劇団キンダースペースレパートリーシアターVol.21
一瞬の交錯 剃刀・范の犯罪より
実演鑑賞
劇団キンダースペース アトリエ(埼玉県)
2008/06/24 (火) ~ 2008/07/01 (火) 公演終了
休演日:なし
上演時間:
公式サイト:
http://kinder-space.com/
期間 | 2008/06/24 (火) ~ 2008/07/01 (火) |
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劇場 | 劇団キンダースペース アトリエ |
出演 | 瀬田ひろ美、平野雄一郎、小林元香、仲上満、深町麻子、大桑茜、秋元麻衣子、田中修二、西村剛士 |
脚本 | 坂上朋彦 |
演出 | 原田一樹 |
料金(1枚あたり) |
1,500円 ~ 3,000円 【発売日】2008/05/11 前売券 3000円(当日券 3300円) ペア券 5500円(お二人でご入場の方) 養成所割引 2500円(大学・専門学校・演劇養成所生徒対象) 学生割引 1500円(高校生以下対象) |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | |
説明 | 【この公演について】 短編演劇アンソロジーで日本の近代文学を取り上げるのは、芥川龍之介篇「南京の基督」「アグニの神」、織田作之助篇「競馬」「勧善懲悪」につづいて、三回目の企画となります。 キンダースペースの文学作品への取り組みは、俳優が一人で小説世界を繰り広げる『モノドラマ』で先行しており、こちらの演目は既に五十本を超えております。 私達が日本の近代文学を取り上げるのは、何よりも先ず私達が、私達自身に特有である(と、私達が信じている)感性や心情の姿をもう一度捉えなおしたいと考えたからです。私たちの感性と呼ばれるものは、はたしてどこにあるのか? これは、私たちだけのものなのか、それとも世界中の誰でも感じうることなのか? 私たちが劇的であると感じ、心を動かす時、それは何によってもたらされる、どのようなものなのか? もちろん私達は作り手であり、社会科学者でも心理学者でもありません。まして、日本人の感性が優れているなどと言いたいわけでもありません。ただ、私たちは、小説作品にながれる、極めて独自の心象であると思われる部分を頼りに、演劇と言うものを成立させてみようと考えているだけです。 この独自の感覚とは、何も、花鳥風月の美しさや、時の移り変わりのもたらす無常感ばかりではありません。例えば、芥川の場合、人工的に組み立てられて物語の背後にある危うさや不安であり。織田作の場合、その不安と拠り所のなさを抱えつつも、日本人の持つ無頼のエネルギーであり。 今回の志賀直哉の場合は、偶然の出会いのもたらす闇への執着です。 また一方で、我々の演劇の方法はリアリズムと呼べるものであり、そのおおもとは周知の通り、明治期に「新劇」として欧米から輸入されたもので、演技論のベースにあるものには近代個人主義が反映されています。いまや「新劇」も、確固としたスタイルを持つことで持続しているわけではなく、大きな現代演劇の中に収斂されているように思われます。 短編演劇アンソロジーは、つまり、文学というものを取り上げる事によって、私たちの演劇というものの立脚点もまた、探ろうとするものです。(構成・演出 原田一樹) 【あらすじ】 『剃刀』 麻布六本木の理髪店「辰床」の芳三郎は、剃刀にかけては名人であった。それが皇霊祭前の忙しい盛りに風邪を引き床に就いた。店にいるのは、兼次郎、錦公という十二三の子供である。昼になり客が立て込んでくる。何も出来ない自分に芳三郎の神経はぴりぴりしてくる。そこへ、剃刀を研いでくれと言う女の客がやってくる。芳三郎は、女房が反対するのに耳を貸さずその依頼を受ける。しかし、熱で手が震える状態でうまく研ぐことが出来ない。精も根も尽きた彼は寝入ってしまう。夜になり、錦公が昼間の客からの剃刀を持ってくる。使ってみたがあまりよく切れないという。