星の結び目 公演情報 星の結び目」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-12件 / 12件中
  • 感想遅れました
    ハイリンドの多根さんよかったです。
    皆さんの演技力は高かったのですが世界観には入り込めず。私用で途中退出してしまい申し訳なかったです

  • 満足度★★★★★

    流石
    なんとも その時代を感じさせる
    役者さんの所作や話し方 流石青組だ

    前回も感じたが とにかく日本語がこれほど美しく感じるのは
    この劇団特有だ

    特にUPDOWNが激しいわけでもないし
    きっと日常とはこうなんだろうというのに
    そこに居る人の感情が伝わってくる
    これはキャストさんのスキルが高いのだろう
    DVDがないのが 非常に残念

  • 満足度★★★★★

    光・影・声・歌・・・
    たくさんのものが融合して、こんなに素晴らしい世界が広がった。それを観られた自分を幸せだと思います。本当に観てよかった。そして、この戯曲を、より強く際立たせることができたのは、キャストの皆さんの力量に他なりません。すごい、です。言葉が出ませんでした。

  • 満足度★★★★★

    とてもよい
    なんでこんなに昭和や大正を血の通った描き方ができるのだろう。駒場公演からさらに磨きがかかった。

  • 満足度★★★★

    その歌の軽さに満ちるボリューム感
    初日を拝見。

    アゴラで観たときと、物語の構造が変わっているわけではないのですが、
    舞台の広さに役者たちの力がさらに解き放たれていたように
    感じました。

    時代と、一人ずつの歩む時間が、
    その想いと共にしっかりと観る側に置かれる舞台でした。
    また、それらを紡ぐ役者たちの力を
    ひとりずつ、がっつりと、味わうことができました。

    ネタバレBOX

    正直にいうと、
    初日はまだ、役者たちが舞台の広さに対して
    折り合いをつけきれていない部分もありました。
    特に、いくつかの時間が平行して進む場面では
    舞台全体のテンションにムラを感じ部分があったのも事実。
    でも、それは、上演を重ね役者たちの舞台上での呼吸が馴染めば
    きっと逆に膨らみに変わっていくような余白にも思えた。

    役者達の一人ずつが、単に物語を紡ぐのではなく、
    常に刹那毎のロールの息遣いで刹那を織り上げていて。
    だから、時間の歩みを、その家の肌触りとして感じることができる。
    もちろん、外を流れる時間も垣間見えるのですが、
    観る側は、あくまでも、その家の出来事の質感として
    その歩みを感じ続けていくことができる。

    華やかな時代、やがて凋落していく感覚、それぞれの想いと矜持。
    広さにぶれることなく、繊細さを滅失させることのない
    役者たちのロールの貫きが、
    一つずつの空間に実存感を与え、その歩みを混濁させることなく
    淡々と、クリアで、どこか鈍色に染まった、
    その時間の感触に観る側を閉じ込めてしまう。

    始まりと終わり、物語の両端が結ばれたとき、
    その時代を生き抜いた3人の歩みと
    彼らとともにその日々を歩んだ登場人物たちの
    不用意な重さのない、
    どこか達観したボリューム感にしっかりと捉えられる。

    それにしても、
    冒頭に口ずさまれたこの歌が、
    この舞台には本当に馴染むよなぁ・・・。
    観る側に渡された物語の質量をしっかりと抱きつつ、
    ちょっと下世話な歌が不思議に染まりあった舞台上の「今」の感慨が
    終演後も霧散せず、ずっと残ったことでした。
  • 満足度★★★★★

    無題1160(14-208)
    19:30の回(曇)。18:35会場着、受付(全席指定)。青☆組は4作目、吉田さんは「Butterflies〜」を2バージョン(2013/2…こちらでは渋谷さん、吉田さん&11)。

    広い会場でどうだろうかと思っていましたが、縦と横とを組み合わせたセットでした。左右いっぱいに廊下、手前/奥に段差。上手客席寄りに白い大きな円台。その奥に木戸のようなもの、天井からは数本、布上のものや灯りが垂れています。静謐、厳かな佇まい。オリジナルTシャツを着て誘導をする女性は吉田さんでした。

    19:26女性が舞台へ、掃除を始める…19:31前説(130分、いつものように優しい語り)、19:36まだ受付待ちの方がいらしゃるそうで、やや押し、鳥の声〜21:49終演(ダブルコール)。アフタートーク21:53〜22:14。1階へ下りると、物販は終わっていたのでしょうか…。

    アフタートーク中、客席で大きな声で話をしている方がいて、これじゃ聞こえないな〜と思った時、最前列の方がお二人、同時に、振り向いて注意…その会話の主は関係者の方でした…(ーー;)

