三人吉三 公演情報 三人吉三」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★★

    大満足
    たっぷり五時間。しかも、木ノ下さんと杉原さんのトーク付き。

    知らない出演者が多かったんですが、すごく楽しめました。衣装や小道具も見ごたえ満点。

    地獄の場。アホすぎて面白かったなぁ。

  • 満足度★★★★

    初・木ノ下歌舞伎
    読売演劇大賞・作品賞上半期選出おめでとうございます!花組芝居を見ている身としては、やはり女優さんが舞台の上にいらっしゃると明るく開けた舞台に見えます。花組芝居の方が現代風歌舞伎としては好みだなと思ったのは多分そこかな・・・と。総じて楽しくはありましたが、地獄の場は必要だったかな?と思ってしまったり。幕間でおにぎりを食べられたのは楽しい経験でした。

  • 満足度★★

    三幕だけ拝見
    初演の春秋座では通しで拝見し、今回は三幕だけ伺いました。
    お芝居は面白く見られるのに、爆音の音楽だけがどうしても苦手なのは変わらず……。

  • 満足度★★★★

    とてもわかりやすかった
    前作の「黒塚」の時は、作品の薄さが感じられたが、今作はしっかりとしたメンバーをそろえ、手順を追った進行で分かりやすく、とても良い作品でした。

    『地獄の場』も初めて観ましたが、笑いのバランスもとても良くて、変な感じになっておらず、とても良かったと思います。

    今回のようにきっちりとした作品をやってくれるのであれば、引き続き観て行きたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    長丁場でしたね
    劇団員さんの集中力とパワーに圧倒されました。

  • 満足度★★★★

    面白い!けど!
    5時間10分プラスでアフタートーク30分の長丁場も、観やすさとおもしろさと、大立ち回りのないラストの若干の食い足りなさで、まだまだ全然もっと観られちゃいますけど感・不完全燃焼感が。

    「現代劇の演出だと成立しなくなっちゃう」とのことでカットしたという大立ち回り、この座組みだったら十分成立させられちゃったと思うのだけど。

  • 満足度★★★★

    真正面から「演劇」する。
    木ノ下歌舞伎弐度目。休憩弐回の五時間コースは歌舞伎公演並みだがこれが贅沢。歌舞伎版三人吉三を観た事はなく、粗筋も知らないが、「思いがけなく手に入る百両」の七五調のくだりは有名、でもって三人の「吉三」(お嬢と後二人の)の話とだけは知っていた。河竹黙阿弥は面白い話を書いたものだし、上演すれば楽し。その特徴、歌舞伎ではキメとなる長台詞や二人(あるいは三人)合わせて言う台詞などでは原典どおり語り、他は現代語に翻訳してある。衣裳も現代の衣服に「役」を示す符牒のような飾りや羽織などを付加してある。でもって音楽はデスメタル系? 融合のし具合が絶妙だが、その演出が「実験」のためでなく、きっちり芝居を見せる目的で施されており、しかも成功しているのはそう目にしないように思う。5時間がこれほど苦痛でないとは‥。

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    木ノ下歌舞伎の【三人吉三】を観劇。

    河竹黙阿弥の9時間の作品を、内容を省く事無く、5時間にまとめた作品。

    盗人で、お坊吉三、お嬢吉三、和尚吉三の3人を中心に、物語の一部を省略しながら描いていくのが一般的な歌舞伎の話の展開なのだが、今作は、原作に忠実に展開していく群像劇として描いている。
    内容はあまりにも中味が濃すぎて一言では語れないのだが、金百両、宝刀・庚申丸を巡る人間社会にある因果応報の話。

    その因果応報の始まりの元を正せば、それはその当時の社会の在り方であり、その人間が培ってきた道徳観、宗教観であり、と登場人物が生きる事への意味を試されているよう原作を、今作の演出家はまるで盗人のように、いとも簡単に原作の良い所を盗み出し、現代社会に置き換えて、我々に投げかけてくるのが見所である。
    舞台で描かれる世界は、日本でありながら、何処かの国で起きている夢物語のように錯覚しがちだが、そんな夢を打ち壊すほどの要所、要所に挿入される現代の表現方法が、かなりの違和感を感じつつも、観客の胸に何かを突き刺してくるのである。
    そしてそこに琴線を触れる事が出来れば、今作の良さを感じる事が出来、木ノ下歌舞伎が歌舞伎を行っている意味も理解が出来るのである。

