満足度★★★★★
千秋楽
本編について触れる前に書くのは失礼だけど、こんなに充実したアフタートークは初めてだ。ゲストのミナモザ主宰の瀬戸山さんとの内容も作品の核となる部分について掘り下げ、客席からの質問への回答も興味深い内容ばかり。史実を元にした作品の多角的な視点を得られ、大満足。●農耕民族と狩猟民族の価値観の相違が根底にあるという解説に、目からウロコ。土地に線を引き所有しようとするから、利益を求めそれを広げようと侵略が始まる。それは死をもたらし、やがて戦争を引き起こす。当然、遺恨が生じる。人間の愚かさを突きつけられた。倭人はどこまで行く?●菊池佳南さんの魅力が満載。アイヌの民族楽器を見事に鳴らし、厳かに弔いの雄叫びを上げ、子守唄を歌いあげる。笑いを誘うキュートさと、安楽死とも敵討ちともとれる戦慄の行為。怒りと哀しみの涙にも、カムイへの祈りにも、心を揺さぶられる。魅力を引き出す見事な山田百次演出。脱帽。
満足度★★★
1本目
よし!今年は観劇した作品はちゃんと記録しよう。
アフタートークで出た話で、この事件が戦闘も無いまま、100人中72人の殉職者を出すという、津軽藩としては不名誉な事であり、緘口令がひかれた為歴史から抹殺された事件であり、それが150年後神田の古本屋で藩士の日誌が発見されて明るみに出るというドラマに興味を惹かれた。
満足度★★★★★
今が観時(みどき)/約80分
津軽藩士大量殉難事件を題材に、我(が)を殺して長いものに巻かれたあげく痛い目に遭う典型的日本人像を毒っ気たっぷりに描いた秀逸なダークコメディ。
再び日本が全体主義に向かいつつある今この時期にこの作品を観られたことに、とても意義深いものを感じた。
ドタバタ色の強い前半部では、山田百次と河村竜也の息ピッタリなコンビ芸を満喫。津軽弁によるリズミカルでバカバカしい掛け合いに最盛期の加藤茶&志村けんを思わせる見事なドタバタが加わって、じつに愉快でした。
満足度★★★★
元旦早々
大晦日公演の観劇は体力無く、断念。年明けてアゴラへ参ると、閑散としているかと思いきや意外に席は埋まっていた。
本作、この再演で初めて拝見。これまで見た青年団リンク・ホエイの舞台や劇団野の上(作者の山田百次主宰)の舞台とは一つ、趣き、というより深まり具合?の違う芝居になっていて、ほのぼの・のほほん・ほんわか といった雰囲気を思わせる題名(ひーとかほーが入ってるし・・)を引っぺ返すと軽い麦でなく(麦も美味いけど)、ずっしりとお米だった。
三人によるシンプルな芝居。だが語られる事柄の重さ・広がりが、津軽弁の飄けた会話の中から徐々に立ち上がってくる。
最後に近い場面、女の口からぽそりと投げられる台詞は、効く。
満足度★★★★
三者三様の生き方って
三人芝居による幕末時代劇。河村さんの語り部、山田さんの津軽弁を使った、大胆な笑い菊池さんのアイヌの女らしい助演と三者三様な世界観は、とてもよかった、80分でした。