新聞家の約一年ぶりの公演は大阪から。昨年一年間必死に貯めたいっぱしの箔と、なけなしの知的な身振りを投じて手にした一塊の制作費と滞在費と箱代に包まれて、新作を発表します。11月大阪はCreative Center OSAKAで、12月東京は目黒のCLASKAでやります。泊ってみたいホテルでしかなかったCLASKAで公演が打てるとは、と小さな感無量を噛みしめています。どちらでもできる限り洒落た空間をこしらえて、皆さんと木津川運河か東京タワーを眺めながら、演劇がしたいです。今回の作品はYoutuberとクラウドファンディングの「実行者」を倒すためにつくっています。わたしたちは簡易包装された一口知識の虜になることで、生々しい知性どころか、生々しい無知すら手放してしまう瀬戸際まで来ています。角ばった断面を這うYoutuberと「実行者」を引き摺り下し、顕わになったここで、人工芝ほど硬くなったそのマットの上で、我々が久しく出会うことのなかった「丸顔の彼」ともう一度、皆様を出会わせてみせます。ご来場心よりお待ちしております。(作・演出 村社祐太朗)
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