冒険王 公演情報 冒険王」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-15件 / 15件中
  • みたーー
    みましたー
    うまい人は、うまいよねーー

  • 満足度★★★★

    安心して観ていられました!
    さすが青年団と思わせる芝居でした!
    役者の安定感が他のカンパニーとは別格です。

  • みました。
    再演時とはまた違う印象を受けました。おつかれさまでした。

  • 満足度★★★★★

    '80年の若者の生態は知らないが
    目の前にはこの場を生きている人達がいた、というかいるように見えた。大きなドラマはないけどそれほど自然な空気感で描かれた秀作。

    ネタバレBOX

    同時多発の会話も、発せられる言葉も、構えたり与えられた台詞を喋っている感じが微塵もみられない。そのうえ再々演でも過去のイメージを引きずらず、新しく新鮮な印象を与えてくれる。これが青年団クオリティということか。

    世の中に余裕があったのか、現実を直視しないで漂うことが許容されている時代のこんな場を長時間見せられると、これもありだったかという間違った錯覚さえ抱いてしまう。今の時代ではこんな自分探しを言い訳にした逃避的なバックパッカーはさすがにできなかろうて。
  • 満足度★★★★

    空気感
    構成に違和感。しかし、漂う空気感が絶妙。

  • 満足度★★★★★

    モラトリアムはうらやましいけど(たぶん)終わりがある
    芝居が進むにつれて、一人ひとりが魅力的に見えてきて、
    そんな彼ら中にいたいと思わせる。
    こんな感じならば、旅をするのも悪くない。
    悪くないどころか、とってもうらやましい。

    彼らへのうらやましさは、モラトリアムのうらやましさだ。
    旅というある種の「言い訳」の中で楽しくモラトリアムな時間を過ごす人たち。
    観ていて、「ああ、若いときに旅に出ればよかった」と思った。
    ま、言い訳があってもなくても、どこにいても
    同じと言えば同じなのだが。

    同時多発的に交わされる会話の中にいると、
    まるで同じ安宿のこちら側に座っているような感覚が襲う。
    それは、入口に立ち挨拶する人に、
    うっかりしていると「行ってらっしゃい」と
    声を掛けそうになるぐらいの感覚だ。

    ネタバレBOX

    安宿に集まる人たちは、若くて楽しげ。
    しかし、かつての仲間が婚約者と現れたり、
    仲間の妻が現れたり、という現実がジワジワとやって来て、
    旅の中で忘れてきたつもりの、日本に置いてきたはずの
    現実がイスタンブールのこの場所まで追いかけてきて、
    自覚のある者の背中をヒリヒリとさせている。

    それは、イスタンブールにいなくても、
    ある時期に自分も感じていたヒリヒリ感。
    「後がない」という感覚。

    ラストの唐突の旅立ちは、
    そこからさらに逃れたいという願望ではないだろうか。
    しかし、どこに行っても
    彼をどこまでも現実は追いかけていくのだ。

    蛇足的に少し残念だったのは、
    最後に訪れるカップルはかなり汗をかいていたのだが、
    そのほかの人たちに、気温を感じなっかったことだ。
  • 満足度★★★★

    狭間
    日常と非日常、ありきたりと虚構の混在をもって、
    時代の動きを表そうとしているかのようです。

    その世界観に引き込まれ、なかなか小気味よかったです。

  • 満足度★★★★★

    明るさへの羨望。
    『眠れない夜なんてない』の老人たちの帰れない悲壮感が2000年代的で、
    『冒険王』の若者たちのどこにも行かない妙な勇壮感が1980年代的で、
    なんて割り切れる問題じゃないのは分かっている。
    あの若者たちが過去の人たちであるようにどうしても見えてしまう。

    妙なポジティブさが安宿の中を支配しているのは、羨ましい。
    羨ましいということは、今、日本にいて彼らが眩しく見えるからなのだろうか。
    彼らはどう見ても怠惰で、褒められた存在なんかじゃない。
    でも自分が、そこに“在る”可能性を、どうしても見出せない。
    だから羨ましいのか?

