『バッドエンド・ピノキオ「ペトルーシュカ」』ダイジェスト映像
作品紹介
TremendousCircus配信公演
『バッドエンド・ピノキオ「ペトルーシュカ」』
◇公演パンフレット:
https://drive.google.com/drive/folder...
◇公演HP:
http://tremendous.jp/code-red2/
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◇公演情報
CODE: RED2『バッドエンド・ピノキオ「ペトルーシュカ」』
・公演日程
生配信:2022年3月11日(金)18時開演
アーカイブ配信:2022年3月25日23時59分まで
※チケット販売は21時59分まで
・会場:松戸StageV 無観客公演/生配信+14日間のアーカイブ配信
◇主題について
ペトルーシュカを執筆するにあたって最も影響を受けたのは、内戦から逃げるために小舟で海を渡ろうとしたが、難破して岸辺に打ち上げられた子供の遺体の写真である。もう一つは世界中で起きている“抗議としての焼身自殺”の実態だ。望まぬ政府に支配され、執政者或いは世界に焼身自殺することで抗議しようとするが、それでも世界は変わらぬままなのだ。
『バッドエンド・ピノキオ「ペトルーシュカ」』の中で、ロシアの伝統文化である春の大祭“マースレニツァ”で生け贄として焼かれる人形たちは、世界中の犠牲者たちの象徴である。
ペトルーシュカは溺死した難民の子供であり、
バレリーナは性風俗に従事させられ、家父長制のもとに女性差別を受ける女、
ムーアの人形はマスキュリズムの幻想の中で社会の競争にさらされ、残酷な無意識と新自由主義の中で、大切なものを失う軍人―男たちの象徴である。
人形遣いは、彼らを生みすべてを操りながらもただ快楽に興じ、虚無におびえる現代社会の人間そのものである。
人間同士の戦争と差別は、何百年も前から存在する。それに苦しむ人も、平和と平等を求める声も、何百年も前から存在する。それなのに、今この瞬間にも苦しみ叫び声を上げる人々が、或いは声を上げられないまま泣いている人々が、何かを犠牲にして望まない銃声を響かせる人々がいる。
演劇で世界は変えられない。
だが、私たち「劇団」は、世界のたった何百人のみが観る作品で、世界のたった何百人に大声で訴える。
人々が優しさで連帯し、平和で平等であること。それが社会のあり方だと。
演劇で世界は変えられない。
でも、舞台で踊る人形たちの姿が、必ず世界中の叫び声と聞こえない声を、代弁できると信じている。
◇ご挨拶 作・演出 田中円
マースレニツァというお祭りは、冬の終わりに、10日間家族の一員のように大切に過ごした手作り人形に、全ての冬の間の穢れを託してお炊き上げする、ロシアの春を迎えるお祭りです。
「19842022」が新型コロナウィルス感染症の影響で中止となり、せめて何かお客様に届けられないかと考えたときに、かつて一夜限り上演されたトレメンドス伝説の演目「ペトルーシュカ」を、今できる最高のメンバーで、生配信でお届けしたいと思いました。
日本にも依り代という文化があり、ひとがたに切り抜かれた紙に穢れを託して水に流したり、お雛様を川に流したりする行事もあります。自分のいけにえ人形に穢れを託して浄化させるというのは、なんだか俳優の仕事とも似ているように思います。俳優は舞台上で、自分のありのままの姿をさらして、生き、死に、お客様に託された感情を昇華させるのですから。
世界中で今も、戦争や飢餓や差別、犯罪はなくなりません。人形が殺さ れる姿に共感する時、それは今もどこかで苦しんでいる“誰か”を思うことにつながるのではないかと思います。少しでも世界が良くなることを願って、歌と踊りとお芝居の楽しいお祭りを、あなたに、お届け出来ればと思います。
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◇TremendousCircusについて
TremendousCircus(トレメンドスサーカス)は、田中円(たなかえん)の脚本・演出作品を上演する劇団。2016年結成。
世界初・日本発「ゴシック演劇」と称し、耽美で豪華絢爛なGothic & Lolitaを正装とする。
作曲家としてダーク音楽で世界的に活躍するDee Lee氏を迎え、全編オリジナル、爆音のダークミュージックと共に、退廃的暗黒童話、怪奇幻想を題材に、社会問題を積極的に取り入れ、人の心の痛みを昇華する、リストカットなど自傷行為のかわりになれる、エンターテイメント演劇を創る。
また、女形、男装を演出に多用し、当事者の表象を重んじることで、ジェンダーフリーな社会実現を目指している。
・公演ホームページ
http://tremendous.jp/code-red2/