演とか見てれば違うのかもだけど、三島由紀夫の用意した面白さ以上のものは少なくともこの舞台単体では感じられなかったなあと。
役者さん、人形操演に関しては文句ないんですが、セリフに関しては技術にばらつきがありすぎなんじゃないかと。
とにかく『邯鄲』でメインやってた役者の滑舌は酷かった・・・。
あんなにサ行タ行ラ行の発音がアレなのに、セリフ多い役を振っちゃうのはよくわかんないです・・・。
あとは舞台の高さが不満だったかなあ。
最前列で観たけど、床面が全く見えないほど舞台が高く設定されてたのは観ていて疲れました。
芸劇の客席的には、あと一尺は低くても十分後ろの観客も楽しめる角度ではあると思うんです・・・。
バイト
カスガイ
テアトルBONBON(東京都)
2013/06/12 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
面白かった。が。
「確実にもっていく」役者ばっかり11人、面白くならないわけがなかった。
どの瞬間もしっかりと惹きこまれる空間はさすが。
ただ物語構成にはあまり乗れず、だったかも。
いい感じに居心地が悪くて楽しかったんだけど、終盤ある小道具(※ネタバレ1)が登場してから以降の展開には「それでいいの・・・?」感がぬぐえず。
玉置さん演じる井上と山崎さん演じる日高の生が際立つ面白さはあれど、それ以外のキャラクター像が、それまでの流れとつながらなくなっちゃってたような気が。
もう一回観れば違うのかもだけど。
モータプール
劇団子供鉅人
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2013/06/07 (金) ~ 2013/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
うーん・・・
「いいな!」っていうシーン、「これは惹きこまれた!」っていうセリフは確かにあった、結構あった、かなりあったものの、全パートにわたって妙な「全力出してます」感というか「元気の良さ」みたいなのが支配してたせいか、なんつーか「乗れない」芝居だったなあって印象が・・・。
脚本的にも、そのテンション、その「若々しさ」を過剰に押し出した演技体でいく必然性はなかったんじゃないのかなあ、と。
「白線」と「靴」で「地べたを這うしかない存在である人間」を浮かび上がらせる、そんな粋な空間構造は魅力的だっただけに・・・。
あとやっぱり黒田さんは観たかったかもなあ・・・。
延々と走り続けるキキ花香さんの、痛みほとばしる長台詞はよかった。ほんとよかった。
Chouf Ouchouf ~見て、もっとよく見て!~
タンジール・アクロバティックグループ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/06/06 (木) ~ 2013/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
すごい!・・・けども
観方ってか乗り方を間違えちゃった感あり・・・。
「すごい」のは「すごい」んだけど、それがなかなか自分の中で「面白い」につながっていかなくてやきもき。
単純にアクロバット公演を観るくらいのノリで観ればよかったのかなあ・・・。
プルーフ/証明(谷 演出ver.)
