満足度★★★★
昭和の匂い、徳川の公園で
唐組の名作「秘密の花園」は、静岡ならではの雰囲気で行われた。徳川家の駿府城という土地の空気、昭和の匂いが濃厚な舞台、平成生まれと思われる若い多くのお客様。42年ぶりという静岡公演は、時空を超えたかのような雰囲気の中、盛大な拍手が鳴りやまなかった。
高校の夏服を着た女の子たちからは、物語が分かんないけど、という笑いも出ていたが、そんなことは関係なさそうだ。昭和のギャグ、音楽、男と女の微妙なトーク。これらを水を浴びるように味わいながら、テントの中は世代を超えた熱量が盛り上がり、一人一人が舞台に向き合うという演劇の原点が鮮明になっていく。
唐組の舞台、次はいつ見られるのか。拍手の大きさには、そんな思いも込められている。