    縦横、視覚的に仕切られた空間と照明の組み合わせがとてもよく、果てしなく続く奥行きだったり、たった一人の空間であったりと自在に変化。白い紙を張った円台が積もった雪のようにも見え、灯りの濃淡が垂れている布の色合いすら変えてゆくのでした。

    時代と、戦争と、没落、父と母、闇市、アジア、梅、紫陽花…そして星と氷。回想シーンや時間の循環が巧み。

    多根さんは、てがみ座「地を渡る舟(2013/11)」で観ていました。

  • 満足度★★★★

    静かに
    毎度感動を覚えさせてくれるが、青☆組 の芝居はとても丁寧に作りこまれている。派手さはまったくないが、かといって地味かというとそんなことはない。
    時代時代にいろいろなことが起こるが、それでも時は流れ、人も少しづつ替って行く。見終わって心が清らかになった。

    狙いなのかもしれないが、かごから顔を出しいるねぎが少しへたったのが気になってしまった。われながら情けないい。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!!!
    目頭が熱くなりました。

    ネタバレBOX

    南京陥落の前辺りから少しずつ勢いがなくなった氷屋を営む吉永園の当主一家や奉公人たちの話。

    戦時色が濃くなると贅沢品が排除されるようになり、氷屋という商売が次第に成り立たなくなっていくことは分かっていても、日々の仕事を真面目にこなしていくしか方法がなく、結局は有事を乗り切ることはできませんでした。

    初演も観ており、そうだったそうだったと筋立てを思い出しながら観ていましたが、今回の方が感動したように思います。次第に没落していく様や、経理担当の榎本が出征するシーンなどはジーンと来ました。

    みんなどうなったんでしょうね。

    「お味噌汁の具を買いに」、同じネギの入った買い物かごは戦前には女中さんが持っていたものです。晩御飯のメインディッシュのはずなのに、魚や肉が買えないことを味噌汁の具という言葉で見栄を張ったとすれば、戦後のこの状況が完全には受け入れられない静子の心境が窺えます。

    ストーリーテラーも兼ねた福寿奈央さん、大活躍でした。ストーリーテラーを使う手法はあまり好きではないのですが、すぐに梅子やその叔母さん役に戻っていくのでさほど気にはなりませんでした。「星の流れに」を地で行ったような時を経ての幸せに本当に良かったと思います。

    荒井志郎さん演じる次男信雄が初代甚五郎を演じたところは跡取り問題の難しさを垣間見せてくれました。長男に家督を相続させるのはお家安泰のためには当然のことですが、外で生ませた次男が長男よりも自分に似ているとなると、一瞬の迷いぐらいはあったのでしょうかね。

    5月に観た『殺風景』で、大倉考二さん演じる長男が20~30年前の売春バーに出入りしていたお客とそっくりで、父親からすると実の子でないことが一目瞭然にも拘らずフツーに長男として扱っていたのを思い出し、二役の妙を再確認しました。

    奉公人の桂吉に我が子として育てられた吹雪と、芸者の小雪の二役を演じた小瀧万梨子さんは、脳天気な動と無口で艶っぽい静の使い分けが素敵でした。

    戦争で死んだ人もいれば生き残った人もいるでしょう。本当に気になります。せめて静子と榎本ぐらいは幸せにしてあげたいと願います。
  • 満足度★★★★★

    天に輝く美しい星を見つけたような作品
    ある「家」の、戦前・戦中、戦後期のドラマが丁寧に語られていく。
    戯曲も役者も演出も、衣装もセットもすべてが素晴らしい。
    お手本にできるぐらいのクオリティ。
    演劇好きの人には、どのようなタイプの人にでも、自信を持ってオススメできる作品。

    ネタバレBOX

    吉田小夏さんが時間堂のために書き下ろした作品を、自ら青☆組の作品として上演した。
    時間堂の『星の結び目』も、もちろん良かったのだが、やはりご本人の「意図」や「思い入れ」としての作品を是非観たいと思った。

    最初のシーンに奥様(吉永園の長女)役の渋谷はるかさんが登場する。
    この方の佇まい、台詞の発声で、「この作品はいい!」と即座に思った。

    梅子役の福寿奈央さんとの台詞自体がもちろんいいのだが、お嬢様だったこと、今は昔のような生活ではないこと、そして、何より自分が世間知らずではないか、と思っていることなどを、このわずかなシーンで見せてくれる。
    渋谷はるかさんで、この舞台一気に締まったと思うのだ。

