「Sloth -スロウス[怠惰]-」予告編
作品紹介
演劇レーベルBö-tanzが、2006年より開始した猟奇クライムサスペンス〈七つの大罪シリーズ〉も5作品の上演を経て最終コーナーにさしかかった。本公演は全7話中の6番目のエピソードにあたる「Sloth -スロウス[怠惰]-」だ。2008年7月、コロンビア革命軍(FARC)から6年ぶりに解放されたイングリッド・ベタンクールが最近になって「FARCの中に一人の日本人がいた」と発言した。FARCに人質となっていた富樫謙太郎が開放され帰国するとの情報が警視庁捜査一課長檜山怜子のもとに届く。ベネズエラのカラカスからパリ、シャルルドゴール空港を経て成田へと帰国することになっている富樫。富樫は単なる〈FARCの人質〉であっただけなのか? 果たして富樫開放の真の目的は? 一方、大学キャンパス内部でも流通し始めた違法薬物〈エンジェル・バイト〉の流入経路を探っていた関東信越厚生局麻薬取締捜査官の梯鳥信司らが、内偵中に遭遇した死体——無数の切り傷を体中に刻まれ、自らの鮮血でドレスを真っ赤に染めて息絶えた女——の胃袋から大粒のコロンビア産エメラルドが発見される。死体の中の宝石、そしてFARCから開放された人質——よじれた細い糸が一本にまとまる時、〈思い出すことを許されない記憶〉が心の中の黒き水面を泡立たせ、浮上するのだった......