余白狂想曲 公演情報 余白狂想曲」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    台詞台詞台詞。
    タテヨコ3度目、リクウズ2作目。
    野田秀樹「風」ではないが、「ばり」の、台詞の途切れないリレーが、感情の追っつかなさを顧みず続けられる、テンポとシュールさが良い。
    台詞には十分遊びをこめているが、しかし通常の対話が軸で、言葉遊びが真実(実在)に転換したりする野田とは異なる。
    話は遺産相続をめぐる醜い争い・・というよくある話だが、外郭に位置する人物たちがまたそれぞれシュール。最後に登場する公証人などはじじいの役を女性がやっている。

    ただ、ストーリーは現実的に進んでおり、後半ややリアルさに欠く部分は勿体ない。意表を突くストーリー重視なので、変えようは無いだろうが・・。
    遺産や遺言を巡る話なので、現行の法律が登場する。最大の転換点は、長女が二つの遺言書を破棄する場面。
    ・・死んだ父が自宅に残した遺言の他に、公証人に預けた遺言(あやしい)が出て来る。その他、父がよそで作った子ども(成人した女性)の登場、死を見取った家政婦による「内縁の妻」証言と、混迷がきわまる。このとき、長女がぶち切れてテーブルに置かれた二つの遺言をズタズタに破いてしまう。
    スッとする場面ではあったが、ここで弁護士に「遺言書を破棄した者は相続の資格を失う」との条文を読み上げられてしまう。
     多分「既に内容を確認済みの遺言」を感情にまかせて破いてしまった、程度でこの条文は適用にはならない。長女がショックを受けてしまうのもちょっと。これを見て妹が(夫の意に反して)遺産放棄してしまう必然性も見えにくい。そして、この顛末が、親族を除く全員の共謀で為されていた、というオチも、その延長で「リアル」さを欠いた。

     従って、「長女の悲劇」以降のくだりをあまり深刻な作りにせず、「そんな事もあり得る」程度に、飄々と終えてくれれば、ちょっと辛子の効いたブラックユーモアに収まったのではないか。
     とにかく台詞の応酬にうまみのある芝居、最後までシュール路線で突っ走ってみてもよかった。

  • 満足度★★★★

    言葉のシャワーと出演者が書いているが...
    作品は、とても高い役者力を必要としている感じ。そして魅力もあり、息をもつかせぬ展開も楽しめる。日頃、タテヨコ企画って行間を読むというか、セリフの間がある感じなのだが...もう少し、息継ぎができる作品が自分的には好きなのかもしれないけど...セリフを聞きつつ、観客は呼吸をしていると思うんですね。セリフの間がないと、観客は息を吸う間がないというか...ちょっと窒息気味になってしまう気がしました。いや作品は面白いと思いました。いつものタテヨコ企画と違う味でした。佐々木作品、もう1作観てみたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    だれに対する…
    のっけから凄まじい台詞の応酬にやられる。
    後半のどんでん返しは 全く想定外。

    で、結局どうなったの? と キツネにつままれた感じはある。

    最後に 少し 救いのある場面がほしかったという個人的な注文。あれじゃ長女がかわいそう。好きなキャラクターではないけれど、彼女には最後までこの話の軸としていてほしかった。

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