    前作の【黒塚】についで、今作も傑作である。
    そして休憩ありの5時間の芝居観劇は、「現代人にはきついんじゃねぇ?」と質問はあるかもしれないが、「それは愚問である!」と言えるのは確かである。

    お勧めである。



  • 満足度★★★★★

    すべてがハイライトだった、第二幕
    5時間では、しんどいので、短時間で見られる幕見券を使っての観劇。江戸時代の話でありながらも、ど派手な衣装や、ど派手な演出がパラレルワールドな世界観はよかったし、特に「地獄の場」は、笑える内容量が豊富によかったです。

  • 満足度★★★★★

    際立つ様式美
    河竹黙阿弥の9時間に及ぶ原作をギュッと縮めてそれでも5時間、
    日本語のことばの面白さが凝縮された素晴らしい舞台だった。
    歌舞伎を観て泣いたことはないのに、木ノ下歌舞伎はなぜ泣けてしまうのだろう。
    あり得ないほど“世間は狭い”的な物語である。
    生き別れた親子、別々に育った双子の兄妹、血の盃を交わした義兄弟の家族、
    彼らが出会ってしまう入り組んだ偶然は、解り易い現代語で語られ、
    その上で、ハイライトの痛切な心情が七五調で語られる。
    七五調のリズムは、登場人物の“言い切った感”がストレートに伝わるから不思議だ。
    見栄を切るのさえ自然に感じられる。
    平易な現代語の台詞の中で、歌舞伎の様式美がひときわ際立ち、
    かたちを超えた芝居の面白さを感じさせてくれる。
    和尚吉三の大村わたるさん、お坊吉三の大橋一輝さん、土左衛門伝吉の武谷公雄さん
    の台詞が耳に残る。
    女性陣の滑らかな声が違和感なく歌舞伎に溶け込んでいて心地よい。
    木ノ下裕一さん、杉原邦生さんの“偉大なるいいとこ取り”には、
    古典への愛が溢れている。
    膨大な作業によって成り立つ創作とセンスに感服する。







    ネタバレBOX

    舞台の奥に「E・D・O」の巨大な3文字が佇んでいる。
    (中盤から「D・O・G」に変わってその世界観にやられた)
    舞台中央に「TOKYO」の小さい立札、そこに三人吉三が三方向から登場して開演となる。
    客入れのBGMがカッコよくてこれから始まる舞台のワクワク感が倍増、
    でも開演時の大音響はちょっと耳に痛い。
    あんなに大きい音でなければダメなのかしら。

    吉三郎という同じ名前の盗人3人が出会って意気投合、義兄弟の盃を交わす。
    和尚吉三・・・元小坊主で今は小悪党。
            父土左衛門伝吉は、かつては大変な悪党だった。
            安森の屋敷から宝刀を盗み、その際犬を斬ったのが祟って双子を授かる。
            不吉とされていた双子に慄き、女の子を手元に残して男の子を寺に捨てる。
            この双子が将来出会って恋に落ちるという因果をもたらす。
            和尚吉三にとって双子は弟・妹である。
    お坊吉三・・・宝刀を盗まれてお家取り潰しに遭った安森家の息子。
            宝刀を取り戻してお家再興を望んでいるが
            なかなかうまくいかず、盗人稼業に。
            妹の一重は花魁で、刀剣商の文里が熱心に通って来ている。
    お嬢吉三・・・父は八百屋久兵衛だが5歳の時に誘拐され、
            旅役者に育てられる。
            ある時女装していて言い寄られ、その相手から簡単に
            頂戴できたのが最初の盗み。
            久兵衛は寺で拾った赤ん坊を引き取って育て、
            その子十三郎は刀剣商文里の店で働くまでになった。
            しかし十三郎が、宝刀を売った店の金百両を盗まれてしまい、
            責任を感じた久兵衛は金策に走り回ることになる。

    金百両と宝刀が奪い合いの末ぐるぐる回り、それにつれて
    人々も出会ったり対立したりする。
    元々の脚本が緻密で、極小コミュニティで起こる濃密な因果関係が無駄なく描かれる。

