満足度★★★★
静かな舞台
静かで淡々としたペースで進み、決して静止しているような話ではないが、漱石先生の走馬灯を野良猫気分で縁側から眺めつつ、その文芸舞台を見ているような感じ。滋味深く照明遣いが派手さとは無縁だけど、印象的だった。
ステージの広さを活かすような猫まっしぐらのシーンはないけど、もう少し狭めのステージの方が見やすかったかも。
漱石先生、正岡子規さん、メス猫さんたちが印象に残った。
約110分。
満足度★★★★★
「間」で描く幻想
他のレビュアーの皆さんも仰っていますが、とても静かで俳優や裏方同士の「間」がすべてと言っても良い舞台だと思います。ただ、「面白い!!」と思えるようになるには、少しばかりの準備が必要だと思います。ネットで良いので夏目漱石の過去と交友関係について、多少の知識と想像力があれば、とても興味深く中毒性のある舞台だと思います。谷氏の作品の中では一番テキスト量が少ないかもしれませんが、一番演出力の見せ所な作品かもしれません。もう一度見てみたいですね。
満足度★★★★
静謐
静謐な空気感。
役者の存在感を色濃く感じました。
心に突き刺さるセリフが所々にちりばめられている。
前作の時も感じたが、見終わった後、全体の印象よりも、セリフを単体で思い出し、心地よい苦味を感じている。
満足度★★★★
明治のリアリティ
事実に忠実に漱石が描かれているようで、気難しい性格ということもあり一見かなり地味な印象の舞台になった。しかし、全体的に暗いトーンと当時そのままの衣装が明治のリアリティを強く感じさせ、役者陣の抑揚を抑えた質の高い演技も光っていた。
障子と襖を利用してセットを作り、組み換えて転換させ(室内と室外の逆転も)、さらに障子に映す影で演技を見せるなどの工夫は見事だった(過去に類似の技法を観たことがあるがここまでのものは無かった)。
満足度★★★★
吾輩は見た
傍らにいた猫たちが見た人間・漱石。走馬灯ならぬ走ニャー灯。ライフ・イズ・疑心暗鬼。河童と一転して淡々とした舞台なので、若干の集中力は必要かもね。