ハンダラの観てきた!クチコミ一覧

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妖精の探し方

妖精の探し方

劇団Peek-a-Boo

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/04/25 (金) ~ 2014/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

汚れっちまったら悲しめる?
 子供たちの感性、大人になるということの勘所を押さえ、バイアスを排除する目を持った大人にもキチンとアピールできる作品。(追記後送)

 porter ~旅するひとびと~ 

 porter ~旅するひとびと~ 

[DISH]プロデュース

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/04/25 (金) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

額縁の絵を描いている人がいるとすれば才能在り
 旅をキーワードに紡がれたオムニバス。何と約20篇で構成されている。

ネタバレBOX

 1篇1篇が短いので上演時間は、通常だが、所々に珠玉の短編を鏤めながら、ダジャレ、お茶らけ、昭和ギャグ等のレトロ趣味的ギャグを挟む。こうすることと、最初と最後のシーンを同じにすることによって旅の象徴たる駅ホームを舞台の中心にして演技しながら、各々の人生の様々な局面とも読める内容になっている演出が気に入った。役者達は、秒単位の衣装替えなどでてんてこ舞いだろうが、舞台上では、可也自然であり、ちゃんと遣りたかったことの本質を捉えて臨機応変な対応を見せる。そこがまた、面白い。(これだけ押すことが目に見えている舞台で、ただ、わやわやするほど役者は馬鹿では無いし、演出は当然織り込んでいるから、間違いなくその辺りの指示は出している。)
しゃっふる

しゃっふる

ソラリネ。

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/04/22 (火) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★

ぼくたちの失敗にゃんちって
 大学卒業後、久しぶりの飲み会に集まった面々。現役生でも既に29歳。晩婚化した昨今と雖も既婚者も多く子持ちもいる。また中には7年ぶりに皆に会う者も。偶々、仲間の一人がレストランオーナーと結婚した関係で、その店で貸し切りパーティーをしている最中だ。他愛ない話が続き、互いに腐し合ったり、近況報告をしたり、この店のオーナー夫妻のなれそめ話に花が咲いたりと話は弾むが。(追記後送)

嘘つきと泥棒のはじまり

嘘つきと泥棒のはじまり

東京AZARASHI団

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2014/04/22 (火) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

お勧めの舞台
良い意味で裏切られた。喜劇は難しい。その難しい喜劇で笑わせて貰って、なおかつ深い。シナリオ、演出、演技、間の取り方、外し方も絶妙である。今までいくつか優れた喜劇を演じる劇団を評価してきたが、今作を観て、この劇団も、優れた劇団自分のリストに加えることにした。(追記後送)

楽屋

楽屋

演劇集団アクト青山

ワーサルシアター(東京都)

2014/04/22 (火) ~ 2014/04/30 (水)公演終了

満足度★★★

鏡の
 清水作品の中でもとりわけ上演回数の多い今作は、登場人物の造形次第でカラーが変わる。無論、その為には、登場人物の一人一人がシナリオの内実を内側から滲み出させるようなヴィヴィッドな演技が不可欠である。

ネタバレBOX

 前回「楽屋」を観たのはこの3月チョコレートケーキの日澤演出であったが、演出の差が出たように思う。日澤演出では、舞台装置、照明、音響、キャスティング、演出、演技総ての要素が緊密に結びつきながら而も個々の役割を受け持つ各々が、互いのエッジを尖鋭化して微妙なバランスと緊迫感を醸し出していたが、今回ROSSOの作劇では、これらの交感に脈絡が感じられなかった。その為、役者がポテンシャルの高い演技や、非常に高いレベルの演技をしているにも関わらず、各々の仕事が、単体として作用してしまい、作品全体の流れに統合されなかった。
 これは、演出家が、舞台上に吊るされた鏡のイマージュをキチンと捉えきっていないからである。今更、謂う迄もないこと乍ら、鏡は物理学的にも極めて興味深い対象であると同時に文化的にも広くて深い物であり、象徴であり、境界領域に位置する微妙である。この鏡の使い方を間違えた、と敢えて言いたい。即ち、この点だけから見れば、作品の本質を読み違えている。もし鏡を使うなら、割れた鏡を舞台床に敷き詰めるイメージで用い、鏡の乱反射を利用して、上演中、常にプロンプターの霊や、役者の怨念、情念が渦巻く世界を表現する為に使って欲しかった。演出家でも無い自分が言うのはおこがましいが、自分ならそうする。