    木ノ下版では現代語によって話がスピーディーに進行し、
    重要な感情表現はたっぷりの七五調で語られる。
    その対比が鮮やかで、結果オリジナルの台詞が生き生きと立ち上がった。
    歌舞伎は形式の芸術だと思っていたが、こんなに感情の濃い表現の芸術なんだと
    改めて実感させてくれる。

    歌舞伎では割愛される「地獄の場」が、アフタートークで「脚本を忠実に」と聞きびっくり。
    改めて歌舞伎の発想の自由さ、シリアスと滑稽のメリハリの効果を思い知らされる。

    終盤、三人が捕り方に追いつめられながら覚悟して斬りこんで行く悲痛な姿が印象的。
    土左衛門伝吉の若き日の罪を悔いる台詞や、何としてもなさねばならぬと思えば
    どんな相手にでも頭を下げる腹のくくり方に、その心情が色濃くにじんで素晴らしい。
    最初長髪で登場した和尚吉三が、次に清々しい坊主頭で現れたときには
    そのキャラの変化と自在な台詞にすっかり魅了された。
    堀越涼さんのお嬢ぶりは鉄板で安定感抜群。
    圧巻の群像劇であった。

    台詞や衣装にこれほど大胆な解釈をしながら、結局は古典の良さを存分に際立たせる。
    オリジナルを読み込み選択するセンス、古典へのリスペクトと愛情あふれる膨大な作業、
    木ノ下氏の豊富な知識と、杉原氏の柔軟な発想の賜物と言えるだろう。
    終演後のアフタートークで、丁寧に解説するお二人の姿勢にいつも感心する。
    中学時代、「歌舞伎教室」でこんなに丁寧に解説してもらったら
    どれほど歌舞伎好きになっただろう。
    次回は近松門左衛門の「心中天の網島」だというが、もう今から楽しみでならない。

  • 5時間10分。見応えたっぷりの満足感、充実感がよい。本編だけでなく、アフタートークも面白い。地獄の場が黙阿弥の原作どおりとはおどろいた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    EDOとTOKYO
     百両の金をめぐる因果の糸で結ばれた登場人物たちを緻密な構成で描いた黙阿弥の世話物ですが、原作戯曲を十分リスペクトしながらも緩急をつけわかりやすく現代性も取り入れた切り口で俳優陣の熱演も含め総力をあげて見事に再構成していた舞台作品になっていたと思います。
     最期の場面や復活させた「地獄の場」の上演の仕方にはいろいろあるとは思いますが、廓話も含め、黙阿弥の原作にほぼ沿った形のものを通しで今回観ることができたのはたいへんよい機会でした。
     上演時間は途中15分、25分の2回の休憩を含め約5時間(本公演は多少の変更の可能性あり)。

    ネタバレBOX

     所作やセリフの節回しなどいわゆる歌舞伎のそれとはやや違いますが、
    「大川端庚申塚の場」での「月もおぼろに白魚の」から始まるお嬢吉三の七五調の名科白などももちろんあり、幅広い層の方に楽しめる作品になっていると思います。
     今回の「三人吉三」だけでも台本構成や演出の仕方次第で、つかこうへいさんの「熱海殺人事件」ではありませんが、数多くのヴァリエーション作品を生み出せるのではないかという可能性を強く感じさせてくれました。
     第ニ幕最初の「地獄の場」は観客にとってはほぼ息の抜き所になっていて(逆に俳優陣は大変ですが)どうなるのかとおもってみていましたがきちんと本筋に戻ります(武井壮似の小林の朝比奈、例えば山本か中屋敷を呼んでおけばよかったといった内輪ネタ、じゃん拳ならぬ地獄拳など笑いどころには事欠きません)。
     また、幕末である当時の退廃的な世相と今の世相を絡ませる演出、特に最後の場面のところなどは蜷川演出の影響が少なからずあるのかなという印象も受けました。

     いわゆる古典あるいはそれに近いものを今の視点から再構築してみせてくれる作品は、シアタートラム「草枕」が現在上演中でこれも素晴らしい作品だと思います。
     また、今週はシアターウエストでは「三人吉三」、シアターイーストでは「蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~」という魅力的で強力なラインアップがそろって上演中です。

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