ぼくたちの体内には強力なエンジンが搭載されている
圧倒的な言葉の魔力
エンジンを始動させるのはその言葉の血であり、肉であり、盲目の淋しさだ
航空小体を指揮する彼は呟く「静かに夜がくる。さあ、帰ろう」
新型エンジンを設計する彼は呟く「俺のゼロ戦は、どこまでも飛ぶんだ」
限界高度を超えて飛ぶ彼は呟く「ぼくは、空で生まれて、空で」
壊れた操縦桿を握る彼は呟く「見ろ。あれが月ってやつだ」
一滴、また一滴と、静かに言葉を零しながら、イカロスの翼に演劇機関を証明する
演劇をここまで堕落させたのは誰だ
演劇をこれほど悲しくさせたのだ誰だ
閉ざされた航空基地。盲目の青春物語
言葉の死骸の上にぼくたちは横たわる
団体
劇団再生
ゲキダンサイセイ
(東京都)