『Idiot~ドストエフスキー白痴より~』『コーカサスの白墨の輪』 公演情報 『Idiot~ドストエフスキー白痴より~』『コーカサスの白墨の輪』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    コーカサスの白墨の輪
    原作ブレヒト...戦争の絶えないコーサカスを舞台に、誇り高くも心根優しい人々が大胆に生き抜く寓話劇。
    戦時中の1944年、アメリカ亡命時代の最後の作品に、詩人ブレヒトが希望を託して描いた作品である。その希望を観たく劇場へ...

    ネタバレBOX

    独特の演出手法のように感じた。上手の和楽器の三奏者(ストーリーテラー、擬音・擬声も担当)の調べに乗り、”良心という誘惑”に導かれた結果、苦難の道を歩むことになる主人公グルシェ...その不条理を悲喜劇にした芝居は観応えがあった。

    領主が反乱軍に殺され、領主の子供が置き去りにされた。宮殿使用人・女グルシェは赤ん坊を見殺しにできず抱いて逃げる。そう、善への誘惑に勝てず、領主の赤ん坊を背負い込んでしまう。そして苦難の旅を続ける。やがて内乱が終わり、領主夫人が子供を連れ戻しにやってくる。産みの親と育ての親が対立したとき...
    一方、同じ時期に、飲んだくれの下級官吏が裁判官にさせられ、イカサマ判決を下し、貧しい者にも正しき裁きをする彼、アクダツは人々に束の間の奇跡の時代をもたらした。

    この二つの話が交差し、子供をめぐって開かれた裁判の行方は...本当に子供のことを思った母親は、育てた苦労が報われた。
    そして、心に残る場面 「この子供は領主の子と言えば、苦労なく育つが...」という問いに 「そうすれば、この子は黄金で人の頬を叩くかもしれない」と。
    そんな心魂揺さぶる名台詞が素晴らしい。

    次回公演にも期待しております。
  • 満足度★★★

    白痴
    東京ノーヴイ・レパートリーシアター公演「白痴」は、前から観たいと思っていた。原作はドストエフスキー...その描く内容は、善良で美しい心根を持った人間がその純粋であるがゆえに、周りの人々との関係で矛盾が浮き彫りになる。その過程を3時間30分(途中休憩含)で観せたが...

    ネタバレBOX

    脚本・演出はもちろん舞台美術(衣装・小物など)も良かったが、それに相応しい演技が伴っていなかったようだ。
    ワークショップ(途中休憩時の観客の発言、自分も同感)のようで、感情移入が出来なかった。その演技は、大げさで白々しく感じられる。その意味ではキャストは生(活)きていないようだ。

    スイスで てんかん の治療をしていたムィシュキン公爵が、数年ぶりにロシアに戻ってきた。その道中で知り合ったロゴージン、彼の運命の女性ナスターシャ、そして公爵に思いを寄せるアグラーヤ、4人の複雑な関係は以外な結末へと進む。
    その内容は、現代社会における合理主義に対し、もう少し人間主体という視点で物事を考えられないか。いつの時代にも問われる普遍、そして実存する対象を優しく見守る目を持ちたいと思う。そんな人間本質を鋭く問う芝居と期待したが...。もう少し演劇の力を観せてほしかった。

    翻訳本を読み、その皮肉と悲哀がどう描かれるのか楽しみにしていただけに残念であった。

    次回公演を楽しみにしております。

このページのQRコードです。

拡大