瀕死の王さま 公演情報 瀕死の王さま」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    面白い! 他の上演例も観てみたい!!/約85分
    イヨネスコの名前だけは知っていたものの、人物についても、この作品についても、ほとんど何も分からないままに観劇。

    もうじき死ぬといきなり告げられたある国の国王が、二人の王妃や側近たちを巻き込んで最後の悪あがきを繰り広げる。

    「あなたは死ぬんですよ、この芝居の終わりに」
    なんてメタ演劇チックなセリフがあったりして、とても難解な劇なのかと思いきや、何の予備知識も無しに観たこの私でも十二分に楽しめたのは、エスプリの利いたやり取りが続く戯曲自体の面白さと、そしておそらくは、王様役で主演も務めた斎藤歩による演出の賜物。

    なにせ初見なので典型的な演出例を知らないが、この札幌座版は戯曲の持つ滑稽味を強調するかのようにテンポよく、そしてドタバタ色を強く打ち出して演じられ、作品が大きく転調する終盤に至るまでは、たいそう愉快な気分で鑑賞。
    作品を壊さない程度に時事的なギャグや楽屋オチさえ盛り込まれていて、声を出して笑ったこともたびたび。
    斎藤さんの演じる飄々とした王様のキャラクターが可笑しみを倍加させていた。

    個人的には、王の衰退と歩調を合わせて落ちぶれてゆく王国の様子を言葉巧みに表現した一連の会話をとりわけ堪能。
    王国のひどい没落ぶりをありえない事例を列挙して言い表してゆくシュールでぶっ飛んだやり取りにグイッと心をつかまれた。

    若い第二王妃を演じた坂本祐以さんという女優さんが溌剌として可愛く、その魅力にもやられました...(*'-'*)

  • 満足度★★★★★

    コンパクトで派手で
    2010年にレパートリーシアターKAZEで観たものよりも王様が惨めったらしくなく、面白く分かり易かったように思います。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットには各役者の役名と共に台詞の一部が載っていて、見開き左上の第一王妃の言葉に物語の本質が書いてあったように思います。

    王様は死ぬことは知っていましたが自分の死は当分先だと思っていました。そして、王様は火薬を発明し、宗教改革をし、宗教改革反対派を支援もしました。要するに、王様は全ての人間そのものでした。

    王様の死は他人事ではなく、環境に影響を与え、環境から影響を受けた人間、あるいは生物の一部として、その時が来たら静かに消えようと思いました。

    第二王妃役の坂本祐以さんがきゃりーぱみゅぱみゅさんのように見えてしまいました。
  • 満足度★★★

    死の概念
    面白い。80分。

    ネタバレBOX

    若い第二王妃マリー(坂本祐以)とイチャイチャしてて、国が破綻しかけて、国王(斉藤歩)もあと1時間の命という玉座の間。第一王妃マルグリット(橋口幸絵)と外科医(弦巻啓太)は、国王に生を諦めさそうと説得をするが、国王はあーだこーだとわめき散らすばかりで…。

    ユーモラスな調子を保ちつつ、人生の真理的?なセリフが溢れる舞台。イヨネスコ作品ってのもあるのかもしれないけど、中盤以降の滞留した感じがどうもしっくりこなかった。「授業」は全編的に面白いと思ったけど。
    演技は皆特徴的でいい感じだった。
  • 満足度★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    王様の残りの人生が僅か1時間ちょっと。
    決して悲観的にならず、コメディ調に展開していたのが救いかな。
    特別に際立った箇所がなかったの残念。
  • 満足度★★★★★

    ザリガニ釣りより面白い
    なんとなく観に行ったら、凄く面白かった(苦笑

    そうなんだよな、イヨネスコなんていうとフランスのエスプリ的な
    シンプルで落ち着いた不条理を思い浮かべるけど、
    所詮ルーマニア人なんだからもっと雑然としてガヤガヤして勢いのあるくらいでちょうど良い。
    (マジメな顔しててもお前大阪人なんだろ的な←他意はありません。ただ大阪市内に入るとやたら口の中がパサつく話が耳に入る

    ジプシーの行き交う平原と黒海の異国の船とが出会う場所@ドナウ・なんだからなぁ。

    戦後感もどことなくあったし。

    イヨネスコの舞台には大戦後の虚無感みたいのが漂ってないと、
    なんか無機質な舞台に感じられて・・ミニマリズムが似合わないというのか、逆に(苦笑

    近所の駒場の小学生たち(特に注射が嫌いな)におススメ。
    自分も小学校のころ、この近くの東山の公園でザリガニ釣りに夢中になってないで
    こういう舞台を観たかったな、なんてなぁ・・♨

    ネタバレBOX

    「瀕死の王さま」なんて言うと、
    イヨネスコの年代的にはやっぱロートっぽく
    オーストア=ハンガリー帝国の残滓っしょ、
    という気もするんだが、なんとなく、
    これはシングの西の国から来たプレイボーイっぽく
    アメリカと、なんか日本の未来の姿っぽくアレンジしてる気もして、
    そこが微妙に現代っぽくも見え(まぁそういうのは人それぞれだけど
    そこがちょっと面白いなと言う気もしたりした♨

    あと、最期に残るのが聴覚と言うところを
    微妙に暗くなり過ぎずに演出している所も・・

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