無情 公演情報 無情」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    絶望的な立場の女性2人のストーリーが交差しつつ物語は進む。2人を取り巻く登場人物の言動が強烈だ。身勝手だったり非常識だったり厚かましかったりし過ぎて、その理不尽さについ笑ってしまう。

    ふたつの物語はゆるくつながりつつ進んでいく。場面を重ねるうちに、状況はどんどん絶望に向かっていく。しかしその一方で、破天荒に見えた人々の柔らかな心のひだが感じられてきて、序盤の笑いとは違う、何か切実な想いが観る者の胸を満たし始める。

    絶望的な状況の中で人々がポツリと見せる、心の芯のところにあるピュアな何か。そしてそれが確かに愛する相手に伝わっているのだと思える静かな救い。思い返すと、今もまだ言葉にならない想いが胸を満たす。くそう、なんだよこれ、なんなんだよ。ズルいじゃない、こんなの。

    この脚本で、このキャストで、これを観ることができてよかった。

  • 満足度★★★★★

    とにかく笑い、とにかく泣きました。不器用だけど優しくて愛ある作品でした。最高でしたー!

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/08/28 (日)

    前半あれだけ笑わされたのにラスト号泣した。MCR観るたびに櫻井智也の世界に惹かれていく感がある。久々にラストに配された伏線回収がガッツリ刺さった。ラストシーン亀田梨紗が手にしたのものが何かわかった瞬間からもうダメだった。

    ネタバレBOX

    櫻井智也のラリアットは、今年一番声出して笑った。思いっ切り振ってたよw
    終盤の亀田梨紗のツンデレぶりがとても可愛い。しかも、全体的に雰囲気が柔和に成ってるアクトが良かった。居場所見つけた感。ラストの笑顔には本当にヤラレました。

    たなか沙織と櫻井智也の掛け合いも良かった。いちいちセリフが絶妙だし、哀感の伝わり方が丁度よくて、重いのに重くない…これがラストに無茶苦茶響く。余りにも哀しい。タイトルの『無情』が響く…そしてラストに救われる…良いテキスト。

    2度目:

    最後には視覚と聴覚しか残らないたなか沙織、視覚に加え聴覚を奪われる亀田梨紗。共にこの先辛い未来しかない。そう思われる境遇なのに、何故か2人の決して不幸とは思えない未来に思いを馳せる。特に亀田梨紗のラストの笑顔。

    亀田梨紗が突発性難聴になってしまった後、病院でのアクトで所在なげに(←何も視えない、聴こえないを体現するのになんて残酷で的確な…)頬をプクプクしている(←ゴメンなさい観た人にしか伝わらない)姿は、ラストの笑顔の次に愛らしかった。3人の前でしか見せない安堵感…
  • 満足度★★★★★

    愛の表し方
    MCRは初見だったが、笑えて、泣けて、感情を揺さぶられて、帰り道でベッドの中で思い出し、考えさせられる良いお芝居だった。
    ちょっとずれた会話で笑わされて、嫌悪感を受ける登場人物でこころをささくれ立たされて、とにかく感情を引き起こして揺さぶって放り投げてくる素晴らしい構成
    本当にどうしようもなく絶望的な時って、笑ってしまったり、傍から見たら笑えるような行動をとってしまうもので、泣いても笑っても構わないとボールを預けられたような気分になった
    そして想像した。僕が飴玉を贈ったら、あの娘はどんな顔をするんだろうと

    ネタバレBOX

    そうなんだよ、そういうことなんだよと思ったのは、櫻井さんが演じる男性がたなか沙織さん演ずる女性を好きな理由として、芸能人とかよりもとにかくすごくかわいくて綺麗だと言うところ。
    たなか沙織さんは確かに綺麗なんだけど、客観的立場からすると絶妙に誰よりも何よりも綺麗で可愛いかというと。。。。となるわけで
    でも自分に置き換えて考えてみても、人を好きな理由なんて、その時点でその瞬間でその時の脳内で、総じて自分の人生で一番可愛くて綺麗だと、何らかの脳内物質のせいだとしても思い込みだとしても思うところが少なくとも有るからで、それが全てでそれが全てなんだと思った
  • 満足度★★★★★

    切れてる
    再演だそうだが、初演は観てない。やや奇抜な設定の物語が2つ、交錯しつつ展開されるが、それに違和感はなく、見事な展開である。そして、櫻井の特徴である台詞の切れが実に素晴らしい。「SEXは?」「できません」という会話で泣かせるなんていう技は、櫻井くらいしかできないだろう。

  • 満足度★★★★★

    約105分
    大幅に書き直したと当パンにはあるものの、やっぱり発展途上期にあった十年前の作品。ダメな劇中人物たちが自己正当化のために繰り出す“ややこしくて滑稽な(屁)理屈”が脚本的に今ほど磨かれていない。これが今と同じくらい磨かれていれば、より惹きつけられたかも。
    とはいえ、現行のままでも複雑怪奇な人間(の)ドラマとして十二分な見応えがあり、評価は満点です。

    ネタバレBOX

    なかなか交わらなかった2つのエピソードが最後の最後に響き合って醸し出す、人生の機微に満ちたほろ苦いものに心打たれた。
    全身が少しずつ麻痺していく難病にかかり顔さえ動かせなくなりながらも演技の上では口の利けたサオリが、演技上でもダンマリになっていくエピソードAの終盤のくだりには胸が締めつけられました。

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