ニホンオオカミはいなかった 公演情報 ニホンオオカミはいなかった」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.9
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    詐欺
    表面上は詐欺を全面に出しているけれど、実際は狭い土地柄故の身内周りの良くも悪くもねっとりとした物語でした。しっかりと理論付けされた展開の陰に見え隠れする、近い間柄での人間模様、見事でした。あと、相続税絡みでの理不尽さが印象に残りました。

  • 満足度★★★★★

    身内とよそ者!
    相続の知識を駆使した緻密な脚本と俳優陣の演技は期待通り、息をのむ芝居を堪能。
    田舎の古い風習が生んだ悲劇!

    ネタバレBOX

    ひとつだけ、疑問なのは、なぜ玄太ははとこの芽衣と結婚せずに秋乃と結婚してしまったのか?本家と分家の為?
    中国人に山を売却するという結果だけは私は避けてほしかった。残念!
  • 満足度★★★★★

    素敵なじかんの共有
    良くも悪くも日本を造り上げここまでになした家の存在。
    今時は田舎と切り捨てられるが、
    その存在価値と悪習を正面切って描いた秀作。
    家を血と地を守るために…三姉妹って、やっぱり三兄弟とは違うんだなぁ。
    秘密の共有からその背徳の緊張感。
    どうするの?見つかるの?告白するの?あーそっち?
    ワクワク感もドキドキ感も感じられる欲張りで、
    色々な事を考えさせられる熱い舞台だった。

    舞台もさることながら、制作・運営も素晴らしかった。
    狭い劇場で心地よく見るために、移動時は舞台にマットを敷いたり、
    足の悪いお客さんのために前の席をつぶしたり、
    狭い端の席のために全体を動かしたり。
    見て観てのやるだけ団体とは違い、
    心地良く見てもらおうという気概が感じられとても好感を持てた。
    次回公演も楽しみにしています。

  • 満足度★★★★★

    よかった。
    詐欺をしてまで守りたいもの、それはやっぱり家族なのでしょう。

  • 満足度★★★★★

    多角的な思考
    表層的な話は「ニホンオオカミ捏造詐欺事件」の顛末が中心であるが、その物語が進展する中で、生態系、自然環境など現代人が考えなければならないテーマが織り込まれ、複眼的に問題提起しているようだ。

    本筋は、次の展開を待ち望むようなスリリングさ、テンポ良く観せ飽きさせない。そして登場人物は本当に必要な役柄のみ。その人物像もしっかり性格付されている。

    クリミナル・ホームドラマ...それは骨太の内容であるが、観せ方は巧緻である。

    ネタバレBOX

    梗概は、福岡県の林業一族・辻交(つじかい)家の当主が亡くなり、広大な山林が遺された。同時に莫大な相続税を課せられるが、その納税に”ニホンオオカミの目撃談”をでっちあげ、研究機関や財団から「ニホンオオカミ保護基金」を詐取するが、その足元では破滅の影が忍びよる、というもの。

    ニホンオオカミは明治時代に絶滅したといわれている。食料(家畜)被害を防ぐため捕獲し続けた結果だという。しかし、現在では鹿による食物被害が深刻になっているという。本来、鹿の天敵であったオオカミがいないため動物の生態系がおかしくなっている。
    ちなみに、観劇した日のある新聞の記事...他国での話であるが、オオカミが馬を常食している。村人は馬が捕食されても放置しているという。実はオオカミを保護している。ヨーロッパオオカミは絶滅の危機に瀕している。野生馬がいればオオカミは無理して羊や牛、鶏を襲わない。馬は肉も多くは取れないから、犠牲にし他の家畜を守ると同時にオオカミの絶滅を防いでいると...。

    他方、山林を育てるには50年以上必要で、伐採したら将来その(木の)恩恵を享受することができない。先祖代々守ってきた林木...所有権は辻交家にあるかもしれないが、目先の対応(欲)で将来の自然(環境)は保たれるのか。

