満足度★★★★★
パラドックス定数『東京裁判』=pit北/区域の最後
実は、pit北/区域ではパラドックス定数の『東京裁判』しか観たことがない。
しかし、この劇場の特殊な空間とサイズを見事に活かした作品である、パラドックス定数の『東京裁判』をここで観ることができるのが最後ということで、それならばと最終日に出掛けた。
満足度★★★★
傍聴席と普通席両方で観劇
Pit北/区域閉館は本当に残念。
傍聴席、普通席と二つの位置から観られる劇場の構造は、
この演目には貴重なファクターだったと思う。
上から見下ろす傍聴席は書かれているメモの中身とか資料の文字とか
妙に冷静にいろんなところに目がいってしまう。
後、後列が無いので身を乗り出せるのもこの席の醍醐味。
ただし、物語に入り込みたい場合は一般席が良いかも。
俳優陣の熱量がすごかった!
観る度に俳優陣の感情表現が豊かになっており、
笑いが起こる場面も増えている気がする。
満足度★★★★★
やはりすごかった。
超満員の観客が芝居に飲み込まれていくようなすごい作品であった。
役者の鬼気迫る演技は驚嘆すべきものであり、今年最後を最高の作品で見終えることができた。
満足度★★★★★
凄く良かった
凄く良かった。やっぱりもっと早く観ておけばよかった作品。テキストの構成が見事で緩急自在。それを5人の俳優が確り演じ切る。それぞれの想いが織り込まれ痛快さと無念さが交錯する展開。ラストの暗転で胸に迫る複雑な感情の波。納得のダブルコール。何度でも再演を
満足度★★★★
歴史エンタテインメント
完成度の高い「史実に基づく」戯曲であるが、難点も書かせて頂く。(ああ、歴史と言えばこいつの例の話・・その通り)
作者の作品には今年、青年座でやった「外交官」にて初めて触れたが、ぜひとも自劇団での舞台を見たいと思った(青年座俳優の演技の質感が書き手の想定と若干違うと思えたので)。 今回は内容も「外交官」に通じる、十五年戦争を総括する場に立ち会う日本人の会話劇で、こちらの方は史実としてよく知られた「東京裁判」、構図も判り易かった。 そして俳優のテンポの良い演技は予想通り、これでなくては、というハマリ具合に納得。
難点というのは言うまでもなく、登場人物(東京裁判に臨んだ弁護団)5人が、日本側に都合の良い主張ばかり選んで構築し、負の歴史(加害の側面)を見ず、自分を負かした相手に文句を言う事だけやっていたい日本人にとって心地よい、ガッツポーズの出る戯曲として作られている点だ。・・それを言っちゃ実もふたもないのだが、しかしエンタテインメントとしては知らなかった事実も(よく調べたものだ)知れたし、最近睡魔を覚えなかった芝居は少なく、その一つであった。
「うまい」という評価は「良い」内容とセットでなければ意味がない。上に挙げた長所は実のところほめ言葉ではない。なら良い所はなかったのかと言えばさにあらず。
(以下ネタバレで)
満足度★★★★
普通席より観劇
3年前は傍聴席、今回は普通席から観劇。
夏場に野木さんが脚本を書いた青年座の「外交官」を見ていたせいか、その世界も思い出した。5人の役者によるシリアスで直球の討論が繰り広げる中、時に笑って考えてつい泣けてしまう。
口コミ効果なのか、はたまた劇場が閉館になるためからか、場内は満員。
役柄の年代が役者の年齢的に近づいてきたキャスト、部屋を照らす灯り、効果音もないのに、いつにも増して迫力と熱気を感じました。
満足度★★★★★
見事な裁判劇
青年座の「外交官」を見てから、野木萌葱さんのファンになった。この「東京裁判」は絶対に見たいと思っていた。なんと年末押し迫ってまでやっている。しかも、パラドックス定数が劇団化したときに「東京裁判」を上演したその、東京・王子の小劇場で。その小劇場は年内で閉館という。これはもう、絶対に行くしかない。
会場は若い観客で超満員だった。ものすごい熱気の中繰り広げられた会話劇は、A級戦犯たちを弁護する5人の男たち。右上の裁判官に向かい、正面の検察官に向かい、男たちは奮闘する。戦勝国の論理で裁かれる敗戦国の政治指導者たち。私は個人的には、国家を破滅に導いた指導者たちはそれ相応の責任を取るべきだと思っているが、この弁護の男たちは、それぞれ個人的に様々な物語を抱えていて、それが、この裁判劇を奥深いものにした。
この脚本は見事だ。それを演じきった5人の俳優にも拍手を送りたい。
満足度★★★★★
善き芝居を観た。
善き芝居を観た。
今年最後に、本当に観れて、良かった。
ただ、涙が流れたのは、台詞の向こう側の光景や、心情を自分の中ではあるが
増幅された瞬間があったからだろう。
膨大な会話劇の中の台詞に、心が飛ぶ。
『1946年東京、市ヶ谷。
極東国際軍事裁判所本法廷』
この5人の弁護人たちの
会話劇が、なんとも、静かではあるが
時に、熱く時が進む。
法を守るべき、それは至極正論。
しかしながら、あの時代に、本当に
「法」の正義は存在したのだろうか?
多勢に無勢、日本は、どう、
「戦う」のか?
本当に観ながら、専門的な事も
勿論出てきますが
息をつくのも憚れるような「傍聴」している観客も背筋が伸びるような
空間の中、
時折、「くすっ」と息つく場面もあって、
野木さんの書くホンは、他にない感じだなといつも思う。
ごりごりに硬派かと思うと
少し、お茶目なところもあって
この匙加減が、たまらなく素敵である。
*野木さんの前説・後説が観劇の楽しみのひとつでもある*
劇中
鵜沢 総明(西原誠吾さん)が「日本人、沢山死んじゃいましたからね」って
言う台詞が、普通に、普通に、言うんですけど
私の今日のスイッチがそこだったみたいで
そこで「ぷちっ」と入ってしまった。
体験した事のない戦争中の様々な人々の死の悲しさや、悔しさ、を
増幅させていった。
「感情」では「法」は遂行出来ない。
私の安っぽいヒューマニズムがそうさせてしまったのか。
涙が出てしまう。
柳瀬 秋午(今里真さん)の最後の方での台詞も
もう、涙が出てしまってしょうがない。
押さえて、押さえて、
問う台詞に、もう、無理だった。
この芝居ではこの5人の登場人物それぞれの
「キモチ」を、ある意味プロフェッショナルの姿に置き換えて
観る事が出来る。
ただ、「仕事」としてではなく諸外国を相手に戦う
「日本人」としての「キモチ」をなんとしてでも
遂行するための熱い1時間40分だった。
あっという間の時間だった。
観劇を強くお薦めします。
私は今年最後の観劇がこの芝居出逢った事、
幸せだと思います。
台本購入
そして、先行の特典のチョコレート。
Wミーイングだった・・。
満足度★★★★★
責任と罪
一度は観たいと思っていた劇団と「東京裁判」今回、初見です。
重厚なドラマでありながら「皮肉」がユーモアとなり面白く観劇。
ラスト近く「柳瀬」の絞り出す様な「言葉」は胸に迫る。
役者の力量に魅了される。