満足度★★★★★
詐欺
表面上は詐欺を全面に出しているけれど、実際は狭い土地柄故の身内周りの良くも悪くもねっとりとした物語でした。しっかりと理論付けされた展開の陰に見え隠れする、近い間柄での人間模様、見事でした。あと、相続税絡みでの理不尽さが印象に残りました。
満足度★★★★★
素敵なじかんの共有
良くも悪くも日本を造り上げここまでになした家の存在。
今時は田舎と切り捨てられるが、
その存在価値と悪習を正面切って描いた秀作。
家を血と地を守るために…三姉妹って、やっぱり三兄弟とは違うんだなぁ。
秘密の共有からその背徳の緊張感。
どうするの?見つかるの?告白するの?あーそっち?
ワクワク感もドキドキ感も感じられる欲張りで、
色々な事を考えさせられる熱い舞台だった。
舞台もさることながら、制作・運営も素晴らしかった。
狭い劇場で心地よく見るために、移動時は舞台にマットを敷いたり、
足の悪いお客さんのために前の席をつぶしたり、
狭い端の席のために全体を動かしたり。
見て観てのやるだけ団体とは違い、
心地良く見てもらおうという気概が感じられとても好感を持てた。
次回公演も楽しみにしています。
満足度★★★★★
多角的な思考
表層的な話は「ニホンオオカミ捏造詐欺事件」の顛末が中心であるが、その物語が進展する中で、生態系、自然環境など現代人が考えなければならないテーマが織り込まれ、複眼的に問題提起しているようだ。
本筋は、次の展開を待ち望むようなスリリングさ、テンポ良く観せ飽きさせない。そして登場人物は本当に必要な役柄のみ。その人物像もしっかり性格付されている。
クリミナル・ホームドラマ...それは骨太の内容であるが、観せ方は巧緻である。
満足度★★★★★
始まりはいつだったのか
徐々に嘘や悪意が暴かれていく従来の作風とは違い、序盤に提示された嘘が破綻していく様を描き出す展開でしたが、嘘に心酔していく一族の人間模様に終始引き込まれました。
満足度★★★★★
人の怖さと弱さ
本家と分家、遺産相続、捏造詐欺と地方の旧名家が抱えた問題を本家の三姉妹を軸に描いた舞台。まず脚本が面白く、綱渡り的な詐欺で山を守ろうとする人々の言動がそれぞれの思惑も含めて秀逸。また、破滅への道を進んでしまうが、最後の晩餐ともいうべきシーンも心揺さぶられた。その後の、状況を描くそれぞれの旅立ちのシーンも哀愁が漂い、不明だったいくつかのピースもはまり、不謹慎かもしれないが応援したくなる。
この舞台をこれだけ見応えあるものにしているのは、役者陣の熱演であろう。どの役者さんも、役柄に浸透しており、些細なシーンでもそれぞれ多くの見所があった。それぞれの関係性の変化が、言葉だけでなく伝わってくるのは流石でした。
人の怖さと弱さを観れた、素晴らしい舞台でした。
満足度★★★★
長さが気にならない。
時間が110分と聞いただけで危険な香りがしたのだが
さすが十七戦地、まったく長さを感じさせなかった。
三姉妹に焦点を当てたせいか前作と比較すると色がだいぶ薄い。
それでも、圧巻の出来でした。
三姉妹ものながら透明感が残るのもいい。
劇団がこれからどうなるかといった岐路にあると思うが
このまま透明感を失わないでほしい。
満足度★★★★★
作品内容もさることながら、開演前の気配りもステキ
初日に1回目の観劇しました。
受付は1時間前。
受付順に整理番号発行、
開場5分前に劇場前に番号順並ぶシステム。
上演時間は1時間50分。
2辺囲みの客席。
最前列も背もたれありのちゃんとした椅子でした。
そのぶん、入り口向かって左側の最前列は舞台と椅子の間が狭かったのですが
開演直前まで
舞台の上に靴で乗っても大丈夫なようなマットが敷かれていて、
奥の席を空けていても後から来た人が入りやすいようになっていました。
終演後にも敷いてくれて、
奥の人に気兼ねすることなくアンケートが書けました。
時間の経過や季節感を
衣装と照明、演技で表現するさまが
説明的でなく、とても自然でスルっと入ってきました。
登場人物たちの抱えた「嘘」とその動機も細やかで、
どちら側から見ても各々に見処がありそうな立ち位置になっているように思われました。
反対側で観ようと考えている、
2回目の観劇も楽しみです。
満足度★★★★★
十七戦地版チェーホフ
作・演出の柳井氏が、今作でチェーホフに挑んでいる。具体的には「三人姉妹」だ。ただでさえ外国の作品を日本で演じるのは難しい。歴史・文化・風俗・慣習などが異なるほか、家族構成や遺産相続の仕方などにも違いがあるからである。この難しさを見事に乗り切って三人姉妹の持つ独特の雰囲気を共鳴させつつ、柳井ワールドを描いて見せた。苦労の甲斐、その結果をもキチンと見せてくれるような作品である。
満足度★★★★
初見
チケットプレゼントにて観劇。
先祖代々の土地、地方といえど地元の主として君臨していた家柄とその分家、過疎の村。
三人姉妹、特に本家に残った次女を取り巻く環境が殊更慌ただしく、また周囲を担ぎ込み、嫁の立場にいる外様の女の本心がいかにもありそうなマウンティング。
相続問題、親族、血族の重みと破滅に向かう加減に見につまされる部分もあった。
よくできたウェルメイドプレイで面白かったです。
満足度★★★★★
すごい作品だった
やっぱり、木村佐都美さんはやってくれていた。
十七戦地さんの世界をこわさず、誠実に演技をしてくれていた。
特に、眉毛が面白かった。
今、PCに向かって退屈している人!
下北の楽園行ってください。
僕が木村佐都美さんにについて、ウソ言ってないこと、わかるから。
木村佐都美さん、最高でしたよー