椿組のレパートリー
椿組の夏野外劇での上演から、台本を大幅にかえて3演。いいものは何回見てもいいですね。演じる役者がきちんと気持ちを入れて演じればホントにいいものなのだ。
満足度★★★★★
心染みる・・・
とある小さな南の島にある戦時下の安田理髪店のお話。安田家の4姉妹と両親を中心に…。
片足不自由な冬子と片足の篠田少佐との間に流れる、言葉にできない想いが見える時間。他の話と時間、間の流れ方がゆっくりで…。あの時間が心に染み込むようにきます。言葉なくてもお互いを思う気持ちが…。
戦時下であることがストーリーを動かしてる気がする。それぞれの時間が進むことで、戦争というものの辛さが胸にくる。
春子が連行されて…銃声が響いたあたりから、ほんのちょっとした気持ちの動きに涙してしまうような繊細な流れ、空間があって。春子のいざぎよさと強さには逆に涙が出るくらい・・・。
冬子は篠田さんについて行くだろうとは思ったけど、その決意を冬子が話して、夏子の妊娠と、春子の冥福と…って皆で桜湯を飲むシーンには、瞬きもせず涙が流れました。
セットがとても時代が感じられて雰囲気いいです(^-^)理髪店の椅子に座ると感じられる空気が皆好きなんだろうなぁと。あの椅子の後ろに鏡があって、時折後ろ向きでの演技が鏡に映るの。それがなんか面白かったです。
あ、あとね。お爺さんの居方がなんだか面白かったです(^-^)
戦争の話なのに。そこにいる人たちの心の流れが、なんだか荒んだ心を浄化してくれるような。染み渡るように流れる時間が愛しい。そんな時間をくれた舞台でした。
満足度★★★★
ジワジワと心に沁みる
戦争を直接は描かず、がしかし戦争によって影響を受ける一家を描くことで間接的に反戦を訴える手法がジワジワと心に沁みる。
また、終盤で歌われる「寿歌」がやさしくて、ちょっぴりホロリ。
実は鄭義信作品って、映画も含めてどちらかと言えば苦手だったのだけれど、コレは良かったわぁ。