    この方が物語の中心近くにいることで、そのほかの役者もじっくりと落ち着いて演技をしていたように思える。
    梅子だけでなく、その叔母も演じていた福寿奈央さんも、年齢をすっと飛び越えて2人を演じ分けていた。さらに彼女は、この作品のナビゲーター的な役割も担っているのだが、そこもまた少し別の顔を見せてくれるのだ。
    吉永園の次男・信雄とその父・初代甚五郎を演じる荒井志郎さんも、この作品では、いつもに増してさらに腰が据わっていて、両者の違いと「似たところ」をうまく表現していたと思う。
    この落ち着きが、吉永園を大きくした才覚があり、ひとクセある男を表現できていたと思うのだ。
    次女・八重子を演じた大西玲子さんも、ゆっくりと幼児になっていくのが上手い。
    女中の吹雪を演じた小瀧万梨子さんも、この作品の全体の、このトーンの中でああいった役は難しいと思うのだが、それをうまく演じていた。
    それぞれの役が、それぞれの大切なシーンできれいに浮かび上がる様は素晴らしい。

    1つひとつの台詞のトーンも会話の噛み合い方も、最高であった。
    そして、そのシーンのつなぎ方も上手く、美しく流れていく。
    嫌な議員が出てくるシーンでさえも、そう感じた。

    それぞれのシーンは、それぞれがまるで1本の短編集のように、深みがある。
    「言葉に出さない」「出せない」気持ちがどのシーンにも詰まっていて、台詞と細やかな演技、そしてそれを支える演出によって、それが感じ取れるのだ。

    梅子が次男・信雄に対して抱くほのかな恋心や、長男の甚五郎が妻に対しする気持ちうまく表現できないところ、さらに経理の山﨑と長女・静子の微妙な距離感、女中の吹雪を見る次女・八重子の暖かい視線、さらに父親・桂吉(藤川修二さん)がわずか1つの台詞だけなのに、その娘・吹雪に対する想いなど、本当に、1つの台詞、表情だけで、見事に表現していた。
    山﨑と静子が、花見のあとのシーンで向かい合って踊るシーンなどは、2人の言葉にできない気持ちが溢れていた。

    舞台とセットはやや高低差があり、演じるための2つの場があり、それらを廊下と階段でつなぐ。
    和テイストの照明が床や天井から下がる。
    このセットも品があり、美しい。

    役者の出入りのための場所が左右2個所ずつ、前後(客席通路を含む)2個所の、合計6個所あるが、この数はこの規模の劇場としては珍しくはない。
    しかし、その使い方が非常に巧みなのだ。

    気配を見せるため、例えば次女が母を想うときに、傘を差して現れる女性は、薄暗闇の中から「気配」を少しずつ見せてくるために、上手手前の長い通路から現れたり、女中たちが、お茶を持って現れたりするのも、その動線の必要性から上手、下手と分けてみせる。玄関から奥に入ってくる感じや、川に面する場所などの使い方など。
    2つの場の使い方もうまい。
    部屋などの空間だけでなく、時間も表す。
    空間と時間が重なりつつ、次のシーンを見せていくという巧みさもある。

    この舞台のサイズだからできること、と言ってしまえばそれまでなのだが、どんなサイズの劇場であったとしても、この舞台の使い方、演出のセンスは、まるでお手本のようであり、演劇をする人は観て得るモノが多いのではないかと思う。
    (それぐらいスムーズな場面展開や人の出し入れができていない公演が多いということなのだが)

    ラストは、余計な説明台詞がなく、上田と梅子が一緒になって去っていくシーンに、登場人物たちの歌う「星の流れに」で、暗転になる。
    この歌に歌われる女性であった梅子が、上田と出会えたことで、そういう境遇から抜け出すというシーンであり、自分のことではなくなったから、「歌える」ということなのだろう。だから、冒頭のシーンでも昔を思い出すように、この歌を口ずさむのだ。

    この作品のラストシーンは、なんとなく覚えていたので、歌が途中から女性だけのコーラスになり、暗転していく中で、「これはこのままで終わっていいのに」と思ったのだが、その後のラストシーンの短い台詞と役者の姿に泣かされた。

    その後の登場人物たちはどうなったのか、という後日談を挟まないところも、「物足りなさ」を感じさせるのではなく、多くを語らず、「それでいいのだ」と思わせる上品さがある。

    この作品は、親を知らなかったり、片親だったり、早くに親をなくした登場人物ばかりが登場する。
    そうした自分のアイデンティティの源泉ともいえる関係の喪失がある者たちが、兄弟や夫婦、さらに1つ屋根の下で暮らす他人とも「家族」のような関係を築いている(いく)様が描かれており、ラストの台詞はまさにそれをすべて言い切ったものであったのだ。