ちのもの

ちのもの

ヒューマナムー

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2014/04/19 (土) ~ 2014/04/21 (月)公演終了

満足度★★★★

造反有理
 “ちのもの”の意味する所が社会的常識だったり、世の中の価値観だったり、要は、人間社会を成立させるものとして一般に考えられているものなら、それはチト疑って掛かる必要があり、打倒する必要があるということだろう。

ネタバレBOX

 豊家、男1人女3人の兄弟は、長男の脳、知識欲、長女の喰、食欲、二女の心、愛欲、三女の眠、睡眠欲其々の権化だが、その背後に狐面をつけた得体の知れぬ者に関与され続けている。然し、各人の欲望に憑かれた彼らの行動は、何とかギリギリ社会から落ちこぼれない程度の駄目加減を維持し続けて来た。だが、各人の疲れは相当なもので、疲れが極点にたした為か、唯一の友を失いそうになった危機などの他の原因が明確にあった為か、ハッキリしないものの、狐の面をつけた五感には感じられない得体の知れない者と融和した時、新たな展開を迎える。それは、社会との折り合いをつけ、水準以上の仕事を楽々こなし、スマートで通りの良い社会人優等生として生き抜く方法だった。暫く、彼らもこの方向で進んできたが、矢張り、三つ子の魂百まで、と言うことか。終に、この擬制にも破綻が到来した。その名を造反有理。
 演出では、手拍子の意味するものが効いている。前・中盤の溜めを、わざと無視した演技の時間が長すぎる感じがするので、この点でもう一工夫欲しい。
 作品の意味解釈:規律だの常識だの或いは社会的正義を強制してくるものは、眼にも見えず、耳にも聞こえず、味も無ければ、臭いも無い。無論、触れることもできぬ。即ち、五感で感知できぬことを示唆しているが、これは無論、放射性核種の危険極まる毒とのダブルミーニングだ。安倍政権になって、益々顕著になった権力者の関わる様々な事象の名前が恣意的に不正確にされていることを含めて、正しいことを認知し難くされていることへの警鐘も含めればトリプルになる。表現する者は先ずこの点を暴かねばならないという認識は正しい。その為には、敢えて良い子にならぬ選択が必要ではあるまいか? 即ち反逆者としての不良である。常に、意識は高く、政治を注意深く見つめ、人間的な位置に立って間違いは間違いであると指摘し続ける者、高潔で賢くても貧乏を余儀なくされ、社会的地位も常に低いであろう。が、人間的真実は、その最高の形も、最低の形も、常に弱者にこそ、宿るものだということを知り、且つ、その弱者に与する者。そのような者を為政者、及び体制派は、反逆者・不良と呼ぶ。然し乍らこのような造反こそ有理である。
震える砂塵

震える砂塵

幻想芸術集団Les Miroirs

シアターシャイン(東京都)

2014/04/18 (金) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★

殻の中
 作家は、装飾銃剣が好きだと言う。だったら、セルバンテスが卒業した大学のある町へ行ってみたら如何か? 自分が行ったのは随分昔の話なので、今は様変わりしているかも知れぬが、歴史のある学生都市だから、まあ、色々探せば面白いものにぶつかるだろう。町の中心部のアゴラの回りは、イケテル“バル”がたくさんある。安くて旨いし、感じが良い。スペイン語もできるなら歓待されると思う。
 芝居自体は、五七調、七五調も入り混じる擬古典体に時々、現代ギャルの用いる偉く気安い表現が入るのは如何なものか? 貴族の用いる表現と民衆の用いる表現、都会と地方の表現の差をキチンと意識して使い分けているとは思えなかった。その辺りもキチンと表現するなら、表面上のアリバイ作りではなく、リアルな心理なり社会学的ジェンダーを意識してシナリオを書くべきだろう。今作を拝見した限りでは、ナルシシズムの域を出ていない。言語が、特殊な形を持って表現に供される場合、真にラディカルならば、それは、鋭い刃を持つ。そして、そうでなければ意味など無い。
 拘るものがあって、こういった形の作品を呈示しているのであろうが、未だ、夢を夢見ているレベルだ。殻を突き破って荒々しい現実と切った張ったする方が面白いよ。
 気に入ったのは、スタッフの丁寧で感じの良い対応と音響関係。歌姫、ラレを演じた祐妃 美也の歌は声楽家の歌には及ばないものの素人レベルでは上手い。音感も良さそうなので、レッスン次第では更に上が目指せるかも知れない。ノルベルトを演じた谷 英樹は、終始自然体に近かった。
ミュルテを演じた風祭 鈴音も自然体に近い演技であった。
 ところで、miroirを名乗るなら、現代の現実を映して欲しかった。現代の現実は、もっと歪んでいるし複雑だ。鏡像も捻りを加えて欲しい。