    日本人のバックパッカーは減っているという。
    この芝居に過去を感じる一つの理由として挙げてもいいかもしれない。
    それが、日本人の進化なのか退化なのか、判断には困るけど。

    なんてことを考えた。
    でも、明るいことは羨ましい。その気持ちに嘘はないんである。

    俳優陣も充実。実際に若い人たちより随分若い印象が逞しい。

    ネタバレBOX

    杉崎(永井秀樹)がさっさと出て行く場面に、痺れた。
    たぶん、そこが怠惰な感じにもポジティブな印象をを見出せた一つの要因だ。
    選択肢として怠惰を選べる。
    眩しい。
  • とにかく役者さんがうまい
    その演技力に圧倒されました。

  • すでに、歴史物なおもむき。
    ただ、それゆえ、たとえば江戸時代の若者が江戸若者群像を描いたとしても、それをいま舞台でそのまま忠実に再現されても若者っぽくみえないように(たぶん)、この作品はあまり若者の話には思えなかった…。
    いまどき忠義とかお家再興とかを熱く語らないよね、という感じ?

    ネタバレBOX

    もちろん、それを普遍的ないまの物語として敷衍させるための工夫や配慮は施されてはいたけれど、最終的にはどうしても役者の年齢が足を引っ張っていたような(想像力不足ですいませんね…)。なんだろう、それはおそらく見た目だけの問題ではなく、怠惰で自堕落な登場人物が多かったせいもあって、余計、生命エネルギーが感じられなかったからかなあ。正直、前半はドヤ街とか刑務所みたいだったし(笑)。


    反対に、木引優子&鄭亜美の女子大生コンビが登場したあたりから違和感が減ったので、やはり役者の若さは重要な要素だったのだろう。個人的には、彼女たちにくわえて大竹直・石橋亜希子・二反田幸平あたり(じつは年齢差あるのかもしれないけどw)での『冒険王』を観たかった、なんて思いも。
  • 満足度★★★★★

    東京の、地域演劇を思う
    最近観た、青森の劇団、弘前劇場の舞台「いつか見る青い空」が、頭から離れない。はっきりとしたスジのない、津軽の日常を淡々と描く、同時多発会話劇だ。洗練されているとは言いがたく、むしろ、泥臭いその舞台では、生身の役者の人生が、生き生きと、はっきりとした輪郭をもって迫ってきて、僕は、圧倒された。

    青年団の、12年前の作品の再々演である今作は、目的なく世界をぶらぶらする、日本人旅行者たちのたまり場となっている、イスタンブールの安宿が舞台。総勢18人の旅行者たちの日常を、複雑な同時多発会話によって、淡々と描く作品。

    これを観て、僕は、完璧な作品だ、と感じた。本当に面白かった。見方によっては重いテーマを、受け止め易いものにしている、全編にちりばめられたユーモアのセンス。複雑な会話を、とても分かり易く伝える、巧みな構成。しっかりと訓練されて、自らの役を、過不足無く演じる役者たち。どれをとっても、完璧で、洗練されつくしている。

    そして、僕は、弘前劇場を、また思い出すのである。両者が、とても似ているのに、全く、正反対のものとして、映る。そしてそのとき、青年団の舞台が、とても、東京的なものとして、みえてくるのだった。すこし、そのことを、考えてみようと、思った。

    ネタバレBOX

    冒険王は、一見すると、とてもとりとめのない作品として映る。観終わった直後、僕は、そう感じて、ナマで観ることでしか体験できない、言葉の論理を越えた作品だ、と思っていた。

    でも、じっくりと思い返してみると、意外にも、しっかりとした、物語としての流れを持っているようだった。どうも、それを僕は、流れとしてではなくて、エピソードの積み重ねとして覚えているみたいなのだった。つまり、この作品は、しっかりとした、重厚なテーマを扱っていながらも、それが、重厚なテーマとしてではなく、観客の目には、面白エピソードのあつまりとして映るように、とても周到に、計算されているようなのだ。まるで、作中の旅行者たちの合い言葉、「がんばらないように、がんばっている」みたい。