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/05/24 (金) ~ 2013/05/27 (月)公演終了
満足度★★★
うーん・・・
主演の百花亜希さんはじめ魅力的な役者さんたちの丁々発止に痺れた150分。
13日に参加させていただいたワークインプログレスに比べて、「こう膨らませたのか!」ってな楽しさもあり。
ただ、なんかこう、目の前に広がる演劇空間が面白かっただけに、物語それ自体にイマイチ乗れなかったり惹かれなかったりピンと来なかったりだったのが・・・。
あと座った席のせいか、大事な部分のお芝居が何箇所か死角に入ってしまってて見えなかったのも残念。
しかしまあ、「アレ」をあんな乱暴な扱い方して壊れないもんなんだろうか・・・^^;
て
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/05/21 (火) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんつーか
こう、月並みな言い方になっちゃうけど、この芝居と出会えてよかった、って思った。
岩井秀人作品は『ある女』と『ポンポン~』(と『スターウォーズのニセモノ』)だけしか観てなくて、「なんか独特の雰囲気のモン書く人なのね~」程度の認識だったのを今回反省。
筆圧の高い、観ていてこんなにこころかき乱される、そんな素敵な作品を書く人だったのね・・・。
ありがとうございました。
マリア
Straw&Berry
王子小劇場(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/23 (火)公演終了
満足度★★★★
面白かったはずなんだけど
面白かったはずなんだけど、舞台転換がすごかったのと、照明がきれいだったのと、百花亜希が素敵だったのと、おまけ演劇なるブツが相当に酷かったのくらいしかなぜだか覚えてない・・・^^;
でもそうですよ、ほんとに舞台転換が見事で、照明が印象的で、百花亜希が素敵だったです。
そんでもって間違いなくその三点によって、この『マリア』という作品の持つ「同じ光に照らされていた時間」への思いが、生き生きと劇場内に立ち上がっていたんじゃないかと思う。
客入れの音楽に「あれ」を使っていたのは、作品の世界を萎ませていてしまってたような。
個人的に嫌いってのもあるけど。
ブラック・サバンナ
世田谷シルク
アトリエ春風舎(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★
やっぱり肌に合わないのか・・・
序盤でおっと思うも、中盤から全くノれなかった・・・。
小ネタ的な仮定のセリフにさらに仮定のセリフが応じるタイプのやり取りがあのテンションで続くのはキツイなあ。
ストーリー自体は割と好みなものだっただけに、かゆいところに手が届いてくれない時間が長かったなあっていう印象が・・・。
あと、前のほうの席で観たせいか、劇団が看板としている群舞シーンも(例えばルルベでの重心の置き方ひとつとっても)身体意識レベルでのばらつきが目についてしまい、どうも・・・。こういうのやるんだったら、役者陣の身体的な強度の質がもっとちゃんと揃っていてほしかったなあ、と。なんていうか、ラインや角度の面では揃っててもそこら辺が不揃いだと、どうしても「空間の秩序によって動いてる」とかじゃなくて「振り付けだからこう動いてます」って感じに見えちゃって・・・。
客演の(普段は面白い)役者の何人かが、この劇団式の身体の使いかたをちゃんと消化していないような印象も持ってしまった。東京ベースで活動してる同じ世代の劇団でも、客演たくさんの公演だろうがそこら辺ちゃんと揃えてくる劇団はあるし、もうちょっとがんばってほしいところ。
「生命の重さ」についての思考実験としても、どこかから持ってきたような議論がほとんどで、作品の推進力としてちょっと中途半端だったような。
軸となっていた姉弟の関係性とか、何か所かほんと面白い瞬間はあったんだけど・・・。
うそつき
踊れ場
RAFT(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/08 (月)公演終了
満足度★★★
静脈、初日
傷痕とか、面影とか、そういうものについて、じんわりと広がりを意識させられる。
作品内に吹き込んでくる風の匂いや哲学的な身体感覚、「そうそう、自分は広田淳一作品のこういうところが好きなんだよ」っていう感じのストーリーテリングで面白かった。
・・・面白かったけども、あんな素敵な脚本なんだし、もうちょっとテンポゆっくりにして丁寧にやってほしかったなあ、とも。
せっかくのいい台詞が早口のせいで流れてしまってるところ、聞きとれないところなどが結構気になっちゃったかなあと。
従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....
Théâtre des Annales
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/03/29 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
えーと、
最初にタイトル見たときに「え・・・?谷賢一なに考えてるの・・・?(半笑い)」とか思ってしまって、ほんと、すみませんでした!
ひとりひとりの人間から、人間が語りうる限りの世界の果てまで、こまばアゴラ劇場の小さな空間に、余すことなく詰め込まれていました。
「光」や「音」にこんなに感覚が鋭くなる観劇体験も、そうはない。
濃厚な「闇」に「灯り」がともる、「ことば」が紡がれる、その様。完全に持ってかれました、してやられました、ありがとうございました。
あとはもう、なにを言っても無粋かもだな。