    この公演では、相続(税)という期限のある事柄を上手く利用し、緊急かつ切迫した状況を自然に作り出している。無理なく進む話、一定期間内に決着させる必要があるための山場作り。しっかりした脚本に基づく観せる演出は見事であった。特に食事シーンは登場人物を一堂に会させ、その役割セリフを言わせる。その濃密な会話がその場の空気を引き締める。

    この公演は物語の面白さと、そこに内包している数々の問題を投げかけているようだ。語弊があるかもしれないが、芝居という見世物に知的な問いかけ...実に見事な公演だと思う。

    次回公演を楽しみにしております。

    【追記(2016.1.9)】
    東京新聞に次の見出記事が掲載
    「ニホンオオカミ 信じて探す」
    早大探検部OB
    「百十年前に絶滅したとされるニホンオオカミだが、その生存を信じ、調査を続けている民間グループ「ニホンオオカミ倶楽部」(東京)が、、新たに三重県松阪市の山中で調査を開始する」...と。
  • 満足度★★★★★

    始まりはいつだったのか
    徐々に嘘や悪意が暴かれていく従来の作風とは違い、序盤に提示された嘘が破綻していく様を描き出す展開でしたが、嘘に心酔していく一族の人間模様に終始引き込まれました。

  • 満足度★★★★★

    人の怖さと弱さ
    本家と分家、遺産相続、捏造詐欺と地方の旧名家が抱えた問題を本家の三姉妹を軸に描いた舞台。まず脚本が面白く、綱渡り的な詐欺で山を守ろうとする人々の言動がそれぞれの思惑も含めて秀逸。また、破滅への道を進んでしまうが、最後の晩餐ともいうべきシーンも心揺さぶられた。その後の、状況を描くそれぞれの旅立ちのシーンも哀愁が漂い、不明だったいくつかのピースもはまり、不謹慎かもしれないが応援したくなる。

    この舞台をこれだけ見応えあるものにしているのは、役者陣の熱演であろう。どの役者さんも、役柄に浸透しており、些細なシーンでもそれぞれ多くの見所があった。それぞれの関係性の変化が、言葉だけでなく伝わってくるのは流石でした。

    人の怖さと弱さを観れた、素晴らしい舞台でした。

  • 満足度★★★★

    長さが気にならない。
    時間が110分と聞いただけで危険な香りがしたのだが
    さすが十七戦地、まったく長さを感じさせなかった。
    三姉妹に焦点を当てたせいか前作と比較すると色がだいぶ薄い。

    それでも、圧巻の出来でした。
    三姉妹ものながら透明感が残るのもいい。
    劇団がこれからどうなるかといった岐路にあると思うが
    このまま透明感を失わないでほしい。

  • 満足度★★★★★

    良かった!
    日本が舞台なだけによりチェーホフを身近に感じました。

    ネタバレBOX

    ニホンオオカミ捏造詐欺事件の顛末をと言うより、没落していく本家、したたかな分家の振る舞いがあり、家を明け渡したり、三人姉妹の三女が研究員として旅立ったり、まるでチェーホフでした。
  • 満足度★★★★★

    作品内容もさることながら、開演前の気配りもステキ
    初日に1回目の観劇しました。

    受付は1時間前。
    受付順に整理番号発行、
    開場5分前に劇場前に番号順並ぶシステム。
    上演時間は1時間50分。


    2辺囲みの客席。
    最前列も背もたれありのちゃんとした椅子でした。

    そのぶん、入り口向かって左側の最前列は舞台と椅子の間が狭かったのですが
    開演直前まで
    舞台の上に靴で乗っても大丈夫なようなマットが敷かれていて、
    奥の席を空けていても後から来た人が入りやすいようになっていました。

    終演後にも敷いてくれて、
    奥の人に気兼ねすることなくアンケートが書けました。

    時間の経過や季節感を
    衣装と照明、演技で表現するさまが
    説明的でなく、とても自然でスルっと入ってきました。
    登場人物たちの抱えた「嘘」とその動機も細やかで、
    どちら側から見ても各々に見処がありそうな立ち位置になっているように思われました。
    反対側で観ようと考えている、
    2回目の観劇も楽しみです。

