満足度★★★★
■A鑑賞/90分弱(舞台転換休憩込み■
中村奏太作の一人芝居を、作者含む4人がそれぞれ別キャストを使って演出。とても面白い試み。脚本改変自由というのがミソで、Aで観られる2バージョンもまったく異なる味わいを持ち、観比べる楽しさを満喫。
当パンに【脚本改編度:50%】とある作者演出版が、タイトル通り「せかいのはじめ」を扱いながら、同時に「はじめ」という名の人物の「個人のはじめ」を物語るのに対し、【改編度0~100%】の筑駒演劇部顧問・平田知之版ではとある実在人物の「個人のはじめ」が語られるばかりなのだが、演じ手の山田舜也という人のキャラクターが味わい深く、これはこれで楽しめた。
総じて中村版は「はじめ」の描写で惹きつけ、平田版は「おわり」の描写で惹きつける。
しかし何よりも讃えるべきは原戯曲。作者演出版も【改編度:50%】とあって、原作そのままではないのだろうが、世界開闢と個人の開闢を結びつけた脚本は普遍性に富んで力強く、4人と言わず、もっと多くの演出家による舞台化が期待される。
Bプログラムも楽しみ。