Y

Y

Project ONE&ONLY

小劇場B1(東京都)

2014/04/18 (金) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

中々深い と読める
 結婚を、間近に控えた娘が作家、鷲尾宅を訪ねた。用件は1971年に、矢張り作家であった祖父、田代 雄二の家で起きた事件について、単に推理オンリーの作家では無く、深い人間観察と、緻密な論理によって思いも掛けなかった関係の網目を炙り出して行く鷲尾の人間観に基づく深層解析を訊ねたいとのことであった。然し、彼女の持ち込んだ資料は、警察の調書のコピーだと言う。コピーであろうが無かろうが、公文書を無断で持ち出し、それを利用して何かをしたとあれば、法に触れる。鷲尾は即座に断る。
 だが、娘は粘る。持って来た資料は、祖母、裕美子の遺品を整理中に見付けたものだと言う。中を検めてみると、祖父の死が本当はどうであるのか、疑問を持った様子。近々、嫁ぐ自らの血に如何なる要素が含まれているのか、それを確かめ、納得できなければ、嫁に行くことに不安を抱かざるを得ないということのようであった。(追記後送)備考:かむ個所がもっと少なければ星の数を増やしたかも。

推定容疑者

推定容疑者

Cooch

テアトルBONBON(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

時代・畜人国の今
 テーマとしてネット苛めの問題を扱い、障害者、弱者の問題を取り上げている点に作者の意識の高さを感じる。何でもそこそこできてしまい、恵まれていることの有り難さを知らない者達の残虐性を表した幾つかの科白や、罪の無い者を痴漢犯罪者に仕立て上げる狡猾とエゴイスティックな発想などを舞台化している点でも評価できる。(追記2014.4.20)

ネタバレBOX

 人権後進国である日本の下司な為政者には発想すら無い視点である。先日、カナダでは、ネット苛めが犯罪として認定された、との報道があったばかりだが、日本でそのようなことが、法制化されることが殆ど絶望的なのは、無論、この「国」が、畜人の国であり、宗主、アメリカを神と崇めアメリカ人を神々としている阿保共のせいだが、常識的に考えて、このような為政者の下で完全に家畜化された愚民共が他の発想を実践できるとも思えない。即ち、内心はどうであれ、社会的に現れた意志としては、畜人のそれである。即ち奴隷以下だ。ヒトの形をしているが人として必要な誇りが無い為に、利害の為には共食い、同族争い、裏切り、売国何でもありである。
 因みにテロ撲滅が喧伝されて以来、この畜人の「国」では、まっぽとガードマンが矢鱈に目立つようになった。監視カメラは無論のこと、特定秘密保護法と命名された必要情報隠蔽法は既に成立。共謀罪も近々提出されるのは、去年段階で、畜人の「長」共が抜かしていた事実である。もう一つ、カナダとの比較であげておくならば、生体認証に関して、100万件に一件程の割合で生じる間違いについて、カナダでは、キチンと検討され、対応を一所懸命に考えた、という報道が為されたが、畜人の「国」にそんな発想が無いのは無論である。大体、自分達、民の権利を主張する人間が居ない。居るのは人間ではない。畜人という奴隷以下の存在である。その畜人が、偶に人間を見付けるとよってたかって排除する。その事実を描いた作品と捉えると実に面白い作品である。
 奥の木と赤澤の関係が良い。ラスト7名を殺害した奥の木が、赤澤に未来の一秒、一秒をプレゼントするシーンがあるが、血に汚れない天使のような存在である奥の木の純粋性と汚れを無化してしまう愚者の聖性が、逆に人間の哀しさ、優しさを表して秀でた表現になっている。
フライトNo.2037

