懐郷物語 公演情報 懐郷物語」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    引っ張られた作品でした
    客演に鈴木区の戸田さん、ということで劇団についてはあまり知らずに劇場に入り、パンフレット?ともいえる週刊EOEなる読み物に目を通す。…………………すごいハードな劇団のようで戸田さん大丈夫かなぁと心配になりつつ。よく観てみたら先日ハイジャックさんで拝見した本田一誓さんも出演。どんな役なのかと思ったら真面目な話なのに終始裸ネクタイ。触れられもせずどういうことなんだ…翌日に池袋でスタッフとして働いていた本田さんをお見かけした時に妙に恥ずかしかったわたしです…。
    この劇団さんは本格的な指導を日々行っているのが長所であり欠点なのかな。本作の主人公であった女優が一月前に退団、絶対的エースも今作で退団。新人の泊さんいきなりの主人公抜擢でさぞや苦しい日々であっただろう(稽古中に倒れたとか…)しかしとてもいい女優である印象。気軽に行ったけど、退団続きの劇団さんは不信でなかなか行きづらいかもしれない(あくまでも私的見解)

    さて内容については天草がいきなり敵国に侵略され天草を独立国家とし、一人の女性が首相に選ばれ、天草をそして愛する彼や友達をどう救うか、そんな話。あとはネタバレへ。

    ネタバレBOX

    シスターと主人公で最後は天草に原爆を落として特攻していくのだけど、突っ込む先にはプロポーズの返事がまだ済んでない彼も残っていて…悲しいけど、幸せになれたのかなぁ。結ばれたってことかなぁ。残された幼なじみや長官たちは天草をまた守り育ててくれるのかなぁ。シスターは生まれ変わったらふつーの女の子として、恋をして幸せに健やかな女性として暮らしていただきたいです。いいお話だなと思いましたよ。難しい政治のことはわかんないのですが。
  • 満足度★★★★

    天草に原爆を落とす日
    さよなら、なつやすみ の発展的作品である本作もまた、つかこうへいの広島に原爆を落とす日のオマージュ的作品と考える。前作では普天間に原爆を落とさなかったが、今回は愛を貫くため、天草に原爆を落とした。この結末をみても、よりつか作品に近いものとなっている気がしている。明日は馬場徹の広島に原爆を落とす日を見に行く予定であるが、再度検証してみたい。
    今回初舞台で主演をした泊さん、課題は多いが、度胸は大いに買えた。今後の成長を期待している。
    客演の戸田さん、この人の舞台を見るのは弁護士バイロン以来であったが、EOEに似合う女優さんでした。何より演技が上手い。
    なお、今回をもって看板女優の絶対エース平澤有彩が卒業を発表した。しかしこれは新たな出発であり、むしろ我々ファンにとっては残念に思うのではなく、喜ぶべきことかも知れない。今回は一人二役という新境地をも魅せてくれた。恐らく今後はEOEでの客演も含め、いろんな場所で彼女の熱演を見ることができるようになるだろう。今後の劇団EOEの発展と、平澤有彩の活躍を祈るばかりである、

  • 満足度★★★★

    一所懸命だが
     軍事を物語る場合は、地理的、政治的、国際的視野をもう少し広げておいた方が良い。また、念を形にする時、リアリティーが不足であれば、作家の最も深い所から立ちあがってくる照れなりなんなりがないと、容認される巾が狭まる。(追記2014.9.18)

    ネタバレBOX

     シナリオに描かれているテーマ、テーゼに一切新味が無い。これは決定的なマイナスである。外界から断絶する、させることを良くやってきたようであるが、恐らくは、それが原因であろう。何でも縛れば良いというものではない。寧ろ、基本だけ教えてあとはほっぽり出す方が、優れたものを生みだすのではなかろうか? 今日、拝見した作品は、つか こうへいに似たテイストを感じはしたし、ある部分、役者の熱気などは、つか全盛期の時代の役者の演じた熱気をフィルムで観たことしかない自分は、そのフィルムから感じたのと似た感触を受けた。然し、舞台のそれでは無論ない。

     唯、自分にも、観終わって暫く金縛りにあった舞台がある。その時、同じ舞台を観ていた観客全員が、自分と同じ状態であった。終演の瞬間、会場は水を打ったように異様な緊張感を伴った沈黙に包まれた。誰もが息を呑んで、静まり返ってしまった。暫くして、其々が我に帰るや否や、割れるような拍手が起こった。大阪の劇団、Mayが、タイニイアリスで演じた「風の市」上演の際である。自分が、小劇場演劇に嵌ったのは、この公演を観たからである。演劇にはそれほどの衝撃力があるが、そんな舞台は、千本に1本位のものだろう。シナリオ、演出、音響、照明、演技、文化・歴史的背景等々が、渾然一体となって、観客のイマジネーションを最大限に揺すぶり、感応させ、至高の高みと地獄の底を引きずり回して魂の底の底までカオティックな熱で焼くとき観客は、身も心も役者や舞台と溶け、交わって壮大なイマージュの時空を創造するのである。
     このような舞台を作り上げる為には、外の世界を知り、自らを知り、真に葛藤しなければならない。魂の鍛錬を、このような精神的レベルに於いて行って初めて、「風の市」のような傑作が生まれるのだ。肉体的な鍛錬は、この魂の鍛錬に比べれば、負荷は軽いと言わねばならない。なぜならば、それは、無限を相手にするわけではないからだ。

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