背信 公演情報 背信」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★

    評価がわれそうな
    日本語はきれいだと思った。ただ、この感じなら朗読劇でも…。

  • 満足度★★★

    アル中の妄想か
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    ハロルドピンターの【背信】を観劇。

    演出は長塚圭史。

    出版社社長(長塚圭史)、編集者(田中哲司)、画廊のオーナー(松雪泰子)の3人のみの登場人物だ。

    長塚圭史と田中哲司は長年の親友であり、長塚圭史と松雪泰子は夫婦である。そして松雪泰子と田中哲司の長年の不倫関係の終えんから話しは始まり、そして二人の初々しい出会いの頃に戻りながら展開していくのである。
    ここで描かれる夫婦は、既に不倫を容認していながら生活を送っている家庭が描かれている。
    そこでの男女は決して取り乱さず、冷静に立場をわきまえていながら、互いに憎んだり罵ったりはせずにいる事が、何とも腑に落ちないというところだ。宗教観の違いか?価値観の違いか?などと勘ぐってみるのだが、それでは全くないようだ。妻や夫が背信行為をしている事に対して、夫婦自らが互いの問題点を言及せずに、それがあたかもこれこそが正しいイギリス人の夫婦生活の在り方であり、他人同士が長い期間に渡って一緒に生活する方法であるという奇妙な考えに浸っていて、それは己に対して正しいな感情ではない、まさしく自分自身に嘘をついている、それこそがタイトルの背信だと言っているような気がしてならない。他人に対する背信を匂わせておきながら、実は自分自身に対して背信しているという事が今作のタイトルの意味であり、テーマではなかろうか?
    この解釈が正しいかどうか分からないが、ハロルドピンターを理解するにはこういう事かもしれない。
    背景にベルディーのオテロが流れていたり、長塚圭史と田中哲司の芝居は、常に一面の部分しか見せないのに対して、唯一、松雪泰子のみが状況に応じて、いろいろな表情を作ってきている事が、長塚圭史がハロルドピンターの戯曲のテーマに対してのアンチテーゼではないかと思う。

    現在の最高の舞台女優の大竹しのぶ、宮沢りえ、松たか子は、常に戯曲を頭脳ではなく、肉体で解釈する(特権的肉体論)の演技法だが、
    松雪泰子は頭脳で解釈して、そして頭脳で演じる。その後に身体が付いてくるという変わった演技法だ。
    それはアクション満載の劇団・新感線で演じていた時もそうだった。
    多分、彼女の中ではベストな芝居かもしれない。
    (因みに個人的には、松雪泰子の事は全く知りません)

    観劇後は煙に巻かれた感はあるかもしれないが、少しだけお勧め。
  • 満足度★★★

    記憶の曖昧さ
    2組の夫婦のダブル不倫の物語ですが下世話な内容ではなく、記憶・認識の曖昧さを描いた、静謐さが印象的な作品でした。

    途切れがちな会話が続いて沈黙の時間が多い序盤は良く分からなくて少々眠気を誘われましたが、登場人物の関係や時系列の流れが明らかになるに従って引き込まれて行きました。最後まで観た時点でもう一度頭から観てみたくなる巧みな構成でした。

    白い正方形のステージに平面形状がコの字型のタイルとガラスブロックの壁が中央奥に立ち、その手前のエリアで演技が行われ、その周りに家具、主要登場人物3人と、実際には現れないものの立場的に同等で会話の中で言及される女性の4人を象徴しているかの様でした。壁の中央に縦にガラスブロックが入っていて非現実的に壁を左右を分断しているのが、会話の中で露見する記憶違いを象徴しているかの様でした。

    場面転換で家具を移動させる4人の子供〜青年が、過去に遡って行く物語とは逆方向の、それぞれの夫婦の子供達の将来の姿を想像させて興味深かったです。

    大きな動きをせず、激昂することも無く淡々と話す中で、わずかな表情や視線の方向で3人の微妙な関係を示す、繊細な演技が魅力的でした。

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