満足度★★★★
愛(かな)しきは
戦中戦後、世の中が変わっても変ることなく絵を描き続ける男馬鹿一とその店子。店子の一家は息子を戦争で亡くしたり、娘が外国人の男と結婚したりと時代に翻弄されて行きます。それは大変なことですが、心が騒ぐことがあっての人生じゃないかと馬鹿一も思ったのではないでしょうか。
満足度★★★★
戦中、戦後の舞台セットが素晴らしかったです。
まず舞台セットがとても凝っていて、終戦あたりの雰囲気がとても良く出ていました。古物を集めたり、作ったりで大道具、小道具さんが苦労されたんだろうなぁと思います。馬鹿一の部屋の石。最初、本物かどうかがとても気になっていて、そちらの方に気を取られてました。(本物でしょう。)
物語はと言えば、戦前、戦中の「お国のため」「神国日本」の風潮が父親の言動に表されていて、コミカルに描かれていたのですが、やはり「哀れ」さを感じました。対して、銀役の原章子さんの演技は親を思う時代を超えた「愛」が描かれていて、思わず涙することも。素晴らしい演技でした。
欲を言えば、娘が敵国の子をもった世間体の悪さから来る苦しみ、今までの観念を破壊する事実、それに対してどこの国の赤ちゃんにでも感じる無垢な「愛」とのギャップ。そのギャップが主人公の父親を苦しめる姿に反映されていればもっと良かったかな?と思いました。
満足度★★★★
リアル
舞台美術は石を除いて(笑)、リアリティにあふれた生活の道具がズラッと並んで壮観だった。戦後のバイタリティあふれる、市井の人々の生活が上手く再現されていた。戦争を知らない世代にも観て欲しい。