彼は皮砥をほぐし、剃刀を持って土間へ下りる。その時、硝子戸を威勢良く開け二十二、三の若者が入ってくる。粋がった口調、下司ばった風情が彼を苛立たせる。疲労と怒り、意識の朦朧と自負の交錯の中、刃が男の喉に引っ掛かる。血が一筋流れる。しかし客は、何ごともないかのように、無邪気な寝息を立てている。かつて客の顔を傷つけたことのなかった芳三郎は、剃刀を持ち替える。 『范の犯罪』 范という支那人の奇術師が演芸中にナイフで妻を殺してしまう。その演芸は戸板の前に女を立たせて二間ほど離れたところからナイフを投げ、身体の輪郭に沿うように打ち込んでいく芸である。座長も彼の助手も法廷での証言で過失か故意かは判断がつかないと言う。ただ夫婦仲は以前より周りから見てもわかるほど悪くなっている。本人が呼び出され言うには、妻のことは結婚してから子供が産まれるまで心の底から愛していたが、生まれた子供が自分の子供ではないことを知り、相手の男も知っていると言う。それ以後妻を見るたびにある特別な感情がわきあがるが、離婚を言い出すことが出来ない自分の弱さも知っている。裁判官の過失か故意かという問いに、全くわからないと答える范。自分には自白ということがなくなったと彼は言う。妻の死を悲しむ心はないか、という裁判官の最後の問いに范は答える。 |
その他注意事項 | 短編演劇アンソロジー四 志賀直哉篇【一瞬の交錯】 もうすぐ初日! ワークショップ開催します ~参加すれば芝居が2倍楽しめる、無料ワークショップ~ キンダースペースでは、 毎回の公演稽古中に無料ワークショップを行なっております。 上演作品を通しての芝居作りの行程や作品の紹介、 また演劇そのものの持つ魅力についてなど、 演劇をより身近に感じていただく為のワークショップです。 『短編演劇アンソロジー』の演出家 原田一樹を中心に、 セミナー形式で進めますので、特に御用意いただくものはございません。 どうぞお気軽に御参加ください。 日時 6月14日土曜日 19時~20時 場所 キンダースペースアトリエ 参加費 無料 御予約は 「もうすぐ初日! ワークショップ参加希望」とお書き添えの上メールにてご応募ください。 post@kinder-space.com TEL 048(252)0551(留守番電話も同様です) FAX 048(255)4342 にても承ります ■場所/劇団キンダースペースアトリエ 048(255)4342 京浜東北線「西川口」駅西口下車 駅を背にして直進、ひとつめの信号渡って左折、 インド料理屋(グレートカルカッタ)・ローソンと同じマンションヒルマ1F奥 332-0021 川口市西川口1-23-3マンションヒルマ1F奥 キンダースペースでは、 毎回の公演稽古中に無料ワークショップを行なっております。 上演作品を通しての芝居作りの行程や作品の紹介、 また演劇そのものの持つ魅力についてなど、 演劇をより身近に感じていただく為のワークショップです。 『短編演劇アンソロジー』の演出家 原田一樹を中心に、 セミナー形式で進めますので、特に御用意いただくものはございません。 どうぞお気軽に御参加ください。 日時 6月14日土曜日 19時~20時 場所 キンダースペースアトリエ 048(255)4342 参加費 無料 御予約はメールにて post@kinder-space.com 「もうすぐ初日! ワークショップ参加希望」とお書き添えください。 公演は未就学児童のご来場はお断りしております。 |
スタッフ | 【照明】篠木一吉 【音響】三枝竜 【舞台監督】村信保 他 |
短編演劇アンソロジーで日本の近代文学を取り上げるのは、芥川龍之介篇「南京の基督」「アグニの神」、織田作之助篇「競馬」「勧善懲悪」につづいて、三回目の企画となります。
キンダースペースの文学作品への取り組みは、俳優が一人で小説世界を繰り広げる『モノドラマ』で先行しており...
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