満足度★★★★
予想以上の楽しさ
予想以上の楽しさでした。楽しい分、原作の重厚さはあまり感じられなかったですけど(笑)
ハムレット(龍真咲)がハンドマイクにスタンドマイクで歌う場面は、真っ赤な衣装(だったよね?)のハムレットはかっこよく、ダンサー連中はゴスというかハードロックっぽい黒い衣装で踊る。これぞロックオペラな雰囲気。「To be or not to be~♪」って連呼する歌でしたねー♪
後半になると、いつもの宝塚風の音楽が多くなり、ロック色が薄れてきたのが惜しい。大劇場公演ではないのだから、全編ハードロックで押し切るくらいの冒険をしてもよかったのではと思います。
オフィーリア役は、次期花組娘役トップ内定の蘭乃はな。めちゃくちゃかわいい。ラストの総踊りの場面でシャープなダンスを見せてくれました。
原作の"言葉遊び"の面白さは、ミュージカルになったことで薄れてしまいました。もしも"言葉遊び"を歌で再現できていたなら名作ミュージカルとなっていたかもしれません。
満足度★★★★
宝塚でなく一般作品としてもまずまず
宝塚のバウホールで上演される公演は宝塚の小劇場公演とも言え、軽快なコメディーや古典の佳作など宝塚の座付き作家兼演出家にとっても大劇場の演目と違い、いろいろな冒険ができる。そのバウ公演メンバーが上京して日本青年館で公演を行うのが通例となっているが70年代は西武劇場(現パルコ劇場)で上演されていた。
バウ公演は2番手、3番手スターなどの若手を主役にすえ、将来のトップ候補としての経験を積ませるわけで、バウ公演の主役を張るということはトップスターへの登竜門を意味するのだ。従って観客の中心は御贔屓の若手スターのトップ就任を夢見る熱心なファンであり、よほどの宝塚好きでないと足を運ばない。今回は久々、浦島太郎気分で観劇した。
ポスターを見ると、主演の龍真咲はブルーのカラーコンタクトをしているのでギョッとした。宝塚でもここまでするのは見たことがなく、あくまで撮影用らしいが、彼女の意気込みを表している。
宝塚の歴代ハムレットは春日野八千代、越路吹雪、真帆しぶきで、いずれも宝塚を代表する大スター。龍が4代目で、「ハムレット」を上演するのも40年ぶりとか。歌劇団の龍への期待の大きさを伺わせる。
日本青年館公演では経費節約のため音楽は録音というのが当たり前だったが、今回は生バンド。電飾を使った舞台美術も大劇場公演に優るとも劣らない豪華さである。
今回の公演は、宝塚という枠をはずして観てもじゅうぶん楽しめる「ハムレット」だった。昨年観た明治大学文化プロジェクトの公演と構成なども似ており、わかりやすかったが、さほど新味は感じられなかった。