フライトNo.2037

フランス演劇クレアシオン

シアターX(東京都)

2014/04/17 (木) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

侵略国家、アメリカ
 イラク戦争にしてもベトナム戦争にしてもTPPのような経済侵略にしても、デッチあげのマッチポンプで戦争を仕掛けて自国産業を潤し、他国の人々を虫けらのように虐殺して恥じないアメリカの懲りない本質が描かれて面白い。9.11疑惑については自国民であるが、何れにせよ、緊迫感のある舞台に仕上がっている。

ネタバレBOX

ケネディー空港を飛び立つ2037便は、ジュネーブ行き。妻が凍った地面で足を滑らせ足指を骨折した為搭乗をキャンセルした老夫婦を除く、乗客141名、機長以下乗員11名のクルー計152名を載せてほぼ定刻に離陸した。
 離陸後1時間ほどでコクピットに機体の異常を知らせるサインが点った。貨物室の電気系統がショートを起こした模様だが、機長は、総ての回線は二重に敷設されている為、大した心配はいらないと判断を下すが、念の為、スチュワーデスだけには連絡、客の機内持ち込み手荷物が落下して怪我をしたりしないよう、それとなく注意を促すことや、出されていた飲料カップの回収、いざという時、通路を塞ぐことがないよう夕食の手配をずらすことなどを指示した。スチュワーデスは、無論、その辺りを上手にこなし、乱気流の発生地帯に入るのでシートベルトをお締め下さい、とアピール、緊急体制をとった。
 然し、事態は益々悪化。機は空港に引き返さざるを得なくなり、直ぐに管制塔に連絡。緊急体制を整えて貰う。操縦席には白煙が立ち込め、手動操縦も難しいが、頗る優秀な機長は、可能なあらゆる手段をとる。管制塔と機の間で交わされる緊迫した交信が緊迫感をいや増す。
 然し、電気系統の損壊は益々激しく、機は、機長、副操縦士の指示に一切、反応しない。終に交信も不能になった。数秒後、レーダーの視界からも機影は消えた。チーフ管制官は、緊急体制解除を通告。緊急事態に対応していた管制官は仕事を終えた。
 以上が、フライトNO.2037事故の顛末である。当然のことながら、事故後、救難体制が取られ、事故調査が進められたが、海中40mに没した機体から引き上げられたフライトレコーダー、ボイスレコーダーの綿密な解析によっても事故の原因は解明されぬまま、悲惨な航空機事故の1ページを増やしたに過ぎなかった。
 然し、こんな噂が立った。アメリカ航空会最大手ファストネット社によるヨーロッパの新興企業アビアトランス社追い落とし、だ。アビアトランス社がこのフライトに成功すれば、アメリカ国内だけで130機に及ぶ機体発注を受ける瀬戸際であった。ライバルであるファストネット社にとっては大打撃である。そこで、事故に見せ掛けてアビアトランス機を墜落させ、機体への信頼を失わせることによる契約解除を狙った。これが、噂が示唆したことだ。して、事実は、噂通りであった。実際、ファストネット社は、プロを雇いアビアトランス社の攻勢を封じる為に、この「事故」を仕組んだのである。貨物室に特殊な装置を仕掛け、ファストネット社会長の最終決定が下れば、装置を作動させることになっていたのだ。事故に見せかける為、管制塔に連絡を取り、墜落までの模様が証拠として残るよう綿密に機体破戒工作は仕組まれていた。無論、空港迄無事に戻れない算段もしてあった。賽は投げられ目論見は成功。機は墜落してアビアトランス社の名声は地に墜ちた。
 追い打ちを掛けるようにファストネット会長は、航空業界を代表して悔やみを述べる。その席で彼は、自社製品の売り込みを掛け、アビアトランス社に事故原因究明迄の営業自粛を要請、自社に不足分を補う用意があることを告げる。
 
ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

『ガチゲキ!!』実行委員会

王子小劇場(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

ピャーVS鋼鉄村松
 シェイクスピア作品をアレンジしてのコンテストだ。比較的若い劇団が多いのではないか。今日拝見したのは、徒手空拳VS方法論と距離を持った者、即ち関係を観る側に立った者とのバトル・フィールドだ。(追記後送)

こんこんと、

こんこんと、

green flowers

シアター711(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

何度でも観たい舞台
 シナリオ、演出、演技、舞台美術、音響、照明、どれをとっても参加者全員が己の仕事をきちんと果たしている。見事で気持ちが良い。(追記後送)

to U 

to U 

トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)

あうるすぽっと(東京都)

2014/04/12 (土) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

スマート
 大学で出会った社交的な男と内向的な男。一人は、真面目だが、内向的で女にもてず、一人は、スマートで、女好きのする顔をしている為、女の子の人気の的である。持てない男は名前をケイといい。もてる方は、名前をユウと言う。ケイは、ユウを神格化、彼の言動を信奉する余り、何気なく口にした彼の言葉を実現する為、偶々、彼に貰った宝くじが当たって軍資金が出来たのを幸い、起業し大きな事業に育て上げる。そして、(追記後送)

路地裏物語

路地裏物語

劇団暴創族

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

晩飯はオムライスにした
 “路地裏”という名の洋食屋。名物はオムライス。マスターの栄吉が作る卵料理の逸品は、旨いと評判だ。向かいの藪蕎麦の親父、正吉とは、ウマが合う。
 早季子は、良く働く路地裏の従業員で離婚している為、子供の正志を店の終わる迄、路地裏で預かって貰いながら仕事をしている。従って正志は、栄吉にとっては子も同然だ。一方栄吉には出来の悪い息子、栄太郎がいる。
(追記後送)

スリーカードモンテ

スリーカードモンテ

projectDREAMER

小劇場 楽園(東京都)

2014/04/15 (火) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラックテイストを愉しむ
 各々のかードにふられた物語がオムニバス形式で独自に展開するが、各挿話は、最終話で1つに纏まる、という構造を持った作品。各々の挿話はほぼ同程度の時間で演じられ、シナリオ自体良く練られている上に内容的にも面白い。ダークファンタジーとでも名付けたいテイストを持った作品だ。

ネタバレBOX

  元アイドル、アカリが失踪した。ネット上では彼女はドラッグに嵌っていたと噂が立っている。おまけにホストクラブに通い詰めていたという。彼女のストーカーじみたファン、リクオが、彼女のマンションに張り付いて一週間目、終に彼女の住んでいる301号室に入り込む。指紋がつかないように手袋をし、室内の手紙などを物色し始めたが、先客がいた。若い女である。彼女は、あかりの妹だと言う。男は刑事だと言う。当然、警察手帳の呈示を求められたが、暫く躊躇した後これを呈示し、彼女が嘘をついていることを追求すると、彼女も本当の刑事ではない、と主張。住居不法侵入で訴えると負けていない。然し、男は銃を持ち出して脅し、女が妹ではないことを認めさせ、何故、彼女が此処に居るのかについても説明させる。
 彼女、アイは、12月25日、付き合っていた男に振られ落ち込んでやけ酒を飲んでいる時にヒトミに声を掛けられ、彼女の家で飲み直したのだった。ヒトミは、アイの愚痴を聞いてやり、幸せになる薬をくれた。結果、アイも、薬に嵌ってゆく。ヒトミに連絡がつかなくなって薬欲しさにヒトミの転居先を調べて、此処に来たのだった。リクオが調べた通りアカリ宛て、ヒトミ宛ての郵便物が届いていることから、彼女達が此処に住んでいたことは間違いないが、2日ほど前から、姿が見えず帰ってもいない。
 場面変わって、ホスト、ヤスの部屋。女が訪ねて来ている。噂話でクラブNO.1 には、BMBの新車がプレゼントされたという。プレゼントした女は50歳のおばさん、ヒトミ。金の為、NO.1 を維持する為ならホストはおばさんとも寝るのではないか、などという話をしている。そこへ、別の女が訪ねて来る。焦ったヤスは、何とか誤魔化そうと出まかせを言って切り抜けようとする。だが、話はこれで終わらなかった。三人目の女が登場したのである。三つ巴で女に迫られ乍ら、ヤスはまたしても出まかせで乗り切ろうとするが、始めの女、三番目の女は私立探偵であり、二番目の女の依頼を受けて内定を進めていたのである。この話の中で出た出まかせに絡ませて、二番目の女はホストを殺害、ミンチにして牛肉と混ぜ、ハンバーグを作る。
 再び話が変わって事件の背景、挿話の相互関係が明かされて行くが、ヒトミは、内面に問題を抱えて落ち込んでいる女をかもっては、彼女らの金を巻き上げ、終には、ヤクに溺れた犠牲者に殺害させて死体を解体させ、その解体作業を料理と称していたのである。殺された女達の霊が301号室には充満している。ホストも殺された後は、ここに来ていた。このホストに入れ込んでいたのが元アイドル、アカリ。そして、最初にストーカーと出会った女、アイは、ヒトミを殺害する。
Unreality・Bites-アンリアリティ・バイツ-

