はしひめ 公演情報 はしひめ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    遊郭での人情もの
    大阪の劇団って聞いただけで、「ほならテンション高うなりますな~」って地球の真ん中で叫びたくなるように気合が入りまくって、正門から入場したその芝居は。

    続きはネタばれBOXにて。

    ネタバレBOX

    オープニングから、観客に渡してあったうちわでパラパラなる(苦笑)踊りを教えます。
    東京の上品な観客は「やりたくねー。」っつーて、これまた上品な聞こえないセリフを吐いた輩もいたはず・・はず!(^0^)

    そんな内気な情緒は気にする風もなく「はい。宜しいですかー皆さん!」なんつーて、拒否する間さえ与えません。

    上品な観客はしぶしぶ・・・または、仕方ないな~・・・中には気恥ずかしそうに・・・という表情で言われたままに自分の意思とは関係ナシにうちわパラパラを真似して、踊ります。

    いあいあ、そりゃあ、あなた、そこのあなた!

    悲しからずや日本人の習性で全員がうちわパラパラを踊ります。
    踊らないと、むしろ目だって、目だちたくない日本人は自分だけが異質なんて思われないように、踊ります(苦笑)


    ってな訳で最初から私たちは、まんまと劇団員に抵抗する力を取り上げられた結果、大人しくねずみのようにちょこんと座って黙って観ることになります。

    このねずみはねずみーランドにいるキャラクターでもなければ、トッポジージョのようなトリッキーなねずみでもなく、大人しい静かなねずみたちです!(^0^)



    さてさて、舞台は大坂のとある享楽街。遊郭のお話。
    矢場「はしひめ」と「ひこや」での女郎たちの人情話です。

    ある日、杏という少女がかっぱらいをして、「はしひめ」の女将ゆうに助けられます。杏は両親を亡くし今まで自分だけの力で生きてきました。そんな杏を女将のゆうは人として大切な事は何か?を教えていきます。

    舞台の後方に押入れのような部屋を作り、そこに「おじい」が住んでいますが、このおじいのキャラがまたいい。仙人のような味のあるセリフを吐いたり、コミカルな事をしでかしたりして笑わせます。

    杏はこのおじいとも話すうちに固まった心が解けていきます。

    女将のゆうもかつての悪行の数々をしている時におじいに救われた過去がありました。

    ある日、女将のゆうを殺そうと刺客が現れます。かつての仲間、雷蔵です。雷蔵は般若の夕霧(現在のゆう)が隠した大枚を奪いにきました。それを聞いた杏は、杏の両親を殺したのは、その時の夕霧だと知ってしまいます。

    杏はゆうを殺そうとします。親の敵と言って。

    しかし、そこでおじいは「殺したいなら殺すがいい。しかし、お前はこれからの人生をゆうの現在の人生をも背負うことになるんだぞ。ずっとな。」と杏に言い含めます。

    杏は葛藤しながらもゆうを許します。

    夜の街を舞台に、繰り広げられる情と恋と義の物語。
    遊郭に息づく自分の身一つで暮らす女郎。
    義理や誇りに重きをおき分相応な事を考えて、何かでっかい事が出来るんとちゃうかな?と考えてしまう男達。



    「開店しま~す!」と賑やかに始まり、色町の女郎の着物や豪華絢爛そうに見える表の裏の仕組みなど、とても面白い舞台でした。
    これをエジンバラで公演されたなら、きっと着物という武器と色町という設定が異人の目からは好奇心と異国情緒という面で絶賛されたはず。

    楽しい舞台でした。涙も誘うシーンがあり盛りだくさんでした。



    (おまけ)一人だけ素人っぽく恥ずかしそうな芝居をしてる役者がおりました。セリフも棒読み(苦笑)舞台監督らしいから、急遽ピンチヒッターだたんでしょか?(^0^)

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