大切なのはわかるが
訴えかけてくるもの、正しい主義主張なのはわかるが、胸を打つには到らない。芝居としてはどうなんだろう。途中居眠りをしている観客が多く、終演後そのような人々が高評価を述べるのかもしれないが、それは何か違うのでは?
満足度★★★★
燐光群「星の息子」観ました
12/16、あの衆議院選挙の日に燐光群を見るという、この巡り合わせ…
全体と個人の関係(国家ー国民、地域ー住民、家族ー一員、運動ー参加者)が、ところどころはみ出しながら重なって見える構図。
なりふりかまわぬ闘いをせざるを得ない人々が、それでも明るく振る舞い、世代を越えて思いを託す様が活きいきと描かれる。
セットや照明、音響も強力。意志の結集や圧力の暴力を具現化。
濃厚なメッセージ性と、観せる舞台表現が、せめぎ合いつつ手を取り合いパワー溢れる舞台に。
個人的には、客入れ時の仕掛けがいちばん好みだったりします。あれを体験した 観客が、自分の内に湧き出す何かを感じてほしい…
満足度★★★★
私(たち)は沖縄のことを何も知らない
過剰で不自然なほどの説明台詞に気づかされる。
「沖縄のことを何も知らないのだ」ということを。
燐光群でなければ、坂手さんでなければできない舞台。
「今」の「問題」を「今問う」坂手洋二さんの動きの早さと意志の強さを感じる。
同じ母から生まれた2人の「星の息子」。
(ネタバレの文書は、まだうまくまとまってないが、とにかく書いてみた)
満足度★★★★★
彼我の差
今まで沖縄についていくつもの作品を書き、発表してきたからこそ、大和と沖縄の距離に気付き、更なる深化を遂げた作品だ。フロンティアに自身の身を晒して来た坂手氏の緊張感に満ちたシナリオ、いつもながら、役者陣のしっかりした演技、会場に入るや否や、飛びかかってくる権力の犬達の恫喝、座席へ着くまでに幾重にも重ねられた衝立を模した障害物が、現地の臨場感を想像させる。着席すると、手書き原稿を印刷した実感のこもったリーフレットで更に詳しい現地の様子が分かる仕組みだ。やんばるの森に囲まれた東村高江は、ジャングル訓練センターの隣にある集落だ。この作品の舞台でもある。人口僅か150名のこの集落の周辺に、現在北部訓練場にある22か所のヘリパッド以外に新たに6か所のヘリパッドが作られようとしている。そのうち民家に最も近い物は僅か300~400mしか離れていない。如何に過重な負担が負わされてきたか、現在も続いているかを作品は提示した。我々は何をすべきか。今それこそが、我々に問われている。世界は垂直軸の中にある、という表現に、この作品の詩魂が込められていよう。