    ネタバレBOX

    仏壇の上や、当日パンフの人物相関図で

    女系の一族であることをあらかじめ暗示してあって、
    中心となる三姉妹の背負っている目に見えない「重さ」がさらに増して感じられました。

    (以下役名にて)

    春子さんと牧田さんの過去が、言葉にしていない段階でも空気で予感させられていて
    すごいなと思いました。
    そこに小山内さんをからめた「ラブコメか!」みたいなやり取りも笑えました。

    わぁわぁ騒ぎのなかでも登場人物は一貫して自分の意思で行動しているのが見えて、
    行政書士の蔵本さんの動きが面白かったです。

    良平さんの、某シーンでの牧田さんへの言葉とその表情、
    玄太くんの「ムラ社会」での立ち回りは残酷だなと思いつつも人間らしく、
    芽衣ちゃんの「知ってしまった」あとの愛らしい行動と思わぬ攻撃方法(←笑)、
    秋乃さんの後半の生々しさ、たくましさ、下克上感、
    未夏さんの(作中)最初の帰省の言外で醸し出される都内の暮らし、
    家を捨てたといいつつ彼女なりに動いてる様子とその優しさ、
    細い肩に一身に背負う春子さんの愛憎ない交ぜの立ち姿など
    みどころたくさんでした。

    「ここから破綻するんじゃあ?」
    と思わせるポイントがいくつか散りばめられつつも
    なんとかもちこたえていて
    その、ヒビが入る瞬間のたびに息を飲むハラハラをたのしみました。

    1度でも楽しく観れましたが、
    春子さんのかかえたものを知った2回目がさらに楽しみです。
  • 満足度★★★★★

    十七戦地版チェーホフ
     作・演出の柳井氏が、今作でチェーホフに挑んでいる。具体的には「三人姉妹」だ。ただでさえ外国の作品を日本で演じるのは難しい。歴史・文化・風俗・慣習などが異なるほか、家族構成や遺産相続の仕方などにも違いがあるからである。この難しさを見事に乗り切って三人姉妹の持つ独特の雰囲気を共鳴させつつ、柳井ワールドを描いて見せた。苦労の甲斐、その結果をもキチンと見せてくれるような作品である。

  • 満足度★★★★

    初見
    チケットプレゼントにて観劇。
    先祖代々の土地、地方といえど地元の主として君臨していた家柄とその分家、過疎の村。
    三人姉妹、特に本家に残った次女を取り巻く環境が殊更慌ただしく、また周囲を担ぎ込み、嫁の立場にいる外様の女の本心がいかにもありそうなマウンティング。
    相続問題、親族、血族の重みと破滅に向かう加減に見につまされる部分もあった。
    よくできたウェルメイドプレイで面白かったです。

    ネタバレBOX

    最後は「役立たず」の烙印を押された次女を思い切り抱きしめてあげたくなった。

    気になった点は、役者さんの誰かしら、台詞を噛んでいたが、通常の喋りとは1,5倍速くらいの捲し立てる言い回しが多かったからそうなりやすいのかな。
    また、声の通り抜けが出来ずらい狭小の劇場のためか、発声の高さが小屋全体から響いてくるようで台詞が五月蝿く聞こえたが、そう聞こえたのは自分の座った位置にもよるものなのかな。できればもう少し声を抑えて台詞を喋って欲しかった。
  • 満足度★★★★★

    リピート観劇したい。
    やっぱりここはいいね。
    とても分かり易くそれでいて見応えあり!!
    ・・必見です。

  • 満足度★★★★★

    すごい作品だった
    やっぱり、木村佐都美さんはやってくれていた。
    十七戦地さんの世界をこわさず、誠実に演技をしてくれていた。
    特に、眉毛が面白かった。
    今、PCに向かって退屈している人!
    下北の楽園行ってください。
    僕が木村佐都美さんにについて、ウソ言ってないこと、わかるから。
    木村佐都美さん、最高でしたよー

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