猫目倶楽部 公演情報 猫目倶楽部」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★

    揺れる舞台
    空間ゼリーの「I do I want」は、今でも思い出に残る舞台。

    大学サークルの部室という狭い世界で、傷つくことを怖れるゆえに、お互い、正面から向き合うことができない部員たちの、じめじめした人間関係が丁寧に描かれた舞台だった。主体性のない部員たちは、空気に流され、一人、また一人と友人たちを傷つけて行く。

    そんな世界に嫌気がさした部員のひとりは、最後に、傷つくことを引き受けて、恋の告白を行い、ふられる。小さな希望を提示して、舞台は終わるが、その誰も居なくなった舞台に日の丸が浮かび上がる。サークルと恋愛というとても小さな社会を、「日本」というとても大きな社会と重ね合わせる手法が、深い印象を残した。

    そんな空間ゼリーが、アイドルたちと組んで商業演劇に挑戦。それは、やっぱり、アイドルを全面に押し出すエンターテインメントなんだけど、それでも、どこかに空間ゼリー色が残っているみたいな、不思議に揺れる舞台になっていて、こちらも、揺れた。

    ネタバレBOX

    基本的には、今回も、大学の仲良しグループが中心の、狭い世界を描いた物語。そこに、悪の組織と戦う、正義のヒロインの物語が重なっていくのだけれど、その色合いは、かなり地味。悪の組織や正義のヒロインたちよりも、向き合うことを怖れることで傷つけ合う、狭い社会のやりとりのほうが、かなり丁寧に描かれる。

    正義のヒロインたちは、次のような、組織のルールに縛られている。

    「暴力を使わない」
    「当事者の希望があるまで、勝手に介入しない」

    だから、彼女たちは、主人公なのだけれど、基本的に大学生たちの生活をやきもきしながら見守るだけ。介入したくても介入できない。やっと介入できても、基本的には話し合いでの解決を目指すという、かなり行動に制限のあるヒロインたち。敵が暴力に訴えてきても防戦一方。第三者の暴力的な介入によって事件が解決するという、なんだかカタルシスのないヒロインものだった。

    というわけで、この舞台。印象が、非常に薄い。観たことを忘れていたのを、チラシを整理していて思い出したほど。そしてそれは、主人公たちを縛るルールのためだと思ったのだけど、このルール。そう、ここには「日本」という国がみえるのである。前作に続いて、ここには、「サークルと恋愛というとても小さな社会を、『日本』というとても大きな社会と重ね合わせる手法」が、意識的にか無意識にか、残っているのだ。

    完全なエンターテインメントなら、ハリウッド式に、悪いヤツには暴力で対抗するのが本道。でも、空間ゼリーは、そうしなかった。ヒロインたちは、迷うのだ。それはなんだか、商業演劇なのに、商業演劇そのものを、見つめ直しているかのようで、エンターテインメントか、空間ゼリーの色か。物語を貫くベクトルが、迷って揺れているかのように、ふたてにわかれて、そのぶれが、結果的に、印象を弱めてしまったのだろう。

    果たして、空間ゼリーは、この先、どこへ向かおうとしているのだろう。この『猫目倶楽部』は、続編がいくらでも作れそうなはなしなのだけど、その行き先は、まだふらふらと、定まらない。
  • 満足度★★★★

    コンパクトなサイズ
    女子大生(とは限らない?)を泣かせた悪いオトコを暴力は使わずに懲らしめる「絶世の美女3人組」の活躍譚。
    序盤で基本パターンを見せて後半はより大きな悪と対決する構成、欲を言えば基本パターンをもう少し手際よく見せ、後半に重点を置いた方がよりバランスが良いような気もしつつ、テンポ良く進む(とはいえ、ちょっと暗転が多いか?)のでダレることなく80分というコンパクトなサイズなこともあって楽しく観る。

  • 満足度★★★★★

    ダメ男から女の子を助ける秘密のクラブ
    ダメ男から女の子を助ける秘密のクラブ。
    戦いに勝ったが、女の敵はまだ現れる。
    毒牙から恋する女の子を守り続ける猫目倶楽部。
    がんばれ女の子。負けるな猫目倶楽部。

    この公演を観た女性は、友達も大切にし、素敵な恋愛ができる。
    この公演を観た男性は、彼女や女性に対してもっと優しくなれる。

    外見がよくても、暴力を振るう男は最悪。
    優しくても、彼女をモノのように扱う男は最低。

    男が見ても、典型的なダメ男。
    恋する女性はダメ男につかまってはだめです。

    彼氏、友達、お金。バランスが取れていないと、いずれかが壊れてしまう。
    親しい仲であってもお金の貸し借りは人間関係を壊してしまう。

    猫目倶楽部のメンバー3人は強い女性。しかしそんな彼女達だって恋愛する。胸がぎゅっと締め付けられ、苦しむ。恋は医者には治せない病。

    恋する女性をサポートする猫目倶楽部。
    困ったときは掲示板に「XYZ」ではなくて「猫の瞳」を書き込んで依頼しよう。
    弱い女の子は変われる。強くなれる。

    公演で登場したキーワード
    「恋は友情を壊す」
    「人を機械のように利用しては駄目」
    「こころはコロコロ変わる」
    「人は変われる。強くなれる」

    ネタバレBOX

    物語は勧善懲悪。
    ボスがいる女性3人組。

    女性による女性のための女性の秘密倶楽部。

    「暴力で対抗し、問題解決しないこと」
    「女の子を立ち直らせ、(女の敵に)自ら立ち向かわせるのを支援すること」
    「依頼を受けない限り、介入しないこと」

    依頼を受けないと民事介入できない。

    女性からカネを搾取する詐欺グループに対抗すべく結成された正義の味方である。
    おしおきや鉄拳制裁を与えるものではなく、恋する女性が立ち上がらせるのを手助けする秘密クラブである。

    バンドをやっているイケメン。自己主張をしない彼女の性格につけこんで、金の無心をする。貢がせ男。別れ話を切り出したら、刃物を振り回した。
    性悪なダメ男であったが、詐欺グループとは無関係であった。

    学力があって、優しく接する男。そんな男でも家庭の事情でカネに困る。
    彼女をキャバクラ嬢としてカネを稼がせる。金に工面がつかず、詐欺グループにそそのかれて、ネット犯罪に手を染める。

    女友達はそんな彼氏とは別れたほうがよいとアドバイスするが、忠告を聞き入れない。
    恋は友情を壊す。女友達も好きだった男性を彼氏にした為に、友情を嫉妬に捉えていた。

    猫目倶楽部のメンバーにだって恋の悩みがある。
    メンバーの一人は、昔の幼なじみと再会した。
    昔好きだった彼は、彼女がいた。
    運命のいたずらなのか彼は敵グループの幹部だった。

    戦いに勝ったが、女の敵はまだ現れる。
    毒牙から恋する女の子を守り続ける猫目倶楽部。
    がんばれ女の子。負けるな猫目倶楽部。

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