    この舞台には、いろんな人が出てくる。みんな、それぞれ、物語的に、かなり重いテーマを背負っている。たとえば、こんな人たちだ。

    ・ 日本の社会に対して不安を抱え、正面から向かうことができない若者たち
    ・ 他者を、ゆるやかな家族のような、なれあいの関係でしかみることができない日本人
    ・ 自らはみだそうとするひとたちをみて、理解に苦しむ、あらかじめ疎外されたものとしての、在日韓国人
    ・ 社会からはみ出した人たちを、正視することができない人
    ・ 社会からはみ出した他者たちを、動物園の動物をみるみたいに、おもしろがって見物する人

    こういうひとたちが、同時多発的に、登場する。そこに、それぞれの立場の、摩擦が生じて、ひとつひとつの面白エピソードをかたちづくっていく。

    こんなふうに、たくさんのものを抱える、個性豊かな登場人物たちなのだけれど、どうしてか、存在感に、ゆらぎがある気がする。弘前劇場の舞台の、あの、役柄を越えて滲み出てくるような、匂いたつ、人間としての個性が、希薄である、という感じがするのだ。ひとりひとりの生活感だとか、行動のクセだとかは、とても細かく書き込まれているのに、それらは、役者から生まれているのではなくて、戯曲の必要に応じて、精密に、創りだされているような感じがする。

    非常に、システマティック。自発的に生まれるのではない、必要に応じて書き込まれる個性。『2001年宇宙の旅』のラストに出てくる、真っ白な部屋みたいに、静かで、人工的。そして、だからこそ、強烈に、この舞台は、「東京」としての印象を、浮かび上がらせる。東京に住む、僕らの姿を、映し出す。

    10年以上も前、弘前劇場が、東京公演を、定期的に行おうとしたとき、積極的に受け入れて、サポートしてくれたのは、平田オリザと、こまばアゴラ劇場だけだったという。平田オリザは、青森の「地域演劇」をつくりだそうとする弘前劇場の立場に、共感していたのだった。

    青年団は、「日本」ではなく、「東京」を代表する、地域の、劇団で、こまばアゴラ劇場は、「東京」の、地域劇場。そう、考えてみることにした。
  • 向かうはいずこ?
    終わりを決めずに旅をする人々。彼らが集まる安ホテルでのひととき。そこには浪漫の様なものはなく、母国から離れた土地に馴染んで暮らす日常があるのみ。しかしそれはその土地にいるからこその日常。帰る時を決めていない彼らではあるものの、いつかは戻る時が来る。その時まで許された僅かばかりの非日常。
    生き様の一部を切り出しているので、それこそ劇的な起承転結を区切りながらの進行ではない。むしろ承がひたすらに続く。しかしながら人物の前後の生き様が見えるので物足りなさはない。そもそも人生なんて大半の時間を承として費やすもの。だからこそまだまだ先がある。
    古舘さんを初め、好きな役者ばかりで御馳走様でした。二反田さんはハイバイの「て」に出てましたっけ?あの女子大生コンビはかなり贅沢。堪能。

    ネタバレBOX

    個人的な失態は開演ギリギリに行った事。それまでの間に既に役者が舞台に出ていたのに見逃す。あー、もう。
  • 満足度★★★

    あー、見た、見た
    30年前は、若者が「日本」からこぼれ落ちていた。
    今年の「眠れない夜はない」は現在、高齢者が「日本」を捨てようとしている。
    30年の時を経て、妙にリンクしているんだなぁ。

    オリザの外側から「日本」を考える、というのが、見事に08年を締めくくっている。

    うーーむ。
    とってもうまいできで、あっというまの感じでした。

    いやいや、さすが青年団。
    見事なもんです。

  • 満足度★★★★

    ちょっとずつ自分
    登場人物を少しずつつなぎ合わせていったら
    自分が完成する気がする。
    そういう意味でも“終わった感じがしない”作品。

    「7割は実際に交わされた会話です」と当日パンフレットの前書きに書いてあった。
    演劇に成るのに、7対3の比率がすごく重要なんだろう。

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