Unreality・Bites-アンリアリティ・バイツ-

岡本塾・ペーチカトライブ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2014/04/11 (金) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

やかさわ
 出演者が、未だ舞台に上がることに慣れていないので、ホントに一所懸命、滑舌や声のとおりを気にして採る位置や姿勢も好ましい。この状態だから、個々の志望者の評価を下すのは自分はまだ早いと思う。これは観客の立場でだ。願わくば、現在持っているナイーブな感覚を純粋性という鎧で覆って守り、徹底的に率直に物を見、関係もバイアスを排して見極め乍ら、傷つくことを恐れず、決して高慢の罠に嵌らず精進なさるよう。今日は、ひとまず、合格点の星3つを進呈する。

上手な想いの遺し方2014  〜彼岸ノ月を唄う君〜

上手な想いの遺し方2014 〜彼岸ノ月を唄う君〜

削除

北池袋 新生館シアター(東京都)

2014/04/11 (金) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

演出は勘違いしちゃ駄目
 芝居は頭の数分で決まる。

ネタバレBOX

 本当はもっと短い。これが、自分が、年数百本を観て思うことだ。異化するにしても、同化するにしても、或いは天才的に第三の道を採り得るにしても、脚本と演出、演技は、総て計算された土壌に対する変数でなければならない。この際、定規は、微妙なバランスが取れてさえいればよい。京大の森 毅さん流の好い加減で丁度良いのだ。今回、演じた2人の男性は、表層に留まり続けて、そこで終わっている。これは、演技ではない。単なる軽薄のパフォーマンスである。
 また、演出が余りに酷い。演じられていることの向こう側が無い。かといってぴったり計算ずくで重なっているわけでもない。小屋のサイズも計算に入れていないとしか考えられない程、がなりたて、却って科白が聞き取りずらい。おまけにがなりたてている内容が空疎で、その空疎に対するシナリオ内でのコミットメントが無い。
 日舞の名門の跡取りであるはずの娘、ヒナコの和服の着こなし、歩き方、反発する時の態度に全くリアリティーが無いのは、所作にリアリティーが無いからである。手踊りのように見えがちな日舞も手足れのそれともなれば、腰から下全体を使って踊っているのは、ちょっと注意して観ていれば、誰にでもわかることだ。役者がそれに気付かずにどうするのだろう? まして日本の伝統芸能は基本的に幼児の時から仕込まれる。精神がどうのこうのより、形から入るのだ。従って、その所作は、いくら当人が反発したからといって根こそぎ変えられるものではない。その辺りの基本が出来ていないように思われた。歩き方も殊に和服を着ている時は、キチンと和服を着た歩き方で歩くべきであろう。こういう細部が全然なっていないので、言いたいことも総て嘘っぽく見えてしまう。芝居は無論、嘘なのだが、嘘を吐く者が、嘘の内実を良く分かって居ないと、それは単なる茶番である。安倍みたいな馬鹿と同義にならないように頑張って欲しい。三人のヒナコの中では、伊織版ヒナコが最もアイデンティファイされていたように思う。
 役者の頑張りに敬意を表して星は3つをつけるが、内容的には2つ。
「花や…蝶や…」

「花や…蝶や…」

演劇ユニットN.A.S.

