背信 公演情報 葛河思潮社「背信」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    記憶の曖昧さ
    2組の夫婦のダブル不倫の物語ですが下世話な内容ではなく、記憶・認識の曖昧さを描いた、静謐さが印象的な作品でした。

    途切れがちな会話が続いて沈黙の時間が多い序盤は良く分からなくて少々眠気を誘われましたが、登場人物の関係や時系列の流れが明らかになるに従って引き込まれて行きました。最後まで観た時点でもう一度頭から観てみたくなる巧みな構成でした。

    白い正方形のステージに平面形状がコの字型のタイルとガラスブロックの壁が中央奥に立ち、その手前のエリアで演技が行われ、その周りに家具、主要登場人物3人と、実際には現れないものの立場的に同等で会話の中で言及される女性の4人を象徴しているかの様でした。壁の中央に縦にガラスブロックが入っていて非現実的に壁を左右を分断しているのが、会話の中で露見する記憶違いを象徴しているかの様でした。

    場面転換で家具を移動させる4人の子供〜青年が、過去に遡って行く物語とは逆方向の、それぞれの夫婦の子供達の将来の姿を想像させて興味深かったです。

    大きな動きをせず、激昂することも無く淡々と話す中で、わずかな表情や視線の方向で3人の微妙な関係を示す、繊細な演技が魅力的でした。

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    2014/09/13 17:12

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