○○階から望む 〜集合住宅編〜 公演情報 ○○階から望む 〜集合住宅編〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    ソロダブルビル/約60分
     Baobab主宰の北尾亘とメンバーの米田沙織が順にソロダンスを披露。
     
     じつは本公演に先立ってこちらのほうも観てました。

     なんでも、各自の世界観を尊重すべく互いの作品には一切口出ししなかったそうで、それぞれがそれぞれの舞踊世界を展開。

     ツカミが強烈だったこともあり、どちらかと言うと私には北尾作品のほうが楽しめた。

    ネタバレBOX

    『鴨が葱しょって』と題された北尾作品では、葱ならぬリュックをしょって現れた北尾さんがJ-POPのヒットチューンをバックにのっけからフルスロットルで踊り出してビックリ!
    操り人形の如き機械的でギクシャクした動きの中にどこか柔軟性をも感じさせるユニークなダンスを超高速でエネルギッシュに踊りきって、その圧倒的な演舞に目は釘付けに!!

    このキャッチーなオープニングパフォーマンスから一転、以後は床に這いつくばって身悶えるように踊ったりとやや取っつきづらいダンスが続いたが、オープニングでつかまれたので余勢で観ることができた。

    米田沙織の『舌足らず、ダリア泣ク。』は、電車で立ったまま寝入った人が右へ左へ身を傾がせる様子を舞踊化したような独特のダンスからスタート。

    これが面白くて期待したものの、以後のダンスは最初のダンスに比べると具象性に欠け、残念ながらよく分からなかった。

    ダンスは理解するのでなく感じるものなのかもしれないが、ダンスを見慣れてない私はどうしたって意味を求めてしまう。
     
  • 満足度★★★★★

    群舞によって都市に生きる人々を生々しく表現した素晴らしいダンス公演。劇伴音楽も◎。/約70分
    都市部のマンションの各階、各部屋に住む住人達の生態をキャスト6人が群舞で表現。

    ダンス公演は見慣れていないが、ここまでの表現がダンスには可能なのかと驚き入った。

    群舞と言っても、一部の場面を除いて動きは揃っておらず、むしろ、てんでバラバラな動きを通して住人達の生活サイクルの違い、相互不干渉、といったものを表現している印象。
    そこに家族世帯はなく、皆が単身者のように見えるのがいかにも都市部のマンションらしい。

    客席から住人各自の暮らしぶりを一望のもとに眺めるのは、実際にはありえないスケルトンのマンションに暮らす彼らを少し離れた場所から観察しているかのようで、ずっと見続けるうち想起されるのは、当日パンフでも言及されていた蟻の巣穴キット。

    樹脂が詰まった透明な板の中で蟻たちが樹脂に巣穴を掘り、巣穴を拠点に暮らす様子が一望できるあのキットを見ている気分にさせられながらも、しかし私には、キャストたちが蟻というよりゴキブリに見えた。

    本作は床を這いずりながら身悶えるように踊るダンスが目立ち、粘着的に踊るその姿が逆境にもめげずしぶとく粘り強く生き続けるゴキブリを私に想起させたのだ。

    しかし私はこれに打たれた。

    ネタバレに記したアクションを色んなキャストが繰り返すことにより、本作は一方で死を強く想起させるが、まだ死なない者らは厳しく淋しく味気ない都市生活という逆境に耐えながら頑張って生きている。

    私はそんなメッセージを本作から勝手に受け取り、大きく力づけられた次第。

    生命力の乏しさをかねてから痛感している私だが、そんな私も神の目には、ゴキブリのようにしぶとく生きる野蛮な生き物に見えているのに違いない。

    ネタバレBOX

    本作は、特に終盤、飛び降りを思わせるアクションが頻出。
    しかしその動きにすら生の躍動感が感じられ、自殺に駆られる人間とても事切れるその時までは生きる力に満ち満ちているのだと感じた私は妙な感動を覚えた。

  • 満足度★★★★★

    D-incline projectとは?
    Baobabの第二段階とでも位置づけられよう。第一段階で目指された身体のみならず人間を描くというテーゼから、身体性と抽象性に重点を移した創作になっている。

    ネタバレBOX


     マイムとダンスの差は、マイムの場合、具体的で実際の事象を身体を用いた形態模写で表現するが、ダンスは、より抽象的で、必ずしも具体的な何かを模写しているわけではない。いわば、音楽に似た表現形態を採ると言えよう。従って、今作でも、居住空間に於いて身体を立ち上げるとは如何なることか? が追求されたり、Baobabのダンサーたちが、構築しているのが、生活の再現であるのか? 等々が、良く考えられ工夫された舞台装置やデザイン、色彩とセンスの良い照明、BGMとBGM無しの対比などに適宜用いられる映像表現とのコラボレーション。ダンサーたちのバリエーションに富んだコラボレーションやソロの組み合わせ等々を通じて展開される。
     殊に、主催の北尾 亘のダンスは見事である。難易度の高い動きを舞台の縁で演じることによって客席に緊張感を持たせる演技、動から静へ至る時の止めの確かさ、足指の先から手指の先迄エネルギーを集中させ、コントロールした動きは、演技を実に大きく見せる。他のダンサーと至近距離で踊る際の動体視力の良さも抜群である。
     傳川 光留のジャンプ力、身体能力の高さも評価したい。役者も兼任しているので、これからは、演技、ダンス双方で活躍して貰いたい。
     女性ダンサーでは田中 かおりの切れのあるダンスがグー。何れにせよ、出演者のダンス技術は高い。抽象度は高いものの、時間的経過等を勘案しながら観れば、結構想像は外れない。また、ダンサー全員によるコラボレーション場面の美しさは、其々が、異なる動きをしていることも考えると、稀有な美しさを実現したものとして、高く評価したい。その後に繋がる映像では、生命そのものをミクロで捉えたような抽象映像であることによって観客の想像力を刺激し、更に続く映像では、プリミティブな絵のような表象で走る二人の人物を表したようなイマージュが映し出される。と共にダンスが行われることによって、未来への希望さえ感じさせる。様々なチャレンジのある公演である。
  • 満足度★★★★

    たまには
    ダンスパフォーマンスも

    ネタバレBOX

    コンテンポラリーダンスは分からんですが、子育てしたり、通勤地獄に遭ったり、洋服を掛けたりしていたので、「自室階から臨む」かなと思いました。

    ラスト近くで二人のダンサーが揃った動きをした部分もありましたが、ほとんどは5人中3人が各自パフォーマンスをするといった感じでした。

    ラストのハンモックに飛び込むパフォーマンスには驚きました。
  • 満足度★★★★★


    ダンスにしては凝ったセット。集合住宅の不思議な人間関係(無関係)の感覚が面白い。もうひとまわり広い会場でも観てみたい。

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