満足度★★★★★
死に際でとちってたまるかよ
以前は地方に住んでいたため、つかこうへいとの出会いは、エッセイや小説が最初であり、その後映画であった。舞台を観たのは阿部ちゃんのモンテカルロが最初だったと思う。生涯という作品に関しては、小説のポックリソングを30年以上前に読んだのだが、未だに鮮明に記憶に残っている。やはり台詞が強烈なんでしょうね。奇しくも先日のNHKでラジオドラマが再放送されたのだが、偶然というにはあまりに出来過ぎている。つかさんの魂が呼び寄せたのではと思ってしまう。
渡辺、小川、高野のチーム、前作も良かったが、今回はそれ以上に熱が入っていた。死に際のじーさんが元気過ぎるような気もしたが、それだけ死に際にかけているということなのでしょう。終活なんて言葉がなかった時代にこの作品、どれだけ先を見据えていたのでしょうか。つかさんの発想力にはいつもながら驚かされます。
次回作はかけおちとのこと、1983年にNHKで見たとき、やはり強烈な記憶を残した作品です。また楽しみが増えました。
満足度★★★
秋の夜長に汗だくの熱演
つかこうへいの初期の作品を40年ぶり再演。北区つかこうへい劇団に所属していたメンバーが結成したユニットといい、演技の実力は折り紙付き。汗ほとばしる舞台に引き込まれる。
強烈な会話劇。狭い舞台を駆け回るようなアクションもある。40年前の上演もこんな感じだったのかどうかは分からないが、小劇場の舞台では、相当な迫力をもって迫ってくる。
長~いせりふも多く、役者さんは大変だ。つか作品の有名どころと比べると、時代がかったところもあるせいか、ついていけない人もいるかも。上の説明文には「あえて老醜をさらす」とあるが、俳優さんが若いせいか、老醜という感じはない。むしろ、健康な成人男子のはつらつとした勢いに圧倒されてしまう。やり過ぎ感がある、とでもいうのだろうか。このあたりが違和感のあるところ。
つか作品独特の笑いを期待してみたが、初期作品のせいだろうか。ちょっと物足りないように感じた。もっとも、主に笑いを取る作品ではないのだろうから、このあたりは筋違いの期待かも。