    だから心に響く。

    青☆組は本当にいい舞台を見せてくれる。
    吉田小夏さんは戯曲が素晴らしいと思っていたのだが、その演出も素晴らしいことに気が付いた作品であった。

    そうすると、オリジナルだけでなく、家族を描いた、他の作家の戯曲の演出も見てみたいと思う。イプセンとか。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしかったです!
    まるで小説を読んでいるような気分でした。役者の方々の演技がとても繊細で、当時の時代に溶け込むような自然かつ効果的な照明効果が印象的でした。初めて青☆組さんのお芝居を観させていただいたのですが、こんなに繊細なお芝居を今まで観たことがなかったので、とても青☆組さんを好きになりました。

  • 満足度★★★★★

    氷星
    冒頭の10分間で一族の栄枯盛衰を見せてしまう渋谷はるかさんが素晴らしい。
    この人の持つ品の良さと、背負っているものを感じさせる深い台詞が
    吉田小夏作品との相性も良く、その世界観を余すところなく表現している。
    叔母・姪の二代に渡って女中として仕えた梅子を演じた福寿奈央さんが
    時代を行きつ戻りつしながら「~ございます」調で語る構成もメリハリがあって良い。
    登場人物一人ひとりのドラマが魅力的なのは役者の力量もあると思う。
    吉永家を吹き抜ける風のような、あっという間の2時間15分。

    ネタバレBOX

    吉祥寺シアターの広い舞台は、高さを抑えた階段で屋敷の広がりを創り出している。

    冒頭、かつて吉永家の女中だった梅子(福寿奈央)が、戦後開いた和菓子屋を
    すっかり落ちぶれて地味ななりをした吉永静子(渋谷はるか)が訪れる。
    羽振りの良かった時代の面影もない静子が登場すると
    その仕草や言葉から過ぎ去った30年余りが色濃く立ちのぼるようで誠に素晴らしい。
    梅子の懐妊を素直に祝う静子自身の、喪ったものの大きさを思うと
    物語はまだ始まっていないのに、切なさに涙がこぼれる。

    この後梅子が、大正・昭和に渡る吉永家の出来事を生き生きと語り始める…。

    事業に成功して一代で財を成した初代吉永甚五郎と、
    その“直感と閃きで物事を決断する”気質を受け継いだ次男信雄の二役を演じた
    荒井志郎さん、共通項の多い親子ながら微妙な違いを丁寧に見せてとても良かった。

    不器用で横柄で、静子の支えなしには店をやって行けない二代目甚五郎役の
    多根周作さん、人より遅い成長を遂げる男を温かく演じていて巧い。

    先代から吉永家に仕える小池桂吉を演じた藤川修二さん、
    勤勉な仕事ぶりや、障がいのある娘に対するまなざしに加えて、
    血の通った台詞がいかにもあの時代の奉公人を彷彿とさせて秀逸。

    この作品で圧倒的な存在感を示す渋谷はるかさん、
    時代の空気をまとった凛とした台詞、丁寧な語尾、隙のない仕草など
    作者の世界観を見事に具現化していると思う。
    店の番頭、榎本三郎(西村壮悟)が出征する時、何かを言いかけた
    一瞬の躊躇と諦めが、彼女の人生で唯一“やり残した”ことだろうか。

    劇中唄われる「花嫁人形」と「星の流れに」が効果的。
    照明の繊細さと間が、余韻を残して素晴らしい。

    かき氷に砂糖をかけるという繊細な食べ物や
    亡き人の残した手紙、移ろいゆく季節の花など
    儚く消えて行くものたちに対する悲痛なまでの愛着が感じられる。
    全てはもう存在しない。
    存在しないが忘れることができない。
    吉田小夏作品には、“なかった事になどできない”という思いが満ちている。
    それを共有したくて、また劇場へ足を運ぶのである。

  • 満足度★★★★★

    着実にステップアップ
    いつも通り、美しい作品でした。今回は役者の力量にも魅せられました。

    大胆さと透明感を兼ね備えた福寿奈央。
    現在から過去を行きつ戻りつ、波瀾万丈な人生を表現した渋谷はるか(文学座)、早変わりも見ものです。
    大西玲子の演じた幼女・生娘も秀逸です。もちろん男優陣も。
    劇場が大きくなった分、芝居全体もスケールアップした感じです。
    キュンとなりながら、ホームドラマを観ているように面白く、堪能しました。

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