満足度★★★★
等身大
三女優への「聞き取り」を土台に土田英生が書き下ろした作品の、改訂版という。
単純に面白かった。毎年オファーを受ける長野のとある公共施設のイベントに乗り込んだが、他者である男性二人(マネージャーと、オファー側のセクハラ担当者)との関係も影響し、新曲披露を控えた割りに行き詰まり感、反りの合わなさ感が開幕からダダ漏れ。
やや露悪的な(関係の険悪さを露骨に見せる)会話ながら、役と役者のギャップの無さゆえ、つまりリアルさゆえ「その先」をつい追っている。
何と言っても、二十七、八まで「アイドル」の夢を諦めず続けてきたという、濃い年輪が、役者自身の風情とも重なって滲む。
彼女らの「過去」へ思いを及ばせたなら、感動は約束である。
梅が丘BOXの幅の狭いステージ・・芝居中でも理由をつけて椅子やテーブルを動かしたりする・・が、舞台袖に作られた仮楽屋の不便さをそのまま表現して秀逸だった。
ユニットとして「次回作」をどのように打ち出すのか知らないが、続けて欲しい。(同アイドルグループ・シリーズとか・・安易だろうか)
満足度★★★★★
無題1899(16-189)
19:00の回(晴)。
18:30受付。本来、開場は18:40なのですが、暑いのでそのまま会場内へ。桟敷+ベンチ+椅子、満席、遠くに歌声が聴こえる。
会議テーブル、パイプ椅子、ダンボール、バケツ...。
18:59前説、開演~20:07終演。
「ソラミミホンネレソラシド(2015/10@下北沢亭)」に続いて2公演目。
学生演劇とどちらにしようか迷って、こりっちの予約締切ぎりぎりのタイミングだったからでしょうか、受付に名前がなかったようです(返信メールはちゃんと届いていました)。
「下北沢亭」は会場の見た目が「らしく」ないので、もうひとつノリ切れませんでしたが、今回は閑散とした、うらぶれた、閉塞感が漂う一室という雰囲気が出ていてずっと飲み込んでいたものが、セリフとともに、気化したかのように漂ってくるのでした。
摩擦ゼロの世界なのか、空気が揺らいだだけでそれはずっと流れ落ち続け、天使組の三人、一癖あったマネージャー、三癖くらいあった役所職員は翻弄され続ける。
真夏日の暑苦しいお話ですが、終わってみればさっぱりした感じでした。