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

artの意味する所
 江戸時代の吉原を舞台にした花魁、吉桜と飛龍一家の足を洗っていた次男坊、掟之心、鮫肌一家の跡取り金治の三角関係が、吉原を二分するヤクザ者同士飛龍一家と鮫肌一家の敵対関係の中で展開する悲恋物語。

ネタバレBOX

 左腕に蝶の痣がある花魁、吉桜(もと夜)は、父と居た所を暴漢に襲われ、父の気絶している間にかどわかされ女衒の手を通して吉原に売られてしまう。偶々、売られた店、白波楼は、中々人情の分かった店で、お上、亭主も、また実際に姉さんとして面倒を見、芸を仕込んでくれた花魁、睡蓮も目は不自由乍ら、極めて優しく情にも厚い女であった為、比較的恵まれた状態で暮らし始めた。然し、はぐれた父の様子も分からず翌年、桜の祭りには就き出しが決まった。睡蓮の仕込みが良く、吉桜自身、芸を磨いたからでもあった。
 然るに、女衒の所で一緒だった朝は、吉桜の為に自分は、苦労を背負いこまされ、日陰ばかりを歩かされてきたと誤解し、彼女の最も大切な者を奪って復讐しようと誓う。
 そこで、彼女の実父の経営する飲み屋へ行って、自分が、彼の娘だと嘘をつき、敵対関係にある飛龍一家と鮫肌一家との抗争に乗じて、吉桜には、掟之心が死んだと告げ、掟之心には吉桜が死んだと告げる。
 互いの事情を納得する迄、話さず早合点し合うことで、敵対関係を亢進させてきた両一家、抗争となって金治は、掟之心を殺害。目の前で恋する者の命を奪われた吉桜も後追いを望む。この心を汲んで金治は、彼女も一緒に冥途へ旅立たせてやるが。
 基本的にロミジュリの骨組みに廓のヤクザ組織を当て嵌め、踊りや殺陣をパッチワークした作品でオリジナリティーに乏しい。ユニット形式を取らざるを得ないのは、朝岡の性格にもよるのだろうが、全体をキチンと筋の通ったポリシーで見せることが出来ないのは、舞台監督という立場の弱さであろう。同じ職人技のパッチワークを作るにしても、キチンとした演出家が、筋を通して欲しかった。拝見した限りでは、何とかパッチワーク風に組み上げた出来の良くない織物という印象である。
 但し、廓言葉は、時代考証をキチンとしたもののように思われるし、朝岡の踊り、玄海 竜二の殺陣は、見事なものであった。だが、演劇は突出したスターだけで作るものではない。この点、アートという言葉の持つ二つの意味のうちの職人芸のみならず、芸術性を目指して欲しいのである。
ティファニーで晩酌を

ティファニーで晩酌を

順風男女

Geki地下Liberty(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

キュート
 視座や切り口、テーマを様々に変えながら各々独立したコントを紡いで、オムニバス形式で演じた作品だが、どの作品も出演者は総て女子。女性性を敢えて消す、突っ張りをして見せる作品もあるのだが、どの女優さんもキュートである。変にべたべたし過ぎない所が良い。それは、各自が自らを対象化する視点を持っているからである。実人生での様々な経験を芸の肥しにして益々活躍して欲しい。シナリオレベルでも話の腰を上手に折る、というか脱臼させる。これが楽しい。そして、全体の落ちが、矢張り、面白哀しく女性的である所も良い。

新任教師

新任教師

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

日常に隠れた非日常の不気味
 日常的安定という当たり前で空気のような状態が如何に脆く不安定かは、誰も気付こうとしない。無論、それが空気のようにありきたりだと思っているからだが、大地が安定しているように思えても、実は、マグマの上に乗った薄い皮膚のようなものでしかないという事実は火山の爆発が無い限り忘れられがちだ。(追記後送)

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