満足度★★★★
鑑賞日2017/03/22 (水) 19:30
座席1階2列
「観たい」に投稿されている方同様に、鵺的「フォトジェニック」後、小崎愛美理さん主演の舞台ということで観劇に参りました。また、1人の人物(魔女)が家庭内に入り込み家庭崩壊を招く、それに16歳の娘が立ちはだかるというストーリーにも興味がありました。
元は大阪を舞台としたラジオドラマだったそうですが、今回は公演場所の木馬座がある浅草に舞台を移し、原作に若干のアレンジを施したそうです。
大阪から東京に舞台を移すとなると、やはり言葉の問題があります。単に言葉を変えるだけではなく、大阪弁特有のニュアンスもあるでしょうから。「悲喜劇」とうたっている以上、喜劇の部分に不安がありましたが、そこは無理せず。大阪弁のところは、酒井さんと浅野さんが担当し、小崎さんが興奮すると関西弁を時折混ぜることで、笑いの部分は十分クリアしていました。言葉のギャップとして、むしろ標準語がメインになることで、悲劇性を高めることができたようにも感じます。
小崎さんは、「フォトジェニック」の倒錯的な演技とは打って変わり、なななんと16歳の娘を、ある時は情熱的に、ある時は淡々と演じきっております。パンフレットでは、「一筋縄ではいかない女優」と評されていましたが、まさに言いえて妙。あの憂いのある目元は変わらないのですが、これほど演じ分けができるのですね。
浅野彰一さんのコメディーリリーフも素晴らしい。
舞台変換はほとんどないのですが、それでも幕を閉じることで屋外を描き出して、そこでのやりとりが浅草の小演劇を彷彿させます。(ただし、屋外の場では笑いがまったくないので趣向としてですが)一見の価値があります。